英語って易しいの?

[掲示板: 〈過去ログ〉英語のことなんでも -- 最新メッセージID: 2495 // 時刻: 2024/7/18(02:51)]

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1640. 英語って易しいの?

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/18(20:41)

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まりあさん、みなさん:

今回のやりとり、感心しながら読ませてもらっています。その中で、次のご意見についてもう少し詳しく教えていただきたいです。

〉   いや、つい英語をやりたくなるのは、やっぱり英語がやさしいから
〉   ですよ。
〉   でる・です・でむ・でん かないません;;(^ ^);;
〉   独仏伊とも女性名詞・男性名詞に冠詞の変化、あっ形容詞の
〉   語尾も次が男性か女性かで変えたっけ?
〉   それで書き言葉が話し言葉と別にあるし..
〉   第2外国語って、「英語はやさしい」と実感させるために
〉   履修させられるんだなぁ、」と思ったことです。

単語のジェンダーや語形変化をややこしいと感じるのは、つまりその言語が難しいということなのだと、僕もずっと思っていました。

でも、昨年この掲示板の仲間に加えていただいてから段々と考えが変わってきました。こういう文法事項を難しいと感じるのは、多読などの自然なインプットがほとんど無い段階でいきなり文法をやるせいかもしれないと思うようになってきたのです。(日本の大学で行なわれてきたドイツ語やフランス語の授業って、1年目に文法を一通り勉強し、2年目があれば辞書を片手に原書の訳読というのが一般的でした。つまり文法から入る学習法だと言っても良いでしょう。)

欧州大陸の言語でも、入門者むけの多読教材が英語の様に沢山あり、十分に多読を経験してから文法の細部を学ぶ方法が確立されれば、難しいという印象も軽減できるかなー、などと思うようになってしまったのです。

実際のところはどうなのでしょう。教授法や学習法に起因する難しさを計算に入れても、英語はやはり易しいのですか?


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[う〜む] 1641. Re: 英語って易しいの?

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2007/11/18(21:33)

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"Ryotasanさん、今晩は。 まりあ@SSSです。

〉実際のところはどうなのでしょう。教授法や学習法に起因する難しさを計算に入れても、英語はやはり易しいのですか?

   非常に感覚的、主観的な意見を書いて申し訳ありません。
   これも経験的な意見になりますが、義弟がデュッセルドルフに
   転勤したとき、3歳から10歳までの子ども4人を連れていきました。
   4年間現地校に通ってドイツ語を覚え、帰国してから英語を
   学んだわけですが、「英語ってやさしい〜」と口を揃えて
   いました。そんなわけで、やっぱり英語ってやさしいんだな、
   と感じるようになっていたのですが、英語以外出来ない私の
   意見じゃしょうがありませんねぇ..
   ここは英・仏・伊三冠王の寅彦さんの意見など聞いてみたいですね。

   見ててくれないかしら、寅彦さん。
  
    

   
    


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1646. Re: 英語って易しいの?

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/19(12:31)

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〉"Ryotasanさん、今晩は。 まりあ@SSSです。

まりあさん今日は。急に寒くなりましたね。

〉〉実際のところはどうなのでしょう。教授法や学習法に起因する難しさを計算に入れても、英語はやはり易しいのですか?

〉   非常に感覚的、主観的な意見を書いて申し訳ありません。

根拠となる具体例も示しながら流暢に主張されていたので、感覚的・主観的なご意見だとは思っていませんでした。(^_^)

〉   これも経験的な意見になりますが、義弟がデュッセルドルフに
〉   転勤したとき、3歳から10歳までの子ども4人を連れていきました。
〉   4年間現地校に通ってドイツ語を覚え、帰国してから英語を
〉   学んだわけですが、「英語ってやさしい〜」と口を揃えて
〉   いました。そんなわけで、やっぱり英語ってやさしいんだな、
〉   と感じるようになっていたのですが、英語以外出来ない私の
〉   意見じゃしょうがありませんねぇ..

デュッセルドルフでドイツ語を身につけたお子さんたちのことは、以前にもどこかで書いてらっしゃいましたね。興味深い例として記憶に残っています。一般論とは別に、一人一人にとって易しい言語や難しい言語があることは覚えておくべきだと思います。それから、文法に限定して比較すればドイツ語やフランス語の方が複雑だと感じる人もいるでしょうね。

〉   ここは英・仏・伊三冠王の寅彦さんの意見など聞いてみたいですね。

〉   見ててくれないかしら、寅彦さん。

そうですね。僕も寅彦さんの意見を聞いてみたいです。


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1642. Re: 英語って易しいの?

お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp
投稿日: 2007/11/18(21:48)

------------------------------

Ryota さん

こんにちは、古川です。基本的に Ryotaさんと同じ考えです。
特定の言語が特に易しいということは無いと思います。
その理由は、

母語であれば、知っている限り(たいして知っているわけではないですが)
どの言葉でも子供の年齢により習得程度は同じだからです。

どの言語にも、易しい部分も難しい部分もあり、ある一定のレベルに
達するのにに必要な学習量(=その言語に触れる量)は同じではないでしょうか?
なぜなら、どんな言語を話す人間も、かなり複雑な行動や考え方をしているので
したがってそれを表現する複雑さはたいして変わりないと思います。

よく、日本語は「特殊な言語」なので学びにくいといわれますが、
日本に住んで、日本人を友達にもっている外国人の子供や大人(
例えば力士)は、非常にスムーズにみにつけていると思います、

もちろん、文法、語彙が似ている言語を学ぶ場合と、
全く違う場合にはだいぶ違うとは思います。

まりあさんのだした例は、ドイツ語をすでに学んだ人に
とっては、ドイツ語をいちから学んだときに比べて
英語を3番目の言語で学ぶ方が簡単だったという
解釈もできるような気がします。

英語がフランス語やドイツ語に比べて易しいとは個人的には
思えないです。


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1647. Re: 英語って易しいの?

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/19(14:36)

------------------------------

古川さん、今日は。

基本的に同じ主張でも、僕と違って科学的ですね。あいかわらず。

ご自身による異文化との接触体験や、一般的に知られている例など、
さまざまな角度から道筋をつけての考察は参考になります。

__________________

〉Ryota さん

〉こんにちは、古川です。基本的に Ryotaさんと同じ考えです。
〉特定の言語が特に易しいということは無いと思います。
〉その理由は、

〉母語であれば、知っている限り(たいして知っているわけではないですが)
〉どの言葉でも子供の年齢により習得程度は同じだからです。

〉どの言語にも、易しい部分も難しい部分もあり、ある一定のレベルに
〉達するのにに必要な学習量(=その言語に触れる量)は同じではないでしょうか?
〉なぜなら、どんな言語を話す人間も、かなり複雑な行動や考え方をしているので
〉したがってそれを表現する複雑さはたいして変わりないと思います。

〉よく、日本語は「特殊な言語」なので学びにくいといわれますが、
〉日本に住んで、日本人を友達にもっている外国人の子供や大人(
〉例えば力士)は、非常にスムーズにみにつけていると思います、

〉もちろん、文法、語彙が似ている言語を学ぶ場合と、
〉全く違う場合にはだいぶ違うとは思います。

〉まりあさんのだした例は、ドイツ語をすでに学んだ人に
〉とっては、ドイツ語をいちから学んだときに比べて
〉英語を3番目の言語で学ぶ方が簡単だったという
〉解釈もできるような気がします。

〉英語がフランス語やドイツ語に比べて易しいとは個人的には
〉思えないです。


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[喜] 1648. Re: 英語って易しいの?

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2007/11/19(20:08)

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古川@SSSさん、Ryota さん、みなさん今晩は。 まりあ@SSSです。

〉こんにちは、古川です。基本的に Ryotaさんと同じ考えです。
〉特定の言語が特に易しいということは無いと思います。
〉その理由は、

   どの民族にも、どの言語にも優劣はありません。
   そうしたヒューマニズム論が投影されているように感じます。
   優劣はないけれど、難易の差はあると思わざるを得ません。 

〉母語であれば、知っている限り(たいして知っているわけではないですが)
〉どの言葉でも子供の年齢により習得程度は同じだからです。

   6歳くらいまでの子どもについてはそのようにいって良いように
   感じます。客観的根拠はありませんから、主観的ですみません。

〉どの言語にも、易しい部分も難しい部分もあり、ある一定のレベルに
〉達するのにに必要な学習量(=その言語に触れる量)は同じではないでしょうか?

   成人するまでに母語に触れる量は同じようなものでしょう。
   でも、学校で受ける母語教育の量は異なっています。
   母語教育にかなりの時間をかける国と、そうでない国が
   あります。

〉なぜなら、どんな言語を話す人間も、かなり複雑な行動や考え方をしているので
〉したがってそれを表現する複雑さはたいして変わりないと思います。

   ここは同意します。

〉よく、日本語は「特殊な言語」なので学びにくいといわれますが、
〉日本に住んで、日本人を友達にもっている外国人の子供や大人(
〉例えば力士)は、非常にスムーズにみにつけていると思います、

   日本語は、英語よりやさしく、現在先進国といわれている国の
   言語のうち、最も易しいだろうと推定しています。
   
   ひとつは、リスニングがたやすいことで、まったく別の言語
   体系を母語とする人にも、日本語の母音の聞き分けには訓練を
   必要としない、とアメリカの言語研究所の実験結果を示した
   本を読んだことがあります。本が見あたらず、出典を明示できず
   申し訳ありません。ベストセラーになったCD付きの新書版の
   リスニング練習の本なんですが...

   もう一つは、日本の国語教育は、大変文芸的側面に偏っており、
   文字と語彙の学習以外は文芸作品の読解にあてられ、日本語の
   表現練習をしないことです。最近表現練習の必要性を叫ぶ人が
   ようやく出てきましたが。
    *表現練習とは、いわゆる作文ではなく、今日の天候を記述する
     とか、見せられた品物の説明文を書くといった、客観的説明文
     を正しい文法で綴る練習です
   こうした訓練を行わなかったのは、日本語がやさしく、放って
   おいても成人する頃には正しく日本語が運用出来るようになる
   のが普通だからではないでしょうか? つまり日本語はやさしい。

   多読を始めて学習用レベル別絵本の存在を知りましたが、日本に
   これに相当するものがありません。Berenstain Bearのようなもの
   児童書にも明らかに語彙増強を意識している本がたくさんあり
   ますが、日本語にはあまりそういう傾向の本は見あたりません。
   不幸本とかね。

   日本語は、家族や友人との会話など社会生活で習得出来、読書は
   既に獲得した日本語力を利用して、文芸作品に触れることを
   目的として書かれていると感じます。

   成人に達するまでに学習する母国語学習量には、国により相違が
   あります。日本よりアメリカの方が多く、ヨーロッパはさらに
   多いです。フランス人はフランス語ばっかり勉強するから
   科学技術が遅れる、と嘆く人もいました。

   古川さんのいわれるように、「ある一定のレベルに達するのに
   必要な学習量(=その言語に触れる量)は同じ」であるとすると、
   成人に達するまでに受ける母語教育の少ない日本語はやさしい、
   ということになります。

   日本語がやさしいから、外国語学習についても取り組みが甘い。
   それも日本人が外国語が出来ない理由のひとつだと思います。

   とかく、言語の難易度を論ずると、優劣論と混同してヒューマニズム
   の観点から反撃されることがあり、地雷です。
   難しい言語が優れている、やさしい言語は劣る、と評価しているの
   ではありませんから、ヒューマニズム論で反撃しないで下さい。

   正直に言うと、どんな言語でも人間に必要なことは表現できる
   のだから、習得がやさしいのは便利で良い、という母語をひいき
   する気持ちはありますが...
    
 〉もちろん、文法、語彙が似ている言語を学ぶ場合と、
〉全く違う場合にはだいぶ違うとは思います。

   これは、言語そのものの難易度ではなく、「ある国の人にとって」
   別の特定の言語が学びやすいかどうかで、これには難易の差が
   あることは、どなたも異存のない部分でしょうね。

〉まりあさんのだした例は、ドイツ語をすでに学んだ人に
〉とっては、ドイツ語をいちから学んだときに比べて
〉英語を3番目の言語で学ぶ方が簡単だったという
〉解釈もできるような気がします。

   これは確かにそうですね。


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1649. 英語は易しい? 寅です

お名前: 寅彦 http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
投稿日: 2007/11/19(23:33)

------------------------------

寅彦です。
お招き頂き、ありがとうございます。

言語固有の難易度か、その人にとっての難易度かという話が出ていたようです。

言語固有の難易度という問題は、言語学者にとっては興味深い話かもしれませんが、証券会社の経理マンの私はあまり興味がそそられず、また、きっと研究しようにもいろいろな条件を揃えるのが大変で、結果の比較が正しくできるのだろうかと心配してしまいます。
(二言語間で、幼児の言語習得スピードを比較するのでしょうが、家庭環境、学校の環境、テキストなどの条件を揃えるのが大変そうです)

ということで、母語の習得後に外国語を学ぶことについて思いつくままに書いてみたいと思います。

英語が簡単かフランス語が簡単かという問題も、他の条件を揃えようとすると比較はなかなか難しいかもしれません。
英語を(モノにしたかは別として)中高で学んだ後に大学でフランス語を習うケースは、中学で始めて英語を学ぶケースと直接の比較はできないと思います。

音声面で言えば、追加で覚える音はrと、何種類かの eくらいですし、語順に対する抵抗もなくなっているでしょうから。

55カ国語を教えている大学書林が、10,000人の学生の習得のスピードから、日本人にとって学びやすい外国語/学びにくい外国語をまとめた資料があります。

易しい方から難しい方にグループ1から4に分類すると

グループ1
インドネシア語、朝鮮語、スワヒリ語、マレーシア語
グループ2
中国語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語、トルコ語
グループ3
英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、タイ語
グループ4
ロシア語、ポーランド語、チェコ語、アラビア語

同様にアメリカのFSIという外務省の研修所みたいな機関がまとめた資料では、アメリカ人にとって学びやすい/学びにくい言語は

グループ1
フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、スワヒリ語グループ2
ギリシャ語、インドネシア語、ヒンディー語、マレーシア語、ウルドゥー語
グループ3
チェコ語、ハンガリー語、ロシア語、トルコ語、ベトナム語、タイ語
グループ4
日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語

だそうです。

出典 
早稲田大学国際言語文化研究所主催、第2回公開国際シンポジウム「アジアの言語と文化を学ぼう − 日本人にとってのやさしい外国語・むずかしい外国語」(2003/12/4) における、大学書林国際語学アカデミー理事長の佐藤氏の基調講演

資料が本のヤマのどこかにあると思うのですがすぐには見つかりません。
「大学書林の授業で、何時間でモノになるか」という調査だというので、ある程度正しそうな気がします。

母語と音、単語、文法が似ていれば、習得が容易だろうなぁということは想像がつきますね。

私の場合は英仏伊で、地上の様々な言語の集まりから見れば極めて近い三カ国語なので、一つができれば後が容易だったということはあると思います。

また、カナダの言語学者のカミンズの「カミンズの法則/氷山の法則」にあるように、一つの言語の学習を放っておいても別の言語の学習を続けている間に一緒に能力が底上げされるということを実際に経験できたのは、言語間の距離が近かったのだと思います。
(フランス語は大学で習った後、20年近く放置していたのが、イタリア、イギリス暮らしを経て帰国して、ちょっと勉強したら仏検1級に合格した)
 
ロンブカトーの「わたしの外国語学習法」(米原万里訳)の181ページに、言語間、言語内の相似にたよって外国語を話すということが書かれています。
「言語のルールをわれわれは外挿するか内挿する」とされていますが、言語間の距離が近ければ、外挿が容易です。(イタリア語で作ったテンプレートをコピーしてフランス語のテンプレートとして使い始めるというようなこと)
私は自分のブログでは「フィルター」という用語で表していました。

お相撲さんの話が出ましたが、インプット/アウトプットと、測定の問題がある点は注意が必要だと思っています。

読んで分かる漢字の数に比べて、書ける漢字が少ないのと同様に、母語でも外国語でも、アウトプットの方が範囲も深さもインプットに比べて劣ります。
しかしながら、その人のインプットのレベルを測定するのは難しく、結果的にアウトプットの測定によって近似させようとします。
結果的に、多読で何千万語も読んで、何の不自由も感じていない人であっても、外国語の会話が苦手だったりすると周囲の評価が不当に低くなります。
逆に、内容が無くてもペラペラと話をしていると、インプットは当然にその何倍もあるに違いないとの美しき誤解から、外国語のできる人という評価がおりることもあります。

会話の場合、自分の話したい話題を使える表現で乗り切れるのに対し、読書などのこちらを意識してくれないインプットは、逃げ場がありません。

話は変わりますが、同じくらいの難易度であっても、教材が入社可能であれば結果的に習得が容易であるということもあるでしょう。

まとまりのない話でごめんなさい。


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1652. Re: 英語は易しい? 寅です

お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp
投稿日: 2007/11/20(02:52)

------------------------------

"寅彦"さん こんばんは!

〉易しい方から難しい方にグループ1から4に分類すると

〉グループ1
〉インドネシア語、朝鮮語、スワヒリ語、マレーシア語
〉グループ2
〉中国語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語、トルコ語
〉グループ3
〉英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、タイ語
〉グループ4
〉ロシア語、ポーランド語、チェコ語、アラビア語

〉同様にアメリカのFSIという外務省の研修所みたいな機関がまとめた資料では、アメリカ人にとって学びやすい/学びにくい言語は

〉グループ1
〉フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、スワヒリ語グループ2
〉ギリシャ語、インドネシア語、ヒンディー語、マレーシア語、ウルドゥー語
〉グループ3
〉チェコ語、ハンガリー語、ロシア語、トルコ語、ベトナム語、タイ語
〉グループ4
〉日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語

なるほどね。

これを見ると、文字の壁も大きそうですね。

〉しかしながら、その人のインプットのレベルを測定するのは難しく、結果的にアウトプットの測定によって近似させようとします。
〉結果的に、多読で何千万語も読んで、何の不自由も感じていない人であっても、外国語の会話が苦手だったりすると周囲の評価が不当に低くなります。
〉逆に、内容が無くてもペラペラと話をしていると、インプットは当然にその何倍もあるに違いないとの美しき誤解から、外国語のできる人という評価がおりることもあります。

同感です!

では!


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[喜] 1660. Re: 英語は易しい? 寅です

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2007/11/22(00:12)

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寅彦さん、今晩は。 まりあ@SSSです。

〉お招き頂き、ありがとうございます。

   お越し頂きありがとうございます。

〉言語固有の難易度という問題は、言語学者にとっては興味深い話かもしれませんが、証券会社の経理マンの私はあまり興味がそそられず、また、きっと研究しようにもいろいろな条件を揃えるのが大変で、結果の比較が正しくできるのだろうかと心配してしまいます。

   確かに、ハリーポッターとシドニーシェルダンとどっちが
   難しいのか?というような比較みたいに、素人が軽々に
   論ずべきではない問題だな、と気づかされました。

   私自身は、日本語がやさしいと思っていて、やさしくて
   いいねぇ、みんなに広めよう!と思って、「日本語教師になろう、
   その前に、ちと英語」、なんて多読を始めたら本まで書かせて
   頂くようになって、すっかり多読世界に住み着いてしまった
   のですが、自分の言語がやさしいといわれて面白くないと感じる人、
   難しいといわれて面白くない人、民族感情を逆撫でする面もある
   ようで、よほど学問的に研究した上でしかるべき根拠を示して
   語れるのでなければやめておくべきだと思いました。

〉55カ国語を教えている大学書林が、10,000人の学生の習得のスピードから、日本人にとって学びやすい外国語/学びにくい外国語をまとめた資料があります。

〉易しい方から難しい方にグループ1から4に分類すると

〉グループ1
〉インドネシア語、朝鮮語、スワヒリ語、マレーシア語
〉グループ2
〉中国語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語、トルコ語
〉グループ3
〉英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、タイ語
〉グループ4
〉ロシア語、ポーランド語、チェコ語、アラビア語

〉同様にアメリカのFSIという外務省の研修所みたいな機関がまとめた資料では、アメリカ人にとって学びやすい/学びにくい言語は

〉グループ1
〉フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、スワヒリ語グループ2
〉ギリシャ語、インドネシア語、ヒンディー語、マレーシア語、ウルドゥー語
〉グループ3
〉チェコ語、ハンガリー語、ロシア語、トルコ語、ベトナム語、タイ語
〉グループ4
〉日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語

   上の二つを数学的に処理すると、スワヒリ語が一番やさしくて、
   次ぎにスペイン語・ポルトガル語という結論になりそうですが、
   やめとこやめとこ...

〉母語と音、単語、文法が似ていれば、習得が容易だろうなぁということは想像がつきますね。

〉私の場合は英仏伊で、地上の様々な言語の集まりから見れば極めて近い三カ国語なので、一つができれば後が容易だったということはあると思います。

   「一つができれば」の出来る度合いの問題もありそう..

〉また、カナダの言語学者のカミンズの「カミンズの法則/氷山の法則」にあるように、一つの言語の学習を放っておいても別の言語の学習を続けている間に一緒に能力が底上げされるということを実際に経験できたのは、言語間の距離が近かったのだと思います。
〉(フランス語は大学で習った後、20年近く放置していたのが、イタリア、イギリス暮らしを経て帰国して、ちょっと勉強したら仏検1級に合格した)

   ということは、スペイン語は微かに勉強したら1級でしょうねぇ..

〉お相撲さんの話が出ましたが、インプット/アウトプットと、測定の問題がある点は注意が必要だと思っています。

〉読んで分かる漢字の数に比べて、書ける漢字が少ないのと同様に、母語でも外国語でも、アウトプットの方が範囲も深さもインプットに比べて劣ります。
〉しかしながら、その人のインプットのレベルを測定するのは難しく、結果的にアウトプットの測定によって近似させようとします。
〉結果的に、多読で何千万語も読んで、何の不自由も感じていない人であっても、外国語の会話が苦手だったりすると周囲の評価が不当に低くなります。
〉逆に、内容が無くてもペラペラと話をしていると、インプットは当然にその何倍もあるに違いないとの美しき誤解から、外国語のできる人という評価がおりることもあります。

  確かに、何をもって外国語ができと断定するか?という基準の取り方
  もありますねぇ..
  「喋れてなんぼ」というのが普通人の感覚ではないかな?
  ミステリなら結構読めるけど、会話がほとんど出来ない、なんて
  いうのは英語が出来るうちに入るのかどうか..自分自身は
  「英語なんて出来なくてもペーパーバックくらい楽しめるよ」って
  いい方してます。「読めていれば出来ているうち」と考える人も
  いるかも知れませんね。

〉会話の場合、自分の話したい話題を使える表現で乗り切れるのに対し、読書などのこちらを意識してくれないインプットは、逃げ場がありません。

  多読3原則その3:読めない本は投げるからへーき("-") 

〉話は変わりますが、同じくらいの難易度であっても、教材が入社可能であれば結果的に習得が容易であるということもあるでしょう。

  スワヒリ語のGRがあれば!
  やっぱり酒井先生のユネスコ計画だ〜

  貴重な資料ご紹介とご意見ありがとうございました。


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1663. Re: 英語は易しい? 寅です

お名前: 寅彦 http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
投稿日: 2007/11/23(00:54)

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まりあさん、みなさん、こんにちは。

〉〉言語固有の難易度という問題は、言語学者にとっては興味深い話かもしれませんが、証券会社の経理マンの私はあまり興味がそそられず、また、きっと研究しようにもいろいろな条件を揃えるのが大変で、結果の比較が正しくできるのだろうかと心配してしまいます。

〉   確かに、ハリーポッターとシドニーシェルダンとどっちが
〉   難しいのか?というような比較みたいに、素人が軽々に
〉   論ずべきではない問題だな、と気づかされました。

〉   私自身は、日本語がやさしいと思っていて、やさしくて
〉   いいねぇ、みんなに広めよう!と思って、「日本語教師になろう、
〉   その前に、ちと英語」、なんて多読を始めたら本まで書かせて
〉   頂くようになって、すっかり多読世界に住み着いてしまった
〉   のですが、自分の言語がやさしいといわれて面白くないと感じる人、
〉   難しいといわれて面白くない人、民族感情を逆撫でする面もある
〉   ようで、よほど学問的に研究した上でしかるべき根拠を示して
〉   語れるのでなければやめておくべきだと思いました。

酒井先生は違うお考えかも知れませんが、母語の獲得と外国語の習得はプロセスが違うと言語学では言われているようで、であれば、母語の習得プロセスを比較しても、これから外国語をやろうとする我々にはあまり意味のないことですよね。

〉〉お相撲さんの話が出ましたが、インプット/アウトプットと、測定の問題がある点は注意が必要だと思っています。

〉〉読んで分かる漢字の数に比べて、書ける漢字が少ないのと同様に、母語でも外国語でも、アウトプットの方が範囲も深さもインプットに比べて劣ります。
〉〉しかしながら、その人のインプットのレベルを測定するのは難しく、結果的にアウトプットの測定によって近似させようとします。
〉〉結果的に、多読で何千万語も読んで、何の不自由も感じていない人であっても、外国語の会話が苦手だったりすると周囲の評価が不当に低くなります。
〉〉逆に、内容が無くてもペラペラと話をしていると、インプットは当然にその何倍もあるに違いないとの美しき誤解から、外国語のできる人という評価がおりることもあります。

〉  確かに、何をもって外国語ができと断定するか?という基準の取り方
〉  もありますねぇ..
〉  「喋れてなんぼ」というのが普通人の感覚ではないかな?
〉  ミステリなら結構読めるけど、会話がほとんど出来ない、なんて
〉  いうのは英語が出来るうちに入るのかどうか..自分自身は
〉  「英語なんて出来なくてもペーパーバックくらい楽しめるよ」って
〉  いい方してます。「読めていれば出来ているうち」と考える人も
〉  いるかも知れませんね。

「英語(外国語)ができること」について先日ブログに書きました。
http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/20071113/1194965172

千野栄一の「外国語上達法」にあるように、人それぞれの到達レベル、身につけるスキルに違いがあっても全く構わないのに、どうしても四技能揃っていないと不十分だと思う人がまだまだ多いようです。

〉〉会話の場合、自分の話したい話題を使える表現で乗り切れるのに対し、読書などのこちらを意識してくれないインプットは、逃げ場がありません。

〉  多読3原則その3:読めない本は投げるからへーき("-") 

今年は通訳・翻訳の世界にちょっと興味を持っているのですが、自分は英語ができると思っている人と、プロの通訳の人との差は何かと考えていました。

自分で英語をやっているときは、興味のない分野は読まなければ良い、聞かなければ良い。言えないことは言うのをそもそも止めてしまっても良い。
ところがプロの通訳であれば、話題が自分の不得意な分野であっても通訳を求められますし、発せられた言葉を訳さないと決めることはできません。
その逃げ場の無さに対峙するのがプロかなと思っています。

私にはまだまだ遠い目標ですが。


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1654. Re: 英語って易しいの?

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/20(14:23)

------------------------------

まりあさん、今日は。古川さんに対するご回答かもしれませんが、衝撃的に興味深い内容なので、もっと詳しく教えていただきたいです。(僕にはほとんど理解できないのです。)

〉古川@SSSさん、Ryota さん、みなさん今晩は。 まりあ@SSSです。

〉〉こんにちは、古川です。基本的に Ryotaさんと同じ考えです。
〉〉特定の言語が特に易しいということは無いと思います。
〉〉その理由は、

〉   どの民族にも、どの言語にも優劣はありません。
〉   そうしたヒューマニズム論が投影されているように感じます。
〉   優劣はないけれど、難易の差はあると思わざるを得ません。

古川さんの意図は分かりませんが、たしかに民族的な優劣や、道具・文化としての優劣と、難易度の差は区別すべきでしょうね。 

〉〉母語であれば、知っている限り(たいして知っているわけではないですが)
〉〉どの言葉でも子供の年齢により習得程度は同じだからです。

〉   6歳くらいまでの子どもについてはそのようにいって良いように
〉   感じます。客観的根拠はありませんから、主観的ですみません。

〉〉どの言語にも、易しい部分も難しい部分もあり、ある一定のレベルに
〉〉達するのにに必要な学習量(=その言語に触れる量)は同じではないでしょうか?

〉   成人するまでに母語に触れる量は同じようなものでしょう。
〉   でも、学校で受ける母語教育の量は異なっています。
〉   母語教育にかなりの時間をかける国と、そうでない国が
〉   あります。

国語の勉強を沢山やれば国語の力も向上するという前提での主張でしょうか。

〉〉なぜなら、どんな言語を話す人間も、かなり複雑な行動や考え方をしているので
〉〉したがってそれを表現する複雑さはたいして変わりないと思います。

〉   ここは同意します。

〉〉よく、日本語は「特殊な言語」なので学びにくいといわれますが、
〉〉日本に住んで、日本人を友達にもっている外国人の子供や大人(
〉〉例えば力士)は、非常にスムーズにみにつけていると思います、

〉   日本語は、英語よりやさしく、現在先進国といわれている国の
〉   言語のうち、最も易しいだろうと推定しています。
〉   
〉   ひとつは、リスニングがたやすいことで、まったく別の言語
〉   体系を母語とする人にも、日本語の母音の聞き分けには訓練を
〉   必要としない、とアメリカの言語研究所の実験結果を示した
〉   本を読んだことがあります。本が見あたらず、出典を明示できず
〉   申し訳ありません。ベストセラーになったCD付きの新書版の
〉   リスニング練習の本なんですが...

たしかに日本語は母音の種類が少なく、判別しやすいです。この点に限って言えば、日本語や易しいです。

母音の種類が少ない結果として同音異義語が多くなり、多様な表現を駆使したり文字の助けを借りないと日本語会話が成り立たないと言うことはないでしょうか。母音のリスニングがたやすいことが結果的に日本語を難しくしていると僕には思えてしまうのです。

〉   もう一つは、日本の国語教育は、大変文芸的側面に偏っており、
〉   文字と語彙の学習以外は文芸作品の読解にあてられ、日本語の
〉   表現練習をしないことです。最近表現練習の必要性を叫ぶ人が
〉   ようやく出てきましたが。
〉    *表現練習とは、いわゆる作文ではなく、今日の天候を記述する
〉     とか、見せられた品物の説明文を書くといった、客観的説明文
〉     を正しい文法で綴る練習です
〉   こうした訓練を行わなかったのは、日本語がやさしく、放って
〉   おいても成人する頃には正しく日本語が運用出来るようになる
〉   のが普通だからではないでしょうか? つまり日本語はやさしい。

そもそも実用的な国語の勉強を長時間おこなえば高度な国語力が身に付くのでしょうか。僕の知る限り、日本語の読解力や文章表現力が高い人というのは、国語の勉強に時間をかけてきた人より、読み聴かせや自由読書を長期間楽しんできた人の方が多いです。(文字を覚えたばかり時期や、漢字の書き取りなどに限定すれば勉強の量が点数にでることはあると思います。)

〉   多読を始めて学習用レベル別絵本の存在を知りましたが、日本に
〉   これに相当するものがありません。Berenstain Bearのようなもの
〉   児童書にも明らかに語彙増強を意識している本がたくさんあり
〉   ますが、日本語にはあまりそういう傾向の本は見あたりません。
〉   不幸本とかね。

絵本をレベル別にするのは比較的最近の傾向です。日本の公立図書館などで、10年以上まえに発行された I Can Read Books を手に取って見れば、レベル分けされていなかったことに気づくはずです。

〉   日本語は、家族や友人との会話など社会生活で習得出来、読書は
〉   既に獲得した日本語力を利用して、文芸作品に触れることを
〉   目的として書かれていると感じます。

〉   成人に達するまでに学習する母国語学習量には、国により相違が
〉   あります。日本よりアメリカの方が多く、ヨーロッパはさらに
〉   多いです。フランス人はフランス語ばっかり勉強するから
〉   科学技術が遅れる、と嘆く人もいました。

これも初耳です。米国の学校で働いている友人が僕には沢山おり、中西部の小中学校は10校ぐらい訪問して教室や図書室を見学したこともありますが、日本の学校における国語の授業より多くの時間を英語の勉強に費やしている様には見えませんでした。

国語も含めて子どもたちの学力が最も高いのはフィンランドですが、あの国では、国語も含めて授業時間は日本より少ないと聞いています。

〉   古川さんのいわれるように、「ある一定のレベルに達するのに
〉   必要な学習量(=その言語に触れる量)は同じ」であるとすると、
〉   成人に達するまでに受ける母語教育の少ない日本語はやさしい、
〉   ということになります。

古川さんのばあい、数学や歴史の勉強における言語の使用や、遊びも含めて日常における言語の使用を通して学ぶ時間も含めて考えているようです。

〉   日本語がやさしいから、外国語学習についても取り組みが甘い。
〉   それも日本人が外国語が出来ない理由のひとつだと思います。

これも僕には理解できません(^-^;)。たしかに韓国や中国ほど厳しく外国語とは取り組んでいないと思いますが、日本における英語熱は相当なものだと僕には感じられます。

〉   とかく、言語の難易度を論ずると、優劣論と混同してヒューマニズム
〉   の観点から反撃されることがあり、地雷です。
〉   難しい言語が優れている、やさしい言語は劣る、と評価しているの
〉   ではありませんから、ヒューマニズム論で反撃しないで下さい。

はい。ここから後はよく分かりました。またいろいろ教えてくださいね。

以上


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[う〜む] 1655. Re: 英語って易しいの?

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2007/11/20(18:16)

------------------------------

Ryotasanさん、こんにちは。 まりあ@SSSです。

〉国語の勉強を沢山やれば国語の力も向上するという前提での主張でしょうか。

  違います。
  日本の国語教育は、文芸書読解に近く、日本語の運用教育を
  ほとんどしていない、ということです。
  日本語そのものは使いこなせることを前提に、
  「この場面で誰それはどんな気持ちだったか?」とか
  「作者はなんといいたかったか?」とかそういうことを
  学ぶでしょう?

〉母音の種類が少ない結果として同音異義語が多くなり、多様な表現を駆使したり文字の助けを借りないと日本語会話が成り立たないと言うことはないでしょうか。母音のリスニングがたやすいことが結果的に日本語を難しくしていると僕には思えてしまうのです。

  英語にも(多分それ以外の言語にも)同音異義語がありますし、
  英語の場合は、文字で書くと違う文でも、聞けば同じになる場合が
  あり(このへんは酒井先生がいつも話されることです)、
  特に日本語に同音異義語が多くて覚えにくいとはいえないのでは
  ないでしょうか?

  聞き取りやすいということは、少なくとも多聴による習得が
  たやすいでしょう。音そのものを掴む練習が必要な言語もある
  わけですから、ワンステップ飛ばせますよね? 

〉そもそも実用的な国語の勉強を長時間おこなえば高度な国語力が身に付くのでしょうか。

  高度な国語力ではなく、生活に不便のない程度の人並みの日本語力を
  論じています。
  学校で、人並みの日本語力を身につけさせる訓練をしていない、
  でもみんな支障なく日本語が使えるようになっている、といって
  いるんです。
  
〉絵本をレベル別にするのは比較的最近の傾向です。日本の公立図書館などで、10年以上まえに発行された I Can Read Books を手に取って見れば、レベル分けされていなかったことに気づくはずです。

  現在SSSで学習用レベル別絵本と言い習わしているので、その
  用語を使ったまでです。レベル分けしてあろうがなかろうが、
  とにかく英語を習得させる目的を感じさせる本、ということです。
  Dr.SeussとかBerenstain Bear とかRichard Scarry's とか

〉これも初耳です。米国の学校で働いている友人が僕には沢山おり、中西部の小中学校は10校ぐらい訪問して教室や図書室を見学したこともありますが、日本の学校における国語の授業より多くの時間を英語の勉強に費やしている様には見えませんでした。

  国語の時間数ではなく、国語の時間に何を教えているか?です。
  アメリカでは、毎朝のShow and Tell とか話し方の練習をさせ
  ますが、日本ではありませんし、「国語」の時間にも、日本語の
  使い方を教えないではないか、といっているのです。
   
〉これも僕には理解できません(^-^;)。たしかに韓国や中国ほど厳しく外国語とは取り組んでいないと思いますが、日本における英語熱は相当なものだと僕には感じられます。

  英語「熱」どまりです。
  『なぜ私たちの英語は10秒でネイティブ発音になったのか』とか
  『1週間と3日で英会話力を身につける』とかの本を買い込んで
  終わりとかの人がいっぱい..

  会話学校だって、英米の大学院で英語教授法を修めたアジア人
  なんか見向きもせず、金髪・青い目でせいぜい大学出の、語学
  教育には無資格のガイジンを喜んで採用して商売が成り立って
  います。まあNOVA潰れたけど、経営拡大に無理があったためで、
  講師の質が悪くて潰れたわけじゃない。 
   
  ここの掲示板に来ている方々は真剣に取り組んでいらっしゃると
  思っていますが、全人口からみたらまだほんのちょっと。 


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1658. Re: 日本語って易しいの?

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/21(09:49)

------------------------------

〉Ryotasanさん、こんにちは。 まりあ@SSSです。

まりあさん、おはようございます。総論については僕より杏樹さんの方が上手に表現してらっしゃるので、各論についてもう少し教えて下さい。

〉〉国語の勉強を沢山やれば国語の力も向上するという前提での主張でしょうか。

〉  違います。
〉  日本の国語教育は、文芸書読解に近く、日本語の運用教育を
〉  ほとんどしていない、ということです。
〉  日本語そのものは使いこなせることを前提に、
〉  「この場面で誰それはどんな気持ちだったか?」とか
〉  「作者はなんといいたかったか?」とかそういうことを
〉  学ぶでしょう?

なるほど。国文学を鑑賞する様な授業ではなく、実用的な国語の授業と言うことですね? (最近は外国人学習者むけの授業を「日本語」、日本人向けの授業を「国語」と呼ぶ傾向があるので、とりあえずそれに合わせて表現しています。)

〉〉母音の種類が少ない結果として同音異義語が多くなり、多様な表現を駆使したり文字の助けを借りないと日本語会話が成り立たないと言うことはないでしょうか。母音のリスニングがたやすいことが結果的に日本語を難しくしていると僕には思えてしまうのです。

〉  英語にも(多分それ以外の言語にも)同音異義語がありますし、
〉  英語の場合は、文字で書くと違う文でも、聞けば同じになる場合が
〉  あり(このへんは酒井先生がいつも話されることです)、
〉  特に日本語に同音異義語が多くて覚えにくいとはいえないのでは
〉  ないでしょうか?

なるほど。同音異義語が多いという限定された側面だけを根拠にしても、日本語は易しくないという結論の裏付けとしては不十分と言うわけですね。実はそのとおりなのです。

英語における同音異義語というのは write と right のような例ですね。日本語の同音異義語は英語よりずっと多いと思いますが、それだけで日本語は難しいとは言えないでしょうね。

〉  聞き取りやすいということは、少なくとも多聴による習得が
〉  たやすいでしょう。音そのものを掴む練習が必要な言語もある
〉  わけですから、ワンステップ飛ばせますよね? 

同様に、その部分だけに注目しても、全体として日本語が易しいという結論までには距離を感じると申し上げたかったのです。

〉〉そもそも実用的な国語の勉強を長時間おこなえば高度な国語力が身に付くのでしょうか。

〉  高度な国語力ではなく、生活に不便のない程度の人並みの日本語力を
〉  論じています。
〉  学校で、人並みの日本語力を身につけさせる訓練をしていない、
〉  でもみんな支障なく日本語が使えるようになっている、といって
〉  いるんです。

なるほど。そういう授業を行わなくても目的は達成されていると。

〉  
〉〉絵本をレベル別にするのは比較的最近の傾向です。日本の公立図書館などで、10年以上まえに発行された I Can Read Books を手に取って見れば、レベル分けされていなかったことに気づくはずです。

〉  現在SSSで学習用レベル別絵本と言い習わしているので、その
〉  用語を使ったまでです。レベル分けしてあろうがなかろうが、
〉  とにかく英語を習得させる目的を感じさせる本、ということです。
〉  Dr.SeussとかBerenstain Bear とかRichard Scarry's とか

Seuss と Scarry のばあい、レベル分けされていない本の方が多いし、Berenstains も元々はレベル分けされていなかったようですが、子どもたちに英語を学習させようと言う意図が見えるのは確かですね。

日本では谷川俊太郎さんの『ことばあそびうた』や五味太郎さんの『言葉図鑑』などがこれに相当すると思いますが、たしかに、言葉を学ぶ本ではなく言葉で遊ぶ本であることを強調している点が米国とは違うかもしれませんね。

絵本という形に限定しなければ、子どもに言葉を勉強させるための教材は日本にも沢山ありますよね。

〉〉これも初耳です。米国の学校で働いている友人が僕には沢山おり、中西部の小中学校は10校ぐらい訪問して教室や図書室を見学したこともありますが、日本の学校における国語の授業より多くの時間を英語の勉強に費やしている様には見えませんでした。

〉  国語の時間数ではなく、国語の時間に何を教えているか?です。

え! そうなんですか? 前のご投稿では時間や量を重視されていたようですが。いずれにしても、日常的な日本語の運用能力を重視した授業をもっと行なうべきと言うことでしょうか?

〉  アメリカでは、毎朝のShow and Tell とか話し方の練習をさせ
〉  ますが、日本ではありませんし、「国語」の時間にも、日本語の
〉  使い方を教えないではないか、といっているのです。

日本の小学校や幼稚園では、人形や紙芝居などを使って子どもたちに劇を創作・上演させる様な活動も行っています。たしかに国語の時間ではないかもしれませんが。

〉   
〉〉これも僕には理解できません(^-^;)。たしかに韓国や中国ほど厳しく外国語とは取り組んでいないと思いますが、日本における英語熱は相当なものだと僕には感じられます。

〉  英語「熱」どまりです。
〉  『なぜ私たちの英語は10秒でネイティブ発音になったのか』とか
〉  『1週間と3日で英会話力を身につける』とかの本を買い込んで
〉  終わりとかの人がいっぱい..

英語熱という表現は一過性の現象を連想させるので不適切だったかもしれませんね。僕が住んでいる町の書店では、英検やTOEIC対策など、長期的に取り組む難行苦行型の教材が多いです。東京では違うのかもしれませんが。

〉  会話学校だって、英米の大学院で英語教授法を修めたアジア人
〉  なんか見向きもせず、金髪・青い目でせいぜい大学出の、語学
〉  教育には無資格のガイジンを喜んで採用して商売が成り立って
〉  います。まあNOVA潰れたけど、経営拡大に無理があったためで、
〉  講師の質が悪くて潰れたわけじゃない。 

金髪や青い目などの身体的特徴を看板に使っている会話学校には注意した方が良いと僕も思います。ただ、そこへ通っている人たちはそれなりに真剣だと思います。授業料だって安くはないし。それでも、まりあさんから見れば「甘い」のかもしれませんね。

〉   
〉  ここの掲示板に来ている方々は真剣に取り組んでいらっしゃると
〉  思っていますが、全人口からみたらまだほんのちょっと。

統計的なことは分からないので、全人口からみてどうなのかについての意見は控えますが、僕はあまり真剣じゃないです。真面目にはやってきましたが、真剣な方ではなかったと思います。難行苦行のふりをして、簡単なペーパーバックを読んできたことを白状しておきましょう。

それでは。まりあさんのご努力に敬意を表しつつ。


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[汗] 1659. Re: 日本語って易しいの?

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2007/11/21(11:58)

------------------------------

Ryotasanさん、おはようございます。 まりあ@SSSです。

〉なるほど。国文学を鑑賞する様な授業ではなく、実用的な国語の授業と言うことですね? (最近は外国人学習者むけの授業を「日本語」、日本人向けの授業を「国語」と呼ぶ傾向があるので、とりあえずそれに合わせて表現しています。)

  たとえばですね、児童に傘を1本見せます。
  「あなたはこれをなくしました。遺失物係に届けましょう」
  というのを、表現練習あるいは運用訓練と考えています。
  「傘をなくしました。色は赤で白の水玉模様です。柄のところに
   ぶたのはなこ、と名前が書いてあります。昨日学校の帰りバスを
   降りるとき忘れてしまいました。こちらに届いていませんか?」
  と言わせたり書かせたりすることです。忘れた傘を客観的に正確に
  日本語で伝える訓練です。
  国語の作文では、おばあちゃんから傘を買って貰ったときに
  どんなに嬉しかったか?とかどんなにそれを大切にしていたか?
  とかなくしたときの焦りや失望、親切な人が届けてくれないかと
  いう期待、などの情感を綴らせます。芸術的だとコンクールに
  入賞出来ますね。客観的描写は出来るようになっていることが
  既に前提になっています。

〉英語における同音異義語というのは write と right のような例ですね。日本語の同音異義語は英語よりずっと多いと思いますが、それだけで日本語は難しいとは言えないでしょうね。

〉〉  聞き取りやすいということは、少なくとも多聴による習得が
〉〉  たやすいでしょう。音そのものを掴む練習が必要な言語もある
〉〉  わけですから、ワンステップ飛ばせますよね? 

〉同様に、その部分だけに注目しても、全体として日本語が易しいという結論までには距離を感じると申し上げたかったのです。

  言語学者ではないので、始めに結論ありき、の側面があることは
  私自身感じています。

  インターナショナルスクールでは、先生も英語ですし、親も
  子どもの英語を維持したくて高い授業料を払っているのですから、
  当然英語のみで話しかけます。子どもをバイリンガルにしたい人は
  来ていません。バイリンガルを低く見る人もいることは、寅彦さんが
  今週のメルマガで紹介されています。
  それでもアジア系の子どもが3割を超えると、アメリカ人の子どもが
  日本人の子どもから日本語を覚えてしまって、遊び時間みなが
  日本語になります。これを不服として、アジア人の人数制限をする
  インターが増えてきました。 
  アメリカに3年くらい暮らしても、英語がおぼつかない日本人は
  たくさんいます。戦争花嫁として渡米した人などで、なかなか
  英語が身に付かず、子どもがお父さん(米人)とお母さんの通訳を
  していたりとか。

  ところが日本に来て3年くらいで、ほとんどの外国人が日本語に
  不自由なくなります。出稼ぎにくるアジア人、お相撲さんなどは
  良い例です。
  ここにひとつ落とし穴があります。
  日本に来る外国人の中には、日本語を学ぶ意思のまったくない人
  が混ざっています。
  占領軍の人たちに多くいました。日本は韓国に日本語を強制した
  時代もあったのに、米占領軍は英語を強制しませんでしたが、本来
  ならば強制も許された状況ですから、日本人が英語で話しかける
  のを当然として、自分たちが日本語を覚えようとしませんでした。
  フランス人の駐在員夫人などにも、「世界で一番美しいフランス語」
  以外の言葉など学ぶ気持ちがなくて、ベトナム人のメイドさんに
  買い物させている人とか、ここ神楽坂では毎日見かけます。
  米欧人種は、日本人みたいに建前の向こうに本音が透けて見える
  人種と異なり、本音は墓場まで持っていく人種ですから、
  「けっ、黄色いサルの言葉なんか誰が覚えるか!」と思っても
  『日本語は難しいですね』なんていいます。真に受けちゃいけません。

  英語を覚えたいのに覚えられない日本人はたくさんいるのに、
  日本語を「覚えたい意欲のある」外国人のほとんどは覚えています。
  日本にいなくても、ゲームやマンガで日本語を覚えているアジア人の
  若者はたくさんいます。観光地の土産物屋さんなどは日本語を
  話しますが、それ以外にも日本語を話したり読み書き出来る人は
  たくさんいますよ。
  だから日本語はやさしいと感じています。
 
  リスニングがやさしいせいだろう、というのは「日本語って
  やさしいんだね、なぜかな?そうだリスニングが簡単だからだろう」
  という、あとから探した理由であることは認めます。
  
〉え! そうなんですか? 前のご投稿では時間や量を重視されていたようですが。いずれにしても、日常的な日本語の運用能力を重視した授業をもっと行なうべきと言うことでしょうか?

  最近の若者の日本語力貧困化への懸念から、「日本語の運用能力を
  重視した授業」を主張する動きが出てきましたね。これについての
  賛否は控えますが、今までこういうことを考えもせずに過ごして
  こられた、ほっといても日本語は運用出来る、やさしいんだね、と
  思う、ということです。
  
  現在、表現練習に時間を割くべきだ、と主張している人たちが
  いろいろ発表していますが、外国での国語教育などを調査して
  論文を書いているのですから、外国では以前から(少なくとも
  日本より早く)やっていたということでしょう?

〉英語熱という表現は一過性の現象を連想させるので不適切だったかもしれませんね。僕が住んでいる町の書店では、英検やTOEIC対策など、長期的に取り組む難行苦行型の教材が多いです。東京では違うのかもしれませんが。

  「受験英語をいくらやっても英語が使えるようにならない」という
  ことは(事実かどうかはさておいて)、結構共通認識になっていると
  思います。
  でも、大学受験生の親たちは、受験英語か、本物の英語を身につけら
  れる可能性のある多読か?というところで、「間違っているのかも知れ
  ない受験英語」を選び、少しでも良い大学へ、と考える人が多いです。
  英語より、少しでも偏差値の高い大学に入ることの方に価値を置いて
  います。

  「受験英語? そんなものいら〜ん。それやらなきゃ入れない大学
   など不合格でかまわん!」と、息子に受験問題集というものを1冊も
  やらせなかったあきれた親は、SEGでも私くらいのものです。
  それで、古川さんにスカウトされて今日があります、あはは。

  言語学者でないものが、各国語の難易度を論じても、それぞれの
  断片的な知識や経験の持ち寄りにしかなりませんし、そろそろ
  おしまいにさせて頂こうと思います。 
  英語がやさしいと信じていても、いなくても、これからの多読
  とは関係なさそうですし。
  
  長い間お付き合い頂いたみな様、ありがとうございました。
    


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1661. Re: 日本語って易しいの?

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/22(13:13)

------------------------------

〉Ryotasanさん、おはようございます。 まりあ@SSSです。

まりあさん、色々教えていただき、感謝しております。論点が整理されてきたので、今回はこちらからお伝えできることもありそうです。

〉〉なるほど。国文学を鑑賞する様な授業ではなく、実用的な国語の授業と言うことですね? (最近は外国人学習者むけの授業を「日本語」、日本人向けの授業を「国語」と呼ぶ傾向があるので、とりあえずそれに合わせて表現しています。)

〉  たとえばですね、児童に傘を1本見せます。
〉  「あなたはこれをなくしました。遺失物係に届けましょう」
〉  というのを、表現練習あるいは運用訓練と考えています。
〉  「傘をなくしました。色は赤で白の水玉模様です。柄のところに
〉   ぶたのはなこ、と名前が書いてあります。昨日学校の帰りバスを
〉   降りるとき忘れてしまいました。こちらに届いていませんか?」
〉  と言わせたり書かせたりすることです。忘れた傘を客観的に正確に
〉  日本語で伝える訓練です。

客観描写の訓練をすれば客観描写がうまくなるという前提でのご提案ですね。この点について後ほど説明します。

〉  国語の作文では、おばあちゃんから傘を買って貰ったときに
〉  どんなに嬉しかったか?とかどんなにそれを大切にしていたか?
〉  とかなくしたときの焦りや失望、親切な人が届けてくれないかと
〉  いう期待、などの情感を綴らせます。芸術的だとコンクールに
〉  入賞出来ますね。客観的描写は出来るようになっていることが
〉  既に前提になっています。

そうですね。The Little House など客観描写の多い本を十分に楽しんできた子であれば、国語の先生が教えなくても客観描写はできるんですが、そういう経験の少ない子には酷ですね。

〉〉英語における同音異義語というのは write と right のような例ですね。日本語の同音異義語は英語よりずっと多いと思いますが、それだけで日本語は難しいとは言えないでしょうね。

〉〉〉  聞き取りやすいということは、少なくとも多聴による習得が
〉〉〉  たやすいでしょう。音そのものを掴む練習が必要な言語もある
〉〉〉  わけですから、ワンステップ飛ばせますよね? 

〉〉同様に、その部分だけに注目しても、全体として日本語が易しいという結論までには距離を感じると申し上げたかったのです。

〉  言語学者ではないので、始めに結論ありき、の側面があることは
〉  私自身感じています。

個人的な意見として発表する権利は保証されるべきです。僕たちも、別に感情を逆撫でされているわけではないですよ。(^-^)

〉  インターナショナルスクールでは、先生も英語ですし、親も
〉  子どもの英語を維持したくて高い授業料を払っているのですから、
〉  当然英語のみで話しかけます。子どもをバイリンガルにしたい人は
〉  来ていません。バイリンガルを低く見る人もいることは、寅彦さんが
〉  今週のメルマガで紹介されています。
〉  それでもアジア系の子どもが3割を超えると、アメリカ人の子どもが
〉  日本人の子どもから日本語を覚えてしまって、遊び時間みなが
〉  日本語になります。これを不服として、アジア人の人数制限をする
〉  インターが増えてきました。 
〉  アメリカに3年くらい暮らしても、英語がおぼつかない日本人は
〉  たくさんいます。戦争花嫁として渡米した人などで、なかなか
〉  英語が身に付かず、子どもがお父さん(米人)とお母さんの通訳を
〉  していたりとか。

言葉の習得しやすさは、個人個人を取り巻く環境によって変わるということでしょうか。その言語が本質的に持っている難易度とは別に、そういう面は大きいでしょうね。(この点については寅彦さんや杏樹さんが既に指摘しているとおりです。)

〉  ところが日本に来て3年くらいで、ほとんどの外国人が日本語に
〉  不自由なくなります。出稼ぎにくるアジア人、お相撲さんなどは
〉  良い例です。
〉  ここにひとつ落とし穴があります。
〉  日本に来る外国人の中には、日本語を学ぶ意思のまったくない人
〉  が混ざっています。
〉  占領軍の人たちに多くいました。日本は韓国に日本語を強制した
〉  時代もあったのに、米占領軍は英語を強制しませんでしたが、本来
〉  ならば強制も許された状況ですから、日本人が英語で話しかける
〉  のを当然として、自分たちが日本語を覚えようとしませんでした。
〉  フランス人の駐在員夫人などにも、「世界で一番美しいフランス語」
〉  以外の言葉など学ぶ気持ちがなくて、ベトナム人のメイドさんに
〉  買い物させている人とか、ここ神楽坂では毎日見かけます。
〉  米欧人種は、日本人みたいに建前の向こうに本音が透けて見える
〉  人種と異なり、本音は墓場まで持っていく人種ですから、
〉  「けっ、黄色いサルの言葉なんか誰が覚えるか!」と思っても
〉  『日本語は難しいですね』なんていいます。真に受けちゃいけません。

僕の知り合いにはどちらのタイプもいます。何年経っても日本語がうまくならず、休暇中に帰省したらますます日本語が下手になってしまう人もいれば、自分の名前まで日本風の名前に変えて日本人になろうとする人もいます。

〉  英語を覚えたいのに覚えられない日本人はたくさんいるのに、
〉  日本語を「覚えたい意欲のある」外国人のほとんどは覚えています。
〉  日本にいなくても、ゲームやマンガで日本語を覚えているアジア人の
〉  若者はたくさんいます。観光地の土産物屋さんなどは日本語を
〉  話しますが、それ以外にも日本語を話したり読み書き出来る人は
〉  たくさんいますよ。

そうですね。おっしゃるとおりです。

〉  だから日本語はやさしいと感じています。

そう感じるのは、まりあさんの自由です。(^-^) ただ、努力をせずに短期間でうまくなったのか、密かに努力をして短期間でうまくなったのかも考慮にいれておく必要がありそうです。
〉 
〉  リスニングがやさしいせいだろう、というのは「日本語って
〉  やさしいんだね、なぜかな?そうだリスニングが簡単だからだろう」
〉  という、あとから探した理由であることは認めます。

短期間に文法から入る方法だとドイツ語やフランス語は難しく感じられる、という話をしましたね。日本語も、どういう風に学ぶかで難易度は違ってくるかもしれません。
〉  
〉〉え! そうなんですか? 前のご投稿では時間や量を重視されていたようですが。いずれにしても、日常的な日本語の運用能力を重視した授業をもっと行なうべきと言うことでしょうか?

〉  最近の若者の日本語力貧困化への懸念から、「日本語の運用能力を
〉  重視した授業」を主張する動きが出てきましたね。これについての
〉  賛否は控えますが、今までこういうことを考えもせずに過ごして
〉  こられた、ほっといても日本語は運用出来る、やさしいんだね、と
〉  思う、ということです。

これも、世間で一般的に言われていることが僕には理解できません。PISAの調査で、日本の子どもたちが不得意だったのは応用力の方であり、国語もふくめて基礎学力はトップクラスだったはずですが。

〉  
〉  現在、表現練習に時間を割くべきだ、と主張している人たちが
〉  いろいろ発表していますが、外国での国語教育などを調査して
〉  論文を書いているのですから、外国では以前から(少なくとも
〉  日本より早く)やっていたということでしょう?

口頭での表現力については分かりませんが、文章による表現力については The Power of Reading (Krashen, 2004) にまとめが載っています。結論から申し上げれば、文章を書く練習に時間を割いても、文章を書く能力はそれほど伸びないそうです。文章の style は、むしろ読書によって身につくものだと言っています。文章の表現力を伸ばしたかったら、多読というわけです。(ただし、文章を書くことで自分の考えを客観視できる様になるなどの効果はあるそうです。それから、細かい文法事項は、やはり文法の勉強が必要だとも言っています。)

〉〉英語熱という表現は一過性の現象を連想させるので不適切だったかもしれませんね。僕が住んでいる町の書店では、英検やTOEIC対策など、長期的に取り組む難行苦行型の教材が多いです。東京では違うのかもしれませんが。

〉  「受験英語をいくらやっても英語が使えるようにならない」という
〉  ことは(事実かどうかはさておいて)、結構共通認識になっていると
〉  思います。

はい。僕もそう思います。

〉  でも、大学受験生の親たちは、受験英語か、本物の英語を身につけら
〉  れる可能性のある多読か?というところで、「間違っているのかも知れ
〉  ない受験英語」を選び、少しでも良い大学へ、と考える人が多いです。
〉  英語より、少しでも偏差値の高い大学に入ることの方に価値を置いて
〉  います。

この点に関しては、親の方で英語を学んだ経験や大学で学んだ経験が豊富に無いと、判断は難しいかもしれません。英語を学んだ経験も、多読のような方法をどれくらい経験したかによっても大きく違ってきますが。

〉  「受験英語? そんなものいら〜ん。それやらなきゃ入れない大学
〉   など不合格でかまわん!」と、息子に受験問題集というものを1冊も
〉  やらせなかったあきれた親は、SEGでも私くらいのものです。
〉  それで、古川さんにスカウトされて今日があります、あはは。

あはは。それは立派ですね!

〉  言語学者でないものが、各国語の難易度を論じても、それぞれの
〉  断片的な知識や経験の持ち寄りにしかなりませんし、そろそろ
〉  おしまいにさせて頂こうと思います。

今回の議論は、さまざまな観点に触れることができて有意義だったと思います。これからも、まりあ節を楽しみにしています。

〉  英語がやさしいと信じていても、いなくても、これからの多読
〉  とは関係なさそうですし。

そうですね。
〉  
〉  長い間お付き合い頂いたみな様、ありがとうございました。

僕からも、ありがとうございました。


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1666. やっぱり日本語は易しい!

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/23(19:07)

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まりあさんから収束宣言が出されましたが、大事なことに気がついたので追加します。

僕はもともと、英語は易しいとか日本語が易しいという意見に反対しているわけではありません。母語として覚える言語に関して、どの言語でも難易度に大きさはおそらくないだろうとは思っていますが、微妙な差はあるかもしれません。それから、2番目以降に学ぶ言語の学び易さは、既に覚えた言語との共通点が多いか少ないかや、その言語を使っている民族や文化に対してどういう感情を抱いているかによって大きく違うだろうとも思っていました。(寅彦さんが示してくれたデータとは矛盾しないです。) その言語を学ぶための教材が手に入るかどうかも重要です。

まりあさんとの議論でも出てきたように、一つの言語の様々な側面で難易度の差もあります。ご指摘があったように、日本語は母音の種類が少なく、判別し易いです。子音も、五十音表という形で整理されています。ですから、五十音を通してひらがなやカタカナを学ぶこともそんなに難しくないでしょう。つまり、文法や日常会話から入るより、仮名から入る方が学び易い可能性も多いにあるのです。

ひらがなとカタカナをゆっくりでも読めれば、幼児向けの絵本を使って日本語の多読を始めることができます。『こどものとも0.1.2.』や『こどものとも年少版』あたりなら、英語の多読教材より値段も安いです。

勿論、日本語を使いこなせるまでの道は長いです。でも勾配は限りなく緩やかにもできますから、道ばたの花々を眺めたり、風を肌に感じたりしながら、楽しく登って行くことができるでしょう。というわけで、日本語は易しい!


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[賛成] 1644. Re: 英語って易しいの?

お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2007/11/18(22:21)

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Ryotasanさん、まりあさん、みなさん、こんばんは!
さかい@tadoku.orgです。

〉まりあさん、みなさん:

〉今回のやりとり、感心しながら読ませてもらっています。その中で、次のご意見についてもう少し詳しく教えていただきたいです。

〉〉   いや、つい英語をやりたくなるのは、やっぱり英語がやさしいから
〉〉   ですよ。
〉〉   でる・です・でむ・でん かないません;;(^ ^);;
〉〉   独仏伊とも女性名詞・男性名詞に冠詞の変化、あっ形容詞の
〉〉   語尾も次が男性か女性かで変えたっけ?
〉〉   それで書き言葉が話し言葉と別にあるし..
〉〉   第2外国語って、「英語はやさしい」と実感させるために
〉〉   履修させられるんだなぁ、」と思ったことです。

〉単語のジェンダーや語形変化をややこしいと感じるのは、つまりその言語が難しいということなのだと、僕もずっと思っていました。

〉でも、昨年この掲示板の仲間に加えていただいてから段々と考えが変わってきました。こういう文法事項を難しいと感じるのは、多読などの自然なインプットがほとんど無い段階でいきなり文法をやるせいかもしれないと思うようになってきたのです。(日本の大学で行なわれてきたドイツ語やフランス語の授業って、1年目に文法を一通り勉強し、2年目があれば辞書を片手に原書の訳読というのが一般的でした。つまり文法から入る学習法だと言っても良いでしょう。)

〉欧州大陸の言語でも、入門者むけの多読教材が英語の様に沢山あり、十分に多読を経験してから文法の細部を学ぶ方法が確立されれば、難しいという印象も軽減できるかなー、などと思うようになってしまったのです。

大賛成です。

ぼくはかなり前から、ドイツ語やロシア語の冠詞やフランス語の時制や
中国語の四声がむずかしく見えるのは多読・多聴・シャドーイングではなく
文法や発音練習からはいるためだと思っていました。

(実際、NHK第2の中国語講座を意味もわからずにシャドーイングしていると、
 四声なんて意識さえしません。)

〉実際のところはどうなのでしょう。教授法や学習法に起因する難しさを計算に入れても、英語はやはり易しいのですか?

世界中どこの言語をとっても、どれがやさしく、どれがむずかしい
ということはないはずだと、ぼくは考えています。

ORTに相当する本と朗読が世界中のあるあゆる言語について存在すれば、
世界の言葉の問題は半分になると思っているのですが・・・


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1653. Re: 英語って易しいの?

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/11/20(07:52)

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酒井先生、おはようございます。

さまざまな言語の難易度については上の方で議論することになりそうですが、たしかにORTのような細かい段階付けがあって楽しくその言語を理解できる教材が豊富にあれば、どんな言語でも学習に伴う苦痛を大幅に減らせますね。

ものすごく壮大な話ですが、少しでもそういう状況に世の中が近づけばよいですね。海外旅行やインターネットが日本で当たり前の存在になったように、多読や多聴があたりまえの学習法になって、誰も多読のことを話題にしないようになるのかも知れませんが。

日本語の多読にも関わり始めたのは、そういう世界への一歩なんですね。今後もご活躍を期待します。

"酒井@快読100万語!"さんは[url:kb:1644]で書きました:

〉Ryotasanさん、まりあさん、みなさん、こんばんは!
〉さかい@tadoku.orgです。

〉〉まりあさん、みなさん:

〉〉今回のやりとり、感心しながら読ませてもらっています。その中で、次のご意見についてもう少し詳しく教えていただきたいです。

〉〉〉   いや、つい英語をやりたくなるのは、やっぱり英語がやさしいから
〉〉〉   ですよ。
〉〉〉   でる・です・でむ・でん かないません;;(^ ^);;
〉〉〉   独仏伊とも女性名詞・男性名詞に冠詞の変化、あっ形容詞の
〉〉〉   語尾も次が男性か女性かで変えたっけ?
〉〉〉   それで書き言葉が話し言葉と別にあるし..
〉〉〉   第2外国語って、「英語はやさしい」と実感させるために
〉〉〉   履修させられるんだなぁ、」と思ったことです。

〉〉単語のジェンダーや語形変化をややこしいと感じるのは、つまりその言語が難しいということなのだと、僕もずっと思っていました。

〉〉でも、昨年この掲示板の仲間に加えていただいてから段々と考えが変わってきました。こういう文法事項を難しいと感じるのは、多読などの自然なインプットがほとんど無い段階でいきなり文法をやるせいかもしれないと思うようになってきたのです。(日本の大学で行なわれてきたドイツ語やフランス語の授業って、1年目に文法を一通り勉強し、2年目があれば辞書を片手に原書の訳読というのが一般的でした。つまり文法から入る学習法だと言っても良いでしょう。)

〉〉欧州大陸の言語でも、入門者むけの多読教材が英語の様に沢山あり、十分に多読を経験してから文法の細部を学ぶ方法が確立されれば、難しいという印象も軽減できるかなー、などと思うようになってしまったのです。

〉大賛成です。

〉ぼくはかなり前から、ドイツ語やロシア語の冠詞やフランス語の時制や
〉中国語の四声がむずかしく見えるのは多読・多聴・シャドーイングではなく
〉文法や発音練習からはいるためだと思っていました。

〉(実際、NHK第2の中国語講座を意味もわからずにシャドーイングしていると、
〉 四声なんて意識さえしません。)

〉〉実際のところはどうなのでしょう。教授法や学習法に起因する難しさを計算に入れても、英語はやはり易しいのですか?

〉世界中どこの言語をとっても、どれがやさしく、どれがむずかしい
〉ということはないはずだと、ぼくは考えています。

〉ORTに相当する本と朗読が世界中のあるあゆる言語について存在すれば、
〉世界の言葉の問題は半分になると思っているのですが・・・


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1657. Re: 英語って易しいの?

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/11/21(01:32)

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Ryotasanさん、みなさん、こんにちは。

一連のレスを読んで、習得しやすい言語とは、ということについて考えてみました。

言葉の難しさ、やさしさは色々な要素に左右されますので、どれがやさしい、難しいとは決めにくいと思います。

その要素として、文法、発音、文字、そして母語との関連といったことがあるでしょう。
英語は他のヨーロッパ語に比べて文法は簡略化されて易しいように見えます。しかし発音は難しいです。なんであんなにつなげて発音するのか…。
おそらくドイツ人にとっては英語は習得しやすいと思います。ゲルマン系で共通の語彙が多く、さらにドイツ語よりも文法が単純化されています。ですからドイツ語を勉強した人がその後英語を勉強したら「易しい」と思うのは無理はないと思います。

しかし日本人にとってどうかと言うと、虎彦さんの [url:kb:1649] 発言の習得しやすいランクのように、必ずしも英語が上位なわけではありません(このランク付け、おもしろいです)。

ならヨーロッパの言葉で日本人に習得しやすいものは、と言うと、まず発音で言えばスペイン語、イタリア語です。母音が日本語と同じ五つで、子音も巻き舌Rさえできればあとは難しくありません。英語よりずーっと簡単です。
文法を比べますと、たしかにスペイン語は人称によって動詞が活用しますが基本的に規則があります。また男性名詞・女性名詞の区別もありますが、語尾で区別できることが多いです。
となると、英語がスペイン語より習得しやすいかどうか、という答えはかなりビミョーになってきます。

ヨーロッパ語以外なら、韓国語は日本語と文法、語順がほぼ同じで習得しやすいと言われます。これは母語との関連で習得しやすいということで、韓国語そのものが「易しい」ということにはなりませんが。また、韓国語は発音の点では難しいと言う話を聞いた事がありますが、どうでしょうか(韓国語はわからないので…)。

ついでに、ハンガリー語は発音はとてもやさしいです。日本語にない音もいくつかありますが、カタカナ発音みたいな発音でもかなり通じるみたいです。強弱アクセントが強くないのも日本人には発音しやすいです。中でも特徴的なのは長母音の存在です。「ア」と「アー」の区別が発音上もつづりでも存在します。これはアメリカ人よりも日本人の方がずっと正確に発音できるでしょう。
しかし文法はかなり難しいです。

中国語は構造的には日本語とは異なりますが、言葉の感覚、ニュアンスがヨーロッパ語よりはなじみやすく、また漢字を使うので(簡体字を覚えるのは最初は大変ですが、西洋人が漢字を覚えることを思えば…)、日本人にはわかりやすい言葉です。しかし…発音が難しい!です。

また、タイ語やアラビア語のように、文字そのもになじみがなくて文字から覚えると言うのはかなり労力が必要です。

文法が勉強しやすいけど発音が難しいとか、発音はやさしいけど文法が難しいとか、言葉によって「易しい部分」「難しい部分」がありますので、単純に「易しい」かどうか、は決められないと思います。
日本語の発音は音の少なさで言えば易しそうですが、アメリカ人にとっては難しいと思います。日本人の名前ってすごい言いにくいみたいです。強弱アクセントで一音節、二音節の単語に慣れていて、母音が三つも四つも平均に並んでる言葉はアメリカ人にとっては発音しにくいようです。指揮者の「大植英次」を正しく発音できるアメリカ人は、なかなかいないと思います。「クニヒデ」だって相当言いにくいんじゃないでしょうか。文法は、逆もまた真で、おそらく韓国人にとっては習得しやすいでしょうが、ヨーロッパ系言語の人にとってはどうでしょう。

発音も文法もやさしい言葉といって思いつくのはインドネシア語です。文字もローマ字で特殊な記号もありません。でもインドネシア語を覚えても使える場所が限られますからねえ。

それから、まりあさんの[url:kb:1655] 発言ですが…
>学校で、人並みの日本語力を身につけさせる訓練をしていない、
  でもみんな支障なく日本語が使えるようになっている、といって
  いるんです。

母語ならどこの国でも使えるようになります。多読をしたら勉強をしなくても本が読めるようになったり、ニュースや映画が聞いてわかるようになったりします。
日本は義務教育の普及率が高く文盲率の低い国です。しかし開発途上国や貧富の差の大きい国など、教育に格差のある国も多いです。そういう国で教育をきちんと受けてない人でも、言葉を使って日常生活を営んでいます。もちろん、教育の程度によって言葉の使いこなし方に差は生じますが。

そして、言葉を習得する重要な要素として、「好きな言葉は覚えやすい」ということがあります。19世紀のオーストリアの皇后エリザベートは、母語はドイツ語です。そして子どもの時から当時の貴族の必須言語、フランス語を勉強させられ、皇后になってからはオーストリア領であるチェコ語やイタリア語も習わされましたが、どれも全く覚えられなかったそうです。公式行事の際のあいさつの丸暗記もダメだったとか。回りも本人も語学の才能がないと思っていました。
なのに、ハンガリーが気に入って、ハンガリー語を習おうとしたのです。そしてハンガリー人の教師を呼んで習い始めたら、どんどん上達していったのです。そしてハンガリー人の女官を置いてハンガリー語だけで話すことにしたり、読まれたくないことをハンガリー語で書いたりするようになりました。ついに、ハンガリーに居ついてウィーンに帰ってこなくなりました。
ヨーロッパ語同士の各地の言葉は全然覚えられなかったのに、系統の違うハンガリー語だけが上達すると言うのは、相当ハンガリーが気に入ってハンガリー語が使えるようになりたかったようです。

好き放題に語ってしまいましたが、このへんで…。


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