1500万語、通過報告です。

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13492. 1500万語、通過報告です。

お名前: wkempff
投稿日: 2019/1/29(23:45)

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どうやら1500万語を突破したので、また長文になりますがご紹介します。

2013年10月 多読開始
2018年10月 1410.5万語 108冊
2019年1月29日 1504.2万語 115冊

この間は下記の7冊になります。

Eyes Like Mine, by Sheena Kamal 10.6万語
 YL 8.5、お薦め度★☆☆☆☆
The Da Vinci Code, by Dan Brown 15.5万語
 YL 8.5、お薦め度★★★★☆
Dark Sacred Night, by Michal Connelly 11.7万語
YL 8.0、お薦め度★★★★☆
The Lost Symbol, by Dan Brown 17.2万語
 YL 8.5、お薦め度★★☆☆☆
Dead Mountain: The Untold True Story of the Dyatlov Pass Incident, by Donny Aicher 8.9万語
 YL 8.0、お薦め度★★★★☆
Milkman, by Anna Burns 12.4万語
 YL 9.5~10.0、お薦め度★★★★★
Magpie Murders, by Anthony Horowitz 17.4万語
YL7.5 お薦め度★★★☆☆

今回は、変わった作品であるMilkmanとDead Mountainはすでにご紹介してしまいました。
また、Dan Brownの2冊は、長くなるので項を改めさせてください。Langdon教授シリーズ5冊をすべて読んだので、まとめて紹介させていただきます。

他の作品を簡単にご紹介。
Eyes Like Mine, by Sheena Kamal
YL 8.5、お薦め度★☆☆☆☆
女性中年パラリーガルを主人公とするハードボイルドミステリー。主人公が生き別れた娘の行方不明事件の調査を依頼されたところから話がはじまります。
しかし、この主人公、浮浪者のような生活を送り、支援者を片端から裏切り、調査方法は犯罪そのもの、どうにも共感できません。何でこんなのを買って読んだのか。。。
日本語訳が出ています。
喪失のブルース (ハーパーBOOKS) シーナ カマル (著), 森嶋 マリ (翻訳)

Dark Sacred Night, by Michal Connelly
YL 8.0、お薦め度★★★★☆
ConnellyのライフワークであるHarry Boschシリーズの最新刊。
一昨年、Connellyは突如としてロス市警の夜勤専門女性刑事Ballardを主人公とするThe Late Showを刊行しました。
この作品は、老境にはいりロス近郊の予備役刑事になったBoschとくだんのBallard協力して事件の解決にあたる、コラボ作品となっています。
9年前の未解決少女暴行殺人事件を協力して追いますが、二人それぞれ日々の雑多な事件に追われながら、執念深く昔の記録をひもといて未解決事件に当たります。
切れの良い文章と巧みなストーリー展開で、いつものHarry Boschシリーズの安心感があります。しかし、人物の描写は少し浅いかな、という気もして、Boschシリーズの最高傑作とはいえないような気もします。

Magpie Murders, by Anthony Horowitz
YL7.5 お薦め度★★★☆☆
日本語訳(カササギ殺人事件)の人気が爆発、年末のミステリーランキング海外部門の4つを独占しました(史上初)。

物語は1950年代のロンドン近郊の屋敷と村を舞台とした家政婦の変死と屋敷主人の殺人ではじまりますが、これはMagpie Murdersというタイトルの作中作です。この作品の作者は自宅屋上から転落死、Magpie Murdersの原稿は最終章が欠落していました。出版社で彼を担当する女性編集者は失われた結末部を探し多くの関係者と会いますが、作者自身の死が自殺であったか疑問を持っていきます。
1950年代の作中作、現代の女性編集者の周辺、2つの事件はみごとのパラレルワールドになっていて、この2つの事件は密接にからんできます。
また、クリスティへのオマージュといわれ、彼女のミステリーのように、登場人物のほとんどが怪しく嘘を重ね、探偵(後半は女性編集者)が丹念にインタビューして謎を解いていきます。

正直な感想を言うと、英文が非常に読みやすいこともあり、最初はおもしろかった(Milkmanの次に読んだせいもありますが)のですが、後半になり、凡庸な推理小説を2冊読まされている気分になって、急速に疲れてきました。巷の大絶賛の理由は正直言ってよくわかりません。

ちょっと日本のミステリーランキングには違和感を感じることがあります。
たとえば、私が既読115冊の中でワースト認定するThe Serialist, by David Gordon(二流小説家)も国内では非常に高く評価されました。


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13493. Dan Brownを一気にご紹介

お名前: wkempff
投稿日: 2019/2/7(21:18)

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なにか私だけが投稿しているようで恐縮ですが、予告どおり、Langdon教授シリーズを一気にご紹介します。

Dan BrownのLangdon教授シリーズは、最新のOriginまでに5冊刊行されており、すべてベストセラーになっています。玄人筋には評判の悪い小説で、最大のベストセラーであったThe Da Vinci Codeは、爆発的に売れる前は冷笑酷評の嵐でした。売れてからも欠点をあげつらう本が刊行されたりしたらしいですね。
しかし、数年に一冊出版されるシリーズものがすべてベストセラーになるのはたいしたもので、何か、読ませる力があるんだろうと思います。

特徴は、
・Langdon教授(HarvardのSymbology, Iconologyの教授)は中年独身で、水泳で鍛えておりハンサム。事件に巻き込まれ、公権力に負われ、妙齢の女性と手を取り合って逃走しながら事件を解決する。
・筋書きは二転三転、正直に言うと、無理やり捻って混乱させるような印象がある。
・壮大なテーマが取り上げられるが、知りつぼみに羊頭狗肉的に終わる。
・宗教や美術に関する薀蓄満載。ときに最新鋭の物理の薀蓄もあり、語彙レベルが高い。(しかし、だんだんと文中で単語がさりげなく解説されるようになってきた)。逆に英文は明快で紛れの少ない文章。
というところでしょうか。

Angels & Demons
YL 9.0、お薦め度★★★★★、ドンデモ度★★★☆☆、観光名所度★★★★☆
Jargon(マニアックな宗教、美術、歴史、科学などの専門用語)度★★★★★
2000年
舞台:CERN、Vatican(サン ピエトロ大聖堂、システィーナ礼拝堂)、パンテオン、など
テーマ:ローマ法王選出をめぐる陰謀、反物質

CERNの上級研究員が所内で殺害され、その胸には紋章が焼き付けられていた。CERNには巨大な破壊力を持つ「反物質」の合成に成功したが、同時に盗み出された。LangdonはCERN所長の要請でCERNに赴き、紋章が秘密結社Illuminatiのものであることに気づく。Vaticanでは、新しい法王を選出する選挙(Conclave)の最中であったが、Illuminatiと思われる敵は、反物質を使ってヴァチカンを脅迫し、法王の有力候補4人を誘拐、次々と殺害していく。
Langdonは、殺害されたCERNの研究員の娘Vetraとともに、反物質の捜索と枢機卿救出に奔走する。

トンデモ度に関して、反物質は実際に存在します。たとえば癌検診に使われるPETは、電子の反物質である陽電子(ポジトロン)を使った診断です。しかし、ここに書かれているような爆発的破壊力を持たせることは現在は不可能です。

文句なくお薦めする小説、もしかしたらDan Brownの小説の中で最高かも知れません。しかしながら語彙レベル非常に高く、宗教や美術のみならず物理学(高エネルギー物理の実験)の知識が無いと辛いと思われる部分もあります。

The Da Vinci Code
YL 8.5、お薦め度★★★★☆、ドンデモ度★★★★★、観光名所度★★★☆☆
Jargon度★★★★☆
2003年
舞台:ルーヴル美術館、ウェストミンスター寺院、テンプル教会、ロスリン礼拝堂、等
テーマ:キリスト教の裏面史、ダヴィンチの絵に隠された暗号、女性崇拝

ルーブル美術館長ソニエール殺害の嫌疑をかけられたLangdonは、ソニエールの孫娘で警察の暗号解読官Neveuの手引きで逃亡。ソニエールの残した暗号を手掛かりにキリスト教の根源をゆるがす聖杯(Holy Grail)追い、カトリックの裏面を目の当たりにすることとなる。同時に、彼らは警察のみならず秘密結社Opus Deiやシオン修道会に追われることになる。聖杯伝説とは、そして、最後の晩餐に込められたDa Vinciの暗号とは。

宗教的トンデモ度は相当のもので、Opus DeiはVatican公認の敬虔な宗教団体であるにもかかわらずカルト集団のように描かれ、また、実在のテンプル教会やロスリン礼拝堂もカルトのアジトのように描かれました。
語彙レベルは低くありませんが、前作Angels & Demonsに比較すると少しおだやかになっています。

The Lost Symbol
YL 8.5、お薦め度★☆☆☆☆、ドンデモ度★★☆☆☆、観光名所度★☆☆☆☆
Jargon度★★☆☆☆
2009年
テーマ:ワシントンDCに深く眠るフリーメーソンの秘密。認知科学。

Langdonは、スミソニアン博物館長で結社Masonの幹部であるPeterに、米国連邦議会議事堂(US Capitol)内で講演を依頼される。しかし、現地に行くと、講演はまったく予定されておらず、かわりにPeterの切断された手首が置かれていた。
Peterの妹Katherinは認知科学者(Noetic Scientist)でスミソニアンの地下に研究室を持ち、人間の意志と物質の関係で大発見を成し遂げようとしていた。
誘拐されたPeterのみならず娘のKatherinの研究も破壊すべく、katherinにも魔の手が迫っていく。
なぜかCIA幹部に疑われ逮捕されそうになったLangdonは、Katherinとともに、迷路のような博物館を逃走することになる。

大ヒットのThe Da Vinci Codeの後ですので、作者は相当に苦労した形跡があり、何度かの出版延期の後、6年後に出版されました。

Da Vinci Codeで懲りたのか、ここではMason(フリーメーソン)は、秘密結社ではなく友愛あふれる穏健な組織として描かれています。
逆に物理学的薀蓄は相当にトンデモで、超弦理論や量子もつれなど最新の物理学用語が頻発しますが作者自身全く理解していないのがよくわかります。
また、なにか冗長感のある小説でLangdonシリーズの中で人気が無いのも理解できます。

Inferno
YL 8.0、お薦め度★★★☆☆、ドンデモ度★★☆☆☆、観光名所度★★★★★
Jargon度★★★☆☆
舞台:
フィレンツェ:ヴェッキオ宮、ポーポリ庭園、ヴァサーリの回廊とヴェッキオ橋、フィレンツェ市役所、大聖堂(ジョットの鐘楼、サン・ジョバンニ洗礼堂)
ベネチア:サンマルコ広場、サンマルコ大聖堂
イスタンブール:地下宮殿
テーマ:ダンテの「神曲」、人口爆発。

Langdonはフィレンツェの病院で目覚めるが、彼にはボストンのハーバード構内を歩いていた記憶しかなかった。しかし、病室で謎の殺し屋に襲われて、担当の女医Shienaとともにフィレンツェの史跡内を逃走。Langdonは、狂人の生物学者の陰謀に気づくが、Langdon警察やWHOに追われ、フィレンツェからベネチア、イスタンブールへ向かう。

フィレンツェの観光名所の描写、それも、観光に訪れても入りたくて入れない場所をうまく描写していて、観光案内小説としては最高です。美術や宗教に関する薀蓄が語られますが、Angels & DemonsやThe Da Vinci Codeに比較して、文中でさりげなく解説される配慮がなされており、相当に読みやすくなっています。

Origin
YL 8.0、お薦め度★★★☆☆、ドンデモ度★☆☆☆☆、観光名所度★★☆☆☆
Jargon度★☆☆☆☆
舞台:モンセラット山岳寺院、グッゲンハイム現代美術館、サグラダファミリア、スペイン王宮
テーマ:科学と宗教の相克。AIの進化と暴走。
卓越したIT研究者で起業家大富豪のKirschは、スペインを代表する近代建築であるBilbao’s Guggeheim Museumで自説を発表しようとします。Kirschは、「人類はどこから来てどこに行くのか」という根源的な問いを完全に解き明かし、宗教と科学の軋轢に終止符を打つ、といわれました。プレゼンのしかし、壮大な導入部の後、本論にはいる直前、Kirschは凶弾に倒れます。
Guggenheim MuseumのDirectorは妙齢の女性Ambra Videlで、彼女は、スペインの皇太子Julianと婚約したばかりでした。しかし、Kirsch暗殺の後、Ambraはなぜか皇太子との連絡を拒否し、セキュリティガードを欺き、Langdonに逃走の補助を懇願します。
この二人の逃走を助けたのが、AIであるWinstonで、Kirschのスマホを通して指示を与え続けます。

スペインの名所には興味がありますが、前半の美術館はモダンな近代美術館で、ちょっと個人的にはがっかり。サグラダファミリアの内部はもう少し描いてほしかったですね。

ということで、Langdon教授シリーズ、何が面白いんだかよくわからない、混乱している、と思いながら、なんとなく、新作が発売されるとそわそわして、結局読んでしまいます。
ファンになってしまった、と正直に告白します。


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13497. 1500万語通過おめでとうございます!

お名前: ミッシェル
投稿日: 2019/7/28(00:18)

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wkempffさん、ご無沙汰してます。ミッシェルです。
相変わらず亀ですみません。
もう2000万語近くいかれているかも。とりあえず、1500万語おめでとうございます。

重たい作品が得意ではないミッシェルにとっては、あまり読後レビューで絡めなく、たいへん申し訳ないのですが、いつも楽しく拝読しています。

〉正直な感想を言うと、英文が非常に読みやすいこともあり、最初はおもしろかった(Milkmanの次に読んだせいもありますが)のですが、後半になり、凡庸な推理小説を2冊読まされている気分になって、急速に疲れてきました。巷の大絶賛の理由は正直言ってよくわかりません。

そういうこと、ありますよね。
話のテンポが狂ってくると、当初レベルが高くとも、だんだん★が減っていきます。
ちょうど、GrishamのTheodore Boone 最新作The Accompliceを読み終わったところで、同じ思いを持っています…。

それにしても、継続して多読をしっかりされているご様子で、すごいです。
ミッシェルはちょっとだらけモードです。
読後感のよい児童書はほぼ手を付け、大人向けペーパーバックにはちょっと…(殺伐としたものは得意ではない)で、英語の読み物に飢えている状態です。
最近は医療・遺伝子系サイエンスを読んでいます。

ではまた~!


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13499. Re: 1500万語通過おめでとうございます!

お名前: wkempff
投稿日: 2019/12/7(16:47)

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コメントありがとうございます。
5か月ぶりに返信をいただいたのですが、私のほうは、さらに4か月以上経過してからのご返事となります。

実は、半年ほど、理由ほとんど不明にまったく本を読まない時期が続いておりました。
最近また少しづつ読みだしております。
ここのところ、けっこうおもしろいB級サスペンスに当たったりして、まずまずの読書生活が戻ってきました。

稿を改めて、そのあたりご紹介いたします。


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