2019 SEG |
SEGは、1993年に、「英語教育シンポジウム」を開いて以来、中高時代に学ぶ英語、大学受験に通る英語、社会に出てから必要とされる英語のシームレスな接続を模索してきました。
2001年からの実験的な多読クラスをたちあげ、SSS英語多読研究会、日本多読学会等によせられた論文や報告を参考にして、2006年、中1から高3までの一貫した英語多読コースを立ち上げました。
多読クラスで、半年から1年多読を続ければ、多読前に比べてはるかに難しくて長い洋書を確実に読めるようになります。英語を英語のまま理解できるようになってきたら、だんだんとインプット・アウトプットの精度をあげていけばよいのです。
2009年には、帰国生でない中3多読生で、TOEIC800点を超した生徒が複数出ました。2010年には、やはり、帰国でない中2多読生で、Harry
Potterシリーズを全7巻制覇した生徒が3人でました。2013年秋には、中1基礎クラスから始めた多読生で、iBT 80を超した高1多読受講生もでました。このように、多読によって、従来の教育では不可能だったレベルまで、英語力を急速に上げることができるのです。なお、SEGの多読コースは、英語教育学会からも注目されており、世界中の英語教師・言語学者が見学にきています。
量とスピードを重視し、英語力を急速にレベルアップ
「正確さ」よりも「流暢さ」を重視した英語クラスです。100%の理解や100%の正確さにこだわらず、生の英語をたくさん読み・聞き、身の丈にあった英語をたくさん書く・話すことにより、読解力・会話力の急速なレベルアップを目指します。
実際、全国共通の外部試験による検証結果や、中3の英作文コンテストの結果をみても、多読は「正確さ」や「作文力」についても、従来の方法と同等以上の効果を上げることを証明しています。
身の丈にあった英語を大量に読む
夏目漱石は、「英語を修むる青年はある程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい、少し解らない節があって其処は飛ばして読んでいってもドシドシと読書していくと終いには解るようになる」(「現代読書法」・明治39)といっています。また、東京大学教授でもあった丸山真男氏は、「自分の実力で比較的容易に読める本を読んで、一々文法を考えたりせず、英語から直接内容を理解すれば、自然に英語はわかってくる」(「勉学についての二、三の助言」・1949)と主張しています。それに対し、駿台予備校の英語科主任講師であった伊藤和夫氏は、To train dogs, it is necessary to be wiser
than dogs.を「犬を訓練することは犬より賢くなるために必要だ」というように誤って訳す学生には、「自分の実力で比較的容易に読める本」などはじめから無いので、丸山氏の主張は空論であり、構文を解析して読む読み方を学生に教えることこそが必要であると主張しています。
(「予備校の英語」・1998) しかし、To train dogs, it is necessary to be wiser
than dogs. という短文の正しい意味がわからない英語初学者でも、、Oxford Reading Tree , Longman Literacy Land といった学習用の絵本であれば、構文解析をしなくても、日本語に訳さなくても、英語のまま十分に理解することができます。身の丈にあった英語を大量に読み、少しずつレベルを上げていくことによって、To train dogs, it is necessary to be wiser
than dogs. のような文を文法的な解析に頼ることなく正しく理解できるようになるのです。
私達は、30〜40万語でリーディングの基礎ができ、300〜400万語で語彙・文法が定着するという仮説をたてています。
間違いを気にせずどんどん話す
文法を気にしながら話すのでは、とてもスムーズに話すことはできません。特に、英語の学習課程では、間違いを怖れず、どんどん自分の思いを発信することが必要です。
SEGの英語多読クラスのアウトプットの授業では、間違いを気にせずに、たくさん話し、たくさん書いてもらいます。
速い発音やつながった音に慣れる
残念ながら、自然な会話の中では、What are you going to do tonight? という文をだれも、ホワット アー ユー ゴーイング トゥー ドゥー トゥナイト ? とは発音してくれません。 強いていえば、ワ タヤ ゴナ ドゥ ダナイ? でしょうか? 日本人が native speakers の話し言葉の英語を聞き取れないのは当然です。英語の音は、単語を一つ一つ発音する場合と、文の中で発音する場合では全く違っているからです。SEGの英語多読クラスのnative
speaker は、教科書的な単語一つ一つをバラバラにした発音ではなく、自然な発音で行います。(中1はゆっくりに、中2以降は、自然な速度で) 最初から自然な音に慣れれば、英語を聞き取るのは決して難しいことではないのです。どこの国でも、移民の人は、読み書きができなくても、聞けて話せるのが普通なのですから。
従来の英語教育の100倍以上を読む・聞く
訳読や100%理解にこだわらないと、長文が短時間に読めるようになります。はやい子供は、半年位で、分速200語で読めるようになります。そこまでいかなくても、分速100語で読めれば、1日30分の読書で、年間100万語の読書をすることができますから、従来の英語教育の100倍以上の量が読めるのです。中学1年から多読を始めれば、高2までに、300〜400万語読むことは大変ではありません。高1から始めた生徒でも、2年間でこの位読む生徒は珍しくありません。大量インプットにより、重要な英語表現を意味的にも文法的にも無理なく理解できるようになるのです。
細切れでない「物語の力」を利用して、持続力のある英語力を育てます
普通の英語の授業では、解説の都合上、細切れの短文や、人工的な会話文しか読むことがありません。多読コースの授業では、英語の本をまるごと流暢に読むことを授業の中心におき、何時間も英語の本を読み続けられる、話しつづけられる、持続力のある英語力を育成します。
本を読んで感動しよう
本には「伝えたい」という筆者の想いが込められています。そして、本を読むことで、私達は、その想いに共感し、自分自身で物語の世界を作ります。その物語からごく一部を切り取ってそれを教材として使うのでは、壮大な物語の世界を感じることはできません。 中高生が前後のつながりがない短文の暗記をしているのをみると、今の英語教育の貧しさに悲しくなってしまいます。
To train dogs, it is necessary to be wiser than dogs. というような文で英語の文法は学べるでしょう。
しかし、このような文には何の感動もなければ筆者からのメッセージもありません。
SEGの多読クラスでは、英語の本をまるごと読んで、英語のまま物語の世界に浸ることにより、英語で長い時間考え続ける力を伸ばします。
ズタズタに切り裂かれた英文ではなく、感動できる物語を読むことによって、英語の使い方が自然に身についていくのです。 実際に多読クラスを経験した卒業生のコメントがこの事実を証明しています。
次の本がすぐ読みたくなるのが本当の読書
本を読むのは本来楽しいもの。しかし、Readingと称している学校の授業には、1冊読んだらもうしばらく読む気をなくしてしまうというような授業も多く見受けられます。
SEGの多読クラスでは、1冊読み終えたら、次の本をすぐ読みたくなる、そんな読書の楽しみを味わってもらいます。
多読のプロが、各自にあった読み方を個別指導
「本を読むだけなら、授業時間を使うまでもない」と思う方もいるでしょう。実際、学芸大学の金谷憲教授は、「高校生対象多読プログラムには教師の時間もそんなにとらないし、手間もそんなにかからない。生徒は自発的に読むのだし、読後の処理も、教師にとっては大きな負担にならない。シートにサインするだけである。」と主張しています。しかし、日本語の本でも、小学校低学年の生徒が、自分で本を選ぶことは非常に難しいことです。子供たちが読めるレベルで、子供たちが没頭するような本を選ぶのは簡単なことではないのです。
SEGでは、多読指導のプロ講師が、無理なく読めて感動できる本、読書の幅を広げる本、読む力を育くむ本を適切に個別指導します。SEGの読書指導は受講生の多くの保護者の方から大変高い評価を得ています。
脳科学の専門家からみても「合脳的」な方法
脳科学の専門家茂木健一郎氏は、「脳科学の視点からすれば、(英語上達の)処方箋は一つしかない。すなわち、できるだけ多くの英語の文章を読み、会話を聞くことである。戦前の旧制高校では、原書を読んで外国語を習得したと聞く。エピソード記憶を積み重ねる、という意味で”合脳的”な方法でであったことは確かである」と主張しています。(『脳の中の人生』中央公論社)
茂木教授のいうように、すぐにわかるかどうかにかかわらず、大量の英語経験にさらされること以外に、脳の中に生きた英語を根付かせる方法はないのです。
多読で教養を身につけよう
Jane Austen, Charles Dickens, John Steinbeckなどの古今東西の古典文学や、John
Grishamなどの社会派小説に触れることにより、幅広い教養が身につきます。また、社会科学のノンフィクションを読むことにより、アメリカの有名な最高裁判決や、各国・各宗教の文化を知ることができます。
このような知識は、大学入試の論説文の読解に非常に役に立ちます。大学入試の論説文で、決め手になるのは文法知識ではなく、背景知識なのです。
英語読書力は、大学以降で絶対必要な力
欧米のまっとうな大学では、1週間に1000ページ近くの参考文献を読むのは普通のことです。日本でも、まっとうな大学生ならば、1週間に300ページ位の参考文献を英語で読むことが必要です。高校時代に300ページを越す小説をを日常的に読む力をつけておけば、大学生になって300ページを越す参考文献を英語で読むのも苦なくできます。一方、そもそも小説ですら英語で読んだ経験が無い人が、いきなり、300ページを越す英語の文献を読むのは事実上不可能です。アカデミックな世界で必ず必要となる英語読書力を、高校生のうちに身に着けておきませんか?
英語多読には、単なる英語習得を超えた利点があります。SEGでは、これらの多読の利点を活用し、さらに、やや難しめの文章の精読、会話と作文による発信、和文英訳による英文法のチェックを組み合わせ、受講生の英語力を着実に伸ばすプロフラムを用意しています。
他の塾・予備校にはない英語多読コースをSEGでぜひ一度受講してみてください。(学校別受講人数は、こちら)
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(2017/12/19 文責 古川昭夫)
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