2010 SEG

多読クラスの英語運用能力テストの結果について(2010/6-8月)

SEGの多読コースでは、英語の力は「初見の英文をどう理解できるか?」で判定されるべきだと考えています。
授業内容に沿った試験で良い点をとっても、授業でやったことのない英文が理解できないのでは、本当の実力とはいえないからです。
この試験Policyに沿って、年2〜3回、外部試験を全受講生対象に実施し、伸びを測定し、弱点が発見されればカリキュラムを微調整しています。

ACEは、三省堂が中心となって作っているNPO 英語運用能力評価協会(ELPA)が主催する、
高校生・大学生対象の900点満点のTOEIC形式(英問英答記号式)の英語力判定試験です。
前期・後期と年2回受験可能で、毎回1万人以上の高校生が受験しています。英検での取得級との対応は、ほぼ次の様になっています。
英検の級 準1級 2級 準2級 3級 4級
ACE受験者の英検取得者の平均点 813 667 531 464 436


受験者全員および上位33%(いわゆる進学校生の英語が平均以上の生徒)、下位33%の学年別平均点は次の通りです。
(試験番号 A037 )

高1
全体
高1
上位
33%
高1
下位
33%
高2
全体
高2
上位
33%
高2
下位
33%
高3
全体
高3
上位

33%
高3
下位
33%
総合(900) 429 510 353 442 541 362 473.4 592.7 363.7
語彙(150) 72 83 61 75 88 62 80.0. 99.2 62.0
文法(150) 70 79 60 73 87 62 76.7 92.6 62.1
リーディング(300) 140 174 108 143 186 109 155.0 202.5 110.7
リスニング(300) 147 174 125 152 181 129 161.7 198.4 128.8

この結果と、7月実施の、SEGの中2〜高2多読クラス、6月実施のSEG高1eMクラスのスコアを比較すると次のようになります。
ここで、上位、下位は、そのグループの中の、総合点で上位33%、下位33%の集団の平均値を表します。

全国
高3
下位
中2
多読
下位
中3
多読
下位
全国
高2
平均
高1
eM
下位
全国
高3
平均
高1
多読
下位
中2
多読
平均
高2
多読
下位
全国
高2
上位
中3
多読
平均
高1
eM
平均
全国
高3
上位
高1
多読

平均
中2
多読
上位
中3
多読
上位
高2
多読
平均
高1
eM
上位
高1
多読
上位
高2
多読
上位
総合(900) 364 378 431 442 456 473 474 477 535 541 539 562 593 600 598 660 666 671 729 787
語彙(150) 62 58 70 75 72 80 75 70 85 88 81 84 99 89 84 92 101 94 103 118
文法(150) 62 58 71 73 78 77 75 68 85 87 79 88 93 89 81 93 102 99 103 119
リーディング(300) 111 117 134 143 150 155 158 160 183 189 177 198 203 212 210 238 239 253 269 282
リスニング(300) 129 146 155 152 156 162 166 193 183 181 187 192 198 211 222 238 224 224 255 267

中2多読クラスについては、例年この時期には、BACEを用いていましたが、今年は、上位層が厚くなったので、英語学習開始1年半の中2の夏の段階でACEの試験を導入しました。例年、中2の1月時点では、50点以上、全国高3の平均を上回っていましたが、今回、中2の夏の段階でも3点上回りました。
(従って、1月の試験では、50点以上の差で高3平均を上回るのはほぼ確実です)
下位33%平均でも、高3の下位33%平均を、上位33%でも、高3の上位33%平均を上回っています。
多読は英語の成績の上位層のみならず、どのレベルでも有効であることを示しています。
特に、リスニングにおいては、SEG中2多読生の平均は、全国の高3の上位33%の平均とほぼ同じであり、多読とNativeの講師の授業の組合せがとりわけリスニングに有効であることを示しています。また、中2多読の上位1/3の平均は、伝統的な教え方で教えるeMクラスの高1の平均を上回っており、多読が意欲的な学習者にはなおさら有効な手法であることを示しています。

中3多読クラスについては、全体の平均でも、上位1/3の平均でも、下位1/3の平均でも、全国の高3の平均と比べて66〜67点上回っています。リスニングについては、平均で高3平均を25点上回っており、高1eMの平均にあと5点とせまっています。また、上位1/3は、高1のeMの上位1/3にあと11点までせまっています。また、多読クラスが苦手とする文法も、中3の夏の段階で、全国の高3平均を上回りました。

高1多読クラスについては、語彙を除く3分野で全国の高3上位33%平均を上回るようになります。また、高1多読下位クラスの平均も、全国高3平均より高くなります。伝統的な教え方とeMクラスと比較すると、高1多読平均は、高1eM平均より38点、高1多読上位平均は、高1eM上位平均より、58点高くなっています。

高2多読クラスについては、語彙を含む全分野で全国の高3上位33%平均を上回り、高3上位平均を総点で73点上回ります。高2上位クラスでは、読解・聴解では、平均誤答数が1問となるところまで確実な力がついていきます。下位クラスの平均も、ほぼ、高2の上位平均と肉薄します。

リスニング・リーディングの伸びに比べて文法・語彙の伸び方の方が遅いですが、学年が上がるに連れ、着実に伸びていくことが、上記の表からも分かると思います。文法・語彙も、多読を続けていれば、高3までにかなり伸びていきますので、受験にも十分対応できることは、今までの合格実績からわかっています。


前回のACE試験結果を見る 

(2010/10/22 文責 古川昭夫)

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