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ここでは、英語がちょっとだけ得意な中学2年生〜中学3年生、英語が普通にできるけど壁を感じている高校生、高校時代そこそこ英語は得意だった大学生、大昔英語を勉強したものの、今はそんなに英語を使っていない社会人に対するSSS英語学習法を簡単に解説します。
近くにSSS方式で教える教室があれば、そこに通うのは一番確実な方法です。それは、個人的に行うより、
100万語達成率が高いからです。しかし、必ずしも、自宅や学校・勤務先近くにSSS方式の英語教室やブッククラブがあるとは限りませんし、曜日や時間がぴったりあうともかぎりません。基本的に、下記程度の英文が読める力があって、ある程度強い意志があれば、十分に独習可能な方式ですので、ここでは、独習、あるいは会社や地域の英語サークルでSSS英語学習法を実行する場合の原則を紹介します。
※なお、次の英文を読んでわかる程度の英語力があれば十分です。
I have a pen. / I love you. / This is a pen./ I am a student
辞書無しで読んでわかるものを読むのが基本です。これは、SSS方式に限らず、すべての多読(Extensive Reading )の推進者の方が共通していっていることです。辞書を引くのは多くても1冊につき3語までにしましょう。それ以上引いていたら、読書を楽しむことはできません。英文を一語一語読んでいくのではなく、意味のまとまりとして読んでいくことができてはじめて読書を楽しむことができます。
ですから、1頁にわからない単語がほとんどない易しいと感じる本から始めるのがコツです。幸い、Penguin,Oxford,Heinemann,Cambridge等から、Graded Readers が外国人の英語学習者向けに出版されています。また、英語圏の児童向けの本で、外国人英語学習者に向いているものもいろいろ出版されています。(詳しくは、http://www.seg.co.jp/sss/review/SSS-osusume-yousho.htmをご覧下さい)
まずは、Level 0 の200-250語レベルのものから始めましょう。英語に相当自信のある方も、Level
0の本から、分速120words〜分速200wordsを基準に、順々にレベルをあげていく方が、将来的に速い読解力をつけることができます。
◆中学・高校生に対しては、最終的に分速200words位で読めるようになるように教室では指導しています。
ハリー・ポッターの朗読が分速170-180wordsですから、分速180words位で読めないと聴いてわかるようにならないからです。しかし、大人になってから始める場合には、初期の段階(多読開始後200万語以内)では、分速にあまりこだわらない方が良いと思います。分速80-100wordsで読んでいても、十分楽しめるとの報告が多数寄せられています。特に大人の方の場合には、自分が楽しめているかどうかを基準にレベルをあげていってください。100万語、200万語読んでいるうちに自然に読書速度も徐々に上がっていきますので、分速は気にせず楽しんで読んで下さい。
Graded Readers で取り上げられている基本単語は、各社によって微妙に異なっていますが、200語レベルから3800語レベルまでそろっています。(単語レベル表一覧)なので、各社の本を組み合わせて読み進めていくことにより、無理に単語を暗記したりすることなく、無理なく段階を追って単語を増やしていくことができます。今までそれなりに英語に触れてきていた方の標準スタートレベルが、Penguin Level 0(Easystarts)です。まず、このレベルで、1万語以上読んでください。参考までに、標準的な各レベル別の読書量を下記のような表にまとめてみましたが、読む冊数も下記の表にこだわる必要はまったくありません。同じレベルのGraded Readersの中にも読みやすさが大きく違うことがあるので、数値にこだわらず、自分が今読書を楽しめているかどうかの感覚を大事にして、適当にレベルを混ぜたり、上げたりして読書を勧めて下さい。実際の本の紹介はこちらへ
難易度 | 基本単語数 | 1冊あたり の総単語数 |
読む 冊数 |
読む時間 の目安 |
1冊あたりの読書 時間の目安 |
読書語数 | 累計読書語数 |
Level 0 | 200-250 | 1000 | 30 | 6時間 | 5〜10〜20 | 30,000 | 30,000 |
Level 1 | 300-400 | 3000 | 30 | 15時間 | 10〜30〜45 | 90,000 | 120,000 |
Level 2 | 600-800 | 7000 | 50 | 40時間 | 25〜60〜120 | 350,000 | 470,000 |
Level 3 | 1000-1300 | 11000 | 50 | 75時間 | 30〜90〜180 | 550,000 | 1,020,000 |
Level 4 | 1400-1900 | 20000 | 15 | 30時間 | 60〜120〜240 | 300,000 | 1,320,000 |
Level 5 | 1800-2800 | 28000 | 10 | 30時間 | 90〜180〜360 | 280,000 | 1,600,000 |
Level 6 | 2200-3800 | 30000 | 10 | 30時間 | 90〜180〜360 | 300,000 | 1,900,000 |
Level 7 | 4000-5000 | 50000 | 2 | 12時間 | 3h〜6h〜12h | 100,000 | 2,000,000 |
Level 8 | 4000-5000 | 100000 | 2 | 24時間 | 6h〜12h〜24h | 200,000 | 2,200,000 |
Level 9 | 4000-5000 | 180000 | 1 | 16時間 | 8h〜16h〜32h | 180,000 | 2,380,000 |
私達の経験では、早い方は100時間程度の読書で、遅い方でも200時間程度の読書で、100万語の読書を達成し、その段階で、小学校高学年向けの児童書が楽しめるようになります。、さらに、200万語の読書を達成すれば、相当厚い普通の英語の娯楽小説が、1頁1分〜4分、1冊8時間から32時間程度で読めるようになります。読書スピードは、内容についての予備知識の度合い、興味、字の大きさ、 行間などによってもだいぶ変わるので、あくまで目安として考えて下さい。しかし、1頁を読むのに5分を越すようでは、長続きは困難です。(分速 80 words - 150 words が訓練用のスピードです。読書を気楽に楽しむには、分速 150 words以上 で読めることをことが一つの目標として下さい。しかし、自分で楽しめているならば、分速が100wordsより遅くても気にする必要はありません。) Darren Shan や Famous Five、 Matilda
のような本格的な児童書 が読めるところまでいけば、しめたものです。後は、自分が読みたいものをどんどん読んでください。この段階になったら、必要に応じて、英英辞書を使ったり、英語の文法の本を読んでみるのも悪くはないでしょう。
※日本人の書いた英文法の本は、誤っているものが少なくないので注意。日本語で書かれた文法書を読むのなら、Native の人が書いた本か、通訳をやっている日本人の書いたものを読むようにしましょう
※分速は、毎回測る必要はありません。10万語に1度くらい、5分ほどでどの位よんでいるのかを測定すれば、それで十分です。また、測るのが苦痛な方は測定しないで、快感だけを基準にすすんでかまいません。
読む速度は毎週向上していくので、読書力がついたことを実感することができます。多読を始めた時は、週2時間(1日20分)程度の時間をかけて、毎週40頁(12000words)以上の読書をする習慣をつけて下さい。十分な時間をかけられる環境にある方は、週6時間−12時間程度の時間を作って、毎週100頁〜200頁をよみましょう。このペースなら、確実に半年〜1年間で、100万語を越す読書が可能です。100万語を超えた時点で、英語の長文に対する拒否感がほとんどなくなり、どんな文章でも、大意を素早くつかめるようになり、最終的に日本語の5割程度の速さで読書ができるようになることが、今までこのプログラムの参加者によって実証されています。また、多読は英語で考える力をつけるで、writing, speaking, listening の力も、多読によって向上することが多数報告されています。
内容的に強く興味のある本を、多少無理してもチャレンジするのは良いことですが、無理をして難しいものを読まないということも大事です。ときどき、レベルを下げて、速読をすることも効果的です。英語学習の視点からみれば、多読の初期の目的は、英語を意味のまとまり単位で読めるようになることです。そのためには、難しすぎる本を読むのは逆効果です。むしろ、軽快に読める本をたくさん読むのがよいのです。
多読をするときの心得は、
の3点です。より詳しくは、Graded Readers から Paperbacks へ(酒井邦秀)を参照下さい。
普通の学習法では、指定されたテキストを読まなければいけません。多読による学習法の良いところは、自分の好きな本を、好きな順番に、自分に固有のペースで読めるということです。また、読書後に試験も無いし、読書感想文を書く必要もありません。自分で分かって楽しめれば良いのです。楽しんで読書をすることによって、生の英語が自然に脳の深層に蓄積していきます。
しかし、初めから、自分で面白い本を選ぶのは困難なことです。とりあえず、すぐ自分で始めたい方のためには、SSS推薦英語多読セットがあります。また、一般の洋書店やAMAZON等で自分で本を選ぶ際の参考のために、難易度と面白さを書評のページで紹介してあります。また、各レベルの色々なシリーズを紹介したPageも用意してあります。もちろん、面白さは個人差があることをご承知おきください。なお、より詳しい解説は「快読100万語」(筑摩学芸文庫)および「今日から100万語」(日本実業出版)をご覧下さい。
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