[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/11/24(21:37)]
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お名前: せきけん
投稿日: 2012/12/6(01:06)
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みなさん、こんばんは。
せきけんです。
10万語ずつの小刻みな報告で、130万語から3つ続けてスレッドを起こしていて、何となく気が引けますが、話題を提供するということで、お許し下さい。
140万語から読んだのは、次の3冊です。
"American Revolution" Magic Tree House Fact Tracker 11
"Gulliver's Travels" Jonathan Swift (Retold)【講談社英語文庫】(絶版)
"The Double Helix: A Personal Account of the Discovery of the Structure of DNA" James D. Watson
1冊目の"American Revolution"は、MTHの姉妹編の、Fact Trackerの一冊です。MTH #22の"Revolutionary War on Wednesday"に対応した、Non Fictionのエピソード編という感じです。
参考文献や、DVD、InternetのHome pageやら、博物館の紹介などもあって、更に知りたい人には参考になる本です。
FictionとNon Fictionの違いは、先生や、図書館の司書に確認して下さいというようなことまで書いてあります。
絵が多いので、分かりやすいです。
独立戦争のことを、Revolutionary Warとか、American Revolutionと言うようですが、時期的にも仏革命に若干先行していて、この二つの「革命」の比較というのは、世界史的には重要なことなのかと思います。先日たまたま、宮台真司氏の講演を聞く機会があって、そこで、米国の独立は成功した革命で、仏革命は失敗した革命だから、危機に対する態度が違っていて、米国は政府を信じるなとなるが、欧州は政府に責任を押し付けようとするというようなことを言っていました。そういうものの見方もあるのかと思いましたが、両方ともRevolutionであるという認識がないと、こういう比較がピンこないですね。Revolutionary Warの決着を付けるには、Patriotsは、フランスの力を借りていたのですね。自由の女神が仏から贈られた経緯にもこのあたりが関係しているのだと思いますが、ちょっと勉強不足で、詳細は分かりません。その前に、中西部のフランスの領土を巡って、フレンチ・インディアン戦争という戦争があり、George Washingtonもそこで、イギリス側で戦ったということです。昨日の敵は今日の味方というような話ですね。
というような話を読んで、フランスと米国のかかわりについて別の本を読んでみたくなりました。
他の2冊についても、紹介を書きたいですが、今日はこの辺にします。
では、Happy Reading!!
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お名前: ものぐさ父さん http://monogusa103.jimdo.com/
投稿日: 2012/12/7(01:57)
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150万語越え、おめでとうございます。
三冊目は、日本語で読んで感銘を受けた一冊です。どのぐらいの難易度と感じられたのか、ぜひ教えて下さい。結構、せきけんさんとは似たレベルの本を読んでいると思うのでw
私もあとちょっとですので、そんなに遅れないで 150万語到達の報告をしたいと思っています。
では、今後ともよろしく。
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お名前: せきけん
投稿日: 2012/12/8(15:28)
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ものぐさ父さん、こんにちは。
ありがとうございます。ものぐさ父さんももう直ぐとのことですので、150万語の報告を期待しております。
さて、この本"The Double Helix"は、30年前の学生時代に買ったもので、当時も40ページぐらい頑張って読んだのですが、挫折したものです。PenguinのPaper backです。
もちろん、最初から読み返しました。最初の方は、それなりに読めたので行けるかなと思って、20-30ページ読んだら、段々難しくなってきて、どこまで読んでも、中々楽になりませんでした。正直言って、多読を始めてから多読として読んだものの中では、一番難しかったです。科学的な中身は、ある程度理解していたので、読めたのだと思いますが、知識がなかったらお手上げでした。
結局、英英辞典にもかなりお世話になりました。2/3までで、50・60ぐらい単語を調べたと思います。残り1/3ぐらいで、このままでは何時になったら読み終わるのかということと、先を読みたいという興味で、意味が分からなくもどんどん読み飛ばして、読みましたので、理解度は全体として50%ぐらいではないかと思います。
しかし、難しかった一番の理由は、構文が込み入った文章が多く、また、二重否定だったり、negativeな表現で何かを肯定しようとするような文章が多く、要するに回りくどい表現が多かったことです。一回読んでも意味が分からず、注意してもう一回読むと、節の切れ目が、最初に読んだときに意識した場所ではなかったことに気付いて、意味が分かる文章とか、日本語に訳すと意味が分かるのですが、英語のまま理解できない文章が多々ありました。最後の1/3ぐらいは、そういうところは飛ばしたわけですが。
これを読んでいて思ったのですが、「えっと」ぐらいの間投詞は仕方ないとしても、「これはどこに出てきた人だっけ」とか、「何でこうなんだろう」とか探したり、考えたりしながら読むときに、頭が日本語に切り替わってしまうのが問題かなと。そこで、"Who is he? Where was the first place he showed up?"とか、"What's this reason?"とか、考えながら読むほうがいいと思いました。でもなかなか、英語のストックが少ないので、適切な英語が出てこないうちに、日本語で考えていたりしますね。ものぐさ父さんは、どうしていますか。
この本は、DNAの二重らせん構造を発見したとされる、James D. WatsonとFrancis Crickが、その学説を組み立てて、科学雑誌のNatureに投稿するまでをWatsonの視点から小説のような形で綴った、科学物語です。30年前は、DNAの遺伝暗号を解く遺伝子操作の技術が進歩して、もう既に終わってしまいましたが、ヒトゲノム計画のような計画がまさに立ち上がろうとしていた時代です。そのとき既に、Nobel prizeを取って、分子生物(Molecular Biology)の重鎮になっていたWatsonの古典的な著作として有名だった本です。
これを読むと、Nobel賞レースの熾烈さと、かなり手段を厭わない野心家としてのWatsonの姿が浮かび上がってくると同時に、当時(Post-war)の分子生物学の黎明期の研究室の活気が伝わって来ます。
当時は、まだ若造だったWatsonがCrickと組んで、科学界の重鎮でNobel賞を取っていないLinus Paulingを負かして逸早くDouble Helixの正解に辿り着くというストーリーですが、Watsonはアメリカ人でありながら、まず、Copenhagenに渡って、生化学(Biochemistry)を勉強しに行き、しかし、たまたまNapleの学会で出会った、Maurice WilkinsのX線結晶学でDNAの構造を解き明かす手法と出会って、宗旨替えして、Wilkinsのいる英国に渡ります。この経緯が、結構、無茶苦茶で、妹を出汁に使おうとしたり、Copenhagenに留学することで資金をもらっているのに、先に、英国CambridgeのCavendish研究所に居場所を見つけて、移ってしまってから、留学の名目を調整したりとか非常に強引です。そうして、CavendishでCrickと出会うのですが、DNAのX線結晶学の研究では、LondonのKing's collegeでWilkinsと助手?のRosalind Franklinが、先行しています。この二つのグループがrivalのようになるのですが、本来英国の学会では、同じ研究を二つのグループにやらせないという不文律があるのか、WilkinsとFranklinが継続してやることで決着します。しかし、Watson & Crickも諦め切れずにX線解析も使いつつ、彼らの流儀で、化学的な性質を使って分子模型を作るアプローチで研究を進め、勝機を狙います。そうこうしているうちに、今度は、既に分子構造解析の大家で、たんぱく質のα-Helix構造を発表していたCal TechのLinus PaulingがいよいよDNAの構造解析に乗り出し、論文を書き上げます。しかし、Paulingの息子のPeterがCavendishに留学に着ており、父から息子宛の手紙から、その内容をつかみ、Paulingが大きな過ちを犯していることを知り、Cavendishの周囲の助けを借りながら、二重らせんの構造に辿り着き分子模型を作りながら、最後の証明として、Londonに行き、X線の写真をくれないFranklinに突撃して、写真を見て見事に二重らせんが当てはまることを検証、超特急で二人で論文を書き上げNatureに発表し、Nobel賞を確実にしたという話です。
最後の論文を清書するのに、土曜日で妹のElizabethにtypeさせたりしています。
これらの出来事が、1951〜52年で、Nobel Prizeが1962年、この本が1967年です。この本の登場人物の殆どが他界されていますが、Watsonはまだ健在のようです。本には、1951,2年当時の会話や雰囲気が非常によく再現されていることに驚きます。本には、Watsonのmanuscriptも載っているのですが、これは、判読が難しかったので、断念しました。本の中では、メモを取らないで話をするとして、Crickに避難される場面が出てきますが、メモを残していたのではないかという話もあります。いずれにしても、ものすごく記憶力がいいのでしょう。
Watsonの本質的な貢献はなんだったのか?この本を読んだだけでは分かりませんでした。ただ言えそうなことは、生物学から化学、X線結晶学など多彩なdisciplineを渡り歩いて、geneのdouble helix構造の学説をまとめるorganizerとして働いたということかと思います。構造の決定的な証拠は、Rosalind Flanklinが取った、B-typeのDNAのdefraction patterでした。その功績で、WilkinsもNobel賞を受賞していますが、Rosy(Rosalind Franklin)だけは、1958年に若くして癌で亡くなり受賞できませんでした。
この本の中では、Rosyは、X線結晶学の研究を上司のWilkinsすら排除して独り占めしながら進め、しかし、化学や分子生物学の素養のないRosyのCrystallographyだけでは、正解に早く到達できないのだから、という感じで、研究のひとつの大きな鍵を独占する悪役になっています。
しかし、強引で無茶なのは、WatsonであってRosyはそんな研究を妨害する悪者ではないということで、この本の後で、幾つかRosyを擁護する本が出ています。ということで、Rosalindの側から見た本を読んでみようと思います。
"Rosalind Franklin and DNA" Anne Sayre
"Rosalind Franklin: The Dark Lady of DNA" Brenda Maddox
では、Happy Reading!!
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お名前: ものぐさ父さん http://monogusa103.jimdo.com/
投稿日: 2012/12/9(10:33)
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せきけんさん、詳しい解説ありがとうございました。
その後、この分野に身を置いていたものとして思うのは、実験データからこれまでになかった全く新しい概念を打ち立てたところがすごいところです。もう何十年も前に読んだので細かいところは忘れてしまっていますが、タンパク質の構造解析でノーベル賞をとったポーリングとの競争も熾烈だったと記憶しています。
生物学だとこの辺りまでの研究がその後の膨大なデータ集めの基礎になっていると思うと本当にもの凄い研究だったと思います。
いつか読んでみたい本に加えておきます。ただ、当面はハードボイルドものを楽しく読めるようになりたい…
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ものぐさ父さん、こんばんは。
Linus Paulingは、3重らせんを提唱していて、Watson & Crickもその線も検討していたようですが、彼らが、その誤りを乗り越えて、二重らせんという真実に逸早く到達したことになっています。1952年の時点では、ポーリングもまだ、ノーベル賞は取っておらず、息子のピーターから、ポーリングが水素結合の解析を誤っており、ポーリングともあろうものがということで、三重らせんと判断したことを知って、喜んだ!?というエピソードが出ています。
Watsonの凄いところは、あっという間に、重要人物たちと知り合って、必要な情報集めをするところで、スパイもどきに見えます。
Watsonは、DNAという分厚い本を書いていて、書店で見かけましたが、とても読む気にはなれませんでした。日本語版は、上下二冊でした。
それから、実は、私も、そっちの勉強を専門にしようと考えていたこともあって、"Molecular Biology of the gene"という有名な教科書を持っています。もちろん、英語版で、殆ど読んでいません。
これを、通読する日は来ないでしょうね。
解説?は書きませんでしたが、Watsonは、どちらかと言うとPhage groupという学派に属していて、「バクテリオファージ(bacteriophage)」の研究もやっていたし、TMV(Tabacco Mosaic Virus)タバコ・モザイク・ウィルスの研究なんかもやっていて、2/3ぐらいのとこで、いきなりSexの話が出てきてギョッとしたら、VirusにもSexがあるという話でした。
これが、二重らせんとどいう関係にあるのか、よく読み取れなかったのですが、どうも、これは、二重らせんの一方ともう一方のことではないかという気がします。
このvirusの研究、phageの研究が、分子生物学を誕生させたのだろうと思われますが、もう一つのドライブとして、この本にも出てきますが、量子力学で有名なSchroedingerが1944年に書いた「生命とは何か?」という本です。この本で、物理学や化学の人達が、そのdisciplineを使って、生命を解明しようと乗り出して来たわけです。私としては、シュレディンガーが、生命は、ネゲントロピーを食べて生きると言ったことが非常に面白かったのですが。
では、Happy Reading!!
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お名前: 杏樹
投稿日: 2012/12/7(23:37)
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せきけんさん、こんにちは。
〉10万語ずつの小刻みな報告で、130万語から3つ続けてスレッドを起こしていて、何となく気が引けますが、話題を提供するということで、お許し下さい。
150万語通過、おめでとうございます。
遠慮せず報告したい時にどんどんしてください。
〉140万語から読んだのは、次の3冊です。
〉"American Revolution" Magic Tree House Fact Tracker 11
〉"Gulliver's Travels" Jonathan Swift (Retold)【講談社英語文庫】(絶版)
〉"The Double Helix: A Personal Account of the Discovery of the Structure of DNA" James D. Watson
〉1冊目の"American Revolution"は、MTHの姉妹編の、Fact Trackerの一冊です。MTH #22の"Revolutionary War on Wednesday"に対応した、Non Fictionのエピソード編という感じです。
〉参考文献や、DVD、InternetのHome pageやら、博物館の紹介などもあって、更に知りたい人には参考になる本です。
〉FictionとNon Fictionの違いは、先生や、図書館の司書に確認して下さいというようなことまで書いてあります。
〉絵が多いので、分かりやすいです。
お気に召したようで、よかったです。
〉独立戦争のことを、Revolutionary Warとか、American Revolutionと言うようですが、時期的にも仏革命に若干先行していて、この二つの「革命」の比較というのは、世界史的には重要なことなのかと思います。先日たまたま、宮台真司氏の講演を聞く機会があって、そこで、米国の独立は成功した革命で、仏革命は失敗した革命だから、危機に対する態度が違っていて、米国は政府を信じるなとなるが、欧州は政府に責任を押し付けようとするというようなことを言っていました。そういうものの見方もあるのかと思いましたが、両方ともRevolutionであるという認識がないと、こういう比較がピンこないですね。Revolutionary Warの決着を付けるには、Patriotsは、フランスの力を借りていたのですね。自由の女神が仏から贈られた経緯にもこのあたりが関係しているのだと思いますが、ちょっと勉強不足で、詳細は分かりません。その前に、中西部のフランスの領土を巡って、フレンチ・インディアン戦争という戦争があり、George Washingtonもそこで、イギリス側で戦ったということです。昨日の敵は今日の味方というような話ですね。
そういえば、「アメリカ独立革命」という言い方もあります。フランスはアメリカ独立戦争に軍隊を送っています。フランスはイギリスと仲が悪いので「敵の敵は味方」になったのかもしれません。
でもアメリカ独立が「成功した革命」、フランス革命が「失敗した革命」という対比は面白いですね。
それではHappy Reading!
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12537. Re: 150万語超え、おめでとうございます。
お名前: せきけん
投稿日: 2012/12/8(15:45)
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杏樹さん、こんにちは
別のFact Trackerも読んでみようと思います。
これは、遠い先の話になると思いますが、フランスの貴族で、政治学者?である、トックビルの有名な「アメリカのデモクラシー」という著作を読んでみたいと思いました。
wikipediaにはこう書いてあります。
『近代民主主義思想の古典であり、今もなおアメリカの歴史及び民主主義の歴史を学ぶ際には欠かせない教科書の一つとなっている。』
"Democracy in America" Alexis de Tocqueville
"De la démocratie en Amérique" Alexis de Tocqueville
もちろん、原著は、下の仏語です。
(アクサンは文字化けしますね。どうしたら綺麗に入れられるでしょうか?)
岩波文庫で見ると上下二冊で分厚いので、恐れをなしてしまいますが。
では、Happy Reading!!
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みなさん、こんにちは
もう一冊読んだジョナサン・スウィフトの「ガリバー旅行記」は、講談社英語文庫のversionで、Kirsten Mclvorという人がRetoldしたものです。
この本は、1999年に出て、今は絶版になっています。私もその頃買ったので、今から12年位前です。"The Double Helix"のような難しい本では駄目だと思って、易しいながらも興味の持てる本を読んでみようとして買ったのがこの本でした。しかし、これまた、全部でPart IVまであるうちのPart Iだけ読んで挫折していました。YL 2〜3位の本で、しかも、巻末にNotesがあって、適切な訳語が書いてありますので、簡単に読めるはずですが、これが読めなかったんですね。仕事が忙しかったこともなくはないですが、今回は、殆どNotesのお世話にもならずに読めました。
#もっと簡単な本から始めなければならなかったのですね。
しかし、こんな調子で、挫折した本を読めるようになってきました。もっと難しい本も何冊か残っていますので、読める日を楽しみにしています。
さて、ガリバー旅行記と言えば、小人の国へ行って、蟻のような小人達に縛られて連れて行かれる絵本を思い出す人が多いと思いますが、実は、大人向けの政治的な意味に満ちた寓話だったのです。原作や、トータルな訳本は読んでいませんが、このRetoldは、全編が要領よくまとめられている印象がありました。他のretoldは、Part IIまでだったりします。
私が読んで、重要と思ったところは、大体以下のようなところです。
まずは、英国の政治や欧州でのキリスト教徒同士の殺し合いを批判しているところ。Part I Lillipat(小人国)では、ゆで玉子をどちらの端から割るかで争いがあり、それまでsmall endから割っていたものを、王様がそれで怪我したことから、small endiansを禁止して、Big endiansに改宗した。これはイギリス国教会を皮肉っている。そして、隣国のBlefuscuはsmall endiansを援助したため、両国の間で戦争になる。まるで、英国とアイルランド(フランス?)の話だ。聖書の解釈を巡る戦いのバカバカしさを訴えている。Part IIの巨人国とペアにすることで、両者を相対化して、単一の尺度で大きさを争ううバカバカしさを指摘。弱者の戦略としての文化相対主義が垣間見える。これは、Swiftがアイルランド出身ということが関係していると思われる。
ちなみに、Big endian/Small endianというのは、計算機の中で、数字を重みをどっち側のbitを重くするかの違いを表す用語として今も使われていて、endianの違いによって、しばしば、正しく計算ができず、非常に面倒な変換が必要となることがある。この言葉が、ガリバー旅行記から来ているとは知りませんでした。
そして、世襲貴族への批判、金で買われる可能性の高い投票による代表選出の問題、法律家が金持ちの道具となることへの批判、などが続きます。
Part III Laputa(ラピュタ)は、明らかに数学の机上の計算しかできず、実際的な才のない専門バカである科学者たちへの痛烈な批判だ。江戸に立ち寄って、踏み絵を迫られるが、これはTradeしないからとして拒否している。こんな話がガリバーに書かれているとは!
もちろん、宮崎駿の「天空の城ラピュタ」はここから取られている。
最後の賢い馬の国であるHouyhnhnmsの話は、戦争で殺しあう人間たちへの痛烈な皮肉で、人間社会総体をひっくり返している。その賢い馬のHouyhnhnmsの家畜となっている人間のような野獣が、ヤフー(Yahoo)。もちろん、検索エンジンのヤフーはここから来ている。なんと皮肉な。もちろん、日本で一部の人には有名な、「家畜人ヤプー」もここから来ている。
ということで、「ガリバー旅行記」はやっぱり凄いと思うのですが、原作にチャレンジするのは、まだ、大分先のことでしょう。
では、Happy Reading!!
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お名前: yukaffe http://yukaffe.blog27.fc2.com/
投稿日: 2012/12/9(08:39)
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遅ればせながら、、、150万語通過、おめでとうございます!
私もMTHのFact Tracker から1冊、読み終えたところです。
学生時代、全然興味がなく今さら、、、ですが。
読んだのは、1800年代のイギリス。
ビクトリア期、チャールズ・ディキンズ の時代。
貧富の差が激しく、激動の時代だったと想像できます。
産業革命のことなども書かれていました。
子供向けに書かれているので、読みやすく、すんなり入ってくるので
このシリーズは本当にいいですね!
私はせきけんさんほど、詳しく評価出来ませんが、
それでも英語で、しかも日本人の解説とは違った感覚を味わえるので
とても楽しく読めてます。 これも多読に出会ったお陰!!
また色々報告してください〜!
それでは、Happy Reading〜♪
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yukaffeさん、こんにちは
お言葉ありがとうございます。
ディケンズの時代のイギリス、ビクトリア朝ですか。
ディケンズはいつか、原作を読んでみたいと思い始めていますが、
背景となる事実を色々知っておくのは、物語を読むのにもプラスではないかと思います。
産業革命の時代では、労働者階級では、炭鉱などで子供も働かされていて、Engelsのレポートが、学校の教科書の副読本に載っていたのを思い出します。
Fact trackerは、本編と一緒に読んだほうが、より面白い気がしますが、
単独でも、絵が多いので楽しく読めそうです。
ディケンズのは、#44に対応するもののようで、そこまで辿り着くのは、まだまだ、先です。
では、Happy Reading!!