Re: ロアルド・ダール”来訪者”に関する一考察

[掲示板: 〈過去ログ〉PBの掲示板(ネタバレ可) -- 最新メッセージID: 1182 // 時刻: 2024/11/24(10:14)]

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367. Re: ロアルド・ダール”来訪者”に関する一考察

お名前: マリコ@SSS
投稿日: 2004/1/22(23:38)

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"間者猫さん、こんばんは。マリコです。

〉なんと”レプラ”とカタカナでそのままではないですか! 最悪!
〉もう怒りが込み上げてきました。

お気持ちわかるような気がします。

〉訳者も苦肉の策として”レプラ”としたのでしょうが、
〉これだと全然味も素っ気もない作品に仕上げられてしまいます。

レプラはたしかにあまり一般的には使われてないかもしれないので、そういう意味では
小説としては、衝撃度の低い作品と感じられたかもしれません。
でも、あまり差別用語を使いたくないということでこの言葉を使ったんだと思います。
ただ訳さずにカタカナ読みとして「レプラ」としたわけでは無いと思うのですが・・・
事実、レプラと言う人もいるので、採用したのではと思います。
当時者たちにとっては、ライ病などという字を目にすると、怒りがこみあげてくるかもしれません。

〉つまらない自主規制のおかげでつまらない邦訳に仕立てあげられて
〉本当に怒り心頭です。

まぁ、そんなに怒らずに。
いろんな事情があると思います。


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368. 皆様レスありがとうございます。

お名前: 間者猫 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Keyaki/6250/
投稿日: 2004/1/23(22:40)

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古川さん、まりあさん、道化師さん、マリコさん、
レスありがとうございます。

ダールの原作の面白さを訳者の勝手な自主規制によって半減させてよいのか?
という問題と
差別される側の受け手の問題は
非常に難しい問題だと思います。
自分自身ももっと深く考えていかねばならないと思っています。

戦後すぐにアメリカ合州国で薬が開発されており、
この作品が書かれた頃には、もうすでに合州国では差別がなくなっていたのかな?
と思っていたのですが、なかなか差別というのはなくならないのでしょうか。
ダールが”らい病”は治るもので感染しないという事実を知っていて、
これを書いたのだとすれば、作家として失格だと思いますが、
そうでないのだとしたら、戦後20年以上たったアメリカ合州国でも
人々の意識は変わっていなかったということなのでしょう。
このあたり知りたいものです。

ところで”Switch Bitch”は18禁とまではいきませんがR指定です(笑)。
われらがオズワルド伯父さんも2編に登場します。

では。皆さんHappy Reading!


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369. LEPROSY

お名前: ひまぞ
投稿日: 2004/1/24(16:46)

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こんばんはです。ひまぞです。

私が小学生の頃に読んだ本(日本語)の中には時々
変な姿をした偏屈な老人が出てきて
本当はそんなに年ではなくて、病気で変な顔になってしまい
偏見の目にさらされたくなくて、人目をさけているのだと
後から子供達が知る場面がありました。
それらの本が書かれた年代はわかりませんが
その中で、病気は治って人にもうつらないのだけど
昔は肺病のように隔離されていたんだよという説明があり
後ろの解説で「らい」という言葉を知りました。

「らい」という言葉自体に、偏見が含まれていたのかどうか
その歴史を知らないので、私にはわかりませんが、
今は、「ハンセン氏病」と表記されているようですね。

アメリカの歴史についても、私はよく知らないのですが
この LEPROSY という病気、カナダではよく耳にします。
日本でも、時々、骨髄バンクのCMを見かけるように
このLEPSORY のCMが流れているんです。
「エレファントマン」の映画以来
感染性の病気でないことは理解されているようですが
それでも、変形してしまった顔や姿をはじめて見た人達は
驚きを隠せないからなのかもしれません。
カナダでは、同様に知ることで差別をなくすためのCMや
広告が多く取り入れられていると思います。

イギリスの児童書では、まだ見たことがないのですが
アメリカの児童書、8−12歳向けの中には
やっぱり、変な顔した人目を避ける老人が出てきて
子供達が変な人!とからかうと、親や先生達が
彼らは病気で顔が変わってしまっただけなんだよと
さとす場面を何度か見かけます。
本のストーリーそのものとは無関係だったので
どの本かは覚えていませんが、最近でも数回ありました。

人種をはじめ、差別が色濃く残るアメリカですが
だからこその配慮や教育は、続いていると思います。
ダールのこの本はまだ読んでいないのですが
そんな社会ベースがあって、大人が読む本だとしたら
少しは怒りをもたずに済むのではないでしょうか?
悲しさは、やっぱり残るとは思うのですが・・・。


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370. Re: LEPROSY

お名前: 間者猫 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Keyaki/6250/
投稿日: 2004/1/25(19:28)

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"ひまぞ"さんは[url:kb:369]で書きました:
〉こんばんはです。ひまぞです。

こんばんは、間者猫です。
カナダのお話ありがとうございます。
私は英語を母語とする友人がいないので、
こういう情報はありがたいです。

〉私が小学生の頃に読んだ本(日本語)の中には時々
〉変な姿をした偏屈な老人が出てきて
〉本当はそんなに年ではなくて、病気で変な顔になってしまい
〉偏見の目にさらされたくなくて、人目をさけているのだと
〉後から子供達が知る場面がありました。
〉それらの本が書かれた年代はわかりませんが
〉その中で、病気は治って人にもうつらないのだけど
〉昔は肺病のように隔離されていたんだよという説明があり
〉後ろの解説で「らい」という言葉を知りました。
〉「らい」という言葉自体に、偏見が含まれていたのかどうか
〉その歴史を知らないので、私にはわかりませんが、
〉今は、「ハンセン氏病」と表記されているようですね。
〉アメリカの歴史についても、私はよく知らないのですが
〉この LEPROSY という病気、カナダではよく耳にします。
〉日本でも、時々、骨髄バンクのCMを見かけるように
〉このLEPSORY のCMが流れているんです。
〉「エレファントマン」の映画以来
〉感染性の病気でないことは理解されているようですが
〉それでも、変形してしまった顔や姿をはじめて見た人達は
〉驚きを隠せないからなのかもしれません。
〉カナダでは、同様に知ることで差別をなくすためのCMや
〉広告が多く取り入れられていると思います。

ということは、やっぱり差別意識があるんですね。

〉アメリカの児童書、8−12歳向けの中には
〉やっぱり、変な顔した人目を避ける老人が出てきて
〉子供達が変な人!とからかうと、親や先生達が
〉彼らは病気で顔が変わってしまっただけなんだよと
〉さとす場面を何度か見かけます。
〉本のストーリーそのものとは無関係だったので
〉どの本かは覚えていませんが、最近でも数回ありました。

結構でてくるんですね。

怒ったのはですね、ダールの作品に対してではなく、
それをカタカナのまま訳した邦訳の方なんです。
原著そのものには怒りと言うよりも悲しい気持ちです。
なぜ、日本語訳をあてなかったのか?
それは糾弾を恐れての事ではなかったか?と考えるからです。
適切な訳をあてなかったのは作者に対しても失礼だし、
読者に対しても失礼ではないのか、と考えたからなんです。

ちゃんと日本語訳あて、あとがきで、
らい病を知らない読者が差別を助長しないように
コメントをつけるべきだったのではないかと考えます。

ひまぞさんのコメントとても参考になりました。ありがとう。
それと遅ればせながら1000万語おめでとうございます。
私も早く1000万語読んで、どんな境地か味わいたいものです。

では、ひまぞさんもHappy Reading!


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