[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/11/25(19:33)]
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お名前: 泊義 http://d.hatena.ne.jp/hakugi/
投稿日: 2006/4/9(16:21)
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こんにちは。泊義(ハクギ)です。 世界文学の英訳本について、どなたかご教示いただければと思い 投稿いたします。 最近、世界文学のリトールド版がお気に入りです。 ただ、リトールド版は、Penguin ReadersやOxford Bookwormsや Macmillan ReadearsやBlack Catや洋販ラダーなどにありますが、 それほど世界文学を網羅して収録しているわけではないようです。 そこで、世界文学の英訳本について、知りたく思った次第です。 世界文学の英訳本を読むことは、私にとって次のような利点がある のではなかろうか?と考えております^^。 ・日本語訳ではわざわざ読む気が起こらなかったような世界文学も 読む機会が増える(よって、文学の教養も深まる?)。 ・以前日本語訳で楽しんだ世界文学の諸作品と、再び巡りあえる (初読時の感動を思い出したり、今と昔の読後感の違いをしんみり 味わったりできるかも^^;)。 ・ヨーロッパ文学の場合、日本語訳で読むより英訳で読んだ方が 原文に近い味わいがある(と思われる)。 ・英米文学作品を英語原文で読むより、ヨーロッパ文学の英訳版の 方が、特に最近英訳されたものの場合、読みやすい(気がする)。 ・読んで損はない作品・読むべき作品が多いはずなので、多読の モチベーションも上がる(のではなかろうか)。 というわけで、世界文学の英訳本の情報を収集しております。 酒井先生の『快読100万語!』に、Puffin Books(Puffin Classics) やPenguin Books(Penguin Classics)について書かれていたかと 思いますが、「岩波文庫赤帯の英語版」に相当するものには、他に どんなものがあるのでしょうか? 例えば、ドストエフスキーの『罪と罰』をamazonで検索してみると、 (著者:"Dostoyevsky"、タイトル:"Crime and Punishment"、で検索) ・「Oxford World's Classics」 ・「Vintage Classics」 ・「Dover Thrift Editions」 ・「Penguin Classics」 ・「Signet Classics (Paperback)」 ・「Konemann Classics」 … と、たくさんのシリーズから英訳本が出ているのがわかります。 ドストエフスキー『罪と罰』の日本語訳にも岩波文庫版や 新潮文庫版があるようなものかと思われます。 でも、それぞれのシリーズの特徴が私にはよくわからないのです^^;)。 一番知りたいのは、完訳なのか抄訳なのか、です。 他に、定評あるシリーズ、読みやすい英訳者、などについても 知ることができれば、と思っています。 雑然としてきましたので、まとめます。 ・世界文学の英訳シリーズには、どのようなものがあるのか。 ・各シリーズの特徴(完訳か抄訳か、など)。 ・定評あるシリーズ、読みやすい英訳者、などの情報。 以上、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、 教えていただけると幸いです。 泊義(ハクギ)
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1539. WORDSWORTH CLASSICS(安い・薄い世界文学のシリーズ)
お名前: momiji
投稿日: 2006/4/12(18:07)
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こんにちは。泊義さん。
momijiです。
私も、世界文学には非常に興味があって、
ゆくゆくは読んでいきたいなと思っています。
今のところ、児童文学で読みたい本がたくさんあるので、
なかなかたどりつけませんが・・・。
"泊義"さんは[url:kb:1538]で書きました:
〉世界文学の英訳本について、どなたかご教示いただければと思い
〉投稿いたします。
〉・各シリーズの特徴(完訳か抄訳か、など)。
少なくとも、WORDSWORTH CLASSICSシリーズは、
表紙に、「complete and unabiridged」と書いてあれば、
完訳だと思います。
ちなみに、このシリーズは、安い(525円!)のと薄い(軽い)ので、
私のお気に入り(通勤時のお供にぴったり)です。
字がちいさく詰まっているのが欠点でしょうね。
(安い・薄い→字が小さい、詰まってるという関係ですけどね)
ジュンク堂池袋店でみかけました。
amazon.co.jpでも売っています。
〉例えば、ドストエフスキーの『罪と罰』をamazonで検索してみると、
〉(著者:"Dostoyevsky"、タイトル:"Crime and Punishment"、で検索)
これも、WORDSWORTH CLASSICSにありました。
泊義さんが期待されているものとは若干異なって、
特定の作品の完訳版を探すときのテクニックですが、
参考になるかと思い、投稿しますね。
「Heidi(アルプスの少女ハイジ:元はドイツ語)」の
完訳はないか探したときの経験です。
どうやら、ヨーロッパ圏の言語間の翻訳は
言語間の類似度が高いということもあって、
翻訳は簡単なことと思われがちで、
翻訳者へのrespectが低かったみたいです。
そのため、翻訳者の名前が出版された本に書いてないという
ことも多いようです。
私の手元にあるHeidiにも翻訳者が記載されていないものがあります。
というわけで、必ずしも翻訳者が誰かわからないかもということが1つ。
#逆に、日本の場合は、
#ヨーロッパ圏の言語(英語など)から日本語などの
#翻訳は難しいと思われているため、
#翻訳者は大変respectされてます。
#そこで、誰が翻訳したかが重要だと思われているので
#必ず翻訳者の名前が記載されています。
あと、私が完訳版を探したときに使ったテクニックは、
・complete and unabiridged などが書いてあるかどうかチェック
(amazon.comの表紙画像、中身一部閲覧などを利用)
・amazon.comで翻訳者の名前がわかるかどうかチェック
(書誌データ、表紙画像、explore: Copyrightなど)
・amazon.comのtext statsの総語数(Number of Words)をチェック
(注:text stats がない本も多いです。)
・amazon.comの中身が一部閲覧できるようなら、
Copyright, Table of Contents、最初のページなどを見る
・http://www.gutenberg.org/catalog/(著作権の切れた文学作品の全文があるサイト)
を検索して、ヒットしたら、全文をダウンロードして、
↑にあげた書誌データや総語数、最初のページなどの情報を一通りチェック
これらの情報を総合的に使って、完訳かどうか判断しました。
たとえば、総語数がわかれば、
万の単位で語数が多ければ、より完訳に近いだろうと判断するとか
が可能ということです。
Heidiの場合、7万語のものや9万語のものがありました。
これもHeidiの例ですが、WORDSWORTH CLASSICSシリーズであれば、
表紙にcomplete and unabiridgedが印字されていたのと、
text statsをみると91,831語あったというので、
これが完訳版だろうと判断しました。
で、ほかのシリーズで同じ内容かどうかは、
text statsやTable of Contentsや、最初のページを見たりして、
ははーん、これとこれは同じやつだなと判断したというしだい。
〉以上、どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、
〉教えていただけると幸いです。
というわけで、参考になれば幸いです。
それでは、Happy Reading!
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1541. Re: WORDSWORTH CLASSICS(安い・薄い世界文学のシリーズ)
お名前: 泊義 http://d.hatena.ne.jp/hakugi/
投稿日: 2006/4/13(23:40)
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momijiさん、こんにちは。 泊義です。 〉私も、世界文学には非常に興味があって、 〉ゆくゆくは読んでいきたいなと思っています。 〉今のところ、児童文学で読みたい本がたくさんあるので、 〉なかなかたどりつけませんが・・・。 私も世界文学をまだ読めるレベルではないのですが、日本語訳で馴染んだ ものから読んでいくつもりでおります^^;)。 〉〉・各シリーズの特徴(完訳か抄訳か、など)。 〉少なくとも、WORDSWORTH CLASSICSシリーズは、 〉表紙に、「complete and unabiridged」と書いてあれば、 〉完訳だと思います。 〉ちなみに、このシリーズは、安い(525円!)のと薄い(軽い)ので、 〉私のお気に入り(通勤時のお供にぴったり)です。 〉字がちいさく詰まっているのが欠点でしょうね。 〉(安い・薄い→字が小さい、詰まってるという関係ですけどね) 〉ジュンク堂池袋店でみかけました。 〉amazon.co.jpでも売っています。 なるほどー。WORDSWORTH CLASSICSシリーズは、初めて知りました。 「二長一短」といったところですね^^。 ぜひ、書店で手にとって、字の大きさ・字の詰り具合を見たいと 思います。 〉泊義さんが期待されているものとは若干異なって、 〉特定の作品の完訳版を探すときのテクニックですが、 〉参考になるかと思い、投稿しますね。 〉「Heidi(アルプスの少女ハイジ:元はドイツ語)」の 〉完訳はないか探したときの経験です。 〉どうやら、ヨーロッパ圏の言語間の翻訳は 〉言語間の類似度が高いということもあって、 〉翻訳は簡単なことと思われがちで、 〉翻訳者へのrespectが低かったみたいです。 〉そのため、翻訳者の名前が出版された本に書いてないという 〉ことも多いようです。 〉私の手元にあるHeidiにも翻訳者が記載されていないものがあります。 〉というわけで、必ずしも翻訳者が誰かわからないかもということが1つ。 〉#逆に、日本の場合は、 〉#ヨーロッパ圏の言語(英語など)から日本語などの 〉#翻訳は難しいと思われているため、 〉#翻訳者は大変respectされてます。 〉#そこで、誰が翻訳したかが重要だと思われているので 〉#必ず翻訳者の名前が記載されています。 「翻訳」という仕事に関する認識の違いは、大変興味深いですねー。 〉あと、私が完訳版を探したときに使ったテクニックは、 〉・complete and unabiridged などが書いてあるかどうかチェック 〉(amazon.comの表紙画像、中身一部閲覧などを利用) 〉・amazon.comで翻訳者の名前がわかるかどうかチェック 〉(書誌データ、表紙画像、explore: Copyrightなど) 〉・amazon.comのtext statsの総語数(Number of Words)をチェック 〉(注:text stats がない本も多いです。) 〉・amazon.comの中身が一部閲覧できるようなら、 〉Copyright, Table of Contents、最初のページなどを見る 〉・http://www.gutenberg.org/catalog/(著作権の切れた文学作品の全文があるサイト) 〉を検索して、ヒットしたら、全文をダウンロードして、 〉↑にあげた書誌データや総語数、最初のページなどの情報を一通りチェック 〉これらの情報を総合的に使って、完訳かどうか判断しました。 非常に具体的かつ実践的で、とても参考になります。 完訳か抄訳かを見分けるために「著作権の切れた文学作品の全文が あるサイト」を活用するなど、私には思いも寄りませんでした^^;)。 そのシリーズ(すべて)が完訳どうか、というより、やはり各シリーズ 所収の(英訳)作品ごとに完訳か抄訳かが分かれるようですね。 よく考えたら、日本語訳の本でもそうでした^^;)。 新潮文庫にも、完訳作品も抄訳作品もありましたね。 〉それでは、Happy Reading! とてもためになる情報をご提供いただき、ありがとうございました。 今後とも、よろしくお願いいたします^^。 泊義