Re: 【ネタバレあり!】 ダールの短編 Poison (PGR5 Taste and Other Tales に掲載)

[掲示板: 〈過去ログ〉PBの掲示板(ネタバレ可) -- 最新メッセージID: 1182 // 時刻: 2024/11/23(19:41)]

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[バレ] 747. Re: 【ネタバレあり!】 ダールの短編 Poison (PGR5 Taste and Other Tales に掲載)

お名前: 成雄 http://nariosky.blog12.fc2.com/
投稿日: 2006/7/13(00:19)

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こんにちは、成雄です。
たむさん、ネットで見つけた解説(英文)を引用します。

★★★★
ここから、ネタバレ 注意!!!
★★★★

ネットで見つけた素晴らしいと思う視点を書きます。

引用 -------------------------------------------------
you think that the main conflict is between the men and the krait on Harry's stomach. It's only in the last few paragraphs, though, that you realize that Dahl's real point is about racism. Harry Pope is perfectly willing to tolerate Dr. Ganderbai as long as his life is in danger, but as soon as Ganderbai dares to question the white man, Harry lets his true colors show.
------------------------------------------------- 引用
[url:http://www.roalddahlfans.com/shortstories/pois.php]

これは racism の話だと。
Harry は Krait どころではない、とんでもない poison を持っていると。


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[バレ] 748. Re: なるほど〜

お名前: たむ
投稿日: 2006/7/13(13:39)

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成雄さん、こんにちは。
たびたびありがとうございます。

ようやく納得できました。そういうことでしたか。
ジダンの頭突き事件もあり、racismは大きな問題
ですね。

しかし、Penguinのretoldを読んで、そこまでわかる
のは、ちょっと難しいですね。

Dahlは前に持っていたイメージとちがい、なんというか
現実をデフォルメして提示する作家なんですね。その
現実がDahlにとってつらそうな感じです。←これは、
Poisonではなく、ほかの児童書を読んでの感想です。

ありがとうございました。
またよろしくお願いします。


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[バレ] 749. 【ネタバレあり!】 Poison by Dahl Re: なるほど〜 

お名前: 成雄 http://nariosky.blog12.fc2.com/
投稿日: 2006/7/14(01:13)

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この投稿はネタバレを前提に書いています。ご注意下さい。
★★★★★
 
 
たむさん、こんにちは。成雄です。

〉ようやく納得できました。そういうことでしたか。
〉ジダンの頭突き事件もあり、racismは大きな問題
〉ですね。

〉しかし、Penguinのretoldを読んで、そこまでわかる
〉のは、ちょっと難しいですね。

私は、原作と retold 版の両方を読んでも、
これが racism の話だとは気づきませんでした (T_T)
 
実は、最初の投稿時には、紹介したサイトや他のサイトを調べていなかったので
私の結論は違ったモノだったです。
ネタバレ投稿時の少し前に「そうなのかぁ」と思った一人です。

ジダン選手の頭突き事件も、解説者の松木さん同様、「あたまのこと」を
言われたからじゃないかと最初は思っていたほどの鈍さですから。

話を戻して、
この物語は、全体像がほとんどわからないままに、というか、そんなことはどうでもいい話だと
言わんばかりに、一気に緊張を高め、グイグイ進みます。
猛毒を持つ Krait (アマガサヘビ)が、お腹の上で寝ているからなんとかしなければいけないと、
当事者と仲間と医者が鼻息(口息)ひとつすら押し殺しながら、手に汗握る奮闘をしたのに、
何で「実はヘビはいなかった」っていうオチなのか…。
この脱力感。
その後に当事者が逆ギレして終了…。
そりゃ無いよ!!50年前のコントなのか?

こういう感想を私は持ちました。
で、何でこう思ったのかといえば、個人設定がほとんど曖昧で、よくよく考えてもわからない。
Harry という自己中心的な人間像の話だったのかと…。

他の人が「実はダールは○○というオチを置いていたんですよ」と見つけて読み直して
スッキリするものの、やはり、「昔のコントみたい」という感想の方が今でも強いです。

ダールのこの短編 Poison の発表は 1950年6月
雑誌 Collier's [June 3, 1950] に掲載されたのが初出のようです。

その後、Someone like you をはじめ、いろいろな短編集に掲載されています。
また、米国で、ラジオドラマ (1950)・TVドラマ (1958) の原作にもなっています。
どちらも内容は変更されていて、ラジオ版では、これなら私でもわかると言えるほどの
あからさまな racist って感じの話ですし、TV版(ヒッチコック)では結末が変更されていて、
ヘビがいなくてよかったと喜んだ後に、いなかったはずのヘビが実は居て、
仲間の方がガブリとやられてしまうという逆転つきの話になっているようです。

〉Dahlは前に持っていたイメージとちがい、なんというか
〉現実をデフォルメして提示する作家なんですね。その
〉現実がDahlにとってつらそうな感じです。←これは、
〉Poisonではなく、ほかの児童書を読んでの感想です。

まだ、ダール短編をたくさん読んでいませんが、
前提としての人物の輪郭をこれほど描いていない作品は初めてでした。
(最後にそれを明らかにするという手法だったのでしょうが…。)
だから、Timber の過去の経験にヒントがあると思っていました。
日本国内で生活しているとなかなかわかりにくい話だと思います。

歴史を見ると
1945年英国戦勝国
1947年インド(とパキスタン)英国領から独立
1948年ガンジー暗殺
1950年作品発表

この作品が書かれた時代からして、
インドにいる外国人といえばイギリス人で、しかも支配する側の立場の人間というのが
特にことわり書きがない場合は、暗黙の了解なのかもしれません。
retold 版で、Timber の過去の経験を削除したのは、そのほうが物語の性格を
より明らかにできるからと判断したからではないかと思いました。

Dahl の物語はどれもスゴイと思います。児童書にしても、短編にしても。
たむさん、
これからもお互いに、Happy Reading ♪
 


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