[掲示板: 〈過去ログ〉SSS めざせ100万語 交流の広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2024/11/27(03:46)]
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お名前: SSS英語学習研究会 酒井邦秀
投稿日: 2002/5/20(00:02)
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変な話ですが、お約束のシャドーイングについて、
投稿します。
実はこれは6月12日に書店に並ぶはずのぼくの本から
そのままカット・アンド・ペーストしたものです。
(筑摩書房に文句を言われるかな?)
それで、いろいろ疑問が出てくると思うので、質問して
くださいますか?下の解説を出発点に、いろいろ意見と
質問を交換することにしましょう!
******以下引用*************
耳からも100万語——やっぱり音がなけりゃ
ダールの作品を読んで、音の遊びを楽しめるようになるには、英語の音が体の中で動き出さなければなりません。「めざせ100万語!」は、おもにペーパーバックを読むためのプログラムですが、たいていの人の場合、読むだけでは言葉を獲得した気にはなれません。できれば聞いて話せて書けることもめざしたいものです。
この本は、話し書くためにはまず体の中に十分英語がたまっていなければならないという仮定に立っています。たまった英語をどうやって口から手から出力していくかについては、また機会をあらためて書くことにしますが、とりあえず大量の英語を吸収する必要があります。
吸収するには目と耳を使います。目から吸収する方法はすでに書いてきました。くわえて聞いてわかるようになれば、英語の吸収量が段違いに増えます。テレビ、映画、インターネットラジオなど、耳から取り入れるメディアはたくさんあるので、録音しておけば、歩きながらあるいは通勤電車の中でも耳から吸収することが可能です。
多読だけで十分?
実は「多読だけで聞くことも話すこともできるようなる」といいきっている人がいます。アメリカの言語学者で、外国語の獲得について世界で指導的な役割をはたしているスチーブン・クラッシェンという人です。大阪にある四天王寺国際仏教大学で多読指導をしているベニコ・メイソンさんはクラッシェンさんと一緒に論文も書いている人ですが、この人によるとクラッシェンさんは
Extensive Reading is not the best way. It’s the ONLY way!
と言っているそうです。つまり多読(Extensive Reading)だけで、聞き、話し、読み、書くといった、言葉のすべての面を獲得できるというのです。
ぼくはクラッシェンさんの外国語体得論はほとんどうなずけるものだと思いますが、上の断定には少々疑問があります。クラッシェンさんは、日本の英語教育が音声面で自然な英語からひどくはなれていることを考えに入れていないのではないかと思うのです。
とはいうものの、「めざせ100万語!」をある程度(数十万語)やった人の中には、聞く練習はなにもやっていないのにリスニングの力が増したという人が何人もいます。それはおもに英語を「出てきた順に理解できる」ようになったためだと思いますが、クラッシェンさんの言うことはある程度は当たっていることになります。
さらに、まだ一人だけですが、アメリカ人に「本当に多読だけしかやってないのか?」と不思議がられるほど話すことがうまくなった人もいます。これもクラッシェンさんの言い分を支持する材料です。
けれども多読だけで聞き、話せるようになるかどうか、ぼくはまだ確信が持てません。ですからその点がはっきりするまでは、多読にくわえて音の練習もやっておくことにしましょう。
教室で聞く英語の音はあまりに日本語化しています。ですから英語本来の音はあらたに覚えなおす必要があると思います。そのためにシャドーイング(shadowing)ということをやりましょう。英語を聞きながら口を一緒に動かすことで集中しやすくなり、聞く力をそだてながら、同時に話す準備ができてきます。
シャドーイングの三つの目的
シャドーイングという練習方法はもともと同時通訳の訓練で使われていたそうですが、このごろでは一般の学習者の間にもはやってきました。同時通訳の訓練では、おそらく「聞きながら訳す」準備として「聞きながら繰り返す(つまりシャドーイング)」のでしょうが、ここでは目的がちがいます。
一つは「頭のすすぎ洗い」です。わたしたちの頭の中にはすでにカタカナ英語がしみついています。カタカナ英語は日本語の音に干渉された英語の音です。シャドーイングは耳からどんどん本来の英語の音を注ぎこんで、カタカナ英語を洗い流します。
二つめの目的は英語の音の獲得です。これはすすぎ洗いと平行して起こるはずですが、カタカナ英語が洗い流されるにつれて、英語独特の音が口から出るようになります。ぼくが指導した社会人クラスでは、1日15分、1週3、4日のシャドーイングを2ヶ月くらい続けて日本語の音をずいぶん離れた人が数人います。
三番目の目的は、耳から英語を吸収することです。シャドーイングによって英語の音と綴りの関係がわかってくれば、聞くだけで大量の英語を吸収することができます。耳から吸収できる英語は多読で吸収できる英語よりも新しいと言えます。テレビやインターネット・ラジオのニュースは最新の情報を音声で伝えてくれます。いま世界のどこかで起きている事件をほぼ同時に知ることができるので、興味が続きやすく飽きません。毎日事件を追いかけているうちに大量の英語に接することになります。これは知っている語数を増やすことにもなります。
シャドーイングはどうやる?
シャドーイングは、つまりテープから聞こえてくる朗読を、そのまま影(shadow)のように声を出してついていくのです。graded readersの朗読テープは、文と文のあいだに休みを入れてありません。つまり一つの文が終わると次の文がすぐにはじまります。これについていくには、文が聞こえはじめるとすぐに聞こえた音を繰り返しはじめます。耳で次の音を聞きながら口では聞いたばかりの音を繰り返すことになります。
むずかしいと思うかもしれませんが、コツをつかむにはまず日本語でやってみます。テレビの日本語のニュースでシャドーイングをやってみてください。ちっともむずかしい作業ではないことがわかるはずです。それと同じことを英語でやってみるわけです。
朗読テープを使って
シャドーイングの材料はなんでもいいのですが、はじめやすいのは赤レベルの初級テキストを朗読したテープでしょう。全部のテキストに朗読テープがあるわけではありませんが、かなりの数があります。
「赤レベルの初級あたりが読むのにちょうどいい」という人は、まだまだこのレベルの朗読テープは聞いただけではなんのことかわからないはずです。でも、分からない方が、シャドーイングにはいい!
赤レベルの朗読テープは、語数が200語や300語とかぎられていて、しかも1分間に語程度のゆっくりした朗読なので、英語が得意な人は頭の中で和訳して、内容がわかってしまうかもしれません。これが逆に具合が悪いのです。どんな単語かわかってしまうと、頭の中で学校英語の音になおしてから繰り返してしまうからです。(ある受講生はこれを「カタカナ変換」と名付けました。)
そういう人は内容が聞き取れないくらい速い朗読で練習した方がいいでしょう。たとえばハリー・ポッターの朗読テープは相当速く、1分間に200語近く読んでいます。この速さだと、聞き取れない語が多くなって、舌がもつれ、口がまわらなくなります。すなわち、カタカナ英語に直している余裕がない!すべてをあきらめて、聞こえてくる音をわけも分からずに繰り返す・・・これがいいのです。
授業の経験では、そういう速いテープを繰り返させると、みんなとてもいい音を出すのに、「いまの英文はこれでした」といって、印刷したものを読んでもらうと、たちまち学校英語式のカタカナ英語に戻ってしまいます。
CNNもいい
英語が得意な人は、朗読テープ以外にもCNNやBBCでニュースのシャドーイングをするといいでしょう。キャスターの口元を見て口の形をまねするようにすると、カタカナ変換する癖が出にくくなります。
ただ、ニュースの内容を理解してから繰り返そうとすると、ついていけません。この段階では内容も単語も理解できなくてもいい、音を繰り返すだけだということを忘れないでください。
シャドーイングは単調
実はシャドーイングは受講生に人気がありません。続ける人が少ないのです。理解を二の次にするので、読書のようにおもしろい作業ではないのでしょう。
けれども続けた人は確実に英語の音に近づいていきます。つまり自分の出す音が「子音が耳障りに、母音が奇妙に」なります。
そのためには、しばらくは意味もわからずにごにょごにょとくりかえしていてください。そのうち、適当な時期が来たら、聞いて内容を理解することへ進みましょう。それには「文を頭から順に理解する」ことに十分慣れて、ある程度の速さ(1分間に150語くらい)で読めるようになっていなければなりません。
音のunlearn
音についても、辞書や文法とおなじように捨てなければならないことがあります。それはカタカナ英語です。耳から入ってきた音を口からそのまま出すには、頭の中でカタカナ変換することをやめなければならないのです。
カタカナ変換には無理ないと思える点もあります。生の英語の音はぼくたち日本人にはあまりに奇妙です。人間の出す音とは思えません。子音のtやkやsはひどく激しくて耳障りだし、aeやあいまい母音の音はアイウエオのどの音ともちがっていて、とてもそのまま出す気になりません。そこでどうしても言い慣れた日本語の音に置き換えて安心したくなります。
カタカナ英語にはそれなりの存在理由があるとすると、辞書や文法同様、捨てるには納得できる理論が必要です。いままでの学校英語の音が英語の実態とはかけはなれていることを得心しないと、聞こえてきた英語の「変な音」をなじんだカタカナ英語の音に直して口から出してしまいます。言い換えれば、聞こえてきた音の綴りを思い出して、それを頭の中で「読んで」しまいます。
そこで、音についてもunlearnすることにしましょう。第12講で、シャドーイングのときにいちばん気をつけることを説明します。
******引用終わり*************
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1981. Re: シャドーイングについて(ものすごく長文)
お名前: ぷぷ
投稿日: 2002/5/20(11:06)
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酒井先生、ありがとうございました!
やっと念願のシャドーイングの話だ! と喜んで読んだのですが。
正直いって、全然わかりません・・・
本からの抜粋ということなので、本が出版されて、全体を読んでから、
疑問とか出したほうがいいのでしょうかね?
え〜とまず分かりにくいのは、「じゃあ具体的に、自分はどのテープ
から始めればいいの?」ということでしょうか。
多読はとにかく全員、レベル0から始めよう!というのがわかりやすく
インパクトがあったわけです。
このサイトでも、多読パックの販売がありますけど、こういうのが
あると始めやすいですよね。
でもシャドーイングはそうではないのですね?
シャドーイングをはじめるためのテープをここで販売するというわけには
いかないのですね?
あと、多読が前提ということですが、例えば何語くらい読んでからとか
いうふうに言ってもらえると、わかりやすいです。
一応私は、今は多読で手一杯なので、まず100万語終わってからに
しようと思っています。その時には、妹の買った、ハリポタの朗読CDで
いいでしょうか?
あ・・・でもそれも、私の耳の具合によるのですよね・・・
あまりきちんとマニュアル化できることではないのかもしれません。
英語の力は個々それぞれですものねえ・・・
やっとシャドーイングについてまとまったことを書いていただいて、
嬉しさのあまりとりとめのない質問になってしまいました。
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1987. Re: シャドーイングについて(ものすごく長文)
お名前: SSS英語学習研究会 酒井邦秀
投稿日: 2002/5/20(21:00)
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〉酒井先生、ありがとうございました!
大変おそくなりました。
〉え〜とまず分かりにくいのは、「じゃあ具体的に、自分はどのテープ
〉から始めればいいの?」ということでしょうか。
2種類用意しましょうか。
むずかしいのと、やさしいのと。
むずかしい方は何でもいいです。
CNNのニュースでも、テレビの2カ国語放送でも、
ハリー・ポッターのCDでも・・・
やさしい方はなかなかありません。
やはりGRの朗読テープでしょうね。
レベル0は分速80語くらいからあります。
レベル2で120語くらいかな?
(ぼくの友人の西森さんという人がはかってくれました。
ちなみにまりあさんの測定ではハリー・ポッターは
約200wpmです。)
それで、練習の手順としては、まず日本語で、
なんでもいいですから、2,3分シャドーイングをします。
それから今度はむずかしい材料で5分くらいかなあ、
シャドーイング。こんなのとてもついていけない、と
あきらめの心境になったところでゆっくりのテープを
ていねいにシャドーイング
まあ、これが時間があるときのいちばんよいと思われる
手順ですが、全部やることはありません。特に日本語の
シャドーイングは最初のうちだけでいいでしょう。
そして、時間がなければゆっくりのテープだけでもいい。
ただ、1日15分くらい毎日2,3ヶ月やらないと
たぶん効果は感じられないんじゃないかと思います。
この点がシャドーイングが人気のない理由なんでしょうね。
内容がわかるGRの朗読テープを使えば、すこしは楽しく
やれるかもしれません。ぜひおためしを。
そうだ、大事なこと。多読が習慣または癖になっている
人だけにすすめます。シャドーイングばかりやって
多読の時間がなくなると、やっぱりまずいから。
そこで、授業では「本を読めないときだけシャドーイングを
やること」と言っています。
〉このサイトでも、多読パックの販売がありますけど、こういうのが
〉あると始めやすいですよね。
〉でもシャドーイングはそうではないのですね?
むずかしいのとやさしいのと両方をすすめたので、
わかりにくくなってしまいましたね・・・はんせー・・・
やさしい材料からはじめるということでいいのです、
本来は。でも、カタカナ英語を洗い流すために
むずかしいのもやった方が、というだけです。
〉シャドーイングをはじめるためのテープをここで販売するというわけには
〉いかないのですね?
ありえますね。ちょっと待っててください。
考えます。
〉あと、多読が前提ということですが、例えば何語くらい読んでからとか
〉いうふうに言ってもらえると、わかりやすいです。
何語くらいというよりも、上に書いたように、英語の本を
読む習慣ができてからがいいと思っています。
〉一応私は、今は多読で手一杯なので、まず100万語終わってからに
〉しようと思っています。その時には、妹の買った、ハリポタの朗読CDで
〉いいでしょうか?
むずかしい方としてはいいでしょうね。それに100万語終わって
からというのは、大賛成です。待てるものならそれの方が
いいと思いますね。
〉あまりきちんとマニュアル化できることではないのかもしれません。
〉英語の力は個々それぞれですものねえ・・・
そうなんです。それに声というのは直接聞かないと判断が
できないので、まだまだマニュアル化できていません。
上に書いたことはすべてぼくが授業中に観察したことを
「勘」でまとめたものです。その意味ではみなさんが
どんどん実験して、体験談を寄せて下さるとうれしいですね。
でも、シャドーイングはほかのどんな音声の訓練より効果が
あると思います。それは確かだと思うのだけれど、一人一人に
どんな方法が合うのか、わかっていない!ぼく自身がどう
やったかを書いて、おなじことをすすめるのだったら簡単
なんだけど、それはSSSのやり方じゃないなですからね。
みなさんがやさしいものからとにかくはじめて、経過報告を
くだされば、そこからどうしたらいいかは、ある程度言えます。
〉やっとシャドーイングについてまとまったことを書いていただいて、
〉嬉しさのあまりとりとめのない質問になってしまいました。
ぼくもシャドーイングの話がちゃんとはじまって喜んで
います。これからもなんでもいつでもどんどん聞いて下さい。
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1992. Re: シャドーイングについて(ものすごく長文)
お名前: けこけろり
投稿日: 2002/5/20(23:01)
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おーシャドーイングについてですね!ありがとうございます!!
私も最近まねごとをやっています。ネットのnprニュースで。
シャドーイングをつまらない作業かも、とおっしゃっていますが
私は結構すきですよ。nprのスピードがはやいのか遅いのかは
よくわからないけど、そして日本語のステップをふんでないけど(汗)
ただ、人がいるとやりにくい…姉にも「なんか部屋でぼそぼそ
言ってない?」といわれたし(苦笑)
ひそかに特訓をつみます。とにかく、シャドーイング、好きです!
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2024. Re: シャドーイングについて(ものすごく長文)
お名前: SSS英語学習研究会 酒井邦秀
投稿日: 2002/5/21(22:03)
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さっそくのお返事ありがとうございました。
〉私も最近まねごとをやっています。ネットのnprニュースで。
〉シャドーイングをつまらない作業かも、とおっしゃっていますが
〉私は結構すきですよ。nprのスピードがはやいのか遅いのかは
〉よくわからないけど、そして日本語のステップをふんでないけど(汗)
〉ただ、人がいるとやりにくい…姉にも「なんか部屋でぼそぼそ
〉言ってない?」といわれたし(苦笑)
〉ひそかに特訓をつみます。とにかく、シャドーイング、好きです!
ありがとー!
うれしいですーー!!
日本語もむずかしいのも、必要ない人もいます。
NPRのニュースの早さは、調べてみます。
社会人クラスの人で、シャドーイングに凝って、
同居のおばあちゃんに頭がおかしくなったかと
疑われた人がいる・・・
はまる人もいるのですよね。
Happy shadowing!
追伸 6月2日にぼくに聞かせてくれませんか?
どんな風にシャドーイングしているかを。
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1997. Re: シャドーイングについて(ものすごく長文)
お名前: メグ
投稿日: 2002/5/21(02:47)
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酒井先生こんばんわ。 メグです。 シャドーイング等、音の練習には非常に興味があります。 実はちょうどこの多読を始める直前に、あるシャドーイング実践理論を試して いたのですが、大変、大変難しかったんですよね。 まぁ、そんなに長い期間やっていたわけではないんですが。 そこで勧められていた方法は、何度も聞いて音を真似てシャドーイングする所は一緒で すが段段上達していく過程が酒井先生の方法とはおそらく全然違っているのではない かと思われます。 私がシャドーイングをやっていて難しく感じる個所は、また慣れていないために ちょっと長い文書を早く言われると追いていけない事もありましたが、何度やっても 出来ない所というのは、知らない単語、知らない表現のところだったのです。 例えばですね。「プリロォン」「〜ウェーリリーズ」みたいに聞こえてくると、頭の中 では「put it on」「-- where it is」だ。と分かるし、すぐに口でも言えるのです。 英語らしい音そのものには結構なれているつもりで、RとL、VとBなども耳では その違いをハッキリと感じとれるのですが、知らない単語、表現は、どうしてもうま く聞き取りできないので、口から再生させる事もできなかったんです。 私が言っている「聞き取りできない」とは、頭の中で、カタカナ変換ならず、スペル 変換しようとしているからではないかと思うんですよね。。 分かりますかね、なんていうか、音そのもは聞こえてるはずなんですが、フレーズ、 単語、センテンス、全てどうしても頭の中に文字を浮かべようとしてしまうというか。 上の方法とはまた少し違いますが、1年ほど前に「英語は絶対勉強するな」という本 を読んで、ひたすら音に慣れるというのをやってみた事もあります。 酒井先生が言われているのと同じように、意味を考えずに音を捕らえる練習、 シャドーイングではありませんが、耳を作るステップというのがまず最初にあって、 私も同じテープを意味を追わずにひたすら、ひたすら1日2時間づつ位、ひと月程聞いていたのですが、効果の方がイマひとつ分かりづらく、勝手に次のステップに進んで そのうちに挫折してしまいました。 ちなみに第2ステップとは、やはり意味を考えず同じテープの書き取りと音読です。 スクリプトは見てはいけないと言うのがこの本のルールでした。 私にとって、この意味を考えないでというのは、まだいいとしても、頭のなかで spellを探そうとしてしまう癖がどうしても治らなかったんです。 そして、見つからないと、どうしてもクチから言えないんですよね。 最初に書いたシャドーイング実践理論は、この耳練習の後に試した方法で、曰く、 「ほうら、なにげなく分かってるつもりでもやってみるとできないでしょう? 出来ないところはあなたの英語力の弱点ゆえに、100%きちんと頭でも理解し、 体にしみるまで練習しなさい」 という事のようでした。 これは、文法、構文理解も含んでの話です。 はー、やっぱしそうなんだぁと、それはそれで納得してしばらくやっていたんです が、その最中にこのサイトを見つけてしまって(?)一切やめてしまいました。 なんだか、情報があふれ過ぎてあれやこれやと手を出す私も私ですが、それぞれが それなりの説得力を持っていて困ってしまいます。(^^;) このサイトに出会ってからは、先ほど書いた「英語は絶対勉強するな」の考え方の方 がやっぱし本物!って思えるんですけど、1日2時間ひと月も聞き続けたのに どーしても、聞こえない所は聞こえなかったんですよねー。 いや、聞こえてはいたんですけど、再生するほど頭に残ってくれない。 多読では超・やさしいレベルから段段とレベルをあげ、分からない所は飛ばすじゃな いですか。聞くほうは飛ばしていいんでしょうか? あぁ、できないところは、飛ばそうを思うまでもなく飛んでいっちゃいますよね(笑) でも今までの経験では、聞くことに関しては色々やってみたつもりなんですけど、 何回聞いても、聴き取れない所は聴き取れなかったって感覚なんです。 同じストーリを数十回ディクテーションしても、空白のところはずっと空白。 それらしい、カタカナにさえ変換する事もできない・・トホ。 それはそれで、いいんですかね? ずっとやってるうちに、いつか分かる時が来る んでしょうか。。 そういえば中学、高校時代に私は洋楽が3度のメシより好きで、聞きまくって 一緒になってよく歌っていたんですけど、もちろん、意味なんか考えずにですよ。 リズムと音がカッコ良くてよく真似して歌っていました。 今思うと、高校時代より中学生の頃の方が耳コピーが上手だったな。 クイーンとかイーグルス、ウィングスとか(あ、年がばれる)歌詞カードも見ずに 聞こえたままによく歌っていました。 そういうのは今だに歌えます。頭に音が残っていますもんね。 意味やスペル、まったく分かりませんけど。 英語の勉強が進むうちに、段々音だけを捕らえるのが難しくなってきたように感じます。 なんだかダラダラと書いてしまってすみません。 え、まとめますと、やさしいのと、難しいのと両方やるっていう話でしたが、 易しいモノはクチ練習、難しいものは耳練習用って感じでやればいいですかね。 そんなにたくさんできるかどうかは分かりませんが、易しいものをやる時でも、 やはり意味をかんがえたりしない努力が必要ですか? そして多読と同じように、上手く出来ない所にこだわらず、ドンドンやる! 今は出来ない所もいつか出来るようになる! っていう姿勢でOKですかね? それから、長くなったついでにもうひとつ聞いてもいいでしょうか? 先生が、耳を鍛える方法としてディクテーションでなくシャドーイングを 勧めるのには発音の練習を含むという意外にどんな理由からなんでしょうか? ながながとすみませんが宜しくお願いします。
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2025. Re: シャドーイングについて(ものすごく長文)
お名前: SSS英語学習研究会 酒井邦秀
投稿日: 2002/5/21(22:32)
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メグさん、こんばんは!
〉多読では超・やさしいレベルから段段とレベルをあげ、
分からない所は飛ばすじゃないですか。聞くほうは飛ばして
いいんでしょうか?
いいです。
〉それはそれで、いいんですかね? ずっとやってるうちに、
いつか分かる時が来るんでしょうか。
「いつかわかる時が来る」っていうのは、雲をつかむみたいで
たよりないでしょ。だから、シャドーイングの過程そのものが
楽しくなくちゃいけないと思います。そこが、SSSらしい
ところで、レベル0の朗読テープからやるといいと思います。
そうやって、できれば読んでいないレベル0の朗読テープから
はじめて、耳から内容をつかむつもりでやれるといいですね。
〉今思うと、高校時代より中学生の頃の方が耳コピーが上手だったな。
〉クイーンとかイーグルス、ウィングスとか(あ、年がばれる)
歌詞カードも見ずに聞こえたままによく歌っていました。
は、ばれた。
たしかに子どもの方が耳コピーはうまいので、
ぼくはここ何年も、なんとか大人の頭を子どもの頭にする
方法はないかと考えてるんですけどね。「洗脳」とかね・・・!
〉え、まとめますと、やさしいのと、難しいのと両方やるっていう話でしたが、
〉易しいモノはクチ練習、難しいものは耳練習用って感じでやればいいですかね。
〉そんなにたくさんできるかどうかは分かりませんが、易しいものをやる時でも、
〉やはり意味をかんがえたりしない努力が必要ですか?
難しいものは、頭の中の「カタカナ英語」を洗い流すため、
やさしいものは内容を理解しつつ、音の「手触り」を写すため、
と思って下さい。
〉それから、長くなったついでにもうひとつ聞いてもいいでしょうか?
〉先生が、耳を鍛える方法としてディクテーションでなくシャドーイングを
〉勧めるのには発音の練習を含むという意外にどんな理由からなんでしょうか?
これも例の通りのSSS風で、ディクテーションは触れる量が
少なすぎるのが問題です。同じ時間があるなら、綴りを考えて
いるあいだに、もっと英語の音をシャドーイングした方が
いいというわけです。
もっともっとわからないことがあると思います。
どんどん、何度でも質問して下さい。わかる限り、わかっている
限り、お答えします。
では、Happy shadowing!
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お名前: shin
投稿日: 2002/5/21(17:40)
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酒井先生こんにちは。shinです。待望のシャドーイングの詳しい解説、ありがとうございます。
基本的なことで申し訳ありませんが、2つほど質問があります。
1.
「1日15分くらい毎日2,3ヶ月」というところなのですが、例えば、GRのテ
ープが30分以上ある時は、
(1)15分目までシャドーイングし、次の日は15分目から始めて、30分目ま
でシャドーイングする。テープが一回りしたら最初に戻る。これを2,3ヶ
月続ける。
(2)最初から15分のところまでを毎日シャドーイングする。
(3)5分くらいのところでとめて、それを一日3回15分シャドーイングする。
これを2,3ヶ月続ける。
(4)15分であればどういうやり方でもいいから2,3ヶ月続ける。
なんか出来損ないの4択ですが、どういう感じでシャドーイングをしたらよいので
しょうか。
2.
もう一つは、2,3ヶ月は同じテープで上記のようなシャドーイングをした方がよ
いのかどうかということです(ちょっと飽きてしまうように思います)。
本を替えるみたいにテープを替えるわけにはいきませんが、もし、テープを替える
としたら、どんなタイミングがいいのでしょうか(どのあたりでテープを「あがり」
にしたらよいでしょうか)。
酒井先生がいう「良い加減」というのが、読む方ではつかめてきていると思うので
すが、シャドーイングの方ではまだまだです。
私も、シャドーイングを始めたのですが、歩いているときに、10分程度のものを
繰り返しています。何となく飽きたら別のものにしています。このような感じでもい
いのでしょうか。
宜しくお願いします。
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お名前: SSS英語学習研究会 酒井邦秀
投稿日: 2002/5/21(22:51)
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shinさん、解説、遅くなりました。でも、反響は大きくて、
みなさん、多読だけなく、聞いたり話したりすることにも、
関心が高いのだなと、あらためて実感しました。しばらく、
ぼくはシャドーイング関係に専念しますから、どんどん
ご意見をお寄せ下さい。
〉1.「1日15分くらい毎日2,3ヶ月」というところなのですが、
例えば、GRのテープが30分以上ある時は、
〉 (1)15分目までシャドーイングし、次の日は15分目から始めて、
30分目までシャドーイングする。テープが一回りしたら最初に戻る。
これを2,3ヶ月続ける。
〉 (2)最初から15分のところまでを毎日シャドーイングする。
〉 (3)5分くらいのところでとめて、それを一日3回15分シャドー
イングする。これを2,3ヶ月続ける。
〉 (4)15分であればどういうやり方でもいいから2,3ヶ月続ける。
〉 なんか出来損ないの4択ですが、どういう感じでシャドーイングを
したらよいのでしょうか。
はーい、第一の質問にお答えします。が、その前に、1日15分というのは
それ以上やっちゃいけないよっていう意味ではありません。念のため。
で、上のやり方のどれでもいいと思います。shinさんがいちばん
楽に続けられそうだと思うやり方でいいんじゃないでしょうか?
〉2.もう一つは、2,3ヶ月は同じテープで上記のようなシャドーイングをした方がよ〉いのかどうかということです(ちょっと飽きてしまうように思います)。
1の質問よりこちらの方が問題かもしれませんね。飽きてしまう
ほかに、あんまりおなじテープをやりすぎると、すっかり言葉を
おぼえてしまって、そのために「カタカナ変換」(せっかく耳から
生きた英語が入ってきているのに、学校英語の音に変換してから
口に出す)が起きることがあります。
したがって、同じテープは上のことに注意して、ある程度の回数
(これはそろぞれの人が判断するしかありませんが)で、
取り替えた方がいいです。けれどもそうすると、
〉 本を替えるみたいにテープを替えるわけにはいきませんが、
テープは高い!という新たな障碍が!
でも、考えてみると、GRの朗読テープは少なくとも10回は
繰り返すと思うので、使用時間を考えると、そんなに高くもない。
と、思えれば、「あ、慣れすぎたな」というタイミングで、
次のテープにするのがいいんじゃないでしょうか。
さいわいGRのテープもちょっと前にくらべてずいぶん数が
ふえて、テープで少しずつレベルを上げていくこともやりやすく
なりました。ぜひ、やってみてください。そして、ぜひ、経過報告を!
〉 酒井先生がいう「良い加減」というのが、読む方では
つかめてきていると思うのですが、シャドーイングの方ではまだまだです。
シャドーイングもやっぱり「いい加減」がいい!
1本のテープを100%綴りがわかるまでやることはないと
思います。「飽きたら」、「カタカナ変換するようになったら」
次のテープに乗り換えましょう。
shinさんは第2ラウンド目なのだから、GRと平行して、
けこけろりさんのように、インターネット・ラジオの
ニュースをシャドーイングすることをおすすめします。
新しい言葉も身につくし、関心のあるニュースがあれば
シャドーイング自体が楽しく続けられるし、多読を実生活に
生かすことにもなるしね。
では、きょうはこのくらいで寝ます。授業が本格的に
はじまったので、このところ毎日早寝なのです。
じゃ、みなさん、Sweet dreams!
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2036. Re: シャドーイングについて(ものすごく長文)
お名前: トオル
投稿日: 2002/5/22(01:19)
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シャドーイングの話に大変興味があり、待ってました。
早速、質問させてください。
質問1
私は英語音がまだよく聞き取れていなくて、シャドーイングをやり始める前に
何回かテープを聞いてから始めた方がいいのでしょうか?
それとも何を言っている状態かわからず、途切れ途切れでもシャドーイングもどき
をしようとした方がいいのでしょうか?
質問2
しっかりカタカナ英語が見についているのですが、英語音がよく聞き取れて
いないのでやさしいテープだけで始めた方がいいのか、
やさしいテープ、難しいテープを併用したほうがいいのか教えて下さい。
質問3
テープを替えるタイミングですが、集中して聞こう/聞けなくなったら
取り替えるでは遅すぎますか?
今までやさしそうなテープを最初の1ヶ月は集中して聞けていたのですが、
3ヶ月を過ぎたあたりからだれてきて、最近はときどき聞くのですが、
完全にだれています。多分、1〜2ヶ月の間に替えればよかったような
気がしています。
以上、3点の質問です。よろしくお願いします。
既に5月始めにシャドーイング用にアマゾンでGR(レベル2)のCDを
注文し、来週には手元に届きます。
今、85万語を過ぎて、100万語まで見えてきたので、
まずは100万語通過を優先させたいと思っています。
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お名前: SSS英語学習研究会 酒井邦秀
投稿日: 2002/5/24(22:50)
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トオルさん、こんばんは。おそくなりました。
〉質問1
〉私は英語音がまだよく聞き取れていなくて、シャドーイングをやり始める前に
〉何回かテープを聞いてから始めた方がいいのでしょうか?
〉それとも何を言っている状態かわからず、途切れ途切れでもシャドーイングもどき
〉をしようとした方がいいのでしょうか?
英語音がよく聞き取れていない方がいい音が出ることもあるので、
何を言っているかわからないまま何度も繰り返して、
何を言っているかすっかりわかりながら繰り返せるようになったら、
次のテープにするといいのではないでしょうか。
〉質問2
〉しっかりカタカナ英語が見についているのですが、英語音がよく聞き取れて
〉いないのでやさしいテープだけで始めた方がいいのか、
〉やさしいテープ、難しいテープを併用したほうがいいのか教えて下さい。
とてもついていけないような難しいテープを5分か10分
繰り返したあとで、やさしいテープをやるといいと思いますが、
両方そろえるのが大変なら、やさしいもの、たとえばレベル0の
朗読テープを使われるといいでしょう。
〉質問3
〉テープを替えるタイミングですが、集中して聞こう/聞けなくなったら
〉取り替えるでは遅すぎますか?
〉今までやさしそうなテープを最初の1ヶ月は集中して聞けていたのですが、
〉3ヶ月を過ぎたあたりからだれてきて、最近はときどき聞くのですが、
〉完全にだれています。多分、1〜2ヶ月の間に替えればよかったような
〉気がしています。
やはり最初の1ヶ月でやめておいた方がよかったんじゃない
でしょうか?でも1ヶ月も同じテープを続けられたというのは、
すばらしい粘りですね。上に書いた「何を言っているか
わかってしまったら次のテープにする」ようにしていけば
音の面でも大変な伸びがあるかもしれません。
〉既に5月始めにシャドーイング用にアマゾンでGR(レベル2)のCDを
〉注文し、来週には手元に届きます。
〉今、85万語を過ぎて、100万語まで見えてきたので、
〉まずは100万語通過を優先させたいと思っています。
それで結構です。ぜひそのCDを使った途中経過をお知らせ下さい。
できればシャドーイングなさっているところをたしかめたい
のですけどね・・・
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〉それで結構です。ぜひそのCDを使った途中経過をお知らせ下さい。
まずはシャドーイングをやってみます。
少しやってみてからシャドーイングの感覚を報告させてもらいます。