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お名前: 杏樹
投稿日: 2009/11/6(20:57)
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極楽トンボさん、こんにちは。
〉〉こちらこそ、教えてくれて感謝、感謝です。どうやって見つけたんですか?
〉 高田馬場駅前のブックオフでたまたま見つけました。
それはすごい!!すごい偶然ですね。
〉〉日本語訳などはないのですか?
〉
〉 「Little Pear」の邦訳はありませんが、
〉 平凡社の東洋文庫に「トルキスタンの再会」
〉 という紀行文が入っています
実は私は中央アジア史が好きなので、この本は知っていました。読んでませんけど…。まず「エリノア・ラティモア」を調べようとしたら見つかったのがこの本です。それで中国で生まれた作者が東洋学者になったのかと思いました。
しかしエリノアのことをよく調べてみますと、「トルキスタンの再会」のエリノア・ラティモアと「Little Pear」の作者は別人なのです。
英語のwikipediaを調べたらわかりました。
「トルキスタンの再会」の作者は東洋学者オーウェン・ラティモアの妻です。「トルキスタンの再会」は、二人が新婚旅行で中国からインドへ行くのに、別行動でトルキスタン、つまり現在の中国の新疆ウイグル自治区に入ってそこで落ち合ったいきさつを書いた本です。
オーウェン・ラティモアの項目にこういう記述があります。
Owen Lattimore
[url:http://en.wikipedia.org/wiki/Owen_Lattimore]
The managers of his firm, however, saw no advantage in subsidizing his travels, though they did send him to spend a year in Peking as government liaison. During the year he spent there before departing on his expedition, he met his wife, Eleanor Holgate. For their honeymoon they planned to travel from Peking to India, he overland, she by rail across Siberia, a mammoth feat in the first half of the 20th century, but in the event the plans were disrupted and she had to travel alone by horse drawn sled for four hundred miles in February to find him. She described her journey in Turkestan Reunion (1934), he in The Desert Road to Turkestan (1928) and High Tartary (1930). This trip laid the ground for his life-long interest in all matters related to the Mongols and other peoples of the Silk Road.
太字はこちらでつけたものです。Eleanor Holgate Lattimoreで検索したら生年も違っていて別人だということがはっきりわかりました。
そしてさらにややこしい事実が見つかりました。
Eleanor Frances Lattimore
[url:http://en.wikipedia.org/wiki/Eleanor_Lattimore]
ここには
She was the sister of poet and classics translator Richmond Lattimore and China expert Owen Lattimore
と書いてあります。
つまり、こちらのエリノア・ラティモアはオーウェン・ラティモアの妹ということになります。では、オーウェン・ラティモアは妹と同じ名前の女性と結婚したことになります。
歴史好きなのでつい検証してしまいました。わずらわしかったらすみません。
〉〉それにしてもこの人、当時の中国の生活の様子をよく見ていますね。絵も西洋人が描いたとは思えないぐらい違和感がありません。
〉 宣教師の娘さんですからね。パール・バックと同じです。
〉 絵がまたいいんですよね。これ、版画でしょうか?
〉 作者は上海出身なので、作品の舞台は上海なんでしょうか?
〉 なんとなく北方の感じがするので天津かも?
〉 こういう本にめぐり合っちゃうと、多読はやめられませんね。
内容を見ますと北方のようです。池でスケートができるのも、家の中にオンドルがあるのも寒い地方のようです。出てくる地名を見ても見当がつきませんが、かなりの田舎なのかもしれません。
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お名前: 極楽トンボ http://d.hatena.ne.jp/gokuraku-beijing/
投稿日: 2009/11/7(03:39)
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杏樹さん、重要なご指摘ありがとうございます!
わたしはいまのいままで「Little Pear」の作者は
オーエン・ラティモアの妻だと思っていました。
〉〉 「Little Pear」の邦訳はありませんが、
〉〉 平凡社の東洋文庫に「トルキスタンの再会」
〉〉 という紀行文が入っています
〉実は私は中央アジア史が好きなので、この本は知っていました。読んでませんけど…。まず「エリノア・ラティモア」を調べようとしたら見つかったのがこの本です。それで中国で生まれた作者が東洋学者になったのかと思いました。
「エリノア・ラティモア」で検索するとまずこれが出てきます。
それで、「Little Pear」の作者と「トルキスタンの再会」の作者は
同一人物だと思いこんでいました。
〉しかしエリノアのことをよく調べてみますと、「トルキスタンの再会」のエリノア・ラティモアと「Little Pear」の作者は別人なのです。
えー、本当ですか!
〉英語のwikipediaを調べたらわかりました。
〉「トルキスタンの再会」の作者は東洋学者オーウェン・ラティモアの妻です。「トルキスタンの再会」は、二人が新婚旅行で中国からインドへ行くのに、別行動でトルキスタン、つまり現在の中国の新疆ウイグル自治区に入ってそこで落ち合ったいきさつを書いた本です。
〉オーウェン・ラティモアの項目にこういう記述があります。
〉Owen Lattimore
〉[url:http://en.wikipedia.org/wiki/Owen_Lattimore]
〉The managers of his firm, however, saw no advantage in subsidizing his travels, though they did send him to spend a year in Peking as government liaison. During the year he spent there before departing on his expedition, he met his wife, Eleanor Holgate. For their honeymoon they planned to travel from Peking to India, he overland, she by rail across Siberia, a mammoth feat in the first half of the 20th century, but in the event the plans were disrupted and she had to travel alone by horse drawn sled for four hundred miles in February to find him. She described her journey in Turkestan Reunion (1934), he in The Desert Road to Turkestan (1928) and High Tartary (1930). This trip laid the ground for his life-long interest in all matters related to the Mongols and other peoples of the Silk Road.
〉太字はこちらでつけたものです。Eleanor Holgate Lattimoreで検索したら生年も違っていて別人だということがはっきりわかりました。
〉そしてさらにややこしい事実が見つかりました。
オーエン・ラティモアの妻は「Little Pear」の作者ではない!
〉Eleanor Frances Lattimore
〉[url:http://en.wikipedia.org/wiki/Eleanor_Lattimore]
〉ここには
〉She was the sister of poet and classics translator Richmond Lattimore and China expert Owen Lattimore
〉と書いてあります。
〉つまり、こちらのエリノア・ラティモアはオーウェン・ラティモアの妹ということになります。では、オーウェン・ラティモアは妹と同じ名前の女性と結婚したことになります。
〉歴史好きなのでつい検証してしまいました。わずらわしかったらすみません。
「Little Pear」の作者はオーエン・ラティモアの妹!
オーエン・ラティモアの妻と妹は名前が同じ!
いま、あわてて米国議会図書館の検索をかけてみました。
Turkestan reunion
[by] Eleanor Holgate Lattimore
; decorations by Eleanor Frances Lattimore
確かにエリノア・フランシス・ラティモアは「トルキスタンの再会」
の作者ではありません。あー、びっくり。
この人は「トルキスタンの再会」のdecorationsを担当しています。
decorationsて何でしょう?兄嫁の本の制作を手伝っていたのですね。
これまでの多読本で一番気に入っている本の作者なのに
重大な勘違いをしておりました。
杏樹さんが考証してくださらなかったら、わたしは
一生この間違いに気がつかなかったかもしれません。
ありがとうございました!
検索のついで調べてみたら、「Little Pear」は
「Little Pear and his friends」のほかにも続作がある
ことがわかりました。以下の二作です。
Main Title: Little Pear and the rabbits.
Published/Created: New York, Morrow [1956]
Main Title: More about Little Pear.
Written and illustrated by Eleanor Frances Lattimore.
Published/Created: New York, W. Morrow [1971]
ほかにも中国にかんする子供の本をいっぱい手がけています。
検索ページに載っている本のSummaryを見ると、
その本を本当に読みたくなってきます。
あ、物欲が…。
〉〉〉それにしてもこの人、当時の中国の生活の様子をよく見ていますね。絵も西洋人が描いたとは思えないぐらい違和感がありません。
〉〉 宣教師の娘さんですからね。パール・バックと同じです。
〉〉 絵がまたいいんですよね。これ、版画でしょうか?
〉〉 作者は上海出身なので、作品の舞台は上海なんでしょうか?
〉〉 なんとなく北方の感じがするので天津かも?
〉〉 こういう本にめぐり合っちゃうと、多読はやめられませんね。
〉内容を見ますと北方のようです。池でスケートができるのも、家の中にオンドルがあるのも寒い地方のようです。出てくる地名を見ても見当がつきませんが、かなりの田舎なのかもしれません。
宣教師の娘と思い込んでいました。お父さんが
大学の中国語教員として中国に赴任していたので、
本人は上海で生まれて16歳まで暮らしていたのですね。
南ミシシッピ大学のChildren's Literature Collectionによると、
米国の子供たちはEleanor Frances Lattimoreの本を通して
中国を知ったのだそうです。かなりリアルだもんね。
きっとそうだったんだろーなーと思います。
http://www.lib.usm.edu/~degrum/html/research/findaids/DG0590f.html
Little Pearは毎日、運河を通って港から外洋へ出てゆく
大きな汽船を見て中国の外の世界にあこがれていたわけですから、
港のある町の郊外に住んでいたと思われます。北方なら天津だよね。
なんで上海じゃないのかな?
いやーん、どうしよ、おもしろいじゃーん。
ますます深みにはまってゆくー、杏樹阿姨、救命!救命!
ぶくぶく。
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お名前: 杏樹
投稿日: 2009/11/7(23:03)
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極楽トンボさん、こんにちは。
〉 杏樹さん、重要なご指摘ありがとうございます!
〉 わたしはいまのいままで「Little Pear」の作者は
〉 オーエン・ラティモアの妻だと思っていました。
まぎらわしいですよね。
〉 「Little Pear」の作者はオーエン・ラティモアの妹!
〉 オーエン・ラティモアの妻と妹は名前が同じ!
〉 いま、あわてて米国議会図書館の検索をかけてみました。
〉 Turkestan reunion
〉 [by] Eleanor Holgate Lattimore
〉 ; decorations by Eleanor Frances Lattimore
〉 確かにエリノア・フランシス・ラティモアは「トルキスタンの再会」
〉 の作者ではありません。あー、びっくり。
〉 この人は「トルキスタンの再会」のdecorationsを担当しています。
〉 decorationsて何でしょう?兄嫁の本の制作を手伝っていたのですね。
装丁でしょうか?絵がうまいのでそういったデザインもできたのかもしれません。美術学校にも行っていたようですし。
〉 これまでの多読本で一番気に入っている本の作者なのに
〉 重大な勘違いをしておりました。
〉 杏樹さんが考証してくださらなかったら、わたしは
〉 一生この間違いに気がつかなかったかもしれません。
〉 ありがとうございました!
私も気が付いてよかったです。
〉
〉 検索のついで調べてみたら、「Little Pear」は
〉 「Little Pear and his friends」のほかにも続作がある
〉 ことがわかりました。以下の二作です。
〉
〉 Main Title: Little Pear and the rabbits.
〉 Published/Created: New York, Morrow [1956]
〉 Main Title: More about Little Pear.
〉 Written and illustrated by Eleanor Frances Lattimore.
〉 Published/Created: New York, W. Morrow [1971]
〉 ほかにも中国にかんする子供の本をいっぱい手がけています。
〉 検索ページに載っている本のSummaryを見ると、
〉 その本を本当に読みたくなってきます。
〉 あ、物欲が…。
おお〜、まだ続編が!読みたいです…が、入手は難しそう…。
〉
〉 宣教師の娘と思い込んでいました。お父さんが
〉 大学の中国語教員として中国に赴任していたので、
〉 本人は上海で生まれて16歳まで暮らしていたのですね。
〉 南ミシシッピ大学のChildren's Literature Collectionによると、
〉 米国の子供たちはEleanor Frances Lattimoreの本を通して
〉 中国を知ったのだそうです。かなりリアルだもんね。
〉 きっとそうだったんだろーなーと思います。
この本で中国のことを知るのはいいですね。西洋人が描く中国人ってヘンなことが多いですから…。
〉 Little Pearは毎日、運河を通って港から外洋へ出てゆく
〉 大きな汽船を見て中国の外の世界にあこがれていたわけですから、
〉 港のある町の郊外に住んでいたと思われます。北方なら天津だよね。
〉 なんで上海じゃないのかな?
天津とは限らないと思います。中国、広いですし。
北方にもいたことがあるんでしょうか。上海の話なんかは書いてないのか気になります。
〉 いやーん、どうしよ、おもしろいじゃーん。
〉 ますます深みにはまってゆくー、杏樹阿姨、救命!救命!
〉
〉 ぶくぶく。
阿姨は子どもがおかあさんや幼稚園の先生ぐらいの女の人を呼ぶ言葉なのでやめてください…。
うっかり足を突っ込んだ深みにはまっておぼれていくのは多読の宿命です。「こんなはずじゃなかった!」と思いつつ、どんどん抜けられなくなっていくのです。
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お名前: 極楽トンボ http://d.hatena.ne.jp/gokuraku-beijing/
投稿日: 2009/11/8(00:08)
------------------------------
杏樹さん、こんばんは。
〉〉
〉〉 検索のついで調べてみたら、「Little Pear」は
〉〉 「Little Pear and his friends」のほかにも続作がある
〉〉 ことがわかりました。以下の二作です。
〉〉
〉〉 Main Title: Little Pear and the rabbits.
〉〉 Published/Created: New York, Morrow [1956]
〉〉 Main Title: More about Little Pear.
〉〉 Written and illustrated by Eleanor Frances Lattimore.
〉〉 Published/Created: New York, W. Morrow [1971]
〉〉 ほかにも中国にかんする子供の本をいっぱい手がけています。
〉〉 検索ページに載っている本のSummaryを見ると、
〉〉 その本を本当に読みたくなってきます。
〉〉 あ、物欲が…。
〉おお〜、まだ続編が!読みたいです…が、入手は難しそう…。
洋書の古本ってどうやって探すのかなあ?
やみくもに古本屋めぐりすりゃいいってもんじゃないよね。
誰か教えてください!
〉この本で中国のことを知るのはいいですね。西洋人が描く中国人ってヘンなことが多いですから…。
外国人の記録って大変貴重だと思いますよ。
同時代の中国人、豊子凱の子供の絵なんかと比べると面白いかも。
うわー、どうしよ、豊子凱の画文集まで欲しくなってきちゃったー。
〉〉 Little Pearは毎日、運河を通って港から外洋へ出てゆく
〉〉 大きな汽船を見て中国の外の世界にあこがれていたわけですから、
〉〉 港のある町の郊外に住んでいたと思われます。北方なら天津よね。
〉〉 なんで上海じゃないのかな?
〉天津とは限らないと思います。中国、広いですし。
〉北方にもいたことがあるんでしょうか。上海の話なんかは書いてないのか気になります。
ほらー、どんどん深みにはまってゆくでしょ?
〉〉 いやーん、どうしよ、おもしろいじゃーん。
〉〉 ますます深みにはまってゆくー、杏樹阿姨、救命!救命!
〉〉
〉〉 ぶくぶく。
〉阿姨は子どもがおかあさんや幼稚園の先生ぐらいの女の人を呼ぶ言葉なのでやめてください…。
以前、北京の頤和園に行ったときに、中国の子供が
22歳の知人女性に「阿姨」と話しかけていたので、
ふさわしいんじゃないかと思って使ってみたんだけど
やっぱ違和感ありますか?
え?そうじゃないって?極楽トンボみたいな中年オヤジに
「阿姨」なんて声かけられたくないって?
確かにわたしが5歳くらいの子供になりかわったりするのは
無理があります。たいへん失礼いたしました。申し訳ありません。
〉うっかり足を突っ込んだ深みにはまっておぼれていくのは多読の宿命です。「こんなはずじゃなかった!」と思いつつ、どんどん抜けられなくなっていくのです。
違うもん、わたしがLittle Pearの続編欲しいのは、
Little Pearの続編がないと英語の勉強ができないからだもん!
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極楽トンボさん、こんにちは。
〉 洋書の古本ってどうやって探すのかなあ?
〉 やみくもに古本屋めぐりすりゃいいってもんじゃないよね。
〉 誰か教えてください!
うーん。今ならネット古書店なんかあるかもしれませんけど…。アメリカの古書店で買い物するのはハードルが高そう。
〉 外国人の記録って大変貴重だと思いますよ。
〉 同時代の中国人、豊子凱の子供の絵なんかと比べると面白いかも。
〉 うわー、どうしよ、豊子凱の画文集まで欲しくなってきちゃったー。
あ、また落とし穴が。
〉 以前、北京の頤和園に行ったときに、中国の子供が
〉 22歳の知人女性に「阿姨」と話しかけていたので、
〉 ふさわしいんじゃないかと思って使ってみたんだけど
〉 やっぱ違和感ありますか?
〉 え?そうじゃないって?極楽トンボみたいな中年オヤジに
〉 「阿姨」なんて声かけられたくないって?
〉 確かにわたしが5歳くらいの子供になりかわったりするのは
〉 無理があります。たいへん失礼いたしました。申し訳ありません。
自己解決しちゃったみたいですね。
「阿姨」って子どもが使う言葉、という印象があります。「おばちゃん」って呼びかけるような。5歳の子どもが20代の女性に「おばちゃん」って呼ぶのはアリだと思います。
〉〉うっかり足を突っ込んだ深みにはまっておぼれていくのは多読の宿命です。「こんなはずじゃなかった!」と思いつつ、どんどん抜けられなくなっていくのです。
〉 違うもん、わたしがLittle Pearの続編欲しいのは、
〉 Little Pearの続編がないと英語の勉強ができないからだもん!
〉
じゃあ、本を探して「勉強」しないといけませんね。もっともっとおもしろい本を見つけてどんどん「勉強」しましょう。英語にも中国語にも落とし穴があちこちにあると思いますよ。