Re: 追加

[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/24(09:28)]

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2680. Re: 追加

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/13(23:56)

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  Ry0tasanさんへ。新茶です。

  前から申し上げているように、私は、約30年英語などの語学をしていないので、英語はできません。
  しかしながら、方法論ですから、兵は拙速ながら、迅速を尊ぶのごとく、蛮勇を奮って、申し上げます。

  私は、結論として、原則として、明治期の和書を読むのは、不必要だと思います。
  場合によっては、貴重な人生を無駄にする有害な行為だと思います。
  逆に、できるだけ、現代の専門書、概説書、啓蒙書を読むのがよいのです。
  日進月歩の分野もあるから、20世紀の書物は、もはや読む価値を喪失しているものもあります。
  定評のある専門書は、制度、システム、思想について、明治以来の歴史、または、西洋で起こった歴史を、概略ながらでも、説明しているはずです。
  その記述を含め、今の本で、充分、和語と、英語を含む外国語の対応がわかるはずです。
  そして、そこから、英語というものを考えれば足りると思います。

  逆に、誰も読む相手にしなくなったはずの、制度等に関する明治の本を読む意味は、原則として、あり得ないと思います。
  ここで明治の本というのは、もちろん、明治の専門書、概説書等を意味します。
  例外として、語彙を創造し思想を展開した、概説書の範疇に入らない福沢諭吉の一定の本を想定できますが、彼の本も、本来、簿記の本などは、専門書に属します。前者は、思索するための古典の意味で、読むに値し、後者は、読むに値しません。
  

  今の本は、もちろん語源の説明までは、していないのが普通です。
  しかし、たとえば、経済学economicsなら、古代ギリシャ語のoikosとnomosの複合語であることは、たいていの教科書に書いてあるでしょうし、financeの本であるならば、riskという言葉の起源が、ラテン語経由の言葉であり、riskare riskoなどから由来した言葉で、地中海の島々の間の岩の間を通り抜けることを意味することも、近頃の教科書は、冒頭に記載するようになっています。
  最近の専門書、概説書、基本書、教科書のたぐいは、ますます、英語との関連、語源を重視するに至っていると認識しています。

  明治の本を読んでも、いつ、その日本語が使われ出したかくらいが、たかだか、その読書理由になるのではないでしょうか。  

  ここで、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」というのは、私が専門の仕事とする社会科学のほんの一分野のみならず、社会科学一般、そして、自然科学一般、さらに人文科学のうち、科学としての心理学などの一定分野の「日本語のほとんど全て」であり、その用語は、当該分野では、有機的に関連しているはずです。

  明治期以降の制度、システム、思想等を表す言葉で、民間に流布している言葉は、ほとんどすべて、専門用語が、庶民の言葉になったものと理解しています。
  
  

  英語など語学はできないが、あえて述べると、有機的に関連しているとは、たとえば、「所有」と「占有」は、同時期に訳された、有機的に関連する言葉だと思います。
  所有は、2610で述べていますが、「domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。」と書いているように、domeだと思います。名詞ですから、dominationでしょうか。実際は、ローマ法由来のフランス語でしょうが、フランス語はわからないが、ドイツ語で言うEigentumだと思われます。占有は、2588で述べているpossessであり、ローマ法由来のpossesioではないかと思います。検証、追試に関しては、前に紹介した、最近の本「ローマ物権法」をご覧ください。
 所有の原語は、明治の歴史から見て、haveではないはずです。
 そのことと、haveが、元来、所有の意味をも含むかは、別個のことです。

〉ある概念が輸入された時点かそれ以降に変質し、
〉似て非なるものになっているかどうか、
〉もとの英語の本当に同じなのかを判断するのは、
〉多くの日本人にとって非常に難しい行為だと思います。
 

  私の認識では、輸入された概念が、変質したり、似て非なるものになったことは、そんなにたくさんあると思えないし、第1に、それは、当該日本語から当該英語を割り出すことと、何ら関係がありません。
  

  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
  しかし、それは、ここで論議していることと、全く別です。
  それは、概念の相対性によるものであり、国際商業や医学のようにrigidなものから、土地制度,民主主義のように、flexibleなものまであるでしょう。
  そんな概念の相対性を言い出したら、きりがありません。
  
  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的興味が湧けば足りると思われます。
  次に、古代ギリシャ民主主義に関する古典を和文で読んだり、もっとも最近の民主主義に関する専門書を読んだり、また、この分野では、古典的な名著もあるから、それを読むでしょう。

  しかし、Ry0tasanさんは、明治期以後に輸入し定着した制度、システム、思想等に関する和語から英語を考えるにあったって、一般的に、明治期の和書をできるだけ読むのが成功の秘訣とまで述べておられるのですから、私は、その意味を、かなり熟考しました。

  もし、今後、Ry0tasanさんが、自らの想定と違っていたとか、趣旨の誤解だったとか、想定外だったとか言われると、ちょっとガクッときますが、その可能性もあるし、Ry0tasanさんの想定を教えてくださいね。

                           以   上
  
  

  

  


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2682. Re: 追加

お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp
投稿日: 2008/7/14(00:09)

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"主観の新茶"さんは こんばんは。

古川です。
前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
無視して頂いてもかまいません。

〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

そのほか
 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
訳でしょう。
数学用語なら、
rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
本来の意味でしょう。

このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
思います。

それでは。


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2683. Re: 追加

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/14(00:56)

------------------------------

古川@SSS"さん、ryOtasanさん、こんばんは。
今夜は、遅いので、これで終わりますが、以下、述べます。

〉古川です。
〉前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
〉無視して頂いてもかまいません。

〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

〉そのほか
〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉訳でしょう。
〉数学用語なら、
〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

〉 freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
〉本来の意味でしょう。

〉このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
〉まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
〉思います。

〉それでは。

以下述べること。
調べていませんが、おそらく、freedom of press は 出版の自由 と 報道の自由 の双方が、原語として、あり得ると思います。
その場合、出版の自由(freedom of press)などと記載するのが、良心的です。
つまり、日本語訳の次に、本来想定している英語を記載することです。

概して、訳語は、本来どれが正しいか、争いもあります。

訳語がいい加減でよいとは、決して言いませんが、問題は、その次に、定義する内容です。
近代用語、現代用語を述べたときには、必ず、次に定義を述べることが求められるのです。
定義なしに使用されると、誤解の原因になります。

日本語が、本来の英語の原語と違うだろうというのは、私も、感じることがあります。
しかし、その日本語は、ある英語に1対1で対応していることがわかれば、その日本語に対応する英語が、わかります。
対応する英語がわかれば、その次に進めます。

なお、私は、訳語が不当だと言われているものについても、その訳語が、そんなに不当であり、ただちに変更を迫られているとは、あまり感じない方です。
そういう議論があるということを、きちんと把握しておけば足りると思います。
しかし、定義の方は、間違っているかどうか、過不足ないかどうか、きちんと吟味しなければならないのです。

そして、その英語を、今度は、日本語に訳する場合に、場合に応じて、複数の日本語と対応させることとは、また、全く別個の次元のことです。

なお、英単語を1個の日本語訳で覚え、場面に応じ、別の言葉を思いつかないなどという現象が仮にあるとすれば、本来は、論外であり、その現象の確率がどのくらいの人数であるかを考えるべきだと思います。

                            それでは、また


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2685. Re: 追加

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/7/15(18:14)

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古川先生、主観の新茶さん、こんばんは!
部分反応です。

〉数学用語なら、
〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

数学やっている人はみんなそうおっしゃいますねえ。私が思うに、翻訳した人はピタゴラス学派の気持ちになって訳したんじゃないでしょうか。

割り切れる数には道理がある。割り切れない数は道理がないからあってはならないというような気分じゃないでしょうか。

単なる推測です。わたしはギリシャ古典のことも数学史のことも無知です。


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2686. Re: 全くの雑談

お名前: こるも
投稿日: 2008/7/15(23:17)

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極楽とんぼさん、古川先生、主観の新茶さん、こんばんは
すみません。
全くの雑談です。

〉数学やっている人はみんなそうおっしゃいますねえ。私が思うに、翻訳した人はピタゴラス学派の気持ちになって訳したんじゃないでしょうか。

関係ないですが、ピタゴラスイッチって、すごいですよね。

極楽とんぼさんの文章って、面白いですねー。
軽妙で、味がある。
ちょっと哀愁もあったりして。

いや、それだけ言いたかったんです。
ひそかなファンより。


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2690. Re: 全くの雑談

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/7/18(11:51)

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こるもさん、はじめまして!こんなところでお会いするなんてびっくりです!

〉関係ないですが、ピタゴラスイッチって、すごいですよね。
ピタゴラスイッチにはとてもお世話になっています。うちは2歳児がいるのですが、NHK教育テレビに育ててもらっているようなもんです。好き嫌いがあって、かぶりものがでてくる番組には興味が持てないらしく、そういうときなど、わたしもうちのひともおおわらわになっちゃうのですが、短いピタゴラスイッチのコーナーになると、テレビ画面に集中してくれます。短くていいから、もっと頻繁に流してくれないかなって思っています。DVDも発売されているようですが、長時間の視聴には耐えられないと思うので、そこまでは手が出ません。植えの8歳児と5歳児はビー玉があると、ときどきピタゴラスイッチごっこをして遊んでいます。

〉極楽とんぼさんの文章って、面白いですねー。
〉軽妙で、味がある。
〉ちょっと哀愁もあったりして。
ありがとうございます!最近、たいした量じゃないでしょうけど、自分のキャパぎりぎりの仕事が降ってきたので、多読と掲示板カキコはしばらく休業だなあと思っていたのですが、掲示板の方はなんだかんだとついカキコしてしまいます。ちょっと中毒状態?多読の方は思ったとおり、子供に読み聞かせしているだけで、休業に近いですけど。

〉いや、それだけ言いたかったんです。
〉ひそかなファンより。
以前、どこかでどなたかが評しておられたと記憶しますが、掲示板上のこるもさんは本当に神出鬼没ですねえ。こんなところではじめましてになるとは思いませんでした。一つこれをご縁におつきあいのほどよろしくお願い申し上げます。ここは本の話題の掲示板なのでこの辺で。ハッピーリーディング!


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2687. Re: 追加

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2008/7/17(18:50)

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  古川さん,こんにちは。
 主観の新茶です。

1 古川さんは,江戸末期も含め明治時代に輸入された言葉は,どのくらいの数があるか,知っていますか。
 それを書いた文献は,ありますか。
 知っていたら,教えてください。

 限られた一専門分野のみでも,数千はあると思います。
 全体では,ものすごい数ですね。

 私は,漢文に出てこない用語,漢文に出てきても用法は異なる用語は,明治時代に訳された言葉であると推定できると思いますから,そういう方法で,過去の文献を調べなくても,輸入概念かどうかは,概括的に理解できると思います。
 漢文を実際に読まなくても,江戸時代になかった概念かどうかは,日本及び西洋の歴史等を勉強していれば,一般の人にも,わかると思います。

 社会科学の明治本は、小説と違って、古本屋にも、あまりないと思うが、話題になったことがありません。

私は,そのような輸入概念を網羅的に考えていますから,余り,1つの単語に拘泥することはありません。
 むしろ,概念の定義,内容,概念と概念との結びつきにおける1つの制度等の説明の文章,何ページかに渡る説明などが,論者によってどう異なるかの方が,遙かに重要な意義を有すると思っています。

 また,一般に,遊びの記述は除外し,まじめに論ずるときには,必ず,言われなくても,定義,内容,理由,自分の説の出典,反対する説の概要,その理由,出典等を記載しなければならないと思っています。

 もとより今回は,急いで述べられたのですから,今から説明していただければ結構です。
 
"古川@SSS"さんは[url:kb:2682]で書きました:
〉"主観の新茶"さんは こんばんは。

〉古川です。
〉前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
〉無視して頂いてもかまいません。

〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

以下,私も,あらかじめ,自分の意見を述べておきます。

2 民主政体の定義,民主政体の訳が正しい理由,その出典について,説明してください。
 そうでないと,知らない人には,どちらが正しいのか,わかりません。
 この段階では,古川さんの言うことの方が正しいと,理由もわからず,盲目的に信用してしまう人が出てくる危険があります。

 デモクラシーは,まず,政治学の分野で使用される言語ですが,日本では,古くから,そして,最近でも,定評ある教科書は,デモクラシーの訳として,民主主義を使用しています。
この点は,本の種類も豊富なので,出典を挙げませんが,もし疑問があれば,大型書店でご覧ください。
 デモクラシーというカタカナ語は,最初で説明されますが,普通の専門書の本の全編に使用されるのは,民主主義という言葉であり,民主政体という言葉は,使用していません。

 なお,デモクラシーとして,民主制,民主政,民主主義などと言い換え,その後に,一般的に,民主主義という用語のみで説明している教科書もありますから,デモクラシーという言葉が,一義的に,民主主義と訳すものではないことは,これでもわかりますし,およそ,民主主義という言葉だけから,内容を想像するのではなく,まず,第1に,民主主義の定義,内容を知るというのが,常道です。
 民主政体と訳した教科書は、見た限りでは、見あたりませんでした。
 

 政治学の教科書には,一般に,必ず古代ギリシャ,特にアテネの直接民主政治について詳しく説明が割かれていますが,それは,一般常識としても,必要でしょう。
 民主主義は,教科書によっても,若干定義が異なりますが,したがって,まず,民主主義の定義について異なった認識をしていないかを確認する必要があります。
 専門家は,一般的に,同じ概念を共有しています。
 たとえば,「民主主義とは,統治者と非統治者との同一性を意味し,現在では,直接民主制のみならず,間接民主制を含む」というような定義は,通常,専門家,実務家同士なら,何も見ないで,すらすらと口に出てくるはずです。
 このような定義が確認できるのなら、暗黙知として、お互いに、アテネのことなどもわかっているなという確認ができます。

 「同一性」という言葉は,もっと定義しようと思えばできますが,その後は,具体的な民主主義の制度,内容を議論するのが普通です。
  現代では,民主主義の具体的内容は,租税民主主義のようなものから,それこそたくさんありますから,全部列挙しろといわれたら,実務家でも,すぐにすらすらと全部列挙できないかもしれませんが,具体的に,ある民主主義の具体的内容について問われれば,滔々と述べることができるでしょう。

 しかし,民主主義のような議論は,普通,実務家の間では,正直なところ,もし議論をふっかけたら,「何,青臭いこといってるの。」となるはずですから,私は,今回,このようなことを述べているのは,ある意味では,恥ずかしいのです。
 実務家は,誰でも,若きころの昔は,嫌になるほど,民主主義について,本を読んだり,議論し合ったでしょう。

 民主主義という言葉は,憲法や,経済学でも,使用されています。
 経済学では、「民主政体」という言葉が、発展途上国の経済を論ずる際に、出てきます。

 それ以外、わかりません。

 「政治学会」「憲法学会」「経済の各学会」で,民主主義という言葉が不正確であるという議論がなされているのでしょうか。
 古川さんは,ご存じですか。

 訳語が間違っているというのなら,これらの学会に問うてみたら,どうでしょう。

 実務家は,一般に,デモクラシーの生成発展の具体的内容の詳細を知りこそすれ,訳語が間違っているというような議論をするということは,私は,聞いたことがありません。
 
 なお,インターネットに,民主主義と民主政体の訳語の正否の議論が書いてありましたので,これを掲載します。

  [url:http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%B1%BC%E7%BC%E7%B5%C1?kid=24436&mode=edit]

 
 該当部分を抜き出すと,「訳語について。「民主」とは元来は「たみのあるじ」で、つまりは支配者、君主のことだった。が、ここでは「民が主である」の意で用いられている。「主義」はprincipleの翻訳語として作られた言葉である。principleは原理や原則、行動基準のことで、例えば「principle of Democracy」だと「民主主義の原則」になる。ただし、こんにち「主義」を辞書で引くと、主義主張としての用法の他に、「特定の制度・体制または態度(広辞苑)」という意味も書かれている。従って「デモクラシーとは民主政体のことだから民主主義と訳すのはおかしい」という主張はあまり正確ではないと言える((「正確」にしようとすると、「principleの訳語として主義という言葉を作ったのだから、あるprincipleに基づいて作られた制度のことまで主義と呼ぶのはおかしい」というような、よく分からない主張になる気がしますが))。
*参考図書
-「現代政治学の名著」 佐々木毅 編/中公新書918

これを見ると,私は,知らなかったが,「民主政体」と訳さない限りは,訳語が間違っていると主張する人が、相当数、いるのだと思います。

 私も、この論者の発想で、良いと思いますが。

 この文の参考文献は,元東大総長の佐々木毅さんの中公新書になっています。
 参照ページが書いてないという、不親切な引用です。
 私は,佐々木さんともあろう人が,こういう誤訳の議論を,この本でするとは思えません。
 私は,この本を読んでいません。
 ただし,この中公新書を,ぱらぱら見たところ,民主主義で用語を統一していることは,間違いありません。
 もし,この中公新書を読んだ方がいたら,教えてください。

〉そのほか
〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉訳でしょう。

3 「合衆国」は,外務省を始め,内閣で,統一した用語と定めて,使用しています。
 「衆」を使う理由は,わかりませんが,古川さんは,わかりますか。
合衆国の「衆」は,どういう意味なのでしょうか。
 最初,訳した人は,どういうつもりで,「州」を使用しなかったのでしょうか。
 その辺を探ってみる必要があります。
 外務省等は,その根拠を必ず持っているはずです。
 批判するときには,相手の根拠を調べる必要があります。
 何か根拠があるはずです。
 外務省等にクレームをつけてみたら,どうでしょうか。
 国家が,「合衆国」が訳の正解であるといっているのですから。

 一介の実務家にすぎない私に,誤訳だと言われてもネ。
 はい,そうです,とは,なりません。
 それを決めている人たちに,もの申すべきです。
 改革は,良いことです。
 
4 どころで,SSSで議論されていますが、verbを動詞と訳したのは,何故なのですか。
 私は,わかりません。
 古川さん,知っていたら,教えてください。
 SSSでは,一般に,verbに「動詞」の訳は,不正確であるという理解ではないでしょうか,
 その理由は,verbは,動作動詞と状態動詞があるのに,動詞の「動」は,動作を意味するだけだから,状態名詞の存在を無視する不当な訳であるというものです。
 しかし,私は,次のような仮説も考えているので,そうであるならば,訳は,不当ではありません。
「動」は,「はたらき」という意味の漢字です(白川静「字統」の動と働の項目参照)。
 「働く」の「働」は,国字であり,本来の働くは,「動く」なのです。
 「はたらく」の「動」は,白川さんの説明に依拠すると,「農奴が実際に農耕する」という意味の象形文字であるが,心の働きというような目に見えない意味にも拡大されてきました。
 昔の漢文を読む限り,動は,働の意味で使用されているように思っています。
 昔の人は,この動という言葉の本来の意味を知っていたのではないでしょうか。
 戦後の教育では,動の意味が,単純化されているのではないでしょうか。

 この「動」の「働き」を,どういう意味で使うか。
 英語の場合,動詞は,主語に具体的な内容を与えるはたらきをするとか,主語を具体的に規定するはたらきをするとか,あるいは,目的語との関連ではたらきを考えるとか,そんな意味で,「動詞」と使用しているのではないかと,思っていました。
 初期の英文法書には,なぜ,verbの訳語が,「動詞」なのか,書いてないのでしょうか。
 とにかく,方法論としては,今の時点で,自分の知識で想像するのではなく,きちんと出典を示し,なぜ「動詞」と訳されてきたか,何故不当かを説明しなければならないと思います。
 動詞の訳が不当であるという論者が,はじめから,私のような問題意識にきちんと答えていてくれていれば,信用に値しますが,そうでなければ,せいぜい一個の仮説としてしか、取り扱えません。

〉数学用語なら、
〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

5 この点については,極楽トンボさんと同じ感想を持っていました。
 数学の学会では,どうなっていますか。
 訳に,批判的ですか。
 これは,誰かが,出版物,新聞等にも,この訳でなければならないと決めていますか。
 国語審議会等でも,「有理数」で良いと言っているのでしょうか。
 
 「有」も,やや,わかりにくいですね。
 「可能である。存在する」という意味なのでしょうか。
 それなら,「有比2数」「無比2数」などと訳して,言ったらどうでしょうか。

freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
〉本来の意味でしょう。

〉このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
〉まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
〉思います。
〉それでは。

6 これについては,ガリレオ・ガリレイなど有名な例から,余り知られていない無名な例まで,歴史上のいろいろな苦難を思い出す必要があります。

 最初は,「思想の自由」が侵害され,それがやっと確保されると,「表現の自由」が侵害され,それが確保されると,次に,活版技術に伴う「表現の自由」の一環としての「出版の自由」が問題となり,そのころは,まだ,マスメディアが重要ではありませんでしたが,大衆文化の興隆と民主主義の発展と共に,「知る権利」が重要となり,第4権力であるマスメディアの出現による「報道の自由」が重要となり,さらに,「報道の自由」の前提として,「取材の自由」という概念が出てきます。

 これらの説明の仕方は,精粗いろいろ言い方がありますが,このくらいなら,専門家は,物を見なくても,説明できるでしょう。

 表現の自由の派生概念は,結社,集会の自由など,ほかにもあります。
 これが,日本の憲法19条の「思想の自由」や21条の「表現の自由」に結びついているのですね。
 現憲法の英訳は,「表現の自由」が「freedom of press」であって,「報道の自由」は,解釈上,表現の自由の一内容ということに落ち着いていますね。

 古川さんは,この点をわかっていると思います。
 そうなると,本来の意味が,「報道の自由」だと説明するのは,どうしてでしょうか。

 「press」の使われ方からでしょうか。
 すると,「表現」の自由は,「expression」と訳すべきだったということでしょうか。

 諸外国の憲法の表現は,どうなっているのでしょうか。
 何故,日本は,「press」と訳してしまったのでしょうか。
 私は,知りません。
 その辺は,教えてください。

  憲法の英訳が、ところどころ不正確であると主張する人がいるという議論は,もちろん知っています。
 しかし,私は,現憲法のこの点の英訳が間違っているという反対説があったのは,正直言うと,思い出せません。
 これが話題になったことは,ありません。

 よろしくお願いします。
 
                                         ハッピー・リーディング


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[う〜む] 2688. Re: 追加

お名前: まりあ@SSS http://buhimaman.at.webry.info/
投稿日: 2008/7/17(19:14)

------------------------------

主観の新茶さん、こんにちは。 まりあ@SSSです。

  SSS掲示板は、英語を身につけたい、英語の本を読める
  ようになりたい人達が、情報交換をするための場です。

  ご質問は特にこの掲示板参加者に共通の関心があるとも
  思えませんし、当然ご存じと思いますが、古川さんは
  数学がご専門ですから、特にこのご質問に適切な解答者
  でもありません。

  SSSでは、書き込みに対して誰からも反応がないのは
  寂しい思いをされるだろう、という思いやりから、
  返答のない書き込みには誰かがちょっとお返事を書いたり
  する風習があります。

  古川さんも、そうした思いでちょっと何か書こう、と
  応答されたと思います。

  これ以上の追求はお控え頂けると幸いです。 

  

〉  古川さん,こんにちは。
〉 主観の新茶です。

〉1 古川さんは,江戸末期も含め明治時代に輸入された言葉は,どのくらいの数があるか,知っていますか。
〉 それを書いた文献は,ありますか。
〉 知っていたら,教えてください。

〉 限られた一専門分野のみでも,数千はあると思います。
〉 全体では,ものすごい数ですね。

〉 私は,漢文に出てこない用語,漢文に出てきても用法は異なる用語は,明治時代に訳された言葉であると推定できると思いますから,そういう方法で,過去の文献を調べなくても,輸入概念かどうかは,概括的に理解できると思います。
〉 漢文を実際に読まなくても,江戸時代になかった概念かどうかは,日本及び西洋の歴史等を勉強していれば,一般の人にも,わかると思います。

〉 社会科学の明治本は、小説と違って、古本屋にも、あまりないと思うが、話題になったことがありません。

〉 私は,そのような輸入概念を網羅的に考えていますから,余り,1つの単語に拘泥することはありません。
〉 むしろ,概念の定義,内容,概念と概念との結びつきにおける1つの制度等の説明の文章,何ページかに渡る説明などが,論者によってどう異なるかの方が,遙かに重要な意義を有すると思っています。

〉 また,一般に,遊びの記述は除外し,まじめに論ずるときには,必ず,言われなくても,定義,内容,理由,自分の説の出典,反対する説の概要,その理由,出典等を記載しなければならないと思っています。

〉 もとより今回は,急いで述べられたのですから,今から説明していただければ結構です。
〉 
〉"古川@SSS"さんは[url:kb:2682]で書きました:
〉〉"主観の新茶"さんは こんばんは。

〉〉古川です。
〉〉前後をきちんと読んでいない、単なる感想なので、
〉〉無視して頂いてもかまいません。

〉〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的

〉〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

〉 以下,私も,あらかじめ,自分の意見を述べておきます。

〉2 民主政体の定義,民主政体の訳が正しい理由,その出典について,説明してください。
〉 そうでないと,知らない人には,どちらが正しいのか,わかりません。
〉 この段階では,古川さんの言うことの方が正しいと,理由もわからず,盲目的に信用してしまう人が出てくる危険があります。

〉 デモクラシーは,まず,政治学の分野で使用される言語ですが,日本では,古くから,そして,最近でも,定評ある教科書は,デモクラシーの訳として,民主主義を使用しています。
〉 この点は,本の種類も豊富なので,出典を挙げませんが,もし疑問があれば,大型書店でご覧ください。
〉 デモクラシーというカタカナ語は,最初で説明されますが,普通の専門書の本の全編に使用されるのは,民主主義という言葉であり,民主政体という言葉は,使用していません。

〉 なお,デモクラシーとして,民主制,民主政,民主主義などと言い換え,その後に,一般的に,民主主義という用語のみで説明している教科書もありますから,デモクラシーという言葉が,一義的に,民主主義と訳すものではないことは,これでもわかりますし,およそ,民主主義という言葉だけから,内容を想像するのではなく,まず,第1に,民主主義の定義,内容を知るというのが,常道です。
〉 民主政体と訳した教科書は、見た限りでは、見あたりませんでした。
〉 

〉 政治学の教科書には,一般に,必ず古代ギリシャ,特にアテネの直接民主政治について詳しく説明が割かれていますが,それは,一般常識としても,必要でしょう。
〉 民主主義は,教科書によっても,若干定義が異なりますが,したがって,まず,民主主義の定義について異なった認識をしていないかを確認する必要があります。
〉 専門家は,一般的に,同じ概念を共有しています。
〉 たとえば,「民主主義とは,統治者と非統治者との同一性を意味し,現在では,直接民主制のみならず,間接民主制を含む」というような定義は,通常,専門家,実務家同士なら,何も見ないで,すらすらと口に出てくるはずです。
〉 このような定義が確認できるのなら、暗黙知として、お互いに、アテネのことなどもわかっているなという確認ができます。

〉 「同一性」という言葉は,もっと定義しようと思えばできますが,その後は,具体的な民主主義の制度,内容を議論するのが普通です。
〉  現代では,民主主義の具体的内容は,租税民主主義のようなものから,それこそたくさんありますから,全部列挙しろといわれたら,実務家でも,すぐにすらすらと全部列挙できないかもしれませんが,具体的に,ある民主主義の具体的内容について問われれば,滔々と述べることができるでしょう。

〉 しかし,民主主義のような議論は,普通,実務家の間では,正直なところ,もし議論をふっかけたら,「何,青臭いこといってるの。」となるはずですから,私は,今回,このようなことを述べているのは,ある意味では,恥ずかしいのです。
〉 実務家は,誰でも,若きころの昔は,嫌になるほど,民主主義について,本を読んだり,議論し合ったでしょう。

〉 民主主義という言葉は,憲法や,経済学でも,使用されています。
〉 経済学では、「民主政体」という言葉が、発展途上国の経済を論ずる際に、出てきます。

〉 それ以外、わかりません。

〉 「政治学会」「憲法学会」「経済の各学会」で,民主主義という言葉が不正確であるという議論がなされているのでしょうか。
〉 古川さんは,ご存じですか。

〉 訳語が間違っているというのなら,これらの学会に問うてみたら,どうでしょう。

〉 実務家は,一般に,デモクラシーの生成発展の具体的内容の詳細を知りこそすれ,訳語が間違っているというような議論をするということは,私は,聞いたことがありません。
〉 
〉 なお,インターネットに,民主主義と民主政体の訳語の正否の議論が書いてありましたので,これを掲載します。

〉  [url:http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%B1%BC%E7%BC%E7%B5%C1?kid=24436&mode=edit]

〉 
〉 該当部分を抜き出すと,「訳語について。「民主」とは元来は「たみのあるじ」で、つまりは支配者、君主のことだった。が、ここでは「民が主である」の意で用いられている。「主義」はprincipleの翻訳語として作られた言葉である。principleは原理や原則、行動基準のことで、例えば「principle of Democracy」だと「民主主義の原則」になる。ただし、こんにち「主義」を辞書で引くと、主義主張としての用法の他に、「特定の制度・体制または態度(広辞苑)」という意味も書かれている。従って「デモクラシーとは民主政体のことだから民主主義と訳すのはおかしい」という主張はあまり正確ではないと言える((「正確」にしようとすると、「principleの訳語として主義という言葉を作ったのだから、あるprincipleに基づいて作られた制度のことまで主義と呼ぶのはおかしい」というような、よく分からない主張になる気がしますが))。
〉*参考図書
〉-「現代政治学の名著」 佐々木毅 編/中公新書918

〉 これを見ると,私は,知らなかったが,「民主政体」と訳さない限りは,訳語が間違っていると主張する人が、相当数、いるのだと思います。

〉 私も、この論者の発想で、良いと思いますが。

〉 この文の参考文献は,元東大総長の佐々木毅さんの中公新書になっています。
〉 参照ページが書いてないという、不親切な引用です。
〉 私は,佐々木さんともあろう人が,こういう誤訳の議論を,この本でするとは思えません。
〉 私は,この本を読んでいません。
〉 ただし,この中公新書を,ぱらぱら見たところ,民主主義で用語を統一していることは,間違いありません。
〉 もし,この中公新書を読んだ方がいたら,教えてください。

〉〉そのほか
〉〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉〉訳でしょう。

〉3 「合衆国」は,外務省を始め,内閣で,統一した用語と定めて,使用しています。
〉 「衆」を使う理由は,わかりませんが,古川さんは,わかりますか。
〉 合衆国の「衆」は,どういう意味なのでしょうか。
〉 最初,訳した人は,どういうつもりで,「州」を使用しなかったのでしょうか。
〉 その辺を探ってみる必要があります。
〉 外務省等は,その根拠を必ず持っているはずです。
〉 批判するときには,相手の根拠を調べる必要があります。
〉 何か根拠があるはずです。
〉 外務省等にクレームをつけてみたら,どうでしょうか。
〉 国家が,「合衆国」が訳の正解であるといっているのですから。

〉 一介の実務家にすぎない私に,誤訳だと言われてもネ。
〉 はい,そうです,とは,なりません。
〉 それを決めている人たちに,もの申すべきです。
〉 改革は,良いことです。
〉 
〉4 どころで,SSSで議論されていますが、verbを動詞と訳したのは,何故なのですか。
〉 私は,わかりません。
〉 古川さん,知っていたら,教えてください。
〉 SSSでは,一般に,verbに「動詞」の訳は,不正確であるという理解ではないでしょうか,
〉 その理由は,verbは,動作動詞と状態動詞があるのに,動詞の「動」は,動作を意味するだけだから,状態名詞の存在を無視する不当な訳であるというものです。
〉 しかし,私は,次のような仮説も考えているので,そうであるならば,訳は,不当ではありません。
〉 「動」は,「はたらき」という意味の漢字です(白川静「字統」の動と働の項目参照)。
〉 「働く」の「働」は,国字であり,本来の働くは,「動く」なのです。
〉 「はたらく」の「動」は,白川さんの説明に依拠すると,「農奴が実際に農耕する」という意味の象形文字であるが,心の働きというような目に見えない意味にも拡大されてきました。
〉 昔の漢文を読む限り,動は,働の意味で使用されているように思っています。
〉 昔の人は,この動という言葉の本来の意味を知っていたのではないでしょうか。
〉 戦後の教育では,動の意味が,単純化されているのではないでしょうか。

〉 この「動」の「働き」を,どういう意味で使うか。
〉 英語の場合,動詞は,主語に具体的な内容を与えるはたらきをするとか,主語を具体的に規定するはたらきをするとか,あるいは,目的語との関連ではたらきを考えるとか,そんな意味で,「動詞」と使用しているのではないかと,思っていました。
〉 初期の英文法書には,なぜ,verbの訳語が,「動詞」なのか,書いてないのでしょうか。
〉 とにかく,方法論としては,今の時点で,自分の知識で想像するのではなく,きちんと出典を示し,なぜ「動詞」と訳されてきたか,何故不当かを説明しなければならないと思います。
〉 動詞の訳が不当であるという論者が,はじめから,私のような問題意識にきちんと答えていてくれていれば,信用に値しますが,そうでなければ,せいぜい一個の仮説としてしか、取り扱えません。

〉〉数学用語なら、
〉〉 rational number は、ratio 理性ではなく 比のことですから、
〉〉有理数 では意味不明で 有比数 が本来ただしい訳だと思います。

〉5 この点については,極楽トンボさんと同じ感想を持っていました。
〉 数学の学会では,どうなっていますか。
〉 訳に,批判的ですか。
〉 これは,誰かが,出版物,新聞等にも,この訳でなければならないと決めていますか。
〉 国語審議会等でも,「有理数」で良いと言っているのでしょうか。
〉 
〉 「有」も,やや,わかりにくいですね。
〉 「可能である。存在する」という意味なのでしょうか。
〉 それなら,「有比2数」「無比2数」などと訳して,言ったらどうでしょうか。

〉 freedom of press は 出版の自由 より 報道の自由 が
〉〉本来の意味でしょう。

〉〉このように本来の意味が、初期の 1対1訳によって、
〉〉まちがったイメージになって、日本では定着いる訳語がかなりあると
〉〉思います。
〉〉それでは。

〉6 これについては,ガリレオ・ガリレイなど有名な例から,余り知られていない無名な例まで,歴史上のいろいろな苦難を思い出す必要があります。

〉 最初は,「思想の自由」が侵害され,それがやっと確保されると,「表現の自由」が侵害され,それが確保されると,次に,活版技術に伴う「表現の自由」の一環としての「出版の自由」が問題となり,そのころは,まだ,マスメディアが重要ではありませんでしたが,大衆文化の興隆と民主主義の発展と共に,「知る権利」が重要となり,第4権力であるマスメディアの出現による「報道の自由」が重要となり,さらに,「報道の自由」の前提として,「取材の自由」という概念が出てきます。

〉 これらの説明の仕方は,精粗いろいろ言い方がありますが,このくらいなら,専門家は,物を見なくても,説明できるでしょう。

〉 表現の自由の派生概念は,結社,集会の自由など,ほかにもあります。
〉 これが,日本の憲法19条の「思想の自由」や21条の「表現の自由」に結びついているのですね。
〉 現憲法の英訳は,「表現の自由」が「freedom of press」であって,「報道の自由」は,解釈上,表現の自由の一内容ということに落ち着いていますね。

〉 古川さんは,この点をわかっていると思います。
〉 そうなると,本来の意味が,「報道の自由」だと説明するのは,どうしてでしょうか。

〉 「press」の使われ方からでしょうか。
〉 すると,「表現」の自由は,「expression」と訳すべきだったということでしょうか。

〉 諸外国の憲法の表現は,どうなっているのでしょうか。
〉 何故,日本は,「press」と訳してしまったのでしょうか。
〉 私は,知りません。
〉 その辺は,教えてください。

〉  憲法の英訳が、ところどころ不正確であると主張する人がいるという議論は,もちろん知っています。
〉  しかし,私は,現憲法のこの点の英訳が間違っているという反対説があったのは,正直言うと,思い出せません。
〉 これが話題になったことは,ありません。

〉 よろしくお願いします。
〉 
〉                                          ハッピー・リーディング


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2689. ここは、本の掲示板なんですけど。。。

お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp
投稿日: 2008/7/18(00:04)

------------------------------

"主観の新茶"さんは[url:kb:2687]で書きました:
〉  古川さん,こんにちは。
〉 主観の新茶です。

〉1 古川さんは,江戸末期も含め明治時代に輸入された言葉は,どのくらいの数があるか,知っていますか。
〉 それを書いた文献は,ありますか。
〉 知っていたら,教えてください。

残念ながら知りません。

af〉democracy は、民主主義 より 民主政体 が正しい訳かと思います。

ss〉 以下,私も,あらかじめ,自分の意見を述べておきます。

ss〉2 民主政体の定義,民主政体の訳が正しい理由,その出典について,説明してください。
ss〉 そうでないと,知らない人には,どちらが正しいのか,わかりません。
ss〉 この段階では,古川さんの言うことの方が正しいと,理由もわからず,盲目的に信用してしまう人が出てくる危険があります。

関心があれば、ご自分で調べればいかがでしょうか?
掲示板のすべての発言について、論拠や出典を述べる義務が
投稿者にあるとは思えません。

英英の辞書をひかれてみましたか?

例えば、OALDには、
democracy
a system of government in which all the people
of a country can vote to elect their represntatives.

とあります。

democracy はこのような system のことです。

〉 デモクラシーは,まず,政治学の分野で使用される言語ですが,日本では,古くから,そして,最近でも,定評ある教科書は,デモクラシーの訳として,民主主義を使用しています。

それが誤解を招く訳だというのが私の主張です。
demcocracy は ismではないですから。
もちろん、共産主義、資本主義というのも 共産主義体制、
資本主義体制という意味でも使われますが、日本語の語感では、
主義というのは 主義主張 のイメージが強く システム
というイメージはあまりないと思います。

〉〉そのほか
〉〉 United States は、合衆国 ではなく 合州国 が文字通りただしい
〉〉訳でしょう。
〉3 「合衆国」は,外務省を始め,内閣で,統一した用語と定めて,使用しています。
〉 「衆」を使う理由は,わかりませんが,古川さんは,わかりますか。
〉 合衆国の「衆」は,どういう意味なのでしょうか。

いきさつも理由も知りませんが、民衆の「衆」であることは
あきらかですね。

〉4 どころで,SSSで議論されていますが、verbを動詞と訳したのは,何故なのですか。
〉 私は,わかりません。

私は言語学の専門家でないのでしりませんね。

〉 とにかく,方法論としては,今の時点で,自分の知識で想像するのではなく,きちんと出典を示し,なぜ「動詞」と訳されてきたか,何故不当かを説明しなければならないと思います。

不当なんて誰がいっているのですか?、
verb と 動詞 では、ことばからうけるイメージが違う
といっているだけだと思います。

この掲示板は訳語に関して議論する場ではなく、本の紹介や
本の内容についてディスカッションする場所ですので、
このへんで切り上げたいと思います。

それでは、みなさん、Happy Reading!


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2684. 少し分かってきました

お名前: Ry0tasan http://tadoten.blog122.fc2.com
投稿日: 2008/7/14(09:12)

------------------------------

主観の新茶さんは[url:kb:2680]で書きました:

〉  Ry0tasanさんへ。新茶です。

〉  前から申し上げているように、私は、約30年英語などの語学をしていないので、英語はできません。
〉  しかしながら、方法論ですから、兵は拙速ながら、迅速を尊ぶのごとく、蛮勇を奮って、申し上げます。

〉  私は、結論として、原則として、明治期の和書を読むのは、不必要だと思います。
〉  場合によっては、貴重な人生を無駄にする有害な行為だと思います。
〉  逆に、できるだけ、現代の専門書、概説書、啓蒙書を読むのがよいのです。
〉  日進月歩の分野もあるから、20世紀の書物は、もはや読む価値を喪失しているものもあります。
〉  定評のある専門書は、制度、システム、思想について、明治以来の歴史、または、西洋で起こった歴史を、概略ながらでも、説明しているはずです。
〉  その記述を含め、今の本で、充分、和語と、英語を含む外国語の対応がわかるはずです。
〉  そして、そこから、英語というものを考えれば足りると思います。

新茶さんが「はず」という表現を使って想定してらっしゃることを、
より多くの洋書とつきあわせてみれば、
符合しない点が沢山あることに気づいて驚くでしょう。

明治時代の和書に興味がないのであれば、
明治期に輸入された日本語を通して英語を理解する様な試みも、
おやめになった方が良いです。
英語は英語を通した方が理解しやすいですから。

〉  逆に、誰も読む相手にしなくなったはずの、制度等に関する明治の本を読む意味は、原則として、あり得ないと思います。
〉  ここで明治の本というのは、もちろん、明治の専門書、概説書等を意味します。
〉  例外として、語彙を創造し思想を展開した、概説書の範疇に入らない福沢諭吉の一定の本を想定できますが、彼の本も、本来、簿記の本などは、専門書に属します。前者は、思索するための古典の意味で、読むに値し、後者は、読むに値しません。
〉  

そうですね。
僕は前者を想定していました。

〉  今の本は、もちろん語源の説明までは、していないのが普通です。
〉  しかし、たとえば、経済学economicsなら、古代ギリシャ語のoikosとnomosの複合語であることは、たいていの教科書に書いてあるでしょうし、financeの本であるならば、riskという言葉の起源が、ラテン語経由の言葉であり、riskare riskoなどから由来した言葉で、地中海の島々の間の岩の間を通り抜けることを意味することも、近頃の教科書は、冒頭に記載するようになっています。
〉  最近の専門書、概説書、基本書、教科書のたぐいは、ますます、英語との関連、語源を重視するに至っていると認識しています。

ここで新茶さんが出してらっしゃる例は、
どれもギリシャ語やラテン語の単語についてですね。
英語から見て借用語にあたる用語の知識が増えることで、
欧州大陸の学者や思想家と話が通じやすくなる効果は期待できます。
英語の基本的な部分は別ですが。

〉  明治の本を読んでも、いつ、その日本語が使われ出したかくらいが、たかだか、その読書理由になるのではないでしょうか。

そうですね。
その程度でご不満なら、
日本語から出発して英語への理解を深める様な試みは、
おやめになった方が良いでしょう。

〉  ここで、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」というのは、私が専門の仕事とする社会科学のほんの一分野のみならず、社会科学一般、そして、自然科学一般、さらに人文科学のうち、科学としての心理学などの一定分野の「日本語のほとんど全て」であり、その用語は、当該分野では、有機的に関連しているはずです。

その分野で使われている日本語の範囲では、
有機的に関連しています。
英語とはずれていることが多いので、
ご注意ください。

〉  明治期以降の制度、システム、思想等を表す言葉で、民間に流布している言葉は、ほとんどすべて、専門用語が、庶民の言葉になったものと理解しています。
〉  
そうですね。
日本語の範囲では機能しています。

〉  英語など語学はできないが、あえて述べると、有機的に関連しているとは、たとえば、「所有」と「占有」は、同時期に訳された、有機的に関連する言葉だと思います。
〉  所有は、2610で述べていますが、「domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。」と書いているように、domeだと思います。名詞ですから、dominationでしょうか。実際は、ローマ法由来のフランス語でしょうが、フランス語はわからないが、ドイツ語で言うEigentumだと思われます。占有は、2588で述べているpossessであり、ローマ法由来のpossesioではないかと思います。検証、追試に関しては、前に紹介した、最近の本「ローマ物権法」をご覧ください。
〉 所有の原語は、明治の歴史から見て、haveではないはずです。
〉 そのことと、haveが、元来、所有の意味をも含むかは、別個のことです。

所有と "have" と混同しない方が良いという姿勢を僕は一貫させてきたつもりです。
所有と "domestic" について考えることで、
欧州大陸の語彙についての理解は深まるかも知れません。

〉〉ある概念が輸入された時点かそれ以降に変質し、
〉〉似て非なるものになっているかどうか、
〉〉もとの英語の本当に同じなのかを判断するのは、
〉〉多くの日本人にとって非常に難しい行為だと思います。
〉 

〉  私の認識では、輸入された概念が、変質したり、似て非なるものになったことは、そんなにたくさんあると思えないし、第1に、それは、当該日本語から当該英語を割り出すことと、何ら関係がありません。
〉  

おっしゃっていることはそんなに簡単じゃないと思いますが、
具体例は下の方で出しますね。

〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉  しかし、それは、ここで論議していることと、全く別です。

はい。
これは別のことです。
僕は言葉に対する誤解についてのみ話をしているのであり、
選挙制度の中身や実態のことではありません。

〉  それは、概念の相対性によるものであり、国際商業や医学のようにrigidなものから、土地制度,民主主義のように、flexibleなものまであるでしょう。
〉  そんな概念の相対性を言い出したら、きりがありません。
〉  
〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的興味が湧けば足りると思われます。
〉  次に、古代ギリシャ民主主義に関する古典を和文で読んだり、もっとも最近の民主主義に関する専門書を読んだり、また、この分野では、古典的な名著もあるから、それを読むでしょう。

語源がお好きな新茶さんにしては、
おっしゃることが矛盾していませんか?
欧米の知識人が理解している democracy は、
ギリシャ語の語源に近く、
主義ではないのです。
1対1で対応しないこと、
ずれていることに気づかなければ、
英文をいくら読んでも分からない状況に陥ります。

〉  しかし、Ry0tasanさんは、明治期以後に輸入し定着した制度、システム、思想等に関する和語から英語を考えるにあったって、一般的に、明治期の和書をできるだけ読むのが成功の秘訣とまで述べておられるのですから、私は、その意味を、かなり熟考しました。

〉  もし、今後、Ry0tasanさんが、自らの想定と違っていたとか、趣旨の誤解だったとか、想定外だったとか言われると、ちょっとガクッときますが、その可能性もあるし、Ry0tasanさんの想定を教えてくださいね。

正直に申し上げれば、
もともとのご提案自体に無理というか、
矛盾があるように思えるのです。

明治時代の和書については、
福沢諭吉が啓蒙のために書いた本だけでも、
実践してみれば、
英語と日本語との齟齬や乖離に気づくかもしれないと期待していました。

最後に、
定義の例を出しておきますね。
英語の "democracy" を定義した例として有名なのは、
"the government of the people, by the people, for the people" です。
これを「民主主義」という四字熟語に置き換えたら、
話が混乱しませんか?

とりいそぎ。


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3052. Re: 少しも分かっていないと思うけれども

お名前: 主観の新茶
投稿日: 2010/11/3(02:19)

------------------------------

"Ry0tasan"さんは[url:kb:2684]で書きました:
〉主観の新茶さんは[url:kb:2680]で書きました:

〉〉  Ry0tasanさんへ。新茶です。

〉〉  前から申し上げているように、私は、約30年英語などの語学をしていないので、英語はできません。
〉〉  しかしながら、方法論ですから、兵は拙速ながら、迅速を尊ぶのごとく、蛮勇を奮って、申し上げます。

〉〉  私は、結論として、原則として、明治期の和書を読むのは、不必要だと思います。
〉〉  場合によっては、貴重な人生を無駄にする有害な行為だと思います。
〉〉  逆に、できるだけ、現代の専門書、概説書、啓蒙書を読むのがよいのです。
〉〉  日進月歩の分野もあるから、20世紀の書物は、もはや読む価値を喪失しているものもあります。
〉〉  定評のある専門書は、制度、システム、思想について、明治以来の歴史、または、西洋で起こった歴史を、概略ながらでも、説明しているはずです。
〉〉  その記述を含め、今の本で、充分、和語と、英語を含む外国語の対応がわかるはずです。
〉〉  そして、そこから、英語というものを考えれば足りると思います。

〉新茶さんが「はず」という表現を使って想定してらっしゃることを、
〉より多くの洋書とつきあわせてみれば、
〉符合しない点が沢山あることに気づいて驚くでしょう。

何を訳のわからぬことを言っているのやら。

私が「はず」と言っているのは,すべての書物を読んだわけではないから,そ
う言ったまで。
謙遜の言葉です。
誰も,すべての専門書を読めないでしょう?

一冊も,社会科学のまともな本を読んでいない人から,こんな侮辱を言われるとは。

一冊も読んでいないことは,その後のやりとりで,明確にわかりました。

何と何を付き合わせるのかしら。

何が符合しないのですか。

一つでも,例を言ってみたら。

〉明治時代の和書に興味がないのであれば、
〉明治期に輸入された日本語を通して英語を理解する様な試みも、
〉おやめになった方が良いです。

〉英語は英語を通した方が理解しやすいですから。

意味不明。
あなたには,私の言っている意味は,理解できていない。
それなのに,こんなことが書けるという,傲慢さ。
どこに由来するのだろう。

〉〉  逆に、誰も読む相手にしなくなったはずの、制度等に関する明治の本を読む意味は、原則として、あり得ないと思います。
〉〉  ここで明治の本というのは、もちろん、明治の専門書、概説書等を意味します。
〉〉  例外として、語彙を創造し思想を展開した、概説書の範疇に入らない福沢諭吉の一定の本を想定できますが、彼の本も、本来、簿記の本などは、専門書に属します。前者は、思索するための古典の意味で、読むに値し、後者は、読むに値しません。
〉〉  

〉そうですね。
〉僕は前者を想定していました。

当然,前者は有益という話を前提としているでしょう。
それを誤解していたのですか?

ここを読んで,あなたは,私の全文を読んでから返答を書いているのではないことがわかった。
何という不遜,不誠実。

それに,あなたは,わたしより,前者=岩波文庫収録のような明治の古典を読んでいないでしょう。
それは,あなたの話から,わかります。
それなのに,この文章。

〉〉  今の本は、もちろん語源の説明までは、していないのが普通です。
〉〉  しかし、たとえば、経済学economicsなら、古代ギリシャ語のoikosとnomosの複合語であることは、たいていの教科書に書いてあるでしょうし、financeの本であるならば、riskという言葉の起源が、ラテン語経由の言葉であり、riskare riskoなどから由来した言葉で、地中海の島々の間の岩の間を通り抜けることを意味することも、近頃の教科書は、冒頭に記載するようになっています。
〉〉  最近の専門書、概説書、基本書、教科書のたぐいは、ますます、英語との関連、語源を重視するに至っていると認識しています。

〉ここで新茶さんが出してらっしゃる例は、
〉どれもギリシャ語やラテン語の単語についてですね。
〉英語から見て借用語にあたる用語の知識が増えることで、
〉欧州大陸の学者や思想家と話が通じやすくなる効果は期待できます。
〉英語の基本的な部分は別ですが。

ここは,根本的に,頭がおかしい。
「英語からみて借用語」と言いますか?
借用語も英語です。
「英語の中における借用語」ならわかりますよ。
あなたの発言は,いつも,微妙に,ずれているのです。

「欧州大陸の」という言い方も,どこか,おかしい。

最大におかしいのは,英語を話す人を含め,
ヨーロッパの各言語を操る人のうち,思想家は,共通の思想を有することを前提としていないことです。

「欧州大陸の学者や思想家と話が通じやすくなる効果は期待できます」という内容が,不自然。言葉が練れていない。
そもそも,欧州の思想家とは,英語を操る人も含むでしょう。

それに,「英語の基本的部分」て,何のつもりですか?
古英語のことですか?

ゲルマン人がイギリスに渡ったときに話していた言葉が,「英語の基本的部分」と読めますがね。

だいたい,そういうことは,きちんと説明すべきですよ。

古英語ではないというとしたら,そういう態度自体,おかしいと思いますよ。
短い言葉で,きちんと相手に説明していないのだから。

今回の話に,外来語ではない英語本来の言葉=古英語を持ち出すことが,そもそも,おかしい。
「英語の基本的部分」を理解することは,私が持ち出した問題とは,両立する問題であって,対立させる問題ではないのですよ。
それがわからないのか。

〉〉  明治の本を読んでも、いつ、その日本語が使われ出したかくらいが、たかだか、その読書理由になるのではないでしょうか。

〉そうですね。
〉その程度でご不満なら、
〉日本語から出発して英語への理解を深める様な試みは、
〉おやめになった方が良いでしょう。

ここが,最大の点。
よく言えるね。
何様なのか。
偉そうに。

私の人生は,日本語から出発して,英語を理解し,物事を処理してきたものですから,あなたの主張は,私を否定したものです。

正確に言えば,私の人生は,日本語を使用して思想することから,英語を始め主として欧米の思想を考慮しながら,物事を処理してきたものです。

私の全人生を否定するような主張には,反駁します。

あなたこそ,英語を出発として,物事を理解する様な試みは,おやめになった方が良いでしょう。

〉〉  ここで、「日本語であるが,明治期以降に輸入され定着した制度,システム,思想を表す日本語」というのは、私が専門の仕事とする社会科学のほんの一分野のみならず、社会科学一般、そして、自然科学一般、さらに人文科学のうち、科学としての心理学などの一定分野の「日本語のほとんど全て」であり、その用語は、当該分野では、有機的に関連しているはずです。

〉その分野で使われている日本語の範囲では、
〉有機的に関連しています。
〉英語とはずれていることが多いので、
〉ご注意ください。

〉〉  明治期以降の制度、システム、思想等を表す言葉で、民間に流布している言葉は、ほとんどすべて、専門用語が、庶民の言葉になったものと理解しています。
〉〉  
〉そうですね。
〉日本語の範囲では機能しています。

〉〉  英語など語学はできないが、あえて述べると、有機的に関連しているとは、たとえば、「所有」と「占有」は、同時期に訳された、有機的に関連する言葉だと思います。
〉〉  所有は、2610で述べていますが、「domesticの語源は、本来、家庭における権力者の支配から発展し、通常は、重畳した、または重複した土地などの所有権関係を表現するもののはずだ。私は、前回、各種の所有権概念について説明したが、西洋中世の重畳的支配を表す単語が欠けていると思っていた。それを「こるもさん」の指摘でわかったのだ。」と書いているように、domeだと思います。名詞ですから、dominationでしょうか。実際は、ローマ法由来のフランス語でしょうが、フランス語はわからないが、ドイツ語で言うEigentumだと思われます。占有は、2588で述べているpossessであり、ローマ法由来のpossesioではないかと思います。検証、追試に関しては、前に紹介した、最近の本「ローマ物権法」をご覧ください。
〉〉 所有の原語は、明治の歴史から見て、haveではないはずです。
〉〉 そのことと、haveが、元来、所有の意味をも含むかは、別個のことです。

〉所有と "have" と混同しない方が良いという姿勢を僕は一貫させてきたつもりです。
〉所有と "domestic" について考えることで、
〉欧州大陸の語彙についての理解は深まるかも知れません。

〉〉〉ある概念が輸入された時点かそれ以降に変質し、
〉〉〉似て非なるものになっているかどうか、
〉〉〉もとの英語の本当に同じなのかを判断するのは、
〉〉〉多くの日本人にとって非常に難しい行為だと思います。
〉〉 

〉〉  私の認識では、輸入された概念が、変質したり、似て非なるものになったことは、そんなにたくさんあると思えないし、第1に、それは、当該日本語から当該英語を割り出すことと、何ら関係がありません。
〉〉  

〉おっしゃっていることはそんなに簡単じゃないと思いますが、
〉具体例は下の方で出しますね。

そんなに簡単じゃないという結論はわかったが,理由は,最後まで書いてない。
何じゃ,これ。

〉〉  democracyは、おそらく、民主主義に対応した言葉だと思います。
〉〉  詳しくは、政治学などの専門書を見れば、わかると思います。
〉〉  Ry0tasanさんは、誤解されておられないと思いますが、西欧のdemocracyは、日本に定着していないという一部の見解がありますから、西洋のdemocracyと日本の民主主義は、その意味する内容が同じではないという見解があります。
〉〉  しかし、それは、ここで論議していることと、全く別です。

〉はい。
〉これは別のことです。
〉僕は言葉に対する誤解についてのみ話をしているのであり、
〉選挙制度の中身や実態のことではありません。

ほう。どうも,democracyとは,選挙制度のことだと考えているようですね。
おそらく,古代ギリシアの民衆が直接選挙で代表者を選出したことを考えているようですね。
これが,そもそも,間違いです。

民主主義の定義として,法学部の政治学や憲法などをまじめに学んだ学生が,誰でも共通に述べる定義がありますが,それを知っていますか?
私は,あなたが知っているとは思えません。

知らずに論ずるのは,私には,暴虎馮河としか思えません。

私は,もう,あなたに,教える気すらありませんが。

〉〉  それは、概念の相対性によるものであり、国際商業や医学のようにrigidなものから、土地制度,民主主義のように、flexibleなものまであるでしょう。
〉〉  そんな概念の相対性を言い出したら、きりがありません。
〉〉  
〉〉  民主主義という言葉から、democracyという語が1対1で対応する言葉であることを、まず、確認すれば足りるのであり、そこから、いろいろな知的興味が湧けば足りると思われます。
〉〉  次に、古代ギリシャ民主主義に関する古典を和文で読んだり、もっとも最近の民主主義に関する専門書を読んだり、また、この分野では、古典的な名著もあるから、それを読むでしょう。

〉語源がお好きな新茶さんにしては、
〉おっしゃることが矛盾していませんか?

矛盾しているとは思いません。
どこが矛盾しているのか。
意味不明な論難。

〉欧米の知識人が理解している democracy は、
〉ギリシャ語の語源に近く、
〉主義ではないのです。

あのね。主義という日本語を理解していないと思いますよ。
民主主義の主義とは,どういう意味なのか,専門書を読んだことがありますか?

〉1対1で対応しないこと、
〉ずれていることに気づかなければ、
〉英文をいくら読んでも分からない状況に陥ります。

ここで1対1の対応を持ち出すことは,無意味,無関係です。
私には,少なくとも,意味不明。
何がどうずれているのやら。

英文をいくら読んでも,政治的・経済的・法律的・社会的・文化的・科学的・科学史的等の総合的知見の欠如から,わからないのは,あなたの方では?

〉〉  しかし、Ry0tasanさんは、明治期以後に輸入し定着した制度、システム、思想等に関する和語から英語を考えるにあったって、一般的に、明治期の和書をできるだけ読むのが成功の秘訣とまで述べておられるのですから、私は、その意味を、かなり熟考しました。

〉〉  もし、今後、Ry0tasanさんが、自らの想定と違っていたとか、趣旨の誤解だったとか、想定外だったとか言われると、ちょっとガクッときますが、その可能性もあるし、Ry0tasanさんの想定を教えてくださいね。

〉正直に申し上げれば、
〉もともとのご提案自体に無理というか、
〉矛盾があるように思えるのです。

〉明治時代の和書については、
〉福沢諭吉が啓蒙のために書いた本だけでも、
〉実践してみれば、
〉英語と日本語との齟齬や乖離に気づくかもしれないと期待していました。

〉最後に、
〉定義の例を出しておきますね。
〉英語の "democracy" を定義した例として有名なのは、
〉"the government of the people, by the people, for the people" です。
〉これを「民主主義」という四字熟語に置き換えたら、
〉話が混乱しませんか?

どうして話が混乱するのですか?
混乱しませんがね。
どうして混乱するのか,皆さん,わかりますかね。
私には,わかりません。
こういう訳のわからぬ論述は,あなたの常とするところ。

だいたい,定義の意味がわかっていない。
これは,リンカーンが演説で述べたものでしょう。

有名なものでも,まず,出典を述べるのが常識。かつ礼儀。

くだんの英語は,いまでは,民主主義を説明する場合の標語とさえなっているものでしょう
これは,せいぜい標語であり,定義ではない。

社会科学の基本を理解していない。
定義とは何か,ということがわかっていない。

先ほどの英文が,どうして定義でないのか,わからないのではないですか?

〉とりいそぎ。


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