[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/11/22(09:43)]
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お名前: wkempff
投稿日: 2019/12/7(16:53)
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みなさま、たいへんたいへんお久しぶりです。
昨年3月ごろ、なぜか小説読むのが負担になり、半年ほど洋書から離れておりました。
10月から再度読み始め、休止期間を入れると10か月ほどかけて100万語を読んだ感じになります。
読めなくなった原因はいろいろ考えられるのですが、Grishamの新作があまりに面白くなくて途中で投げた、という要因が大きいです。
その他、身辺の変化(悪い方向ではないです、幸い)、趣味のゴルフが絶好調だったこと、など考えられるのですが、特に大きく変化があったわけでもありません。
ゴルフコンペで優勝や準優勝を続けるとゴルフのことばかり考えるようになり、気が付くと洋書ではなくゴルフ雑誌を買ったりしているんですよね。
まあ、そういう時期もあるでしょう、ということで。
そして、何をきっかけに読書を再開したか、も、自分でもよくわかりません。
しかし、ここのところ、面白い小説(B級サスペンス?)に当たることが多く、まったりと読んでいます。
それでは最近読んだ7冊をご紹介します。
2019.1.29 1504.2万語
The Kind Worth Killing, by Peter Swanson 10.2万語
The Wife between Us, by Greer Hendricks & Sarah Pekkanen 12.3万語
The Burial Hour, by Jeffery Deaver 17.3万語
The Reckoning, bu John Grisham 15.9万語
The Night Fire, by Michael Connelly 13.0万語
Into the Water, by Paula Hawkins 12.6万語
The Chesnut Man, by Soren Sveistrup 16.6万語
2019.12.8 1602.1万語
それでは、まず、途中で投げたJohn Grishamの新作からご紹介しましょう。
The Reckoning, bu John Grisham
YL 8.0、お薦め度★☆☆☆☆
第二次大戦後、フィリピン戦線の英雄で南部の豊かな農場主だったPeteは、使用人に親切な人格者でしたが、唐突に、牧師Lesterを銃殺します。Lesterもまた、地域のために働く人格者として知られていました。
Peteは殺人の動機をいっさいしゃべらず、自ら望んで死刑になります。
第一部はPeteが死刑になるまでの動き、第二部はPeteのフィリピン戦線での悪戦苦闘、第三部はPeteの遺産をめぐる争いが主題になります。
第二部には、フィリピンにおける日本軍の捕虜虐待がこれでもかと詳細に描かれ、第二部後半ではアメリカ軍の反撃が描かれ「日本兵を殺す正義、喜び、楽しみ」のような書き方が貫かれ、辟易しました。
また、全体あまり気持ちのよい描写でなく、Grishamファンであった私としては残念でした。
(一度放り出してから、なんとか完読はしました)
その他の小説は、私としてはけっこうあたりだったと考えています。
例によって長文ですが、お時間のあるかた、おつきあいください。
The Kind Worth Killing, by Peter Swanson
YL7.5、お薦め度★★★★☆
昨年の「このミステリーがすごい」第二位
ヒースロー空港のビジネスクラスのラウンジで一人酒を飲んでいたTedは、隣に座った美女Lilyに酔った勢いで「妻が浮気している」とぼやきました。Lilyは驚くことに
And your wife, for an example, seems like the kind worth killing.
と言い放ち、さらに、自分が奥さんを殺すのを手伝ってもよい、と言い出します。
ITコンサルで裕福なTedはおよそ人を殺すような人間ではありませんでしたが、Lilyの魅力に負けて、徐々に殺人計画を具体化していきます。
その後、話は二転三転、Lilyのサイコパスぶりが徐々に明らかになっていきます。
私としては、このミス 一位のMagpie Murdersより面白かった。B級スリラーですが、しゃれた雰囲気もあり、息詰まる展開もあります。
(日本語訳、そしてミランダを殺す、務台夏子訳、創元推理文庫)
The Wife between Us, by Greer Hendricks & Sarah Pekkanen
YL8.0、お薦め度★★★★☆ 二押し!!!
Chick-Litを得意分野とする女性編集者と、彼女が担当する女性作家の共著、という変わったサイコスリラー。
若き富豪投資家のRichardの元妻Vanessaの語りで進みます。Vanessaは着の身着のままでRichardの家を追い出され叔母の家に居候、Richardは美人のNelleと再婚しています。
VanessaはNelleをストーカーのように監視しています。
ここまではまあ普通の設定なのですが、ほどなく、空間がグシャッと歪む感覚にとらわれ、自分が正しく読んでいたのか、何が本当なのかわからなくなってきます。
グロテスクな場面の少ない小説ですが、けっこう怖いサイコスリラーです。
The Burial Hour, by Jeffery Deaver
YL8.5、お薦め度★★★☆☆
Lincoln Rhymeシリーズの最新作です。
腕利き刑事だったRhymeは捜査中に負傷して四肢麻痺におちいり車椅子生活を余儀なくされていますが、探偵事務所を経営し、ここに科学分析機器を多数そろえて、NY市警と協力関係を保っています。
本作品はNYのバス停の誘拐事件ではじまります。男性が誘拐され、現場にはミニチュアの縛り首用の縄(Noose)が残されていました。ほどなく、この男性が首を絞められている映像がネットに投稿され、まったく同じような誘拐事件がイタリアのナポリで起こります。ナポリでは殺人課刑事ではなく森林警備隊のEncoleが捜査にあたり、Rhymeらもイタリアに飛んで協力しますが、殺人課に比較して低く見られる森林警備隊員と外国人であるRhymeらは、政治的な壁にもぶつかって捜査が停滞します。
Derverの作品は、驚くトリックやどんでん返しの連続で非常にスリリングであり、犯罪も猟奇的なのですが、この小説はずいぶんとCozyになっている印象があります。
(和訳 ブラックスクリーム 池田真紀子訳 文芸春秋)
The Night Fire, by Michael Connelly
YL7.5、お薦め度★★★★☆
絶好調ConnellyのHarry Boschシリーズ最新作。数年前に登場した女性掲示Renee Ballardとの共演になっています。
Boschは予備役刑事になっており普段は捜査権を持たない立場になっています。しかし、いろいろなトリックを遣い、Ballardと、3つの事件を追っていきます。
Micky Haller(Lincoln Lawyer)も登場し、舞台は華やかですが、Boschの老いと引退を感じさせる、ペーソスあふれる作品になっています。
Into the Water, by Paul Hawkins
YL8.0、お薦め度★★★★★ 一押し!!!
処女作The Girl on the Trainが大ヒット、瞬く間に人気作家になったHawkinsの二作目。
Kate Mortonばりに複雑な小説で、巷の評判はあまりかんばしくありません。しかし、私は非常に面白かったんですよね。
17世紀に魔女裁判で少女が溺死させられた川の淵は、村の住民に、Drowning Poolと呼ばれていました。
この淵で立て続けに起こる女性の溺死事件が主題です。
Drowning Poolの歴史を追ってドキュメンタリーを書こうとしていたNelは、自ら転落死してしまいます。Nelの娘Lenaの親友Katieも、しばらく前二同じPoolで水死していました。
二人は事故なのか自殺なのか事件なのか。
13人の異なる視点から事件がかたられ、時間軸もひんぱんに前後し、読者は大混乱に陥ってきます。
しかし、後半に徐々にピースが嵌っていく構成はみごと。また、登場人物の心理描写がたくみで、謎解きだけではない重厚な小説になっています。
(巷の悪評に反し、私としては、文句無く一押し。
日本語訳(超訳)魔女の水浴 天馬龍行訳)
超訳、というのは原作の筋書きを尊重しつつも大胆な省略や改変を加えて日本人に読みやすい小説に仕立てる、というもので、一時期、Sidney Sheldonの訳が売れに売れました。日本語訳は未読なのではっきりと申し上げられませんが、ことこの作品に関しては、この超訳は評判がよろしくありません。)
The Chesnut Man, by Soren Sveistrup
YL8.5、お薦め度★★★★☆ 三押し
見慣れない作家名ですが、デンマークの新人作家(ただしTV番組のスリラーの脚本など書いていたプロです)の作品の英訳。
これも非常に複雑なミステリーで、B級っぽい色彩もありますが、私は結構おもしろかったです。
社会問題担当大臣(Minister of Social Affairs)に就任したRosa hartungの娘Katherinは、下校途中で誘拐され、ほどなく、おびただしい彼女の血痕や凶器が発見されて、本人は死亡したものと思われていました。犯人も逮捕され犯行を自白していました。しかし、被害者の遺体は発見されませんでした。
シングルマザーの惨殺事件が起こります。彼女の遺体には、栗とマッチでつくった人形Chesnut Manが置かれていました。ここに一年前に誘拐されたKatherinの指紋が残されていたところから、事件は複雑化します。
Europolから派遣された刑事Hessとシングルマザーの刑事Trulinは、お互いに反発しながら事件を追いますが、今一歩のところで第二、第三の殺人事件を防ぐことはできず、指紋つきの人形が同じように現場に残されていました。
katherin事件を強引に被害者死亡で終結させようとする法務当局や警察幹部との軋轢、大臣Rosaの政府内での葛藤がからみ、事件はさらに複雑化していきます。
最後の100ページの息もつかせぬアクションを含め、劇画的で飽きさせない小説です。
しかし、けっこうエグい残酷描写と複雑すぎる(わざと複雑にしているところもある)プロットで、どなたにもお薦め、というわけにはいかないかな。
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お名前: 柊
投稿日: 2019/12/9(08:59)
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"wkempff"さんは[url:kb:13500]で書きました:
〉みなさま、たいへんたいへんお久しぶりです。
wkempffさん、おはようございます。柊です。私も掲示板自体が、かなり久しぶりです。
〉昨年3月ごろ、なぜか小説読むのが負担になり、半年ほど洋書から離れておりました。
〉10月から再度読み始め、休止期間を入れると10か月ほどかけて100万語を読んだ感じになります。
〉読めなくなった原因はいろいろ考えられるのですが、Grishamの新作があまりに面白くなくて途中で投げた、という要因が大きいです。
〉その他、身辺の変化(悪い方向ではないです、幸い)、趣味のゴルフが絶好調だったこと、など考えられるのですが、特に大きく変化があったわけでもありません。
〉ゴルフコンペで優勝や準優勝を続けるとゴルフのことばかり考えるようになり、気が付くと洋書ではなくゴルフ雑誌を買ったりしているんですよね。
〉まあ、そういう時期もあるでしょう、ということで。
〉そして、何をきっかけに読書を再開したか、も、自分でもよくわかりません。
〉しかし、ここのところ、面白い小説(B級サスペンス?)に当たることが多く、まったりと読んでいます。
私もちょっと違うかもしれませんが、5ヵ月近く休んだことがあります。割りと、面白い本に当たったのが悪かったというか、それとも、その本が結局性に合っていなかったのか、今に至るもよくわかりません。
2012年にThe Boleyn Inheritance(翻訳「愛憎の王冠」)というPhilippa Gregoryの歴史小説を読みました。普通、歴史小説というのは現代物に比べて感情描写が淡々としていることが多いのですが、この著者は現代小説以上に感情が激しく、vividなのです。それでこの本を読んで呆然としてから、何を読んでも「薄い」「にせものくさい」と思ってしまうというのが続きました。それと、続けて読んだ同じ著者の本The Other Queenが大外れだったのが響いて、それに、登場人物が気の毒になって、友人が結婚詐欺の被害に遭って有り金全部失ったような(大体、そういう話です)気分で、こちらまで落ち込みました。それで、読書の記録を見ると、次がほぼ5ヵ月後になっています。
結局、私の中で歴史小説の王道のJean Plaidyを何冊か読んで治しました。
すでに面白い本を読んでいらっしゃるということで、安心しました。下の本のリストを見ていると、「機械仕掛けのオレンジ」を読んだときのことを思い出しました。英語だから描写に耐えられるけど(というか、半分もわかってないけど)、日本語だったらいやだろうな、と。Last Sherlock Holmes Storyも割りとそんな感じがしました。
あと「機械仕掛けのオレンジ」は日本軍が中国でした残虐行為は散々書くのに、他の国、たとえばナチスの人体実験は無視なんですよね。なんだか納得がいかなかった。
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柊さま
さっそくの返信と激励をありがとうございます。
柊さんの「大休止」の理由、いかにも柊さんらしいというか、たいへん感心しました。
欧米の作家の日本に対する目線、ときどき気になることがあるのですが、皮肉っぽいところがあってもおおむね好意的な目線が多いかな、と思っていましたので、今回のGrishamにはちょっと辟易としました。オレンジは私はタイトルしか知りませんでしたが同様のことがあるとは存じませんでした。
Grishamは2012年のThe Racketeer以来の長編は全部読みました。前にも書いたとおり、すこし雰囲気が変わってきていると感じていたところですが、今回はあまりにも、でした。
最新作はリーガルものに回帰したということですが、どうするか、、、、
ペーパーバックになったら買うんだろうな、とは思っています。
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お名前: ミッシェル
投稿日: 2020/1/2(23:50)
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wkempffさん、いつものようにご無沙汰してます(笑)。
ミッシェルです。
あれ?年を越えちゃいましたね。すみません。
〉昨年3月ごろ、なぜか小説読むのが負担になり、半年ほど洋書から離れておりました。
〉10月から再度読み始め、休止期間を入れると10か月ほどかけて100万語を読んだ感じになります。
とっても普通なペースですけど、wkempffさんらしくはないですね…。
〉読めなくなった原因はいろいろ考えられるのですが、Grishamの新作があまりに面白くなくて途中で投げた、という要因が大きいです。
〉その他、身辺の変化(悪い方向ではないです、幸い)、趣味のゴルフが絶好調だったこと、など考えられるのですが、特に大きく変化があったわけでもありません。
〉ゴルフコンペで優勝や準優勝を続けるとゴルフのことばかり考えるようになり、気が付くと洋書ではなくゴルフ雑誌を買ったりしているんですよね。
〉まあ、そういう時期もあるでしょう、ということで。
ゴルフが楽しい時期だったのですね(ミッシェル、このジャンルは無知です。すみません)。
それはよかったです。
〉そして、何をきっかけに読書を再開したか、も、自分でもよくわかりません。
〉しかし、ここのところ、面白い小説(B級サスペンス?)に当たることが多く、まったりと読んでいます。
すみません、反応できそうな本がなかったので、レポートの反応はまた今度(笑)。
Grishamは、近年の著書は、巷でも評判がわかれるようですね。作家として新しい分野開拓したい思いと、葛藤されている(そしてそれが長続きしている)ような印象はあります。
ミッシェルもこのしばらくは、忙しさにかまけてだらだらと読んでいます。
まったく読まないということはないのですが、いかんせん、睡魔には勝てません…。
あまりに掲示板に登場する頻度が低いので、前回何をレポートしたっけ?って感じですが(苦笑)。
Wonderと、続編のAuggie and me(児童書★5つ)を読んで、
How Democracies Die(トランプ政権についての本はちょこちょこと他にも読んでいます。そろそろ米国内の意見がはっきりしてきたような印象を持っています。来年がドキドキ。)を読んで、
The Number Misteries(数学博士の数学オタク(?)新聞エッセイ集。小川洋子の「博士の愛した数式」を読んで、Primeの魅力を意識してからどうぞ!)を読んで、
HOOT(ニューベリー賞受賞作家の作品。15周年ですって。古さは感じませんけどね。これはamazonのおすすめから)をちょうど大晦日に読み終わったところです。
児童書もビジネス書も医学書も(英語以外の本も)積読本がたまっています。
そして今はスポーツ科学(筋トレ)の本を読みたいと漁っています。
読みたいと思う気持ちがあることが大事ですね。
ではまた!
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ミッシェルさん
あけましておめでとうございます。
コメントをありがとうございます。今度は同じ月にご返事できます、
実は、今度は室内楽の演奏会準備に忙殺されています。本格的室内楽は久しぶりで、大変です。
(幸い、本業のほうも順調で多忙を極めております。)
本を持ったまま寝入ることもしばしば。
医療、健康関連にもずいぶんご興味をお持ちの様子、もしかしたら医療の専門でいらっしゃいますでしょうか?
最近、サイコスリラーのB級作品ばかり読んでいるので、メンタル方面の語彙は少し増えました。
一時、Patricia Cornwellの監察医Scarpettaシリーズに凝っていて、司法解剖の場面も読みましたが。。。。
普通の医療ミステリーなども読んでみたくなりました。専門書は、、、、パス、かな。
本年もまったり行きますのでよろしくお願いいたします。