[掲示板: 〈過去ログ〉SSS雑談の掲示板 -- 最新メッセージID: 3556 // 時刻: 2024/11/25(03:32)]
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2080. Harry Potter <DH ネタばれ>感想兼ぼやき ご注意ください
お名前: tsumugi
投稿日: 2007/8/8(02:07)
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掲示板の皆様こんにちは、
いつもお世話になっている、tumugiと申します。
Harry Potter and the Deathly Hallows (Book 7)
Spoiler Alert!! I have warned you! でございます。
Harry Potter and the Deathly Hallows (Book 7) のreviewが
すでに何点か書評に載っていますし、
こちらの皆さんは様々な本で「本を読んだあとの気分」を経験されている方が
たくさんいらっしゃるので、ご意見をいただければと思いました。
読み終わって10日以上経つのにこの胸のくすぶりは何なんだ。
みんなこの本はすごいすごいと言ってるけど、私はしっくり来ないぞ〜!!という叫びの投稿です。(この辺は皆さん個人差として経験され、掲示板でも時たま本が<自分に>あった合わなかったという投稿を見かけるのでそういう問題なのかもしれないのですが…)
いわゆるreviewではないのですが、こちらに投稿させてください。
というわけで投稿の性質上、 <ネタバレ> 含みます。ご注意ください。
いろんな意味で混乱中でもあり、親切とは言えない書き方なので、
未読の方は読まない方がよいかと思います。
<ネタバレあり注意 最終警告>
最終巻を読んでの感想はハリーとの7巻にわたる旅路は本当に胸躍りわくわくすることの連続で、自分も子ども時代に帰ったような気持で1冊1冊読んで成長を楽しみ冒険を楽しんだと思います。しかし、一方で、私の頭は「この本はひどい、子どもに読ませちゃいけない」という強烈な警報を発しました。(ちなみにうちの6歳の娘は1〜4までをDVDで見て、1は私が多読をはじめる前にオーディオブックで聞いていたのを一緒に聞き(英語の理解は全くなかったと思います)、今5巻を読み聞かせで楽しみ(理解は?でも楽しいと言ってます)、今月中に映画5巻に連れて行く約束をしてます。)
これほどまでに1冊の本に揺さぶられたのは久々の経験で、私自身動揺しましたし、この10日ほど、一体これはどういう事なのか整理しようと、読み落としがないか読み返したり、書評やファンダムを読んだりして考え込んできました。
で自分なりに疑問点を整理してみました。
キャラクターについて
この本の中には敵味方を問わず、とても魅力的なキャラクターがたくさんでてきます。特に映画化された段階では役者さんの力量と相まって非常に人間的で緻密なキャラクターたちが浮き上がってきました。しかし、登場人物たちが、どういうpathでそういう思いや行動に至ったのか理解できませんでした(そういう質問に対してJKRさんは状況を説明して読者に気持を想像してもらいたいとずっと昔コメントされてた様な気がしますが、その範囲を超えてると思います)。一般常識に照らせば、こういう風に設定されたキャラはこうなんだろうなと思うのですが、、、子ども向け(今はともかく出版当初はそうなってましたよね)とはいえ、ちょっとその設定はスレレオタイプで使い古されてるというか、他の部分で魅力的なキャラクターにそりゃないでしょと思いました。少年Harryの物語として書かれてるという前提があるにしても、女性キャラクターの動かし方はあまりにもご都合的としか捉えられませんでした。結局私はキャラクターのうち、どの一人として(Harryも含め)一体何をどういう風に考え、行動に至ったのか 文章自体から読みとることはほとんど無かったと思います。
この本でJKRがテーマとしてずっと言い続けてきた「愛」についての掘り下げがあまりにも薄っぺらすぎるような気がして納得がいきませんでした。
Molly WeasleyにしてもProf.McGonagall(母ではないですが非常にMotherlyなキャラクターとして描かれていたと思います)にしてもひいてはHarryの母、Lilly が示す母の像と Prof. SnapeとVoldemortの母の有り様についてです。結末まで直接、対比として語られることはなかったのですが、JKRは明らかに意図的に母の愛というものを受けたか受けていないかが、この3人の運命を分けた「愛を知る」の鍵になっていると匂わせ、個人的には非常に不愉快でした。母性というものに対し、これもあまりにステレオタイプ過ぎると感じました(この辺はwikipediaのcriticのfeminismの項目に載っていることに近いかと思います)。自己犠牲もいとわないほどに愛溢れる母と壊れた母、暖かい家族と機能しない家族、これが「愛を知る」善と悪を分ける要因になると暗に匂わされているようで、しかもその論理に至る過程がしるされずに、ただそれぞれの子ども時代の場面として書かれ、はっきりとした記述には至らないのです。ただ、何度も「愛が」、「愛が重要」とDumbledoreに主張し続けさせ、結局、最後には愛によって得た守護の力が他を凌駕して勝利を得るだけで、なぜその愛が重要なのか、それほどまでの力を生み出すのか、魔法だから謎で当たり前なんですが、愛が大事というならどういうときに愛を感じるとか(LillyがSiriusに書き送ったの手紙のくだりは秀逸でしたが、)もっとそれぞれの心の動きにページを割いて欲しかったなあと思います。この物語の中で成立していったカップルもありますが、主役級のカップルにせよ、周囲のカップルにせよ、挿話として互いの信頼や愛を見せることはあるのですが、あまりにも短すぎて、Harryはきっとそれによって愛の意味をどのように認識していったのか疑問にしか思えませんでした。結局、Harry自身、友人や恋人との関係で愛することと、あの死者との対面によって、自分が愛される存在であることを確認したのですが、、、(ある意味、生きていく上で当たり前のことなんですが、子どもが読む物語にはそこがキモとして入っていて欲しい…)。
で、まあそんなこんなで表情豊かでありながら、結局のところ私にとっては納得いかなかったキャラクター背景と物語の背景となる愛の性質への消化不良的な例示以上が示されない(これがJKRさんの言う少年Harryの視点??)状態が一番苦手だったのかなあと。
そんなこんなで、HPシリーズはよく指輪物語や、ゲド戦記などと並べられますが、心象の描写には、まったく足元にも及ばなかったというのが所感でした。他の2つは周囲の景色1つ、恐怖の色、愛の気持、人の共感の1つ1つが異なって感じられたのに、HPでは常識を働かせる以外に状況に対する心理状態の把握ができなかったと思います。
個人的にキャラについてもう一点
私個人はProf. McGonagallおよび、Alaster Moodyの大ファン(Prof. McGonagallのためだけのサイトを立ち上げるほどはまりました)なので、優秀と言われ、それなりに頭脳派なこの2人がどうしてDumbledoreが隠し続けてきた真実に気がつかなかったのか、彼を支持し続けられたのかずっと疑問なのです。何度も整合性のない事態になっていたし、Prof. Mは4巻や5巻の最後に疑問を呈しているにも関わらず、Dumbledoreを絶対的善と見なし、根本的な部分でその真意について本格的に問いただそうとした形跡が見あたらないことに非常に疑問を感じるのです。Prof. Mは第一次戦争でもDumbledoreの作戦実行指揮官(second in command )としてすぐ側で働いてきたというような記述を見かけた記憶があるのですが、その仕事って表面の指示に単純にしたがっていればつとまるような仕事だったんですか?そんな人が指揮して戦争してたんですか?学校だって寮監兼副校長といえば相当な権限でかなりの見識がなければつとまらない仕事のはずで、彼女はその仕事を良くしていたはずです(どこかの魔法省と違って)。Moodyだって優秀の誉れが高く、猜疑心のかたまりといわれたくらいの人物として描かれてました。何でも見通す魔法の目もあったし。しかし、この2人ともDumbledoreの真意は分からないままだったわけです。変だなあと?
愛について パート2 大ネタばれですよ
この物語でもう一つ大きな謎になっていたSnapeの愛にとその結末について。
まあ、彼がきっと死んじゃうことは予想していたし、その辺はもうどうでも良いのですが。。(個人的には彼のファンなので悲しいは悲しい、 黙祷アンド映画で素晴らしい終局の演技が見られますように)
しかし、あえて言わせていただきます。この陳腐な愛の有り様。これだけ期待させといて何ですか。と叫びました。(5巻のあのときから疑ってましたが…)いくら彼の生い立ちやら状況やらがそうだったからって、幾ら物語の中とは言え、これだけの物語のキモとなる愛の形の1つがこの不完全な愛とも言えない妄執というか刷り込みのような感情が行動の動機となってしかもそれもあの御仁が彼の愛の死後、諭すという形で呪いの言葉を吐くことで縛り付けたもののように感じました。結局、彼は自分が愛と思っていただけで、私個人の見解としては刷り込みと妄執みたいなグロテスクなものにしか見えませんでした。それをかの御仁は愛と呼ばわり、、、愛に後半生を捧げ事を示す、銀の牝鹿を示し、感動的な最後の場面としてthose green eyesに看取られて逝く、、、もうGross でしたわ。
タイトルについて
タイトルになっている秘密は7巻中にきちんと語られるのですが、正直言ってあまりにも唐突で、何??でした。確かに今まで死のベールとかVoldemortが異様に死を怖がったり、Harryのinvisible cloakのところなど伏線としてみればみることもできるのですが、今までHorcruxに焦点が当たっていたのに、一体どこでこんな話が出てきたの?と目が点になりました。HarryやHarmyonyが知らないのは当たり前なんで今まで語られてこなかったのも理解できるのですが、今まで1度も魔法会におけるそうした神話的存在に焦点が当たってこなかったにも関わらず(4人の創始者に関しては史実の一部だと考えて、神話的存在とは異なると思ってます)、突然ストーリーの重要な鍵として登場した神話…まず、品物ありきでそれに意味がついてくる。謎解きというよりこじつけという印象がぬぐえませんした。話の寓意についてはストーリーに沿ってるとは思いますが(笑)。この寓意はキモなんだからそれをVoldemortが知らない兵器と隠し続けた物語の意図を計りかねました。大意を持って書かれた児童文学ではなくどっかのRPGみたいじゃないですか…。
でもってまとめというか 叫び 某所に投稿したものを直しました。。。
Thinking about love, Are these Love; love the background of this story? JKR showed various kind of love in the books, friendship, lovers, family, one side love (of Snape) or even love for the world, but last thing why Harry could won Voldemort was love for child from his mother, understanding those love exist in the world, and it has strongest power in the world. Was it JKR wanted to say in this story that Love could overpower everything? Or something like that. 'Are you serious, aren't you? If so, you should have used more pages for explaining how love is precious than exciting battles or student lives. We usually find love in our life, but I do not think she explained it enough; I mean how love was born in people's soul and how it grows up. She simply wrote the fact someone loves someone, like Tonks and Lupin, James and Lilly, Lilly and Harry, Weasly family, Granger and Weasly apart from Snape's case. (Unfortunately we could guess why Snape loved Lilly. )
こんだけ書いてもまだ混乱だらけで、、、まだ悲しい。なんだかこういっちゃ何ですが、いろんなファンダムで発表されてきたfanfictionの方が出来が良いものもあったような気がしてしまう。。。結局本の中にもfanfictionやもっとそれ以前の文学の中でもみたことあるような場面がありすぎたし。。。でもまあ何で子どもに読ませられないか何となく感覚だけはつかめたので、5巻を読み終わったら何とか親の強権ではなく理を持ってとめることができそうです。多分、大人になってから読みなさいって自信を持って言えるでしょう。
I really enjoyed hanging around in HP universe in years and having Great journey with Harry Potter, but this to be great path reached this poor achievement.... so disappointed, depressed....
I need something new and really powerful!
とはいえ読まなきゃ何も感じないわけで読むのは楽しみました。。
ではお約束どおり Happy reading!
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2715. Re: Harry Potter <DH ネタばれ>感想兼ぼやき ご注意ください
お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/3/16(08:48)
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お待たせしました tsumugiさん。
やっと第7巻を読み終えたので、
僕の感想を書いてみます。
映画の方は観ていないので、
印象は違っているかもしれません。
「この本はひどい、子どもに読ませちゃいけない」というご意見には賛同できるところがあります。
年齢が一桁の子どもには薦めたくないです。
キャラクターについて映画でどう演じられているかは知りませんが、
文章から受ける印象は漫画っぽいと感じて来ました。
名優たちが演じるより、
日本のアニメに近い感じです。
The Lord of the Rings や The Earthsea Cycle の文章から受ける印象とは違うので、
別の種類のファンタジーだと思って来ました。
愛についてですが、
これはまず、
英語の "love" を「愛」と訳さない方が良いのかもしれません。
どこにでもある、
ありふれた love こそが、
この作品では重視されているのだと僕は思います。
その延長線上に崇高な自己犠牲もありますが、
根っこは、
陳腐な love であるような気がします。
この点について解明したければ、
Rowling さんも愛読している Jane Austen が参考になるでしょう。
Voldemort の弱点は、
母親から大事にされなかったことではなく、
小さな親切や思いやりにも心を動かされないことのような気がしました。
この点は Dudley Dursley と比較すると面白いです。
Dudley は母親から溺愛されていますが、
それを感じていません。
感じていないけれど腕っ節が強いので困った人物というわけです。
非常に高い能力を有する人物が Dumbledore の秘密に気づかなかったことについては、
世の中そういうもんだと思っています。
(これは価値観の問題かもしれませんが。)
どんなに頭が良くて能力の高い人でも、
固定観念に捕われて目の前の事象を見過ごしてしまうことはあると思います。
20世紀の日本でも北米でも英国でも、
英語を専門的に教えている人や研究している人の中で、
外国語を獲得する手段として多読に注目する人は少数でした。
だからといって、
多読に注目しない人たちの頭が悪いわけでも、
能力が低いわけでもないです。
それと同じだと思います。
本の題名については、
第6巻まででも、
謎めいた題名で読者の興味を引くことが主目的だと思って来ました。
ただし、
Deathly Hallows について考えてみれば、
7冊の物語全体がある主の寓話なのかもしれないという気はします。
最後に、
本当にすぐれた文芸作品は読者に考えさせる力を持っています。
人間は納得してしまうと考えなくなる傾向もあるので、
不満や謎を残すことも必要なのです。
納得して満足して終わりという本も僕は好きですけどね。
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2828. Re: Harry Potter <DH ネタばれ>感想兼ぼやき ご注意ください
お名前: tsumugi
投稿日: 2008/4/5(06:01)
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ryotasanお返事ありがとうございます
気が付かなくてごめんなさいm(_ _)m
良く読んでみたいのでしばらくお待ち下さい。
子どもが二人とも百日咳にかかって自宅学習になってしまい…
どうにも身動きがとれません…
ではとりあえずお詫びまで