戯曲を読みたいのですが・・・?

[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/23(21:23)]

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[質問] 2020. 戯曲を読みたいのですが・・・?

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/6(16:43)

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お久しぶりです。すけさやママです。
昨年産まれた赤ん坊に手がかかり、掲示板にはご無沙汰しておりますが、
読むほうは少しずつですが楽しんでいます。
やっとPBが抵抗なく読めるようになってきたので、
気分に応じて児童書でもロマンス本でもミステリーでも映画の原作でも
何でもかんでも手を出しています(というわりには語数は進んでいませんが)。

・・・という濫読ぶりが功を奏して(?)最近お気に入りの作家を見つけました。
書評にもいくつかあげましたが、William Saroyanです。
(そのうちPBの広場か語数報告で紹介させていただきたいと思います。)
ところが、マイナーな作家なのか、Amazonで普通の値段で買えたのはほんのわずか。
その他は近隣の自治体の図書館から取り寄せてもらって借りたり、
アメリカアマゾンからわざわざ高い送料を払って短編集を買ったりしています。
もったいないので、少しずつチビチビ読んでいます。

というのが前置きです。
こんなに大切に読んでいるSaroyan、
どうしても代表作の"Time of Your Life"を読みたい、
ということで、相談させていただきます。
(あまり多読の話題と関係なくてすみません。)

この作品、戯曲なんです。
そして私は昔から戯曲や脚本を読むのが大の苦手なのです。
シェイクスピアの作品群は日本語でも読めなかったし、
ゲーテのファウスト(もちろん邦訳)も途中で投げました。
最近では向田邦子の「あ、うん」も途中で投げました。
これ以外にも、今まで価値のある作品をたくさん投げて来たと思います。
とてももったいないことのような気がしています。

Saroyanに関しては、仕方がないので
DVDで劇場版Time of Your Lifeというものを注文しようかどうかと迷っています。
でも、やはり原作を読んでみたいというのが今の私の希望です。

戯曲や脚本が普通に楽しめる方がいらしたら、
読むコツを教えていただけないでしょうか?

苦手だけれど、こういう工夫をしたら読みやすい、というお話もとてもありがたいです。
(読みにくいよね〜という単なるうなずきレスでも(^^)/)

戯曲や脚本を読めないっていうのは、想像力が不足しているからなのかな?
それとも、そういう作品は演劇や映画などのために作られているものであって、
そもそも読書には向かないものなのでしょうか?

変な質問で申し訳ありません。
何でも構わないのでアドバイスいただけると嬉しいです。

それにしても、ここまで苦労しても読みたい!と思える作家に出会えたのは、
多読のおかげだなあーとまたまた感謝の気持ちでいっぱいです。
(Dahl、Sachar以来、こんなにわくわくするのは初めてです♪)

ではでは、よろしくお願いします!

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2021. Re: 私も苦手です

お名前: 柊
投稿日: 2007/1/6(17:48)

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 すけさやママさん、初めまして、柊と申します。

〉この作品、戯曲なんです。
〉そして私は昔から戯曲や脚本を読むのが大の苦手なのです。
〉シェイクスピアの作品群は日本語でも読めなかったし、
〉ゲーテのファウスト(もちろん邦訳)も途中で投げました。
〉最近では向田邦子の「あ、うん」も途中で投げました。
〉これ以外にも、今まで価値のある作品をたくさん投げて来たと思います。
〉とてももったいないことのような気がしています。

〉戯曲や脚本が普通に楽しめる方がいらしたら、
〉読むコツを教えていただけないでしょうか?

〉苦手だけれど、こういう工夫をしたら読みやすい、というお話もとてもありがたいです。
〉(読みにくいよね〜という単なるうなずきレスでも(^^)/)

 ええ、私も苦手です申告をしに来ました。シェイクスピアは私も駄目でした。日本語でしたけど。

 それともう一つ、例外的に読める場合の報告です。
 すけさやママさんがお読みになったのは、ファウストのどの版でしょうか。池内紀さんの訳は、現代の普通の言葉で書かれているので読みやすかったです。赤川次郎(たとえが古い?)並みと言ってもいいかもしれません。吉村達也並みでも可。池内訳でも駄目だった場合、私の報告が役に立たないかもしれませんが。
 それから、大好きなクドカンの「タイガー&ドラゴン」も読めるし、よく読み返して喜んでいます(DVDを買うより、脚本を買った方が安かったんです)。
 タイガー&ドラゴンの場合、先にドラマを見てから脚本を読んでいるので、視覚的イメージはできているので置いておくとして、読みやすい読みにくいというのは、結局は好みなのかと思っています。

〉戯曲や脚本を読めないっていうのは、想像力が不足しているからなのかな?
〉それとも、そういう作品は演劇や映画などのために作られているものであって、
〉そもそも読書には向かないものなのでしょうか?

 読書目的ではないという可能性はあるでしょうね。想像力の欠如にしてしまうと、ちょっとさみしいです。
 でも、シェイクスピアなんかはよく、文学全集に入っていますし、戯曲みたいな形式で書いてあってもプラトンの「ソクラテスの弁明」(これも読みやすかったですね)などは、あれは裁判記録というのが一番近いのであって、上演目的ではないはずです。もっとも、プラトンは私が読んだ本に入っている分はすべて、名前が書いてあって台詞が書いてあるという、戯曲状態でしたが、あれは一応哲学書という分類になるはずです。

〉変な質問で申し訳ありません。
〉何でも構わないのでアドバイスいただけると嬉しいです。

 はい、こちらも変な返事ですみません。
 結論としては好みによるということで、アドバイスにはなっていない気がしますが、とりあえず、私も基本的には戯曲形式が苦手です。
 朗読あるいは、上映されたものを見るというのが基本でしょうけど、それで原作とは違う色が先について、原作を読んでもそっちがちらついて、となってしまうと、嫌ですよね。この間、小公女の朗読を聞いたのですが、思いきりアメリカ英語で、元々がイギリスのお姫様みたいなお金持ちの話なので、聞いてて嫌でしたから。
 うーん、誰か他にアドバイスの人を待ってください。そのうち何か、きっといい方法が見つかります(他力本願)。

〉それにしても、ここまで苦労しても読みたい!と思える作家に出会えたのは、
〉多読のおかげだなあーとまたまた感謝の気持ちでいっぱいです。
〉(Dahl、Sachar以来、こんなにわくわくするのは初めてです♪)

 おめでとうございます。
 多読を始めて私も好きな作家が増えてうれしいです。選択肢がものすごく広がりますからね。その代わり、未読本が冗談抜きに山のよーに、タワーのよーに増えていますが。
 Enjoy English!


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2026. 柊さん、ありがとうございます!

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/8(02:25)

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柊さん、はじめまして。すけさやママです。
お返事ありがとうございます。

〉 ええ、私も苦手です申告をしに来ました。シェイクスピアは私も駄目でした。日本語でしたけど。

お仲間発見、嬉しいです!

〉 それともう一つ、例外的に読める場合の報告です。
〉 すけさやママさんがお読みになったのは、ファウストのどの版でしょうか。池内紀さんの訳は、現代の普通の言葉で書かれているので読みやすかったです。赤川次郎(たとえが古い?)並みと言ってもいいかもしれません。吉村達也並みでも可。池内訳でも駄目だった場合、私の報告が役に立たないかもしれませんが。

ファウストでもいろいろな方の訳があるんですね。知りませんでした。
私が読みかけたのは、相良守峯という方の訳でした。池内紀さんの訳、試してみようかな。

〉 それから、大好きなクドカンの「タイガー&ドラゴン」も読めるし、よく読み返して喜んでいます(DVDを買うより、脚本を買った方が安かったんです)。
〉 タイガー&ドラゴンの場合、先にドラマを見てから脚本を読んでいるので、視覚的イメージはできているので置いておくとして、読みやすい読みにくいというのは、結局は好みなのかと思っています。

好きなものとか視覚的イメージができているものは、苦手な形式でも愛読書になりうるんですね。
うーん、希望が湧いてきました!

〉 読書目的ではないという可能性はあるでしょうね。想像力の欠如にしてしまうと、ちょっとさみしいです。
〉 でも、シェイクスピアなんかはよく、文学全集に入っていますし、戯曲みたいな形式で書いてあってもプラトンの「ソクラテスの弁明」(これも読みやすかったですね)などは、あれは裁判記録というのが一番近いのであって、上演目的ではないはずです。もっとも、プラトンは私が読んだ本に入っている分はすべて、名前が書いてあって台詞が書いてあるという、戯曲状態でしたが、あれは一応哲学書という分類になるはずです。

柊さん、詳しいですね。プラトンなんてすごいです。
同じ戯曲とは言ってもずいぶん高尚な物もあるんですね。

〉〉変な質問で申し訳ありません。
〉〉何でも構わないのでアドバイスいただけると嬉しいです。

〉 はい、こちらも変な返事ですみません。

いえいえ、全然変な返事じゃありません(笑)

〉 朗読あるいは、上映されたものを見るというのが基本でしょうけど、それで原作とは違う色が先について、原作を読んでもそっちがちらついて、となってしまうと、嫌ですよね。この間、小公女の朗読を聞いたのですが、思いきりアメリカ英語で、元々がイギリスのお姫様みたいなお金持ちの話なので、聞いてて嫌でしたから。

あはは、可笑しい〜だいぶイメージ変わっちゃいそうですね。一度気なると、気になってしょうがないかも(笑)

〉 結論としては好みによるということで、アドバイスにはなっていない気がしますが、とりあえず、私も基本的には戯曲形式が苦手です。

苦手とはおっしゃっても、私とはずいぶんレベルが違います・・・(^^;)
柊さんの読書経験、とても参考になりました。
アドバイスありがとうございました!


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2046. 戯曲、プラトン、シェイクスピア

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/10(12:58)

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三題噺を一つ。

米国の現代戯曲で、登場人物の一人が劇中『ソクラテスの弁明』を暗唱するというのがありました。

この戯曲、題名はシェイクスピアの Macbeth に出てきた台詞が、そのまま使われています。

戯曲の作者は小説家として有名な人です。別の作品でノーベル文学賞を受賞したこともあります。プラトンとシェイクスピアから引用したこの戯曲は、著者による小説版もあります。もともと上演を想定して書いた物語なので、小説でも台詞は全部入っています。僕が読んだのは小説版の方だけです。

普段は方言を駆使して書く作家ですが、この作品は欧州が舞台なので、方言は出てきません。この作家の本を原語で読むばあい、この作品が最も読みやすいかもしれません。代表作ではありませんが、多読の材料には良いでしょう。小説版を読んでから戯曲版を読めば、戯曲形式に慣れるにも良いと思います。

小説版は、むかしHeinemann社から graded reader も出ていました。今は絶版です。

作者は John Steinbeck で、題名は The Moon Is Down です。


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2022. Re: 戯曲を読みたいのですが・・・?

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/6(20:59)

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すけさやママさん、こんにちは。

〉この作品、戯曲なんです。
〉そして私は昔から戯曲や脚本を読むのが大の苦手なのです。
〉シェイクスピアの作品群は日本語でも読めなかったし、
〉ゲーテのファウスト(もちろん邦訳)も途中で投げました。
〉最近では向田邦子の「あ、うん」も途中で投げました。
〉これ以外にも、今まで価値のある作品をたくさん投げて来たと思います。
〉とてももったいないことのような気がしています。

〉Saroyanに関しては、仕方がないので
〉DVDで劇場版Time of Your Lifeというものを注文しようかどうかと迷っています。
〉でも、やはり原作を読んでみたいというのが今の私の希望です。

芝居好きの私から言いますと、戯曲は上演されてこそ価値を発揮するものです。上演してないならどうしようもありませんが、DVDがあるならそれを見たほうがいいんじゃないでしょうか。「劇場版」ということは戯曲を舞台で上演しているわけですよね。だったら聞き読みと同じような効果もあるんじゃないでしょうか。劇場版を見てから戯曲を読めば、今見た舞台を思い出して感動を思い出すことも出来ます。
シェイクスピアなどは舞台を見ないとおもしろくないですよ。演出家や俳優によっても印象が変わりますし、おもしろい舞台を見てこそ、戯曲を読むのがおもしろくなるんです。私はシェイクスピアは舞台を見てから1冊ずつ買っていってます。日本語ですけど。舞台を見ないと読む気がしません。

余談になりますが、シェイクスピアは、特に喜劇になると演出家と俳優の技量で作品の印象が全く変わります。ある劇団でちっともおもしろくないと思った芝居が、別の舞台で爆笑の舞台になったこともあります。

「ファウスト」などはほとんど上演されませんし、ゲーテも舞台よりも文学として書いたフシがあります。何より上演するには長すぎます。よほど脚色しないと。こういう作品は読まないと仕方がなさそうですが。柊さんおすすめの池内紀(おさむ)訳はきっと読みやすいと思います。…読んだわけではないのですが、読みたいと思っているんです、この人の訳。

それではこんなもんで…。


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2027. 杏樹さん、ありがとうございます!

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/8(02:27)

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杏樹さん、こんにちは。すけさやママです。
お返事ありがとうございます!

〉芝居好きの私から言いますと、戯曲は上演されてこそ価値を発揮するものです。上演してないならどうしようもありませんが、DVDがあるならそれを見たほうがいいんじゃないでしょうか。「劇場版」ということは戯曲を舞台で上演しているわけですよね。だったら聞き読みと同じような効果もあるんじゃないでしょうか。劇場版を見てから戯曲を読めば、今見た舞台を思い出して感動を思い出すことも出来ます。

なるほどー、そうですよね。聞き読みと思って見てみるのも良さそうですね。
その後で、見た感動を思い出しながらなら、ちゃんと読めるかも。
それでもう一度感動できたら最高ですね。
まずはDVDを注文してみることに決めました。

〉シェイクスピアなどは舞台を見ないとおもしろくないですよ。演出家や俳優によっても印象が変わりますし、おもしろい舞台を見てこそ、戯曲を読むのがおもしろくなるんです。私はシェイクスピアは舞台を見てから1冊ずつ買っていってます。日本語ですけど。舞台を見ないと読む気がしません。

目から鱗です!もしかしたら、戯曲ってそういう風に読むものなのかもしれないですね。
杏樹さん、さすがです。私もそうやってシェイクスピアに挑戦してみようかな。
シェイクスピアは昔からあこがれつつも、戯曲の苦手な私には無理とあきらめていたのですが。
(学生時代に英文学の講義を聞きながら、シェイクスピアってなんてつまらないんだろう、
こんな巨匠の書いたものの良さが分からないなんて、自分はなんて文学の価値の分からない人間なんだろう、
と落ち込んでいたんです。)

〉余談になりますが、シェイクスピアは、特に喜劇になると演出家と俳優の技量で作品の印象が全く変わります。ある劇団でちっともおもしろくないと思った芝居が、別の舞台で爆笑の舞台になったこともあります。

へえ〜おもしろいですね。いつか絶対にシェイクスピアの舞台を見に行こうと今、決意しました!
同じ作品でも一度であきらめず、いろいろ見てみれば面白いものに出会えるかもしれないんですね。

〉「ファウスト」などはほとんど上演されませんし、ゲーテも舞台よりも文学として書いたフシがあります。何より上演するには長すぎます。よほど脚色しないと。こういう作品は読まないと仕方がなさそうですが。柊さんおすすめのはきっと読みやすいと思います。…読んだわけではないのですが、読みたいと思っているんです、この人の訳。

ふむふむ、池内紀さんって定評があるんですね。
柊さんもおすすめだし、読んでみようと思います。

〉それではこんなもんで…。

今回読みたい作品だけでなく、長年のコンプレックス(?)だったシェイクスピアや「ファウスト」にまで
道が開けてきたような気がします。嬉しいです。
アドバイス、ありがとうございました!


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2031. ♪Blash up your Shakespeare

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/8(14:17)

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すけさやママさん、こんにちは。

〉〉シェイクスピアなどは舞台を見ないとおもしろくないですよ。演出家や俳優によっても印象が変わりますし、おもしろい舞台を見てこそ、戯曲を読むのがおもしろくなるんです。私はシェイクスピアは舞台を見てから1冊ずつ買っていってます。日本語ですけど。舞台を見ないと読む気がしません。

〉目から鱗です!もしかしたら、戯曲ってそういう風に読むものなのかもしれないですね。
〉杏樹さん、さすがです。私もそうやってシェイクスピアに挑戦してみようかな。
〉シェイクスピアは昔からあこがれつつも、戯曲の苦手な私には無理とあきらめていたのですが。
〉(学生時代に英文学の講義を聞きながら、シェイクスピアってなんてつまらないんだろう、
〉こんな巨匠の書いたものの良さが分からないなんて、自分はなんて文学の価値の分からない人間なんだろう、
〉と落ち込んでいたんです。)

それはもしや英語の授業のおかげで英語が嫌いになった、というのと同じかも…。英文学の講義でシェイクスピアがそんなにつまらないと思ってしまったなんて、と〜〜〜っても残念でたまりません。

シェイクスピアは劇団の座付き脚本家だったんです。劇団で芝居を上演して、それが当たったので活字になって出版されたものが残ってるんです。もともと文学として書かれたものではないんです。読むためではなく、上演するために書かれたものです。古典文学として祭り上げられるのはシェイクスピアも本意ではないかも。当時の人を楽しませるために芝居を作ったんですから。

〉〉余談になりますが、シェイクスピアは、特に喜劇になると演出家と俳優の技量で作品の印象が全く変わります。ある劇団でちっともおもしろくないと思った芝居が、別の舞台で爆笑の舞台になったこともあります。

〉へえ〜おもしろいですね。いつか絶対にシェイクスピアの舞台を見に行こうと今、決意しました!
〉同じ作品でも一度であきらめず、いろいろ見てみれば面白いものに出会えるかもしれないんですね。

もし見に行くならとりあえず蜷川幸雄が演出しているものならはずれがないと思います。
一つの作品を違うバージョンで見るのも面白いです。特に「ハムレット」などはあちこちでしょっちゅう上演されるので、どれだけ見たことか。

ちなみにタイトルはシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をもとにしたミュージカル「キスミー・ケイト」のナンバーです。「じゃじゃ馬ならし」を上演する劇団のすったもんだのお話ですが、その中で劇団員をゆすりに来た二人のギャングが劇団内のゴタゴタに巻き込まれて、ドサクサにまぎれて舞台にまで上げられ、最後にはシェイクスピアがおもしろくなってこんな歌を歌います。二人のかけあいでおもしろおかしく歌うテンポのいい歌です。


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2032. Re: 【横レス】Shakespeare in Historical Romance

お名前: 久子
投稿日: 2007/1/8(14:46)

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杏樹さん すけさやママさん こんにちは。

私も、戯曲は苦手です。
皆さんの書込みを読んで、よくよく考えたら、舞台を見たことがほとんど
ない。
テレビドラマも映画もあまり見ていない。
戯曲を読む下地がないので 読めないのかも と思い至りました。

〉〉〉シェイクスピアなどは舞台を見ないとおもしろくないでよ。演出家や俳優によっても印象が変わりますし、おもしろい舞台を見てこそ、戯曲を読むのがおもしろくなるんです。私はシェイクスピアは舞台を見てから1冊ずつ買っていってます。日本語ですけど。舞台を見ないと読む気がしません。

〉シェイクスピアは劇団の座付き脚本家だったんです。劇団で芝居を上演して、それが当たったので活字になって出版されたものが残ってるんです。もともと文学として書かれたものではないんです。読むためではなく、上演するために書かれたものです。古典文学として祭り上げられるのはシェイクスピアも本意ではないかも。当時の人を楽しませるために芝居を作ったんですから。

Christina Dodd の The Greatest Lover in All England に シェイクスピア が
出てきます。
ヒロインが旅回りの劇団の女形(普段は男装してる)という設定なので、
少しは当時の演劇についての描写がありました。

あと、すごく話がずれるのですが、Shakespeare と書いてある上に
男の人が槍を振りかぶって構えている絵が描かれている本を
見てから Shakespeare から 槍投げ を連想するようになってしまいました。


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2035. Re: 【横レス】Shakespeare in Historical Romance

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/8(19:19)

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皆さんが Sheakespeare について悲観的になっているようなので、楽観論もかかせてください。

シェイクスピアを日本語で読んで、面白いと感じられないとしたら、それは翻訳が悪いせいです。少なくとも、現代日本の読者にふさわしい翻訳になっていないのです。

多読を楽しみながら、読める本の種類を段々と増やしていけば、舞台や映画を観なくても Shakespeare の演劇を楽しく読める日は来ると思います。少なくとも僕はそうでした。原文で14本以上読みましたが、事前に上演を見たのは4本だけです。

シェイクスピアが俳優兼脚本家だったのは事実らしいし、大衆性も兼ね備えており、商業的に成功したことも事実ですが、清教徒の時代に上演が禁止され、そのあとまた復活したのは、シェイクスピアの作品を読んで楽しむ人が一定数いたからだと思います。彼の戯曲の台詞があまり文法的でないのは確かですが、英文学の名だたる文豪たちと比べても語彙やリズムの豊かな彼の文章を読んで楽しむのも悪くないです。戯曲以外にソネットなどの詩も数多く書いています。

勿論、予備知識も必要です。たとえばト書きです。現在出版されているシェイクスピア作品に付いているト書きの殆どは、後世の学者が、台詞の内容から推測して、上演用に書き足したものです。舞台装置がほとんど無い劇場で小屋で上演された芝居ですから、台詞も説明的で、ト書きを無視して読んでも、話の概要は分かるようになっています。現代の演劇に比べれば、朗読+コスプレという感じに近いです。

念のためお断わりしておきますが、舞台や映画を楽しむことに反対しているわけではありません。原作の小説を読む前に映画を観たいと考える人がいても、それはその人の自由です。

槍を振りかぶって構えている絵は shake spear という意味です。当時の綴り字は今のように統一されていなかったので、speare という綴りもあったというわけです。


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2043. Re: 【横レス】Shakespeare in Historical Romance

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/9(16:48)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉多読を楽しみながら、読める本の種類を段々と増やしていけば、舞台や映画を観なくても Shakespeare の演劇を楽しく読める日は来ると思います。少なくとも僕はそうでした。原文で14本以上読みましたが、事前に上演を見たのは4本だけです。

すごいですねー!!私もいつかはそんなところまで到達したいです!!

10年後くらいにディケンズが楽しく読めるようになって、
30年後にはシェイクスピアが楽しく読めるようになる、
というのが、私のおおまかな目標です(笑)

〉シェイクスピアが俳優兼脚本家だったのは事実らしいし、大衆性も兼ね備えており、商業的に成功したことも事実ですが、清教徒の時代に上演が禁止され、そのあとまた復活したのは、シェイクスピアの作品を読んで楽しむ人が一定数いたからだと思います。彼の戯曲の台詞があまり文法的でないのは確かですが、英文学の名だたる文豪たちと比べても語彙やリズムの豊かな彼の文章を読んで楽しむのも悪くないです。戯曲以外にソネットなどの詩も数多く書いています。
〉勿論、予備知識も必要です。たとえばト書きです。現在出版されているシェイクスピア作品に付いているト書きの殆どは、後世の学者が、台詞の内容から推測して、上演用に書き足したものです。舞台装置がほとんど無い劇場で小屋で上演された芝居ですから、台詞も説明的で、ト書きを無視して読んでも、話の概要は分かるようになっています。現代の演劇に比べれば、朗読+コスプレという感じに近いです。

〉念のためお断わりしておきますが、舞台や映画を楽しむことに反対しているわけではありません。原作の小説を読む前に映画を観たいと考える人がいても、それはその人の自由です。

はい、今回は届いたらDVDを先に観るつもりです(笑)
でも、そうしなくても読めるように、簡単な素材を使って戯曲に慣れていく、ということも、
将来に備えて(?)やっていこうと思います。
これからの楽しみの幅が広がりました。
ありがとうございました!


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2042. Re: 【横レス】Shakespeare in Historical Romance

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/9(16:47)

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久子さん、こんにちは。

〉私も、戯曲は苦手です。

ここにもお仲間発見!

〉皆さんの書込みを読んで、よくよく考えたら、舞台を見たことがほとんど
〉ない。
〉テレビドラマも映画もあまり見ていない。
〉戯曲を読む下地がないので 読めないのかも と思い至りました。

私は若い頃はドラマが大好きだったし、映画も好きだし、舞台も
劇団四季とか宝塚とか帝劇とかその他もろもろ、超メジャーな物だけは観たことあるんですけど、
それでも戯曲は駄目ですね。

〉Christina Dodd の The Greatest Lover in All England に シェイクスピア が
〉出てきます。
〉ヒロインが旅回りの劇団の女形(普段は男装してる)という設定なので、
〉少しは当時の演劇についての描写がありました。

さすがシェイクスピア、あちらこちらに出てくるんですねー。

話がずれますが、リサ・クレイパスの”Suddenly You”,
3分の1くらい読みかけたままになってます。
Historical Romanceって、初めて読んだんですけど、男女関係の進展が遅いですね。
(って、久子さんに文句言ってるわけじゃないんですけど(笑))
マディソン郡の橋とかMessage in a Bottleとかは、ええーっもう(!?)ってびっくりするほどだったんですけどね。
(下世話な話でスミマセン(^^;))

〉あと、すごく話がずれるのですが、Shakespeare と書いてある上に
〉男の人が槍を振りかぶって構えている絵が描かれている本を
〉見てから Shakespeare から 槍投げ を連想するようになってしまいました。

これは私には全く分かりません。謎です(笑)


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2048. Re: 【横レス】Shakespeare in Historical Romance

お名前: 久子
投稿日: 2007/1/10(22:24)

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すけさやママさん こんにちは

〉話がずれますが、リサ・クレイパスの”Suddenly You”,
〉3分の1くらい読みかけたままになってます。
〉Historical Romanceって、初めて読んだんですけど、男女関係の進展が遅いですね。
〉(って、久子さんに文句言ってるわけじゃないんですけど(笑))
〉マディソン郡の橋とかMessage in a Bottleとかは、ええーっもう(!?)ってびっくりするほどだったんですけどね。
〉(下世話な話でスミマセン(^^;))

ロマンス本は、Happily ever after が決まりなので、
進展が早いと すぐ終わってしまうからでしょう。 (笑
さてどうなるのか?で10万語程度 持たせないといけません。
まあ、終わりが決まっているので、それまでの過程を楽しむ本です。

一応、男女が二人きりで話をするのは、はしたない とされる時代なので
現代の感覚からすると まどろっこしいかもしれないです。(笑


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2055. Re: 【横レス】Shakespeare in Historical Romance

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/11(15:32)

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久子さん、こんにちは。

〉ロマンス本は、Happily ever after が決まりなので、
〉進展が早いと すぐ終わってしまうからでしょう。 (笑
〉さてどうなるのか?で10万語程度 持たせないといけません。
〉まあ、終わりが決まっているので、それまでの過程を楽しむ本です。

ははあ、それでなかなか先に進まないんですね(笑)
それはそれで、ドキドキして楽しいんですけど(^^)!
ストーリー忘れないうちにまた取り掛かろうっと。
気長に進展を待つことにします(笑)
ありがとうございました〜


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2041. Re: ♪Blash up your Shakespeare

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/9(16:45)

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杏樹さん、こんにちは。

〉それはもしや英語の授業のおかげで英語が嫌いになった、というのと同じかも…。英文学の講義でシェイクスピアがそんなにつまらないと思ってしまったなんて、と〜〜〜っても残念でたまりません。

あはは、そうかもしれません。
つまらなく教えられるとどんなものでもつまらなくなりますよね(笑)

〉シェイクスピアは劇団の座付き脚本家だったんです。劇団で芝居を上演して、それが当たったので活字になって出版されたものが残ってるんです。もともと文学として書かれたものではないんです。読むためではなく、上演するために書かれたものです。古典文学として祭り上げられるのはシェイクスピアも本意ではないかも。当時の人を楽しませるために芝居を作ったんですから。

一般的にシェイクスピアに持たれているイメージとずいぶん違いますね。
古典文学の文豪中の文豪、という感じですもんね。
以前「恋におちたシェイクスピア」という映画が流行りましたけど、
あの後もシェイクスピアのイメージってあまり変わらないですね。

〉もし見に行くならとりあえず蜷川幸雄が演出しているものならはずれがないと思います。

ありがとうございます!聞きたかったんです!

〉一つの作品を違うバージョンで見るのも面白いです。特に「ハムレット」などはあちこちでしょっちゅう上演されるので、どれだけ見たことか。

〉ちなみにタイトルはシェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をもとにしたミュージカル「キスミー・ケイト」のナンバーです。「じゃじゃ馬ならし」を上演する劇団のすったもんだのお話ですが、その中で劇団員をゆすりに来た二人のギャングが劇団内のゴタゴタに巻き込まれて、ドサクサにまぎれて舞台にまで上げられ、最後にはシェイクスピアがおもしろくなってこんな歌を歌います。二人のかけあいでおもしろおかしく歌うテンポのいい歌です。

杏樹さん、お芝居もミュージカルも本当にお詳しいですね!
何かありましたら、またいろいろ教えてくださいね。

Saroyanのほうは、早速DVD注文しちゃいました。
到着が楽しみです。

ありがとうございました!


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2049. やり直しのシェイクスピア

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/10(23:03)

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すけさやママさん、こんにちは。

シェイクスピアのお話をやさしく書き直した有名な本があるのを思い出しました。チャールズ・ラム、メアリー・ラム共著によるリトールドです。こういう本でシェイクスピアを仲良くなることも出来るかもしれません。

[url:http://www.amazon.co.jp/Tales-Shakespeare-Wordsworth-Childrens-Classics/dp/1853261408/sr=1-2/qid=1168437232/ref=sr_1_2/250-8204188-3480217?ie=UTF8&s=english-books]


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2023. 戯曲型式に慣れる方法

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/6(22:04)

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簡単な英語の副読本や絵本から始めて本格的な洋書を読めるようになったのと同じように、戯曲形式に慣れる方法を考えてみました。一応は番号をつけましたが優先順位はありません。

1. すでに小説形式で読んだことのある物語の戯曲版を読む。
ルイ・サッカーやローアル・ドールの作品を戯曲形式に直した本がいくつか出版されており、英語文化圏の学校などで上演されています。

2. Graded Readers に入っている戯曲を読む。
Oxford Bookworms には Playscripts と言って、戯曲形式の本もいくつかあります。英語が簡単な分、余裕を持って読むことができると思います。

3. 観たことがある映画の脚本を読む。
映画の脚本 (screenplay) も戯曲形式で書いてあります。舞台版でなくても、戯曲形式に慣れるには良いと思います。Twelve Angry Men などは、映画のDVDを観てから洋販ラダー (舞台版) を読み、それから原書の戯曲に進むこともできます。

ただし、Amadeus は映画と舞台で同じ台詞がほとんど無いのでご注意ください。

現代戯曲のほとんどは話し言葉で書かれています。すでにペーパーバックの小説を読めるかたのばあい、形式に慣れれば、上演を観たことが無くても楽しく読める作品が多いです。僕がこれまで読んできたペーパーバックの中で最も衝撃的だったのは戯曲版の The Elephant Man でした。


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2028. Ryotasanさん、ありがとうございます!

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/8(02:29)

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Ryotasanさん、はじめまして。すけさやママです。
お返事ありがとうございます!

〉簡単な英語の副読本や絵本から始めて本格的な洋書を読めるようになったのと同じように、戯曲形式に慣れる方法を考えてみました。一応は番号をつけましたが優先順位はありません。

読みやすいものから始めて順々にレベルアップ、多読方式ですね。

〉1. すでに小説形式で読んだことのある物語の戯曲版を読む。
〉ルイ・サッカーやローアル・ドールの作品を戯曲形式に直した本がいくつか出版されており、英語文化圏の学校などで上演されています。

そうなんですか!知りませんでした。
サッカーやダールの作品なら、ストーリーも知っているし雰囲気が想像しやすいので、戯曲でも読めるかも。

〉2. Graded Readers に入っている戯曲を読む。
〉Oxford Bookworms には Playscripts と言って、戯曲形式の本もいくつかあります。英語が簡単な分、余裕を持って読むことができると思います。

GRなら読みやすそうですね。
ただ、”Time of Your Life”も英語自体はすごく簡単なんです。なのに2ページで挫折しました。
(特にト書きで萎えるんですよ・・・)今現在の私にはまだ無理そうです。

〉3. 観たことがある映画の脚本を読む。
〉映画の脚本 (screenplay) も戯曲形式で書いてあります。舞台版でなくても、戯曲形式に慣れるには良いと思います。Twelve Angry Men などは、映画のDVDを観てから洋販ラダー (舞台版) を読み、それから原書の戯曲に進むこともできます。

好きな映画の脚本なら、楽しく読めそうですね♪
何か良い素材を探してみようかな。

〉ただし、Amadeus は映画と舞台で同じ台詞がほとんど無いのでご注意ください。

そういうものもあるんですね。要注意。
Amadeus は好きだったのでちょっと残念。

〉現代戯曲のほとんどは話し言葉で書かれています。すでにペーパーバックの小説を読めるかたのばあい、形式に慣れれば、上演を観たことが無くても楽しく読める作品が多いです。僕がこれまで読んできたペーパーバックの中で最も衝撃的だったのは戯曲版の The Elephant Man でした。

戯曲もちゃんと楽しめると奥が深いんですね。
満喫していらっしゃるRyotasanさん、羨ましいです。

今回Saroyanの戯曲に挑戦するのをきっかけにして、
Ryotasanさんお薦めの方法で、戯曲に慣れる方法を模索してみようかなと思います。
読書の世界が広がりそうです。
アドバイス、ありがとうございました!


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2030. Re: Ryotasanさん、ありがとうございます!

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/8(09:48)

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少し追加します。

〉ただ、”Time of Your Life”も英語自体はすごく簡単なんです。なのに2ページで挫折しました。
〉(特にト書きで萎えるんですよ・・・)今現在の私にはまだ無理そうです。

Saroyan の Time of Your Life を読んだことは無いんです。ただ、あらすじがネットで公開されているのを読んでみたかぎりでは、ト書きは適当に読み飛ばして、台詞に入っても楽しめるような気がします。

ト書きをきちんと読みたいのであれば、芝居の稽古に立ち会う演出家や進行係になったつもりで、ト書きを音読するという手もあります。(勿論、台詞を音読して楽しむ人も沢山います。)

それから、舞台上演を想定した戯曲の多くは、最初の15分ぐらいを人物の紹介に費やし、それからゆっくりと物語が動き出すようになっています。小さな芝居小屋で、開演してから遅れてくる客がいても困らないような配慮かも知れません。ですから、最初の方は物語の進行よりも人物に注目して読む方が良いです。多くの場合、気楽に読み飛ばしてもあとで困ることはないです。

Dahl と Sacher の作品を戯曲にしたのが入っている本はこれです:

Stories on Stage: Children's Plays for Reader's Theater (or Readers Theatre), With 15 Play Scripts From 15 Authors, Including Roald Dahl's The Twits and Louis Sachar's Sideways Stories from Wayside School

このほかに Dahl作品の戯曲は、いくつかあります。僕は Fantastic Mr. Fox を小説版と戯曲版で読みました。The Twits の戯曲版はまだ読んでいません。


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2040. Re: Ryotasanさん、ありがとうございます!

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/9(16:43)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉Saroyan の Time of Your Life を読んだことは無いんです。ただ、あらすじがネットで公開されているのを読んでみたかぎりでは、ト書きは適当に読み飛ばして、台詞に入っても楽しめるような気がします。

それでもいいなーと思ってもう一度原作を見たのですが、ト書きがすごーく長くて(台詞部分より長いくらい)、
何となく読んだ気がしない・・・

〉ト書きをきちんと読みたいのであれば、芝居の稽古に立ち会う演出家や進行係になったつもりで、ト書きを音読するという手もあります。(勿論、台詞を音読して楽しむ人も沢山います。)

これいいですね!台詞のほうが音読向きではないかと思ったのは杞憂で、
やってみたらト書きの音読、けっこう楽しいです♪
子どもに絵本の読み聞かせする時みたいに、やたら抑揚をつけて楽しんでます(笑)

〉それから、舞台上演を想定した戯曲の多くは、最初の15分ぐらいを人物の紹介に費やし、それからゆっくりと物語が動き出すようになっています。小さな芝居小屋で、開演してから遅れてくる客がいても困らないような配慮かも知れません。ですから、最初の方は物語の進行よりも人物に注目して読む方が良いです。多くの場合、気楽に読み飛ばしてもあとで困ることはないです。

へえ〜そうなんですか・・・。
でも、私の場合は性格的に、あんまり飛ばすと気持ちが悪いので・・・。

〉Dahl と Sacher の作品を戯曲にしたのが入っている本はこれです:

〉Stories on Stage: Children's Plays for Reader's Theater (or Readers Theatre), With 15 Play Scripts From 15 Authors, Including Roald Dahl's The Twits and Louis Sachar's Sideways Stories from Wayside School

Amazonで探してみました。楽しそうな本ですね。が、ちょっとお値段が張るので思案中です。
まだ戯曲読めるようになるか自信がないので・・・(^^;)
でももし読めなくても、これ使って、将来子どもたちに家で劇の物真似でもやらせてみようかな♪
The Twitsなんか、罵詈雑言が多くてこどもは喜びそうですよねー(笑)

SaroyanのほうはDVDを注文したので、とりあえずそれが届くまで、ト書きを音読しながら読んでみます。
(それで最後まで読めちゃったら嬉しいんですけど)


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2052. アマデウス

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/11(01:35)

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すけさやママさん、あちこち何度もスミマセン。

〉〉ただし、Amadeus は映画と舞台で同じ台詞がほとんど無いのでご注意ください。

〉そういうものもあるんですね。要注意。
〉Amadeus は好きだったのでちょっと残念。

もともと「アマデウス」は舞台劇なんですが、映画は全く違う話になりました。比喩的な意味ではなくて、本当に別の話です。
もし機会がありましたら舞台版の上演があったら見てほしいと思います。松本幸四郎がサリエリを演じて、何度も再演しています。「アマデウス」ってこんな話だったのか!と驚かれるでしょう。
映画はセットやロケ、衣装にもこだわり、歴史上のサリエリとモーツァルトの交流を描いているように見えますが、舞台は「サリエリ」や「モーツァルト」という固有名詞を越えた「天才を知る凡人」の苦悩の軌跡が語られる印象が残ります。その凡人が取った最後の手段、神に対する復讐は…というところがポイントです。これは戯曲の日本語版を持っていますが、英語版もいずれは読みたいと思っています。

芝居の話となるとつい語りたくなってしまい、失礼しました。


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2056. Re: アマデウス

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/11(15:34)

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杏樹さん、こんにちは。

〉すけさやママさん、あちこち何度もスミマセン。

いえいえ、とんでもありません。いろいろ教えていただいてありがたいです!
チャールズ・ラムのシェイクスピア物語は、邦訳の文庫版がなぜか家にあったので、
昔戯曲形式読むのをあきらめた時に、ざーっと目を通した記憶があります。
それを英語で読むのは良さそうですね!
Ryotasanさんがおっしゃるようにちょっと難しいのかもしれませんが、
とりあえず、今買っておいてみようかと思ってます。

〉もともと「アマデウス」は舞台劇なんですが、映画は全く違う話になりました。比喩的な意味ではなくて、本当に別の話です。
〉もし機会がありましたら舞台版の上演があったら見てほしいと思います。松本幸四郎がサリエリを演じて、何度も再演しています。「アマデウス」ってこんな話だったのか!と驚かれるでしょう。
〉映画はセットやロケ、衣装にもこだわり、歴史上のサリエリとモーツァルトの交流を描いているように見えますが、舞台は「サリエリ」や「モーツァルト」という固有名詞を越えた「天才を知る凡人」の苦悩の軌跡が語られる印象が残ります。その凡人が取った最後の手段、神に対する復讐は…というところがポイントです。これは戯曲の日本語版を持っていますが、英語版もいずれは読みたいと思っています。

これも面白そうですね〜。
上演されたら見逃さないようにしなくちゃ。

〉芝居の話となるとつい語りたくなってしまい、失礼しました。

杏樹さんのお芝居がとっても好きな気持ちが伝わってきて、聞いているだけで何だか幸せな気持ちになります。

ちょっと前に、齋藤孝の本で、「あこがれ力」だったかな?
教える人が、教える対象に対するベクトル(熱意・愛情)を強く持っていると
教えられる側も影響されて、その対象に対するベクトルを強く持つようになるそうです・・・というのは本当みたいです。

今、このスレッドでいろんな方に教えてもらったもの
何でもかんでも読んだり観たりしたくなっちゃって困ってます(笑)

では〜


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2044. Re: 戯曲を読みたいのですが・・・?

お名前: Julie http://paperback.blog10.fc2.com/
投稿日: 2007/1/9(21:18)

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すけさやママさん、おひさしぶりです! Julie です。

杏樹さんに賛成!
わたしも戯曲は苦手だったんだけど、舞台や映画をみてから
楽しめるようになりました。

おもうに、戯曲のむずかしさ(と面白さ)は、
人間は心にもない台詞を言うことがあるので、
台詞のすべてを文字通りに受け取ってはいけない
ということじゃないかな。(^^;

たとえば、

「あんたなんかきらいよ」
「こっちこそ、お前みたいな女いやだよ」
「あんたなんか、短気で、単細胞で・・・」
「なんだと!」
(二人キスをする)

と書いてあったら、???なのですが、
お芝居になると、最初は喧嘩してたのに
だんだん役者さん同士の目と目があって、
恋する目になって、
でもクチではまだ憎まれグチをききながら
二人の距離が縮まって・・・となるわけです。

そして、その一連のシーンの中の、
どの台詞のあたりで二人が恋に落ちたかは、
演出家や役者、読者の解釈の自由です。
そういうところがねー、いろんなバージョンがあって、
謎解きみたいで楽しい。

シェークスピア劇入門で観るなら、アル・パチーノの映画
『リチャードを探せ』がいいです。
これは、『リチャード3世』というシェークスピアの芝居を
アル・パチーノが映画にすることになったという設定で、
舞台裏と映画のシーンが劇中劇の形で同時進行します。

これがねー、実にうまーく、『リチャード3世』を紹介していて、
歴史モノだし、人間関係入り組んでるし、
どうしたらお客さんにわかりやすく観てもらえるだろうと
アル・パチーノが悩んだり、
主人公はせむしでびっこの醜い悪党なんですが、
これをどの程度醜くするかとか、
イギリス英語の発音ができないと悩んで英国へ行って、
子どもたちの演じる『リチャード3世』を見学したりとか、
もー、この脚本を舞台にのせる上でのポイントが目白押しなんです!
解釈の分かれるところは、仲間たちと議論しあって、
その結果を劇中劇でみせてくれるし〜。

英文科の授業でも、こういうふうに教えてくれたらいいのにねー。


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2045. Julieさん、ありがとうございます!

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/10(10:09)

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Julie、おひさしぶりです! すけさやママです。
お返事ありがとうございます。

〉杏樹さんに賛成!
〉わたしも戯曲は苦手だったんだけど、舞台や映画をみてから
〉楽しめるようになりました。

そうなんですかー。

〉たとえば、
〉「あんたなんかきらいよ」
〉「こっちこそ、お前みたいな女いやだよ」
〉「あんたなんか、短気で、単細胞で・・・」
〉「なんだと!」
〉(二人キスをする)
〉と書いてあったら、???なのですが、

わははは、このたとえ、面白い!さすがJulieさん。
しかも分かりやすい♪

〉お芝居になると、最初は喧嘩してたのに
〉だんだん役者さん同士の目と目があって、
〉恋する目になって、
〉でもクチではまだ憎まれグチをききながら
〉二人の距離が縮まって・・・となるわけです。

〉そして、その一連のシーンの中の、
〉どの台詞のあたりで二人が恋に落ちたかは、
〉演出家や役者、読者の解釈の自由です。
〉そういうところがねー、いろんなバージョンがあって、
〉謎解きみたいで楽しい。

なるほど、なるほどー。

〉シェークスピア劇入門で観るなら、アル・パチーノの映画
〉『リチャードを探せ』がいいです。
〉これは、『リチャード3世』というシェークスピアの芝居を
〉アル・パチーノが映画にすることになったという設定で、
〉舞台裏と映画のシーンが劇中劇の形で同時進行します。

〉これがねー、実にうまーく、『リチャード3世』を紹介していて、
〉歴史モノだし、人間関係入り組んでるし、
〉どうしたらお客さんにわかりやすく観てもらえるだろうと
〉アル・パチーノが悩んだり、
〉主人公はせむしでびっこの醜い悪党なんですが、
〉これをどの程度醜くするかとか、
〉イギリス英語の発音ができないと悩んで英国へ行って、
〉子どもたちの演じる『リチャード3世』を見学したりとか、
〉もー、この脚本を舞台にのせる上でのポイントが目白押しなんです!
〉解釈の分かれるところは、仲間たちと議論しあって、
〉その結果を劇中劇でみせてくれるし〜。

わあ、それは面白そうな映画ですね。
早速探してみます!
(あと、今彩の国劇場で蜷川幸雄のシェイクスピアシリーズやってるみたいなので、物色中なんです。)

〉英文科の授業でも、こういうふうに教えてくれたらいいのにねー。

そうですよねーまったく(ブツブツ・・・)。
でも、この年になって、シェイクスピアのやり直し(?)が楽しくできそうで、
とっても嬉しいっす!
ご紹介ありがとうございました!

(以前掲示板でいっぱい遊んでいただいて楽しかったなあと思い返してみると、
もう3年も経っている!時の経つのは早いですねえ・・・)


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2050. GRのハムレット

お名前: Julie http://paperback.blog10.fc2.com/
投稿日: 2007/1/10(23:12)

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すけさやママさん、こんばんはー。Julie です。

〉わあ、それは面白そうな映画ですね。
〉早速探してみます!

アル・パチーノ自身、何度か舞台でリチャード3世を演じたことがあって、
そのときの、どう演じたらいいのだという悩みが、
ぎゅーっと結集したような映画です。
おもしろいよー。

〉(あと、今彩の国劇場で蜷川幸雄のシェイクスピアシリーズやってるみたいなので、物色中なんです。)

何年もかけて全作品をやるっていうやつですね。
わたしねー、これの『リア王』と『真夏の夜の夢』観たよー。
すんごい迫力だった。
真夏の夜の夢は、ガラスの仮面で予習ばっちりだったんだけど(爆)、
妖精の女王さまが白石加代子さんで、
能面みたいな顔(とコスチューム)で凄かった。
紅天女を演じてほしいと思っちゃった(笑)。

彩の国シェークスピア・シリーズ公式ブログ
http://blog.eplus.co.jp/shakespeare/

いや〜ん、全員男性で演じる『恋の骨折り損』なんて
おもしろそー。

〉(以前掲示板でいっぱい遊んでいただいて楽しかったなあと思い返してみると、
〉もう3年も経っている!時の経つのは早いですねえ・・・)

(わたしもいっぱい遊んでもらって楽しかった。今でもずっと
気持ちの中では、すけさやママさんと遊んでる気でいるよー)

追記:タイトルのGRのハムレットを書き忘れました(汗)

Black Cat というイタリアで出てるGRのシリーズで、CDつきのやつ。
すごいんだよー、役者が何人も出てきて、芝居仕立てになってるのー。
しかも言葉が音楽みたいで、retoldなのにシェークスピアのリズムなの。

アマゾンではなかなか扱ってないけど、
ネリーズさんでネット販売しています。YL2くらい。


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2053. Black Cat Publishing

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/11(07:52)

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僕が良く行く図書館に Black Cat Publishing の副読本が何十冊か揃っているので、手にとって眺めてみました。Peter Pan だけは通読しました。

西洋文学の有名作品が一通り、簡単な英語に直して収録してあります。どれも綺麗な挿し絵つきで、簡単な英語による注釈や解説がついています。欧州で英語を学んでいる中・高校生ぐらいが対象のようです。

Shakespeareも主要作品が入っています。将来Shakespeareの原書を読んでみたいと思っている人は、最初の目標を Black Cat の副読本にすると良さそうですね。

Black Cat の Shakespeare を何冊も読んで自信がついたら、杏樹さんが2049で挙げている Lamb の Tales from Shakespeare が次の目標として良いでしょうね。(いきなり Lamb に至ると言うより目標です。そのまえに準備として、19世紀の児童文学には慣れておいた方が良いです。Hawthorne の The Wonder book あたりが良いでしょう。)


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2058. Re: Black Cat Publishing

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/11(15:36)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉Black Cat の Shakespeare を何冊も読んで自信がついたら、杏樹さんが2049で挙げている Lamb の Tales from Shakespeare が次の目標として良いでしょうね。(いきなり Lamb に至ると言うより目標です。そのまえに準備として、19世紀の児童文学には慣れておいた方が良いです。Hawthorne の The Wonder book あたりが良いでしょう。)

Black Cat、良さそうですね。
それとHawthorne の The Wonder bookというのが見つからないのですが、
どうやって調べたらよいでしょうか?何度もすみません。

それにしても、Ryotasanすごい博識でいらっしゃいますね。
Timeの記事ってなんだろうと思って、Ryotasanの過去記事もいろいろ見せていただきました。
そうしたら、私が最初にSaroyanを読んだきっかけが、
RyotasanのNEOさんへのお薦めを見たからだったと気がつきました!
このスレッドでもいろいろ教えていただいたし、二重にありがとうございます〜!!


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2064. Re: Black Cat Publishing

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/12(15:29)

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すけさやママさんの質問にお答えします。

〉Black Cat、良さそうですね。
〉それとHawthorne の The Wonder bookというのが見つからないのですが、
〉どうやって調べたらよいでしょうか?何度もすみません。

すみません。The Wonder Book という題名でも出版されているんですが、正確な題名は、A Wonder Book もしくは A Wonder Book for Girls and Boys です。

19世紀米国のロマンス作家 Nathaniel Hawthorne がギリシャ神話を子ども向けに脚色・翻案した本です。古典的な文章に慣れる準備に良いです。英文学を読むときに役立つギリシャ古典の知識も得られます。できればご自身で音読するか、上手な人の音読を聴くと、なお良いです。(ただし、物語と物語のあいだに繰り広げられる、語り手の大学生と子どもたちの対話は今ひとつなので、とばしても結構です。)

〉それにしても、Ryotasanすごい博識でいらっしゃいますね。
〉Timeの記事ってなんだろうと思って、Ryotasanの過去記事もいろいろ見せていただきました。

何十年も多読をしていれば誰でも知識は増えると思います。世の中には努力して達成できないこともあるし、楽しんで気長に続ければ達成できることもあります。僕のばあいは後者です。でも、知らないことは知らないと正直に言えるよう努力したいです。

〉そうしたら、私が最初にSaroyanを読んだきっかけが、
〉RyotasanのNEOさんへのお薦めを見たからだったと気がつきました!
〉このスレッドでもいろいろ教えていただいたし、二重にありがとうございます〜!!

一方通行の伝達ではなく、読書もコミュニケーションなんですね。
Have a good time.


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2066. 見つかりました!

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/12(21:59)

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Ryotasanさん、こんばんは。

〉すみません。The Wonder Book という題名でも出版されているんですが、正確な題名は、A Wonder Book もしくは A Wonder Book for Girls and Boys です。

Scarlet LetterのHawthorneですね。
(学生時代にBlithedale Romanceの講義を受けた記憶が・・・)
こんな作品も書いてたんですね!興味深いです。

お手間をとらせて申し訳ありませんでした。
(ちゃんと自分で調べられなくてお恥ずかしいです・・・^^;)
ありがとうございました〜


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2070. Re: 見つかりました!

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/13(10:57)

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すけさやママさん、おはようございます。

〉〉すみません。The Wonder Book という題名でも出版されているんですが、正確な題名は、A Wonder Book もしくは A Wonder Book for Girls and Boys です。

〉Scarlet LetterのHawthorneですね。
〉(学生時代にBlithedale Romanceの講義を受けた記憶が・・・)
〉こんな作品も書いてたんですね!興味深いです。

そうです。代表作の The Scarlet Letter も、エマソンたちが参加していた実験農場での体験をもとにした The Blithedale Romance も僕は傑作だと思いますが、読書経験が相当に豊富な人でないと面白くは読めないと思います。内容も文章も、Hamletなみに難しいし、Shakespeareよりも大人の心理が重視されていると思います。

いきなり最高峰、というやりかたが文学の授業ではしばしば行なわれます。頻繁に上演される戯曲なら劇場やビデオで鑑賞できるからそれが入り口にもなり得ますが、読者への道案内としては不親切ですね。

ちなみに Wonder Book は Henry James が子どもの時に愛読したそうです。内容はファンタジーです。怪物の描写や、ペガサスの飛ぶ場面などが素晴らしいです。


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2057. Re: GRのハムレット

お名前: すけさやママ
投稿日: 2007/1/11(15:35)

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Julieさん、こんにちは!

〉何年もかけて全作品をやるっていうやつですね。
〉わたしねー、これの『リア王』と『真夏の夜の夢』観たよー。
〉すんごい迫力だった。
〉真夏の夜の夢は、ガラスの仮面で予習ばっちりだったんだけど(爆)、
〉妖精の女王さまが白石加代子さんで、
〉能面みたいな顔(とコスチューム)で凄かった。
〉紅天女を演じてほしいと思っちゃった(笑)。

おおー、既に2つもご覧になってるんですね!

〉彩の国シェークスピア・シリーズ公式ブログ
〉http://blog.eplus.co.jp/shakespeare/

ブログもあるんだ・・・後でチェックしてみます〜

〉Black Cat というイタリアで出てるGRのシリーズで、CDつきのやつ。
〉すごいんだよー、役者が何人も出てきて、芝居仕立てになってるのー。
〉しかも言葉が音楽みたいで、retoldなのにシェークスピアのリズムなの。

〉アマゾンではなかなか扱ってないけど、
〉ネリーズさんでネット販売しています。YL2くらい。

わあ、楽しめそうですねー!!
YL2でCD付きなら多聴にも使えるかも?
(実は多聴やシャドーイングも挫折気味の私でした・・・^^;)
Ryorasanさんもお薦めのことですし、これは是非試してみなければ!

もう一つ、

〉多読して文学へ手が届くようになった頃に
〉大学で文学を学ぶと楽しそうだなあと本気で思います。

これ、最近ほんとうーーーーにそう思います!!!
大学に入る前、遅くとも学生時代に多読をしていれば、
講義も面白く聴けただろうに・・・と悔しくてたまりません!
(若い人たちにも教えてあげなきゃ、と思います)

とはいえ、これから大学に行くのは無理にしても、長い人生、今からでも自分で勉強しなおしたら
楽しいでしょうね。
多読は読書で楽しく英語を見につける方法というだけでなく、
文学の世界へ興味を持つきっかけになり得るなーと思います。

では〜


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2060. Re: GRのハムレット

お名前: Julie http://paperback.blog10.fc2.com/
投稿日: 2007/1/11(18:58)

------------------------------

すけさやママさん、こんばんはー!

〉わあ、楽しめそうですねー!!
〉YL2でCD付きなら多聴にも使えるかも?
〉(実は多聴やシャドーイングも挫折気味の私でした・・・^^;)
〉Ryorasanさんもお薦めのことですし、これは是非試してみなければ!

ネリーズさんのサイトのこれですよー。
http://www.nellies.jp/store/show_book.php?show_book=yes&isbn=8853000139

〉もう一つ、

〉〉多読して文学へ手が届くようになった頃に
〉〉大学で文学を学ぶと楽しそうだなあと本気で思います。

〉これ、最近ほんとうーーーーにそう思います!!!
〉大学に入る前、遅くとも学生時代に多読をしていれば、
〉講義も面白く聴けただろうに・・・と悔しくてたまりません!
〉(若い人たちにも教えてあげなきゃ、と思います)

うん、うん。大学3、4年になる前に、
文学に手が届くくらいまで多読していれば、
すごーーーーく面白いだろうなと思います!

〉とはいえ、これから大学に行くのは無理にしても、長い人生、今からでも自分で勉強しなおしたら
〉楽しいでしょうね。
〉多読は読書で楽しく英語を見につける方法というだけでなく、
〉文学の世界へ興味を持つきっかけになり得るなーと思います。

多読で文学♪
そういう意味でも、このスレッド、すごく興味深かったです。
ありがとうございました!


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2047. 現代戯曲、古典戯曲、演じること、Star Wars

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/10(16:39)

------------------------------

みなさん文学少女、もしくは文学青年なんですね。Saroyan の戯曲、つまり現代戯曲を読むスレッドだったはずなのに、話題がどんどん古典戯曲の方へ行ってしまいました。

現代戯曲は、俳優や演出家を第1の読者に想定して書いてあります。ですから、台詞だけでは読み取れない心理をト書きで説明してあることもあります。その説明がくどくて、一般読者には読みにくいこともあります。

古典戯曲、特にシェイクスピアのばあい、もともとト書きが無い形で出版されていたので、現代の出版社で戯曲の編集・校訂をする専門家も、作品を上演する演出家や俳優も、そして自宅で戯曲を読む一般読者も、台詞を頼りにして、隠された心理を読み取るというか、自由に解釈して良いのです。それが古典戯曲の醍醐味です。

すぐれた演出家による上演は、その演出家による解釈を提示しているので、ある種の翻訳です。勿論、原書を読む前に翻訳を読む自由も読者にはあります。

演じることを通してシェイクスピアを学ぶという授業を受けたことはあります。学芸会風のコスチュームもありました。個人的には楽しかったし、みなさんのように多読の経験が豊富な人には面白いと思いますが、英文科の大学生が原語でそういう授業を体験するのは、かなりしんどいだろうと感じました。とばし読みで大意が分かっても、全ての単語を発音しなければならないとすれば、やはり簡単ではありません。(大学1・2年で多読を充分に経験していれば、3・4年でそういう授業も楽しいでしょうね。)

別の例も紹介します。むかし僕が受けたHamletの授業で、一人風変わりな年配の学生がいました。読んで訳す従来型の授業に近い形態だったんですが、その学生は芝居っ気たっぷりに自分の担当箇所を音読していました。教授もそれを聴いて楽しそうでした。

せっかくシェイクスピアをやるのだから演劇らしく朗々と読みたいと考え、Star Wars の Ben Kenobi になったつもりで朗読したと、あとでその人は言っていました。みなさんもこれから聴講生や大学院生になって、大学の授業に乗り込んでいってはいかがでしょう?

最近、Amazon.co.jpの頁を開くと、『リチャードを探して』を薦められることが多いんです。過去に買った本やCDやDVDの記録を統計的に処理して、それぞれの客にお薦めの商品を提示すると聞いています。この映画、公開当初から気になっていたんですが、どうせなら映画館で観たいと思い、DVDは観ていないんです。値段も安いことだし、この機会に観てみようと思います。


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2051. Re: 現代戯曲、古典戯曲、演じること、Star Wars

お名前: Julie http://paperback.blog10.fc2.com/
投稿日: 2007/1/10(23:39)

------------------------------

Ryotasan、こんばんは。Julie です。

いつぞやは、Timeのオスカー・ワイルドの記事を教えてくださって
ありがとうございました!

〉みなさん文学少女、もしくは文学青年なんですね。Saroyan の戯曲、つまり現代戯曲を読むスレッドだったはずなのに、話題がどんどん古典戯曲の方へ行ってしまいました。

あっはっは。そういえば、ごちゃまぜにしてしまいましたね(笑)。

〉現代戯曲は、俳優や演出家を第1の読者に想定して書いてあります。ですから、台詞だけでは読み取れない心理をト書きで説明してあることもあります。その説明がくどくて、一般読者には読みにくいこともあります。

なるほどー。

〉古典戯曲、特にシェイクスピアのばあい、もともとト書きが無い形で出版されていたので、現代の出版社で戯曲の編集・校訂をする専門家も、作品を上演する演出家や俳優も、そして自宅で戯曲を読む一般読者も、台詞を頼りにして、隠された心理を読み取るというか、自由に解釈して良いのです。それが古典戯曲の醍醐味です。

ああ、そうだったんですか。
どうりで、そのまま読むと???ということが多いと思いました。
(といっても日本語で、ですけど)

〉すぐれた演出家による上演は、その演出家による解釈を提示しているので、ある種の翻訳です。勿論、原書を読む前に翻訳を読む自由も読者にはあります。

「尼寺へ行け!」て、恋人になんて酷いことを言うんだろうと
思っていましたが、ケネス・ブラナーが監督した『ハムレット』を観たら、
緊迫感の漂う凄い演出で・・・。あの人天才ですねー。

狂人のフリをしている台詞と、思わず本音が出かかった台詞と、
政敵が立ち聞きしてるのに気がついてまた狂人のフリになるのと、
このタイミングで、こういう演出で気がつくのか〜
と鳥肌が立ちました。ご覧になりましたか。

〉演じることを通してシェイクスピアを学ぶという授業を受けたことはあります。学芸会風のコスチュームもありました。個人的には楽しかったし、みなさんのように多読の経験が豊富な人には面白いと思いますが、英文科の大学生が原語でそういう授業を体験するのは、かなりしんどいだろうと感じました。とばし読みで大意が分かっても、全ての単語を発音しなければならないとすれば、やはり簡単ではありません。(大学1・2年で多読を充分に経験していれば、3・4年でそういう授業も楽しいでしょうね。)

ああー、原書ではかなりしんどいかもしれませんね。
翻訳をつかいながら芝居としてのシェークスピアとか、
映画やビデオを使いながら場面の解釈の違いを楽しむとか
でしょうか。

〉別の例も紹介します。むかし僕が受けたHamletの授業で、一人風変わりな年配の学生がいました。読んで訳す従来型の授業に近い形態だったんですが、その学生は芝居っ気たっぷりに自分の担当箇所を音読していました。教授もそれを聴いて楽しそうでした。

おおー、すばらしー!

〉せっかくシェイクスピアをやるのだから演劇らしく朗々と読みたいと考え、Star Wars の Ben Kenobi になったつもりで朗読したと、あとでその人は言っていました。みなさんもこれから聴講生や大学院生になって、大学の授業に乗り込んでいってはいかがでしょう?

多読して文学へ手が届くようになった頃に
大学で文学を学ぶと楽しそうだなあと本気で思います。

〉最近、Amazon.co.jpの頁を開くと、『リチャードを探して』を薦められることが多いんです。過去に買った本やCDやDVDの記録を統計的に処理して、それぞれの客にお薦めの商品を提示すると聞いています。この映画、公開当初から気になっていたんですが、どうせなら映画館で観たいと思い、DVDは観ていないんです。値段も安いことだし、この機会に観てみようと思います。

それを薦められるRyotasanは、どんな本を買われているのか……。(^^;;;
私もいずれ文学読みたいと思ってるので、
また、面白い本を紹介してください。


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2054. Re: 現代戯曲、古典戯曲、演じること、Star Wars

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/11(08:43)

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Julieさん、おはようございます。

〉いつぞやは、Timeのオスカー・ワイルドの記事を教えてくださって
〉ありがとうございました!

時事英語に興味があってTimeを読む人は多いですが、そういう人は文学に興味を持たないことが多いです。一方、文学に興味のある人でTimeを読む人はあまりいませんでした。Timeには文学に関する記事も頻繁に載っていたし、ああいう文学的な文章が載ることもあったんですが、それを読んで雑談できる人にはずっと会えなかったんです。

〉「尼寺へ行け!」て、恋人になんて酷いことを言うんだろうと
〉思っていましたが、ケネス・ブラナーが監督した『ハムレット』を観たら、
〉緊迫感の漂う凄い演出で・・・。あの人天才ですねー。

〉狂人のフリをしている台詞と、思わず本音が出かかった台詞と、
〉政敵が立ち聞きしてるのに気がついてまた狂人のフリになるのと、
〉このタイミングで、こういう演出で気がつくのか〜
〉と鳥肌が立ちました。ご覧になりましたか。

観ていません。ああくやしい(T-T;)。

1988年に多読の方法で Hamlet (Penguin Shakespeare) を読み、それから詳しい注釈書 (Arden版) を読みました。

それからしばらくして、Shakespeare を演じる期待の新星としてBranaghさんを採り上げた記事がTimeにも載るようになりました。90年ごろに、BBCかどこかのラジオ劇としてBranaghさんがHamletを演じ、それが好評で、Time誌も採り上げていたのを覚えていました。

90年代に入ったら、BranaghさんがShakespeareの喜劇やFrankensteinの映画化を手がけるようになったので、いずれHamletも映画化するのだろうと思っていました。そのころ、映画は映画館で観たいという気持ちが強く、VHSのヴィデオ装置を買わなかったんです。DVDを観るようになったのは最近です。

〉ああー、原書ではかなりしんどいかもしれませんね。
〉翻訳をつかいながら芝居としてのシェークスピアとか、
〉映画やビデオを使いながら場面の解釈の違いを楽しむとか
〉でしょうか。

むかしはあちこちの大学でShakespeareの原語上演をしていたと聞いています。最近は難しくなり、やめてしまったところが多いです。続いているところでも、現代英語とか日本語による上演に切り替えたところが多いようです。古典劇をやめて、現代戯曲による英語劇だけにしたところもあります。それでも続いているだけ大したものだと思います。

〉多読して文学へ手が届くようになった頃に
〉大学で文学を学ぶと楽しそうだなあと本気で思います。

古典的な文芸作品を原書で読む準備として、翻訳書を読むことを酒井先生は提案していますね。さまざまな水準の英書を読んでいけば、翻訳書を読まなくても原書を読めるようになると僕は考えています。このスレッドでもそういう道筋が見えつつあります。

Harry Potter から Charles Dickens へ至る道とか、Agatha Christie から Jane Austen へ至る道とか、現代の流行作家や児童書から文学の原書に到達する人が、近い将来、この掲示板の常連さんの中から何人も出てくると思っています。Julieさんもそういう開拓者になるのでしょう。


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2059. Re: 現代戯曲、古典戯曲、演じること、Star Wars

お名前: Julie http://paperback.blog10.fc2.com/
投稿日: 2007/1/11(18:48)

------------------------------

Ryotasan、こんばんは。Julie です。

〉時事英語に興味があってTimeを読む人は多いですが、そういう人は文学に興味を持たないことが多いです。一方、文学に興味のある人でTimeを読む人はあまりいませんでした。Timeには文学に関する記事も頻繁に載っていたし、ああいう文学的な文章が載ることもあったんですが、それを読んで雑談できる人にはずっと会えなかったんです。

今読むと、Time も文学も同じ英語ですねー。(笑)
ああでも、Time派と文学派に分かれるというのは
わかるような気がします。

〉〉「尼寺へ行け!」て、恋人になんて酷いことを言うんだろうと
〉〉思っていましたが、ケネス・ブラナーが監督した『ハムレット』を観たら、
〉〉緊迫感の漂う凄い演出で・・・。あの人天才ですねー。

〉〉狂人のフリをしている台詞と、思わず本音が出かかった台詞と、
〉〉政敵が立ち聞きしてるのに気がついてまた狂人のフリになるのと、
〉〉このタイミングで、こういう演出で気がつくのか〜
〉〉と鳥肌が立ちました。ご覧になりましたか。

〉観ていません。ああくやしい(T-T;)。

〉1988年に多読の方法で Hamlet (Penguin Shakespeare) を読み、それから詳しい注釈書 (Arden版) を読みました。

Ryotasan、すごいー!
Arden版って1ページの半分くらい注釈のやつですよね。
それであの映画を観てないのは、うーん、わたしもくやしい〜(笑)。

そして、もっとくやしがらせちゃうかもですが(爆)、
立ち聞きされている気配に気付いたからという解釈は、
この映画が初めてじゃないでしょうか。(違ったらごめんなさい)

それまでは、オフィーリアと話しているうちにキレてしまった(?)、
若さゆえに感情の起伏が激しい青年というイメージだったと思います。
このブラナーの映画を観ると、これ以外に考えようがないくらい、
すべての台詞がぴたっとハマって、怖いくらいですよー。
(ますます観たくなりました? ^^)
Black Cat は最近出版されたので、映画と同じ解釈で書かれています。

〉それからしばらくして、Shakespeare を演じる期待の新星としてBranaghさんを採り上げた記事がTimeにも載るようになりました。90年ごろに、BBCかどこかのラジオ劇としてBranaghさんがHamletを演じ、それが好評で、Time誌も採り上げていたのを覚えていました。

〉90年代に入ったら、BranaghさんがShakespeareの喜劇やFrankensteinの映画化を手がけるようになったので、いずれHamletも映画化するのだろうと思っていました。そのころ、映画は映画館で観たいという気持ちが強く、VHSのヴィデオ装置を買わなかったんです。DVDを観るようになったのは最近です。

ええっFrankensteinもやってたんですか。知らなかった・・。

ところでハムレットは、ヴィデオからDVDへ移る過渡期の頃だったので、
ヴィデオは出てるのですが、DVDは出てません。
アメリカのamazon.comでは、ダウンロードで販売してますが、
US customers only.って書いてあるのはどういうこと・・(涙)。
http://www.amazon.com/Hamlet/dp/B000HKYBXA/(予告編が観れます)

〉むかしはあちこちの大学でShakespeareの原語上演をしていたと聞いています。最近は難しくなり、やめてしまったところが多いです。続いているところでも、現代英語とか日本語による上演に切り替えたところが多いようです。古典劇をやめて、現代戯曲による英語劇だけにしたところもあります。それでも続いているだけ大したものだと思います。

ほんとうですねー。

〉古典的な文芸作品を原書で読む準備として、翻訳書を読むことを酒井先生は提案していますね。さまざまな水準の英書を読んでいけば、翻訳書を読まなくても原書を読めるようになると僕は考えています。このスレッドでもそういう道筋が見えつつあります。

はい。結局ネイティブもそうやって読む力をつけているんですものね。

〉Harry Potter から Charles Dickens へ至る道とか、Agatha Christie から Jane Austen へ至る道とか、現代の流行作家や児童書から文学の原書に到達する人が、近い将来、この掲示板の常連さんの中から何人も出てくると思っています。Julieさんもそういう開拓者になるのでしょう。

ほんとに、いろいろ頑張って開拓したいです。
長文になりましたが、ありがとうございました!


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2061. ハムレットについて語ってしまう…

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/12(00:56)

------------------------------

Julieさん、Ryotasan、こんばんは。

〉〉〉「尼寺へ行け!」て、恋人になんて酷いことを言うんだろうと
〉〉〉思っていましたが、ケネス・ブラナーが監督した『ハムレット』を観たら、
〉〉〉緊迫感の漂う凄い演出で・・・。あの人天才ですねー。

〉〉〉狂人のフリをしている台詞と、思わず本音が出かかった台詞と、
〉〉〉政敵が立ち聞きしてるのに気がついてまた狂人のフリになるのと、
〉〉〉このタイミングで、こういう演出で気がつくのか〜
〉〉〉と鳥肌が立ちました。ご覧になりましたか。

〉〉観ていません。ああくやしい(T-T;)。

〉〉1988年に多読の方法で Hamlet (Penguin Shakespeare) を読み、それから詳しい注釈書 (Arden版) を読みました。

〉Ryotasan、すごいー!
〉Arden版って1ページの半分くらい注釈のやつですよね。
〉それであの映画を観てないのは、うーん、わたしもくやしい〜(笑)。

〉そして、もっとくやしがらせちゃうかもですが(爆)、
〉立ち聞きされている気配に気付いたからという解釈は、
〉この映画が初めてじゃないでしょうか。(違ったらごめんなさい)

初めて、とはいえないでしょう。むしろ今ではその解釈の方が一般的だと思います。映画だからより細かい表情に焦点を当てた見せ方をしたのでしょう。
と、いいますのは、ハムレットは、父の復讐を果たすのに本心を隠すために頭がおかしくなったフリをしています。しかしオフィーリアに声をかける前に例の有名な「To be, or not to be」から始まる独白がずーっとあって、ハムレットが悩んでいることがわかります。
そこでオフィーリアに声をかけますが、ほとんど一人芝居と言うほど一方的にしゃべりまくり、行き過ぎと思えるほどの狂人ぶりを発揮します。少なくともオフィーリアだけに話しかけるにしては行きすぎです。さっきの悩みはどこへやら?というほどです。これはやはり立ち聞きしているクローディアス王とポローニアスにわざと聞かせるため、と考えるほうが自然です。

この映画は「ハムレット」がどんなお芝居か、ということを余すところなく伝えてくれる素晴らしいできばえだと思います。ただ、ケネス・ブラナーはちょっとおじさんがはいってて「二枚目度」が足りないのが、私には残念に思うところですが…。

「二枚目度」というなら、ローレンス・オリビエはかなりの二枚目ですが、映画を撮ったときは少々お年を召していたのがこれまた残念です。といってもおじさんくさく感じるほどの年寄りではありませんが。落ち着きのある年齢に見えてしまうんです。もっと若いときに撮影できなかったのかと思います。
私はハムレットは若くて突っ走ってあらぬところへ行ってしまうような勢いがあるような演じ方の方が合うように思います。やってることはけっこうムチャクチャだし、脈絡ないし、マザコンだし…。

こういう話になると、つい熱く語って止まらなくなってしまいます。
ではこのへんで…。


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2062. Re: やったーっ!ハムレット談義だー。

お名前: Julie http://paperback.blog10.fc2.com/
投稿日: 2007/1/12(02:32)

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杏樹さん、みなさん、こんばんはー。

〉初めて、とはいえないでしょう。むしろ今ではその解釈の方が一般的だと思います。映画だからより細かい表情に焦点を当てた見せ方をしたのでしょう。

うん、今ではその解釈のほうが一般的だけど、あのときは強烈だった。
あの映画のちょっと前に観た蜷川のハムレット(真田広之と松たか子のやつ)では、そんな解釈してなかったもん。

〉と、いいますのは、ハムレットは、父の復讐を果たすのに本心を隠すために頭がおかしくなったフリをしています。しかしオフィーリアに声をかける前に例の有名な「To be, or not to be」から始まる独白がずーっとあって、ハムレットが悩んでいることがわかります。
〉そこでオフィーリアに声をかけますが、ほとんど一人芝居と言うほど一方的にしゃべりまくり、行き過ぎと思えるほどの狂人ぶりを発揮します。少なくともオフィーリアだけに話しかけるにしては行きすぎです。さっきの悩みはどこへやら?というほどです。これはやはり立ち聞きしているクローディアス王とポローニアスにわざと聞かせるため、と考えるほうが自然です。

そうそう! そうだよねー!

〉この映画は「ハムレット」がどんなお芝居か、ということを余すところなく伝えてくれる素晴らしいできばえだと思います。ただ、ケネス・ブラナーはちょっとおじさんがはいってて「二枚目度」が足りないのが、私には残念に思うところですが…。

同感です。できればもっと若いうちにやってほしかった。
それをごまかすために髭を生やしたのかもしれませんが、
かえっておじさんにみえる…。

その後の、ハリー・ポッターと秘密の部屋のほうが
新任の「二枚目度」の高い先生役で、生き生きと感じました。

〉「二枚目度」というなら、ローレンス・オリビエはかなりの二枚目ですが、映画を撮ったときは少々お年を召していたのがこれまた残念です。といってもおじさんくさく感じるほどの年寄りではありませんが。落ち着きのある年齢に見えてしまうんです。もっと若いときに撮影できなかったのかと思います。

ああ、わたし、オリビエのはまだ観てないんです。
(そんなんでハムレットを語っていいのかとおもいつつ・・)
それだけ役者として経験を積まないと難しい役なんでしょうか。
舞台だと遠目にみるのでまだ平気ですが、
映画だとアップになりますから大変ですねー。

〉私はハムレットは若くて突っ走ってあらぬところへ行ってしまうような勢いがあるような演じ方の方が合うように思います。やってることはけっこうムチャクチャだし、脈絡ないし、マザコンだし…。

そういう演じ方も面白そう〜。
従来的なハムレットだとムチャクチャな印象が強いから、
そういう演じ方のほうが合うかもねー。

私はブラナーのハムレットをみてから、
こいつ結構フツーの人間だったじゃんと思いました。
意外と脈絡あったのねって。
頭がよくて考えすぎて行動に移せないタイプ。
あだ討ちをするチャンスもあったのに、いざとなるとできない…。
常識があるから幽霊の話を信じるわけにいかないし、
「To be, or not to be」と悩むのかも??

でも、できれば若い方が、というのには賛成です(爆)。

〉こういう話になると、つい熱く語って止まらなくなってしまいます。
〉ではこのへんで…。

わたしも熱く語りたかったので、うれしかったです。
ありがとう!


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2063. Re: 現代戯曲、古典戯曲、演じること、Star Wars

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/12(11:24)

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Hamlet談義に花が咲いていますね。質・量ともにShakespeare作品の最高峰なので、これから読む人には喜劇か、悲劇でも Macbeth や Julius Caesar など短めの作品から入ることをお薦めします。Hamletに登場する大臣もCaesarを演じたことがあるという設定になっています。

〉〉〉「尼寺へ行け!」て、恋人になんて酷いことを言うんだろうと
〉〉〉思っていましたが、ケネス・ブラナーが監督した『ハムレット』を観たら、
〉〉〉緊迫感の漂う凄い演出で・・・。あの人天才ですねー。

〉〉〉狂人のフリをしている台詞と、思わず本音が出かかった台詞と、
〉〉〉政敵が立ち聞きしてるのに気がついてまた狂人のフリになるのと、
〉〉〉このタイミングで、こういう演出で気がつくのか〜
〉〉〉と鳥肌が立ちました。ご覧になりましたか。

〉〉観ていません。ああくやしい(T-T;)。

〉〉1988年に多読の方法で Hamlet (Penguin Shakespeare) を読み、それから詳しい注釈書 (Arden版) を読みました。

〉Ryotasan、すごいー!
〉Arden版って1ページの半分くらい注釈のやつですよね。
〉それであの映画を観てないのは、うーん、わたしもくやしい〜(笑)。

すいません。(^-^;) あのころは多読を始めて10年めで、現代語による注釈はとばし読みでどんどん読みました。短くて断片的な注より、長くて詳しい注の方が分かりやすいこともあります。

〉そして、もっとくやしがらせちゃうかもですが(爆)、
〉立ち聞きされている気配に気付いたからという解釈は、
〉この映画が初めてじゃないでしょうか。(違ったらごめんなさい)

BBCのラジオ劇では、ブラナーさんが一人で台詞の練習をしているのを誰かがこっそり録音し、それが最終的な放送にも使われたそうです。僕は聴いていませんが、Timeの記事にはそう書いてありました。

〉それまでは、オフィーリアと話しているうちにキレてしまった(?)、
〉若さゆえに感情の起伏が激しい青年というイメージだったと思います。
〉このブラナーの映画を観ると、これ以外に考えようがないくらい、
〉すべての台詞がぴたっとハマって、怖いくらいですよー。
〉(ますます観たくなりました? ^^)

96年にあの映画が公開されたとき自分は新婚で、Hamletよりも別のことの方に関心がいっていました。

今でも、原書の頁を開いて、台詞を朗読することが、年に1回ぐらいはあります。自分の解釈で好きなように読むのも楽しいので、とりあえず日本版のDVDが出るまで待てると思います。

〉ええっFrankensteinもやってたんですか。知らなかった・・。

Mary Shelly's Frankenstein という題名で、怪物の役はロバート・デニーロさんです。脚本も出版されました。映画の写真や解説が沢山ついています。

それにしても、現代戯曲の話から Shakespeare そして Hamlet へと話がどんどん進展していくのは、やはり作品にそういう魅力があるからなのでしょうね。常識はずれに長くて、上演は大変なはずですが。


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2065. Re: 現代戯曲、古典戯曲、演じること、Star Wars

お名前: Julie http://paperback.blog10.fc2.com/
投稿日: 2007/1/12(18:10)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉〉〉1988年に多読の方法で Hamlet (Penguin Shakespeare) を読み、それから詳しい注釈書 (Arden版) を読みました。

〉〉Ryotasan、すごいー!
〉〉Arden版って1ページの半分くらい注釈のやつですよね。
〉〉それであの映画を観てないのは、うーん、わたしもくやしい〜(笑)。

〉すいません。(^-^;) あのころは多読を始めて10年めで、現代語による注釈はとばし読みでどんどん読みました。短くて断片的な注より、長くて詳しい注の方が分かりやすいこともあります。

多読をして10年・・・。私も早く多読していれば・・くぅ。(笑)

〉BBCのラジオ劇では、ブラナーさんが一人で台詞の練習をしているのを誰かがこっそり録音し、それが最終的な放送にも使われたそうです。僕は聴いていませんが、Timeの記事にはそう書いてありました。

へえ〜!練習でってすごいですね。

〉96年にあの映画が公開されたとき自分は新婚で、Hamletよりも別のことの方に関心がいっていました。

あはは! それは、そうじゃないと困りますね! (^^)

〉今でも、原書の頁を開いて、台詞を朗読することが、年に1回ぐらいはあります。自分の解釈で好きなように読むのも楽しいので、とりあえず日本版のDVDが出るまで待てると思います。

早く出るといいなあと私も待っています。

〉〉ええっFrankensteinもやってたんですか。知らなかった・・。

〉Mary Shelly's Frankenstein という題名で、怪物の役はロバート・デニーロさんです。脚本も出版されました。映画の写真や解説が沢山ついています。

これ、面白そうですねー。 観ます。

〉それにしても、現代戯曲の話から Shakespeare そして Hamlet へと話がどんどん進展していくのは、やはり作品にそういう魅力があるからなのでしょうね。常識はずれに長くて、上演は大変なはずですが。

自分がしたい話で脱線させているかもですが・・(^^;
いずれ Shakespeare が読みたいというのは憧れとしてありますねー。
Rotasanの投稿を読んで、自分も多読していけば
そういうところに辿り着けるんだーと目標になりました。

ではでは、たくさん教えていただいて、ありがとうございました。


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2067. まだまだハムレット

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/13(01:12)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉Hamlet談義に花が咲いていますね。質・量ともにShakespeare作品の最高峰なので、これから読む人には喜劇か、悲劇でも Macbeth や Julius Caesar など短めの作品から入ることをお薦めします。Hamletに登場する大臣もCaesarを演じたことがあるという設定になっています。

それは確かにそうです。ほかの作品の方がわかりやすいですね。いきなり「ハムレット」はディープすぎるかもしれません。

〉今でも、原書の頁を開いて、台詞を朗読することが、年に1回ぐらいはあります。自分の解釈で好きなように読むのも楽しいので、とりあえず日本版のDVDが出るまで待てると思います。

原書朗読…すごいですねー。

〉それにしても、現代戯曲の話から Shakespeare そして Hamlet へと話がどんどん進展していくのは、やはり作品にそういう魅力があるからなのでしょうね。常識はずれに長くて、上演は大変なはずですが。

上演回数はものすごく多いです。いくつ見たやら…。
たいてい演出サイドで編集されます。その編集の仕方がまたどういう風にするか、というのが見所でもありまして。くどいセリフも多いので、削りがいもあります。
短めのものになりますと、よくあるのがフォーティンブラスをカットしてしまうこと。ホントに登場しないんですよ。最後は死屍累々でそのまま幕を降ろします。
いくつかそういうのを見たので、「ハムレット」を見るときは「フォーティンブラスは登場するか?」とドキドキしながら見るようになってしまいました。ちなみにローレンス・オリビエの映画にも登場しません。メル・ギブソンも映画でハムレットをやってますが、フォーティンブラスは登場しません。

ハムレットもそうですが、シェイクスピア作品には本人による「定本」というものがなく、いくつかのバージョンがあって、それを再構成して現在のテキストが作られました。ですからもともとシェイクスピアがどんな本を書いて最初に上演したかわかりませんし、再演して書き直したかもしれませんし、かならずしもテキストどおりに上演することが「正解」とは言えない訳です。
自由にテキストを編集してさまざまな上演のしかたがあるのもまたシェイクスピアの魅力ですが、「ハムレット」は特にその傾向が強いと言えるでしょう。(でもフォーティンブラスはカットしないでほしい)

ところで「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」という芝居はご存知ですか?(また話を広げようとする…)


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2073. Re: まだまだハムレット

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/14(19:46)

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杏樹"さん、お待たせしました。ハムレット談義の続きと行きましょう。

〉〉Hamlet談義に花が咲いていますね。質・量ともにShakespeare作品の最高峰なので、これから読む人には喜劇か、悲劇でも Macbeth や Julius Caesar など短めの作品から入ることをお薦めします。Hamletに登場する大臣もCaesarを演じたことがあるという設定になっています。

〉それは確かにそうです。ほかの作品の方がわかりやすいですね。いきなり「ハムレット」はディープすぎるかもしれません。

そうそう。舞台での上演や映画を観たり、Penguin Readers や Black Cat の副読本を読むなど、楽しく Hamlet に接近する方法はありますが、あれが Shakespear の典型的な作品だと思ってしまうのはまずいと思うんです。

〉〉今でも、原書の頁を開いて、台詞を朗読することが、年に1回ぐらいはあります。自分の解釈で好きなように読むのも楽しいので、とりあえず日本版のDVDが出るまで待てると思います。

〉原書朗読…すごいですねー。

Shakespeare は1巻本の全集 (Complete Works) がいくつかの出版社から出ており、ハードカバーの割に値段はそんなに高くないです。1冊入手して本棚に飾っておけば、原文を参照する機会も増えます。

〉〉それにしても、現代戯曲の話から Shakespeare そして Hamlet へと話がどんどん進展していくのは、やはり作品にそういう魅力があるからなのでしょうね。常識はずれに長くて、上演は大変なはずですが。

〉上演回数はものすごく多いです。いくつ見たやら…。
〉たいてい演出サイドで編集されます。その編集の仕方がまたどういう風にするか、というのが見所でもありまして。くどいセリフも多いので、削りがいもあります。

なるほど。難問に対する簡単な答ですね。

〉短めのものになりますと、よくあるのがフォーティンブラスをカットしてしまうこと。ホントに登場しないんですよ。最後は死屍累々でそのまま幕を降ろします。

当時の劇場には緞帳が無かったので、悲劇のばあい、死体、というか死んだふりをしている出演者をかついで退場する人物が必要です。Hamlet は死者の数が多く、身分も高いので丁重に運び出す必要があります。そのためにフォーティンブラスとその軍隊を登場させたという仮説もありますね。

〉いくつかそういうのを見たので、「ハムレット」を見るときは「フォーティンブラスは登場するか?」とドキドキしながら見るようになってしまいました。ちなみにローレンス・オリビエの映画にも登場しません。メル・ギブソンも映画でハムレットをやってますが、フォーティンブラスは登場しません。

たしかに、王子の死で終われば、話としてはまとまりが良いんですが . . . .

〉ハムレットもそうですが、シェイクスピア作品には本人による「定本」というものがなく、いくつかのバージョンがあって、それを再構成して現在のテキストが作られました。ですからもともとシェイクスピアがどんな本を書いて最初に上演したかわかりませんし、再演して書き直したかもしれませんし、かならずしもテキストどおりに上演することが「正解」とは言えない訳です。

学問的、理論的にそう考えることが可能だとしても、作品によっては、実際に読んでみて削るのは惜しいと感じる人もいます。僕はブラナーさんの Hamlet をまだ観ていませんが、たしか4時間ぐらいかかるんですよね。4時間かかっても、できればカットせずにやりたいと彼も考えたのでしょう。BBCのTV放送用に製作されたデレク・ジャコビさんのHamletも長かったように記憶しています。

Penguinなどから出ている原書は、読む戯曲として楽しめるように字の大きさや配列を工夫してあり、難しい文章のとばし読みに慣れている人であれば、中編の物語詩か小説でも読むような感じでHamletを読むことができます。そうやって読んでみると、どの文章も良く書けており、削るのは惜しいと僕も感じてしまいます。(そう思い込んでいるだけかも知れませんが。)

〉自由にテキストを編集してさまざまな上演のしかたがあるのもまたシェイクスピアの魅力ですが、「ハムレット」は特にその傾向が強いと言えるでしょう。(でもフォーティンブラスはカットしないでほしい)

変更しても原作者は怒らないし、現代の劇場にふさわしい形に変更することが望ましいばあいもあるでしょうね。Hamletはとにかく長いので、場所と時間によって生じるお金を考えると、削らざるを得ないばあいが殆どだと思います。

それから、死んだ王子を王として埋葬するようにフォーティンブラスは命令しますね。歴史や王位継承に関するシェイクスピアの考えがあの箇所に伺えるような気がします。墓石に王と刻まれ、後世の歴史には王として記録してある人物でも、本当は王子として死んだ例もあるのでしょうか。

〉ところで「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」という芝居はご存知ですか?(また話を広げようとする…)

はい。Hamletを素材にした現代戯曲として、80年代には有名でした。読もうかなと思っていたころ、作者 Tom Stoppard さんは脚本家として映画界への進出を始めていました。彼が脚本を担当した戦争映画 Empire of the Sun (スピルバーグ監督) が公開されたので観に行ったんですが、今イチ面白いと思えず、しばらくはStoppard作品への熱がさめていました。そのあいだに「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」が映画化されたのは知りませんでした。

その後、Stoppard さんが脚本を担当した Shakespeare in Love が面白かったので興味が再燃しつつあります。近いうちに読むかも知れません。


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2074. Re: まだまだハムレット

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/16(02:10)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉杏樹"さん、お待たせしました。ハムレット談義の続きと行きましょう。

こんなに引っ張っていいんでしょうか?

〉Shakespeare は1巻本の全集 (Complete Works) がいくつかの出版社から出ており、ハードカバーの割に値段はそんなに高くないです。1冊入手して本棚に飾っておけば、原文を参照する機会も増えます。

そうですね。私もハムレット1冊ぐらい飾っておきましょうか。いつかは…という気持ちはあったので。

〉〉短めのものになりますと、よくあるのがフォーティンブラスをカットしてしまうこと。ホントに登場しないんですよ。最後は死屍累々でそのまま幕を降ろします。

〉当時の劇場には緞帳が無かったので、悲劇のばあい、死体、というか死んだふりをしている出演者をかついで退場する人物が必要です。Hamlet は死者の数が多く、身分も高いので丁重に運び出す必要があります。そのためにフォーティンブラスとその軍隊を登場させたという仮説もありますね。

そうなんですかー。

〉〉いくつかそういうのを見たので、「ハムレット」を見るときは「フォーティンブラスは登場するか?」とドキドキしながら見るようになってしまいました。ちなみにローレンス・オリビエの映画にも登場しません。メル・ギブソンも映画でハムレットをやってますが、フォーティンブラスは登場しません。

〉たしかに、王子の死で終われば、話としてはまとまりが良いんですが . . . .

いえいえ、フォーティンブラスは必要です。
ハムレットはフォーティンブラスをデンマークの後継者に指定し、フォーティンブラスはハムレットを丁重に埋葬する、ということでおさまりがつくんです。「みんな死んじゃったよー」という状態で幕を降ろしてしまったら…まあそれも一種の効果的な終わり方かもしれませんが、中途半端な気がします。

〉〉ハムレットもそうですが、シェイクスピア作品には本人による「定本」というものがなく、いくつかのバージョンがあって、それを再構成して現在のテキストが作られました。ですからもともとシェイクスピアがどんな本を書いて最初に上演したかわかりませんし、再演して書き直したかもしれませんし、かならずしもテキストどおりに上演することが「正解」とは言えない訳です。

〉学問的、理論的にそう考えることが可能だとしても、作品によっては、実際に読んでみて削るのは惜しいと感じる人もいます。僕はブラナーさんの Hamlet をまだ観ていませんが、たしか4時間ぐらいかかるんですよね。4時間かかっても、できればカットせずにやりたいと彼も考えたのでしょう。BBCのTV放送用に製作されたデレク・ジャコビさんのHamletも長かったように記憶しています。

ブラナーはやりたいことを全部詰め込んだんでしょうね。
編集するのは単に「削る」のではなく、演出家がどんなハムレットを見せたいのか、という表現の手段でもあります。何を見せたいか、見せたいものを強調するためにはどういう演出をすればいいか…そういったことを総合的に考えて取捨選択をするのです。単に短くすればいい、ってものではなくて。
また、どんなにすばらしい「文章」でも、セリフとして人間の口から出ると、どうも自然な言葉になりにくい文章がシェイクスピアにはよくあります。それをより自然な人間の感情から出た言葉に聞こえるようにする、という場合もあります。シェイクスピアのセリフはかなり芝居がかった、見栄を切るような演技の方が合うんですが、そういう舞台ばかりでは演出も限られてきますので。

〉それから、死んだ王子を王として埋葬するようにフォーティンブラスは命令しますね。歴史や王位継承に関するシェイクスピアの考えがあの箇所に伺えるような気がします。墓石に王と刻まれ、後世の歴史には王として記録してある人物でも、本当は王子として死んだ例もあるのでしょうか。

日本語訳ですが、本を見てみましたが「王として埋葬する」とは書いていませんが…。
「彼こそは時を得ればたぐいまれな名君ともなったであろうに。彼の死を弔うには、軍楽を奏し、礼砲を放って、その悲しみを広く世に知らしめるのだ」

〉〉ところで「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」という芝居はご存知ですか?(また話を広げようとする…)

〉はい。Hamletを素材にした現代戯曲として、80年代には有名でした。読もうかなと思っていたころ、作者 Tom Stoppard さんは脚本家として映画界への進出を始めていました。彼が脚本を担当した戦争映画 Empire of the Sun (スピルバーグ監督) が公開されたので観に行ったんですが、今イチ面白いと思えず、しばらくはStoppard作品への熱がさめていました。そのあいだに「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」が映画化されたのは知りませんでした。

「太陽の帝国」もストッパードなんですか?これは確かにスカでしたねー。
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」も映画になってたんですか。私は舞台を2回見ました。本編ではあっさり殺されてしまう吹けば飛ぶような脇役をわざわざ取り上げて芝居にしてしまうところもまたシェイクスピアの、そして「ハムレット」の魔力ではないかと。

〉その後、Stoppard さんが脚本を担当した Shakespeare in Love が面白かったので興味が再燃しつつあります。近いうちに読むかも知れません。

私は舞台なら見たいですが、戯曲は日本語でもあまり読みたいと思いません。戯曲のまま読むと退屈そうなので…。一種の不条理劇みたいなものかもしれません。ローゼンクランツとギルデンスターンが二人でうだうだ、だらだらしゃべってる芝居です。最後はもちろん、いきなり二人にハムレットのすり替えた命令書の執行が…。

さて、3月に兵庫県立芸術文化センターで「ハムレット」をやるので見に行こうと思っています。モスクワのユーゴザーパド劇場の演出家、ワレリー・ベリャーコヴィチの演出で、ピッコロ劇団を中心にしたキャストです。ピッコロ劇団は兵庫県の県立劇団です。今度はどんな「ハムレット」に出会えるか楽しみです。

それでは…。


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2075. Re: まだまだハムレット

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/16(08:56)

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杏樹さん、おはようございます。

〉こんなに引っ張っていいんでしょうか?

あまり長くなってもいけませんね。"Let us haste to hear it" というところでしょうか(Fortinbras)。

全体として、杏樹さんは Hamlet を、日常語で演じられる歴史劇のように捉えてらっしゃる印象を受けました。勿論、そういう上演のしかたがあっても良いし、20世紀以降の上演のしかたとしては、その方が自然なのかも知れません。

僕が知っている Hamlet は、せりふの殆どが韻文で書かれており、舞台での上演を想定して書かれた作品であるとしても、日本の例で言えば能や歌舞伎に、西洋で馴染みの例を挙げればオペラのような作品です。どういう上演がた望ましいかは違ってきます。

ハムレットがフォーティンブラスをデンマークの後継者に指定し、フォーティンブラスはハムレットを丁重に埋葬する、ということでおさまりがつくという歴史観は分かります。映画だったら、それを文字だけで表示するという方法もありますね。

〉編集するのは単に「削る」のではなく、演出家がどんなハムレットを見せたいのか、という表現の手段でもあります。何を見せたいか、見せたいものを強調するためにはどういう演出をすればいいか…そういったことを総合的に考えて取捨選択をするのです。単に短くすればいい、ってものではなくて。

実際には、必要なはずのフォーティンブラスを削ってしまう例もあり、それが定番的な解釈とされていたこともあるようですね。総合的に考えた取捨選択の方が望ましいのは確かです。

〉また、どんなにすばらしい「文章」でも、セリフとして人間の口から出ると、どうも自然な言葉になりにくい文章がシェイクスピアにはよくあります。それをより自然な人間の感情から出た言葉に聞こえるようにする、という場合もあります。シェイクスピアのセリフはかなり芝居がかった、見栄を切るような演技の方が合うんですが、そういう舞台ばかりでは演出も限られてきますので。

Hamletの原文に限って言えば、どの台詞も舞台で朗々と演じることを想定して書かれており、芝居がかっており、見栄を切るような演技が合います。それは古典劇として自然なことだと思います。勿論、そういう範囲での演出は限られてきます。

オペラの音楽をポップス風に編曲し、ミュージカルとして上演するのと同じように、現代語の散文劇として上演するのであれば、おっしゃるような再構成が必要になるし、そういう方法ならではの面白さもあります。「モーツァルトのオペラはブロードウェイでの上演に適さない」と主張する人がいても、僕は反対しません。

フォーティンブラスの台詞ですが、たしかに「王として埋葬する」とは書いてありません。クローディアスより丁重に扱うとすれば、それは王として扱うという意味に解釈するのが自然だという解釈のレベルです。

〉「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」も映画になってたんですか。私は舞台を2回見ました。本編ではあっさり殺されてしまう吹けば飛ぶような脇役をわざわざ取り上げて芝居にしてしまうところもまたシェイクスピアの、そして「ハムレット」の魔力ではないかと。

そうですね。月並みな結論になってしまいますが、これは否定できません。

〉私は舞台なら見たいですが、戯曲は日本語でもあまり読みたいと思いません。戯曲のまま読むと退屈そうなので…。一種の不条理劇みたいなものかもしれません。ローゼンクランツとギルデンスターンが二人でうだうだ、だらだらしゃべってる芝居です。最後はもちろん、いきなり二人にハムレットのすり替えた命令書の執行が…。

僕も Rosencrantz and Guildenstern Are Dead を日本語で読むつもりはありません。(もともと英語の作品を日本語で読む習慣はないので。) 何度も上演されたことのある戯曲であれば、原文が退屈ということはまずありません。ただし、英語の現代戯曲を音読することに慣れていて、Hamletの原文もある程度は知っている読者に限られるでしょうね。

〉さて、3月に兵庫県立芸術文化センターで「ハムレット」をやるので見に行こうと思っています。モスクワのユーゴザーパド劇場の演出家、ワレリー・ベリャーコヴィチの演出で、ピッコロ劇団を中心にしたキャストです。ピッコロ劇団は兵庫県の県立劇団です。今度はどんな「ハムレット」に出会えるか楽しみです。

またもや、やめられない展開になってきましたが、別スレッドにした方が良いかも知れません。


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2076. Re: まだまだハムレット

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/19(01:06)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉全体として、杏樹さんは Hamlet を、日常語で演じられる歴史劇のように捉えてらっしゃる印象を受けました。勿論、そういう上演のしかたがあっても良いし、20世紀以降の上演のしかたとしては、その方が自然なのかも知れません。

私は単に「芝居」として見ているだけです。
Ryotasanは「文学」として見ている度合いが強いようですが。

〉Hamletの原文に限って言えば、どの台詞も舞台で朗々と演じることを想定して書かれており、芝居がかっており、見栄を切るような演技が合います。それは古典劇として自然なことだと思います。勿論、そういう範囲での演出は限られてきます。

〉オペラの音楽をポップス風に編曲し、ミュージカルとして上演するのと同じように、現代語の散文劇として上演するのであれば、おっしゃるような再構成が必要になるし、そういう方法ならではの面白さもあります。「モーツァルトのオペラはブロードウェイでの上演に適さない」と主張する人がいても、僕は反対しません。

オペラは楽譜がありますから、曲を大きく変えることはありません。演出として現代風の衣装やシュールなセットを使ったりして上演することはありますが。
ただ、シェイクスピアは「ハムレット」に限らず、他の芝居に比べてずっと自由な表現が出来るんです。例えばチェーホフなら当時のロシアの時代背景がないと成り立ちません。基本的な時代や国の設定があり、それを越えて上演するのは難しいのです。
しかしシェイクスピアはどんなに時代や国を越えた表現でも成り立つんです。それは時代や国にしばられない普遍的な人間の姿が、他の芝居よりもずっとはっきり表現されているからです。
「リチャード3世」のような実在の人物の芝居でも、歴史上の人物としてではなく、強いコンプレックスゆえに人を陥れてでものしあがろうとする野望を持った一人の男の成り上がりと破滅の物語、として見ることが出来るんです。

ただ、それでも現代の衣装で、現代の「自然」な口調で演じた「ハムレット」には少々無理がありました。現代の自然な言葉にはなりえなかったのです。しかしそれを逆手にとって、叫んだり、わめいたり、あばれたりなど大げさな表現をしたものはけっこうはまってました。

芝居のセリフは登場人物の心を表すものです。心から出た言葉としてセリフが口から出て、それを周りの人物が受けて反応して次のセリフになります。そうしたセリフやしぐさ、表情によって感情のやり取りが生まれ、登場人物の心情が変化していき、状況が変化していくのを感じられるのが芝居の面白さです。シェイクスピアは時代背景にこだわらないで演じられる分、登場人物の心情や性格がより強く感じられるお芝居になるんです。

〉またもや、やめられない展開になってきましたが、別スレッドにした方が良いかも知れません。

うーん、どうでしょう。そこまでずっと引っ張るつもりはないのですが…。今回もつい語ってしまいました。なんとか収まらないでしょうかね。


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2077. Re: まだまだハムレット

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/19(09:09)

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おはようございます。長くなりましたが、杏樹さんの投稿は、僕にとっても、皆さんにとっても傾聴に値すると思うので、もう少し続けさせて下さい。

〉〉全体として、杏樹さんは Hamlet を、日常語で演じられる歴史劇のように捉えてらっしゃる印象を受けました。勿論、そういう上演のしかたがあっても良いし、20世紀以降の上演のしかたとしては、その方が自然なのかも知れません。

〉私は単に「芝居」として見ているだけです。
〉Ryotasanは「文学」として見ている度合いが強いようですが。

文学というか、学問としてシェイクスピアを研究する人も必要だし、娯楽として読書の対象とするのも面白いし、古典劇としての上演も時には必要だと思っています。勿論、今では現代劇としての上演の方が一般的になる方が自然だと思います。日本やロシアの時代劇として映画化された作品も迫力満点だし、オペラやミュージカルとしての上演もあった方が楽しいし、バレエとして上演される Romeo and Juliet も好きです。

〉〉Hamletの原文に限って言えば、どの台詞も舞台で朗々と演じることを想定して書かれており、芝居がかっており、見栄を切るような演技が合います。それは古典劇として自然なことだと思います。勿論、そういう範囲での演出は限られてきます。

〉〉オペラの音楽をポップス風に編曲し、ミュージカルとして上演するのと同じように、現代語の散文劇として上演するのであれば、おっしゃるような再構成が必要になるし、そういう方法ならではの面白さもあります。「モーツァルトのオペラはブロードウェイでの上演に適さない」と主張する人がいても、僕は反対しません。

〉オペラは楽譜がありますから、曲を大きく変えることはありません。演出として現代風の衣装やシュールなセットを使ったりして上演することはありますが。

原作を大きく変更せずに上演して成功した例もありますよね。僕が高校生の時に観た A Midsummer Night's Dream のミュージカル版は、台詞と歌詞が現代日本語で、衣装も現代風でしたが、原作からの省略はほとんど無かったです。(原作を読んだのは何年かたってからですが。) 忠実な翻訳と言っても良いくらいでした。それでも違和感は感じませんでした。

それから設定を現代風にした映画の Romeo + Juliet は御存知の方も多いでしょうね。あれも言葉の部分はほとんど原作どおりでした。短くしたり再構成したりはしていなかったと思います。

〉ただ、シェイクスピアは「ハムレット」に限らず、他の芝居に比べてずっと自由な表現が出来るんです。例えばチェーホフなら当時のロシアの時代背景がないと成り立ちません。基本的な時代や国の設定があり、それを越えて上演するのは難しいのです。

僕は観ていないんですが、チェーホフの戯曲を日本の話に翻案した上演は何度も行なわれて来たように記憶しています。失敗と判断するには上演回数が多いように思うんですが (^-^;)。

ヘンリク・イプセンの戯曲をアーサー・ミラーが英語文化圏の話に翻案した作品もありますね。僕はTV映画になったのを観ただけですが、失敗作ではなかったと思います。

〉しかしシェイクスピアはどんなに時代や国を越えた表現でも成り立つんです。それは時代や国にしばられない普遍的な人間の姿が、他の芝居よりもずっとはっきり表現されているからです。

うーん。シェイクスピアのどんな作品でもそうなんでしょうか? イタリアものは、ラテン的、それに近い雰囲気の設定に限定されると思うんですが。

〉「リチャード3世」のような実在の人物の芝居でも、歴史上の人物としてではなく、強いコンプレックスゆえに人を陥れてでものしあがろうとする野望を持った一人の男の成り上がりと破滅の物語、として見ることが出来るんです。

そうですね。僕は観ていませんが、日本の時代劇風にした上演もありましたよね。現代に設定した演出もあるのでしょうか? 実業家や政治家の話にしたらどんな感じでしょうね。

それから、Measure for Measure は、そのまま日本の時代劇にできると思います。公爵は遠山の金さんで決まりです。

〉ただ、それでも現代の衣装で、現代の「自然」な口調で演じた「ハムレット」には少々無理がありました。現代の自然な言葉にはなりえなかったのです。しかしそれを逆手にとって、叫んだり、わめいたり、あばれたりなど大げさな表現をしたものはけっこうはまってました。

でしょー。不自然な点もあり、面白い点もある。満点はつけられないけれど、色々あって楽しいと思います。

〉芝居のセリフは登場人物の心を表すものです。心から出た言葉としてセリフが口から出て、それを周りの人物が受けて反応して次のセリフになります。そうしたセリフやしぐさ、表情によって感情のやり取りが生まれ、登場人物の心情が変化していき、状況が変化していくのを感じられるのが芝居の面白さです。シェイクスピアは時代背景にこだわらないで演じられる分、登場人物の心情や性格がより強く感じられるお芝居になるんです。

なるほど。もともと舞台装置がほとんど無い劇場で演じることを想定して書かれた作品であることも、翻案しやすい要素の一つだと思います。

〉〉またもや、やめられない展開になってきましたが、別スレッドにした方が良いかも知れません。

〉うーん、どうでしょう。そこまでずっと引っ張るつもりはないのですが…。今回もつい語ってしまいました。なんとか収まらないでしょうかね。

シェイクスピアと音楽について書きたいことが少しあるので、それは音に関する掲示板の方に書こうと思います。


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2078. Re: まだまだハムレット

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/20(00:03)

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Ryotasanさん、こんにちは。

できるだけ短くまとめようと思うのですが…。

〉原作を大きく変更せずに上演して成功した例もありますよね。僕が高校生の時に観た A Midsummer Night's Dream のミュージカル版は、台詞と歌詞が現代日本語で、衣装も現代風でしたが、原作からの省略はほとんど無かったです。(原作を読んだのは何年かたってからですが。) 忠実な翻訳と言っても良いくらいでした。それでも違和感は感じませんでした。

ミュージカル版って誰がやったものでしょう?原作に忠実に…とは、うまくできていたようですね。

〉それから設定を現代風にした映画の Romeo + Juliet は御存知の方も多いでしょうね。あれも言葉の部分はほとんど原作どおりでした。短くしたり再構成したりはしていなかったと思います。

〉〉ただ、シェイクスピアは「ハムレット」に限らず、他の芝居に比べてずっと自由な表現が出来るんです。例えばチェーホフなら当時のロシアの時代背景がないと成り立ちません。基本的な時代や国の設定があり、それを越えて上演するのは難しいのです。

〉僕は観ていないんですが、チェーホフの戯曲を日本の話に翻案した上演は何度も行なわれて来たように記憶しています。失敗と判断するには上演回数が多いように思うんですが (^-^;)。

〉ヘンリク・イプセンの戯曲をアーサー・ミラーが英語文化圏の話に翻案した作品もありますね。僕はTV映画になったのを観ただけですが、失敗作ではなかったと思います。

それは「翻案」ですね。一つの物語を時代や場所を置き変えて作り直すのはよくあることです。
しかしシェイクスピアは「置き換え」なしでいろんな演じ方が出来るんです。「NINAGAWAマクベス」は日本ものの衣装で演じますが、固有名詞はそのままです。安土桃山時代を基調とした衣装でマクベスとダンカンとかバンクォーとかいう名前なんです。そしてバーナムの森は桜吹雪で、兵士が持つ木の枝は満開の桜。

〉〉しかしシェイクスピアはどんなに時代や国を越えた表現でも成り立つんです。それは時代や国にしばられない普遍的な人間の姿が、他の芝居よりもずっとはっきり表現されているからです。

〉うーん。シェイクスピアのどんな作品でもそうなんでしょうか? イタリアものは、ラテン的、それに近い雰囲気の設定に限定されると思うんですが。

もともとほとんどセットのない状態で行われた芝居ですから、場所を限定する雰囲気は薄いです。ラテン色があったとしても、それを強く出しても消してしまっても演じることができます。
シェイクスピアを見ると結局時代の雰囲気や背景を越えた人物像が印象に残ることが多いです。

リア王は口のうまい娘にコロっとだまされ、おべっかを言えない末の娘を誤解してしまいますが、そういうことは現代でも起こりうることです。二人の姉に締め出されて荒野をさまようリア王は、王らしく堂々と演じてもいいですが、私は「風よ吹け!雨よ降れ!」と叫んでいる様を見て「あほなおっちゃんやなあ〜、こんな娘にだまされて…」と思いました。
シェイクスピアは「翻案」しなくても、遠い国の遠い時代の出来事としてではなく、普遍的な人間の姿を見せてくれるんです。それをシンプルな衣装やセットで見せることも出来ますし、時代設定に沿ってリアルなセットを組んで当時の雰囲気たっぷりに演じることもできます。つまりそこが「なんでもあり」で上演できるということです。

〉シェイクスピアと音楽について書きたいことが少しあるので、それは音に関する掲示板の方に書こうと思います。

見ましたよー。またもや私にエサを撒いているような投稿。私、中世〜ルネサンスの音楽、好きなんです。

とりあえずこのへんにしておきます…。


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2079. Re: まだまだハムレット

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/21(11:09)

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杏樹さん、もう少し教えて下さい。

『蜘蛛巣城』や West Side Story のような翻案も僕は好きなんですが、今回は翻訳上演の話に限定しますね。

さまざまな演出の可能性を探ることに大きな意味があることは僕も認めます。ケルト風のマクベスやリア王などを期待しています。その上で、もう少し教えていただきたいのです。

安土桃山風の衣装や舞台装置というのは、シェイクスピアと同時代の日本ということですね。古典劇に近い雰囲気で、日本語での上演に伴いやすい違和感も少なくできます。時代を超えた表現の例になるのでしょうか。

シェイクスピアのイタリアものを英語や日本語で上演した例で、ラテン色を消しても成功した例は、どのくらいあるのでしょうか? (翻案は別ですよ。)

リア王に権力者の老害を読み取ることはできるし、現代風の翻案では成功例もあるようですが、翻訳の範囲内で現代風の衣装や舞台装置という例はどのくらいあるのでしょうか。ロシア語版の映画は良くできてきましたが、現代風ではなかったです。

教えていただきたいことは以上ですが、お時間のあるときに、別のスレッドでも結構です。

A Midsummer Night's Dream のミュージカル版、僕が観たのは、すぎやまこういちさんの作曲による上演でした。劇の途中で緞帳をおろさず、街の中も森の中も同じ舞台装置に手作業で細工するだけという方法で、最終幕の劇中劇も省略せずに行なっていました。


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2080. ひたすらシェイクスピア

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/22(01:18)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉杏樹さん、もう少し教えて下さい。

…終わらない…。

〉さまざまな演出の可能性を探ることに大きな意味があることは僕も認めます。ケルト風のマクベスやリア王などを期待しています。その上で、もう少し教えていただきたいのです。

そういえば「ケルト色」の舞台って見たことないような。

〉安土桃山風の衣装や舞台装置というのは、シェイクスピアと同時代の日本ということですね。古典劇に近い雰囲気で、日本語での上演に伴いやすい違和感も少なくできます。時代を超えた表現の例になるのでしょうか。

あまり具体的なセットではありませんでした。印象的なのは大きな仁王像が数体置いてある場面でした。あとは割合抽象的な空間が多かったです。マクベス夫人がチェロを弾いたりしてました。
蜷川幸雄は一時和風の演出を好んでいたようです。和風の「リア王」もありましたし、佐渡の能舞台をイメージしたセットを作って「テンペスト」をやったこともあります。

〉シェイクスピアのイタリアものを英語や日本語で上演した例で、ラテン色を消しても成功した例は、どのくらいあるのでしょうか? (翻案は別ですよ。)

ラテン系の演目とはどんなものを想定していますか?
むしろあまりラテン系を感じるような芝居は少ないように思いますが…。
シェイクスピアの芝居は現在では詳しい時代考証に基づいた衣装やリアルで具体的なセットを作るよりも、自由な発想でどこの国ともどこの時代とも言えないような衣装やセットで演じることが多いです。そういうところが時代や国の設定に縛られない自由な上演方法ができる、という意味です。

〉リア王に権力者の老害を読み取ることはできるし、現代風の翻案では成功例もあるようですが、翻訳の範囲内で現代風の衣装や舞台装置という例はどのくらいあるのでしょうか。ロシア語版の映画は良くできてきましたが、現代風ではなかったです。

上で述べましたように、シェイクスピアは具体的な時代設定を定めないで上演することが多く、はっきりと「現代に移した」コンセプトではなく単に衣装が現代風だった、と言うだけのことが多いです。ですからチラシやポスターでもわざわざ「現代に移して上演」とかいうことは書きません。
リア王なら全くセットのない舞台で、衣装も飾り気のないシンプルなもので上演したのを見たことがあります。だからこそいっそう「あほなおっちゃん」ぶりが際立って感じられました。

宝塚でやった「ロミオトジュリエット'99」も、特に現代という設定に移した上演を目指したわけではありませんが、衣装がほとんど現代的でした。ロミオはタイツではなくシャツにズボン。ジュリエットはお嬢さま風の白いドレスですが、ひざ丈。ジュリエットの母親はロングドレスですが、現代のカクテルドレスのような細いシルエットでしたし、マーキューシオは迷彩服で、ケンカにはやる若者のイメージを表していました。
藤原竜也の「ロミオとジュリエット」は金網やフェンスを使ったセットで現代風でした。最近ではタイツ姿のロミオって見ませんね。

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの来日公演「オセロー」は、オセローが将軍であることからか、現代の軍隊の基地のような雰囲気でした。衣装も完全に現代ものもでした。登場人物はカーキ色の軍服を着てました。その中で違和感を感じさせないギリギリのところで「オセロー」を成り立たせていました。
そのあたりは俳優の力量も大きいです。演技に説得力があれば舞台に引き込まれて納得できてしまいます。

これが喜劇になるとますます奔放な演出が行われ、「なんでもあり」の状態になります。「夏の夜の夢」ではアセンスの若者たち、妖精の世界、村芝居の人たち、とイメージを分けるためにそれぞれ違うコンセプトの衣装を用意することもあります。

〉A Midsummer Night's Dream のミュージカル版、僕が観たのは、すぎやまこういちさんの作曲による上演でした。劇の途中で緞帳をおろさず、街の中も森の中も同じ舞台装置に手作業で細工するだけという方法で、最終幕の劇中劇も省略せずに行なっていました。

すぎやまこういちですか。ドラクエの…。そんなのがあったのなら見てみたかったです。

それではこのへんで…。


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2081. Re: ひたすらシェイクスピア

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/23(08:02)

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杏樹さん、ご教示ありがとうございました。

僕がイタリアものと呼んでいるのは、イタリアを舞台にした Romeo and Juliet や Two Gentlemen of Verona、The Merchant of Venice、Much Ado about Nothing、Othelo などです。ほかにもまだあるかも知れません。

ただし Othelo は主人公が北アフリカ出身で、軍隊内や夫婦間の人間関係が中心になるので、イタリア風にしなくても成立するようですね。

The Tempest の登場人物はほとんどがイタリア人ですが、場所は妖精の住む孤島に設定してあり、ファンタジー色も強いので、あまりイタリア・ラテン風にしなくても成り立つようです。

和風の演出は日本語の台詞と相性が良いのだと思います。「テンペスト」は、すでに申し上げたように、ミラノの公爵で魔法使いでもある人物が追放され、孤島で暮らしているという設定ですが、能の様式を確立した世阿弥が佐渡へ流されたことと重ねて蜷川さんは演出したのかもしれませんね。(世阿弥は魔法使い?)

シェイクスピアの戯曲は、As You Like It など場所を特定できない例外もありますが、かなり多くは、地球上のどこが舞台なのか、人物たちがどこ出身なのかを、台詞に出てくる地名で分かるようになっています。観客を遠い世界へ連れて行ってくれるような疑似体験として上演されていたのではと僕は感じているんですが、最近の舞台上演では、そういう効果をあまり重視していない様ですね。

ありがとうございました。今後もいろいろ教えて下さい。


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2082. Re: ひたすらシェイクスピア

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/25(00:04)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉僕がイタリアものと呼んでいるのは、イタリアを舞台にした Romeo and Juliet や Two Gentlemen of Verona、The Merchant of Venice、Much Ado about Nothing、Othelo などです。ほかにもまだあるかも知れません。

シェイクスピアの場合、イタリアものと言っても実際のイタリアを描いたと言うより、単に地名として出てくるだけ程度の内容なので、イタリアらしさを強調してもしなくても成り立ちます。

〉和風の演出は日本語の台詞と相性が良いのだと思います。「テンペスト」は、すでに申し上げたように、ミラノの公爵で魔法使いでもある人物が追放され、孤島で暮らしているという設定ですが、能の様式を確立した世阿弥が佐渡へ流されたことと重ねて蜷川さんは演出したのかもしれませんね。(世阿弥は魔法使い?)

確かにそうですね。佐渡とプロスペローの流された孤島が重なります。世阿弥までは思いつきませんでしたが…。

〉シェイクスピアの戯曲は、As You Like It など場所を特定できない例外もありますが、かなり多くは、地球上のどこが舞台なのか、人物たちがどこ出身なのかを、台詞に出てくる地名で分かるようになっています。観客を遠い世界へ連れて行ってくれるような疑似体験として上演されていたのではと僕は感じているんですが、最近の舞台上演では、そういう効果をあまり重視していない様ですね。

地名は「出てくるだけ」で、その土地を特定するような、物語の場所を限定するような描写には乏しいです。シェイクスピアの時代はイタリアの地名が出てくるだけでエキゾチックなイメージがかきたてられたのかもしれません。

やはり最近の演出ではシェイクスピアが遠い世界のお話ではなく、普遍的な人間の感情や行動を描いていることを感じさせることが多いです。私はシェイクスピアにはこうした舞台で触れてきたためか、「古典」というイメージがあまりありません。シェイクスピアが古典とか、難しいとかいうのを聞くと「?」状態になります。


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2083. Re: ひたすらシェイクスピア

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/25(07:50)

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杏樹さんの投稿は情報量が多く、考えさせる内容が多いですね。

〉シェイクスピアの場合、イタリアものと言っても実際のイタリアを描いたと言うより、単に地名として出てくるだけ程度の内容なので、イタリアらしさを強調してもしなくても成り立ちます。

すみませんが、これは理解できません。シェイクスピアの戯曲、原文ではイタリア以外の場所に設定された作品でも台詞はみんなイタリア風だし、明らかにイタリア人と分かる名前の人物は脳天気だったり血気盛んだったりして、芝居として成り立ちやすいと僕は感じています。(本当のイタリア風というより、英国の人から見てのイタリア風かもしれませんが。)

〉確かにそうですね。佐渡とプロスペローの流された孤島が重なります。世阿弥までは思いつきませんでしたが…。

能とシェイクスピアでは、ほかにも類似点がいくつかあります。能にも地名が織り込んであることが多いです。いくつかの作品に幽霊が登場することも似ています。

〉地名は「出てくるだけ」で、その土地を特定するような、物語の場所を限定するような描写には乏しいです。シェイクスピアの時代はイタリアの地名が出てくるだけでエキゾチックなイメージがかきたてられたのかもしれません。

すいませんがこれも理解できませんでした。A Midsummer Night's Dream であればアテネと近くの森で話が展開し、ギリシャ神話的な世界が期待されます。結果的にギリシャ神話というより妖精たちの世界になってしまったのは誤算かも知れませんが、異教的な世界を見せたかったのだと思います。

〉やはり最近の演出ではシェイクスピアが遠い世界のお話ではなく、普遍的な人間の感情や行動を描いていることを感じさせることが多いです。私はシェイクスピアにはこうした舞台で触れてきたためか、「古典」というイメージがあまりありません。シェイクスピアが古典とか、難しいとかいうのを聞くと「?」状態になります。

最近の日本で行なわれている演出で、日本の観客に理解しやすい側面を前面に出そうとするのは賛成です。いろいろな解釈があって、普遍性に注目する方法は必須だと思います。ほかに色々あっても良いと思いますが。

古典ときいて中世やルネサンスの音楽や、バッハをモーツァルトの音楽を連想する人もいます。モーツァルトの音楽を聴いて、分かりやすく楽しいと感じる人もいるし、実際に演奏してみると近代の作品より難しいと感じる人もいます。そういう古典の中にシェイクスピアを入れてもそんなにおかしくないと思います。

モーツァルトの例が典型的だと思いますが、古典にはある種の分かりやすさもあります。僕はシェイクスピアより前の時代の作品や、19世紀の英文学も読みましたが、複雑さという点では19世紀後半から20世紀初頭が最も難解で、時代が溯るほど理解しやすいと感じています。


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2090. Re: ひたすらシェイクスピア

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/27(00:30)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉〉シェイクスピアの場合、イタリアものと言っても実際のイタリアを描いたと言うより、単に地名として出てくるだけ程度の内容なので、イタリアらしさを強調してもしなくても成り立ちます。

〉すみませんが、これは理解できません。シェイクスピアの戯曲、原文ではイタリア以外の場所に設定された作品でも台詞はみんなイタリア風だし、明らかにイタリア人と分かる名前の人物は脳天気だったり血気盛んだったりして、芝居として成り立ちやすいと僕は感じています。(本当のイタリア風というより、英国の人から見てのイタリア風かもしれませんが。)

私は日本語の舞台と戯曲しか知りませんので、原文のセリフがイタリア風になっているというところまではわかりません。
私が感じた範囲では、イタリアの情景を詳しく描写したり、当時のイタリアでないと成り立たない展開だったり、ということはあまりないように思いました。シェイクスピア自身もリアルなイタリアを書こうとしたわけではなく、イメージの世界のイタリアを書いたように思います。ですから、イタリアらしさを強調するように演じることも、場所を特定しないような演じ方をすることもできるわけです。

〉〉地名は「出てくるだけ」で、その土地を特定するような、物語の場所を限定するような描写には乏しいです。シェイクスピアの時代はイタリアの地名が出てくるだけでエキゾチックなイメージがかきたてられたのかもしれません。

〉すいませんがこれも理解できませんでした。A Midsummer Night's Dream であればアテネと近くの森で話が展開し、ギリシャ神話的な世界が期待されます。結果的にギリシャ神話というより妖精たちの世界になってしまったのは誤算かも知れませんが、異教的な世界を見せたかったのだと思います。

「アテネ」は日本語では英語読みの「アセンズ」と訳されるので、まずそこでギリシアのイメージが弱まってしまうんです。それに当時ギリシア風の服装ではなくシェイクスピアの時代の服装で演じられていたことも考えられます。アテネやギリシアと言いつつ、違う時代や場所の衣装やセットで演じても問題はありません。
ギリシア古典劇だと神託や神々は神聖で重要なものであり、それらが重要な意味を持ったり登場人物の行動や思想に大きく影響を与えますが、「夏の夜の夢」ではギリシアの神々や神託はそこまで大きな役割はしていません。
Ryotasanのおっしゃるとおり、妖精の世界になってしまったことに問題があるでしょう。しかもそれはケルト的な妖精なので、異教的世界と言ってもギリシア的世界とは離れてしまいました。
ボトムたちなどは、シェイクスピアの時代にイギリスの村でイベント的にお芝居をやっていた村人たちがいたことを髣髴させます。

〉〉やはり最近の演出ではシェイクスピアが遠い世界のお話ではなく、普遍的な人間の感情や行動を描いていることを感じさせることが多いです。私はシェイクスピアにはこうした舞台で触れてきたためか、「古典」というイメージがあまりありません。シェイクスピアが古典とか、難しいとかいうのを聞くと「?」状態になります。

〉古典ときいて中世やルネサンスの音楽や、バッハをモーツァルトの音楽を連想する人もいます。モーツァルトの音楽を聴いて、分かりやすく楽しいと感じる人もいるし、実際に演奏してみると近代の作品より難しいと感じる人もいます。そういう古典の中にシェイクスピアを入れてもそんなにおかしくないと思います。

そういう「古典」ならシェイクスピアもはいりますね。

〉モーツァルトの例が典型的だと思いますが、古典にはある種の分かりやすさもあります。僕はシェイクスピアより前の時代の作品や、19世紀の英文学も読みましたが、複雑さという点では19世紀後半から20世紀初頭が最も難解で、時代が溯るほど理解しやすいと感じています。

確かに…。時代が下るほど難解になったり理屈っぽくなったりということはありますね。不条理劇などは現代の産物ですし。


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2091. Re: ひたすらシェイクスピア

お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/1/27(08:56)

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杏樹さん、おはようございます。

長くなりましたが、多読をする人にとって何らかの参考になりそうな感じもあるので、もう少し続けます。

シェイクスピアの作品を日本語で上演するばあい、出演者も日本人ですから、無理にイタリア風の演出をするより、日本人から見て普遍的に思える要素を強調した方が、演劇としてうまくいくということのようですね。台本も、Athensを「アテネ」とせずに、あえて英語風にすることで、地方色を隠したりすることもあるのですね。

ただ、シェイクスピアのイタリア的、あるいはラテン的な側面は、わざわざ原文を読まなくも感じることはできます。

たとえば Romeo and Juliet です。この作品の graded reader で表紙の写真にも使われている有名な映画の監督はイタリア人で、音楽を担当した作曲家もイタリア人です。主題曲もどことなくイタリア風でした。

90年代になってこの戯曲はまた映画化され、今度はメキシコで撮影されたので、全体にラテン風の雰囲気がみなぎっていました。冗談ですが、ロミオを演じている俳優さんの名前も、まるでイタリア人の様な名前でした。

ほかにも、映画化にあたって、イタリアで撮影された作品はいくつかあるようです。

イタリアから遠い北欧を舞台にした Hamlet でさえ、最初に登場する人たちはイタリア人のようです。その中の一人は最後まで登場して、事件の目撃者となります。イングランドの観客たちは、イタリア人に案内されてデンマークへ旅するのです。

又、僕が注目しているイタリア風とかギリシャ風の要素は、本当のイタリア風やギリシャ風と言うより、当時の英国人から見た範囲のギリシャ風やイタリア風であることも事実です。アテネの市民社会を描くつもりで、イングランドの村人たちの素人演劇になってしまったり、神々を描くつもりで妖精たちの話になっています。マクベスほどケルト的ではないと思いますが、ウェールズやアイルランドの話のように演出してもおかしくはないでしょうね。(ただ、ロンドンの近くという設定では難しいかもしれません。)

僕たちは東京や大阪のような大都市から遠いところに住んでいるので、生の舞台を観る機会は少ないです。演劇鑑賞会も、個人では入会できません。東京まで芝居を見に行くとすれば1日がかり、あるいは泊まりがけということになり、劇場は観光コースのようなものです。

シェイクスピア時代にも、僕たちのようなお上りさんたちがロンドンの劇場で芝居を観たのかも知れません。せっかく国際都市まで来たんだから、芝居も長いのを観たいとか思ったかも知れません。

これは、新幹線や高速道路を利用して「東京」ディズニーランドへ行った人が、ヨーロッパ風の城や、ミシシッピ川の蒸気船を真似た観光船や、ニューオーリンズ風のジャズを演奏する楽士さんたちを目の当たりにする体験と似たようなものかもしれません。


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2095. Re: ひたすらシェイクスピア

お名前: 杏樹
投稿日: 2007/1/28(00:51)

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Ryotasanさん、こんにちは。

〉長くなりましたが、多読をする人にとって何らかの参考になりそうな感じもあるので、もう少し続けます。

すでに開き直ってたりして…。時々あるんです、某aさんと歴史の話を始めたときとか、いつまでもレスをつけて、タイトルが縦になっていって…。

〉シェイクスピアの作品を日本語で上演するばあい、出演者も日本人ですから、無理にイタリア風の演出をするより、日本人から見て普遍的に思える要素を強調した方が、演劇としてうまくいくということのようですね。台本も、Athensを「アテネ」とせずに、あえて英語風にすることで、地方色を隠したりすることもあるのですね。

そういうことですね。
特に日本では蜷川幸雄が有名で、シェイクスピアをたくさん上演しており、いずれも原設定の舞台をほとんど無視して独自の世界を作っているので、日本の演劇界に与えた影響は大きいと思います。
また20世紀末ごろには東京のグローブ座で「グローブ座カンパニー」の公演がよく行われていまして、「カンパニー」と言っても劇団方式ではなくプロデュース方式ですが、おもしろい演出のシェイクスピアを上演していました。なにしろ名前の通りシェイクスピアの上演のために作られた劇場ですから、シェイクスピアの演じ方としてはこれも影響が大きかったと思います。
私は関西に来た公演しか見ていませんが、上杉祥三が全身緑に塗って妖精パックを演じて、舞台を引っ掻き回して死ぬほど笑わせてくれたことなどが印象に残っています。

〉ただ、シェイクスピアのイタリア的、あるいはラテン的な側面は、わざわざ原文を読まなくも感じることはできます。

…やっぱり戯曲を読むより舞台優先なので、演出に左右されてしまってるかもしれません。上でも書いたとおり、戯曲だけ読むと言うことはなくて、舞台を見て面白かった、よかった時に気が向いたら舞台を思い出しながら読んでるだけですので…。

〉たとえば Romeo and Juliet です。この作品の graded reader で表紙の写真にも使われている有名な映画の監督はイタリア人で、音楽を担当した作曲家もイタリア人です。主題曲もどことなくイタリア風でした。

ゼフィレッリ監督で、オリビア・ハッセーが出てた映画ですか?(GRは見てないので…)
私はこれが「ロミオとジュリエット」初体験でした。昔、ビデオも普及していない時代、2本立ての名画座がありまして、そこで見たんです。(封切じゃありませんよ)。パンフレットも持ってます。時代考証がちゃんとしていて、でも若くてみずみずしいロミオとジュリエットが公開当時は新鮮だったそうですが。

〉90年代になってこの戯曲はまた映画化され、今度はメキシコで撮影されたので、全体にラテン風の雰囲気がみなぎっていました。冗談ですが、ロミオを演じている俳優さんの名前も、まるでイタリア人の様な名前でした。

これは見てません。

〉ほかにも、映画化にあたって、イタリアで撮影された作品はいくつかあるようです。

〉イタリアから遠い北欧を舞台にした Hamlet でさえ、最初に登場する人たちはイタリア人のようです。その中の一人は最後まで登場して、事件の目撃者となります。イングランドの観客たちは、イタリア人に案内されてデンマークへ旅するのです。

当時はイタリアが流行最先端だったのかもしれません。それでイタリアを意識した芝居作りになったんだったりして…。

〉又、僕が注目しているイタリア風とかギリシャ風の要素は、本当のイタリア風やギリシャ風と言うより、当時の英国人から見た範囲のギリシャ風やイタリア風であることも事実です。アテネの市民社会を描くつもりで、イングランドの村人たちの素人演劇になってしまったり、神々を描くつもりで妖精たちの話になっています。マクベスほどケルト的ではないと思いますが、ウェールズやアイルランドの話のように演出してもおかしくはないでしょうね。(ただ、ロンドンの近くという設定では難しいかもしれません。)

〉僕たちは東京や大阪のような大都市から遠いところに住んでいるので、生の舞台を観る機会は少ないです。演劇鑑賞会も、個人では入会できません。東京まで芝居を見に行くとすれば1日がかり、あるいは泊まりがけということになり、劇場は観光コースのようなものです。

それは残念です。でも地方都市でも市民会館があって、移動公演が来たりすることがありませんか?
私はおっかけでいくつか地方都市の市民会館や公民館をまわったことがあります。ハコもの行政で槍玉に挙げられそうなピカピカ豪華なものから、年数がたってガタがきていて、スポットライトの数も足りないような貧相な会館までいろいろ見ました。(なんで雑談を広げてしまうんだろう…)

〉シェイクスピア時代にも、僕たちのようなお上りさんたちがロンドンの劇場で芝居を観たのかも知れません。せっかく国際都市まで来たんだから、芝居も長いのを観たいとか思ったかも知れません。

そうかもしれません。想像すると面白いですね。

〉これは、新幹線や高速道路を利用して「東京」ディズニーランドへ行った人が、ヨーロッパ風の城や、ミシシッピ川の蒸気船を真似た観光船や、ニューオーリンズ風のジャズを演奏する楽士さんたちを目の当たりにする体験と似たようなものかもしれません。

なるほど。

といったところで、このへんで…。


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