フランス語でも歴史:児童書Mon Histoireシリーズ

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1868. フランス語でも歴史:児童書Mon Histoireシリーズ

お名前: 柊
投稿日: 2011/1/19(22:00)

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フランス語100万語通過したものの、未だにわからないことが多すぎる柊です。えーと、数は今確認したところ7まで数えられました。あとは10,20,80,100,1000がわかります。
 月の名前はわかるのもある(英語からの類推)ですが、曜日は全然わかりません。なので、「はらぺこあおむし」を読んでも、わかる文章が一つもなかった。
 にもかかわらず、ジュリア・クインやリサ・クレイパスのヒストリカル・ロマンスの気に入った巻の翻訳を読むと、それなりわかります。名前と、あとは少しの手がかりがあれば順番からわかるみたいです。ダーリン、スウィートハートの言い方のバリエイションを覚えて喜んでおります。
 アンソニー・ホロヴィッツのLes Freres Diamantも面白かったです。

 元々歴史が読みたくて入ったところがあり、最終的にはアリエノール・ダキテーヌ(アキテーヌ女公爵、フランス王妃、イングランド王妃)、マルグリット・ダングレーム(ナヴァール王妃、フランス王フランソワ1世の姉、エプタメロン著者)、ブランシェ・ド・カスティール(ルイ8世妃、ルイ9世王母で摂政。アリエノールの孫)が知りたいと思っています。
 今はエジプトの本を調べているのですが、英語よりも充実している気が。女性なのにファラオだったハトシェプストは英語ではHatshepsutだけど、フランス語ではHatshepsoutだとか、スペルで楽しんでいて本文には入っていない段階です。
 一番興奮したのはNitocris reine d’Egyptという本があったこと。女王ニトクリスといえば、私はブライアン・ラムレイの「タイタス・クロウの事件簿」ですね。「ニトクリスの鏡」という短編がありました。
 それによると、ニトクリスはエジプト第6王朝の女王で、恐怖で支配した妖怪じみた人物。生きながらにして霊廟に葬られ、第一の墓と第二の墓があるという謎めいた死に方をしている。
 ところが、ウィキペディアなどで調べたところ、ニトクリスという女王はヘロドトスの「歴史」には出てくるものの、考古学では存在しないことになっていて、伝説上の人物なんですね。そういう名前の王族はいたみたいですが。
 ニトクリスを実在として扱っているのは、クトゥルー神話を書いている作家だけみたいです。ラムレイはまさしくそれですね。
 なので、明らかな子ども用歴史読本に、クレオパトラ、ネフェルティティと並んで当然のようにニトクリスがあった時、興奮してしまいました。

 長くなりましたが、本題に入ります。

 フランス語のMon HistoireシリーズはGallimard Jeunesseから出ています。この出版社のページはジャンルや年齢から本が選べるようになっていて、結構遊べます。
 英語でScholastic社から出ているRoyal Diaries、現My Royal Storyからの翻訳もありますが、独自のタイトルもかなりあり、有名人「につかえた人」や、有名事件「に巻き込まれた人」が主人公の物も多いです。基本的に日記形式です。
 Royal Diariesの翻訳だと、Nzingha Warrior Queen of Matambaという、ポルトガルに侵略されるアフリカ部族の族長の娘を描いたものが、スペルもそのままNzingha Princesse africaine。
 Kathryn LaskyがMarie-AntoinetteとMarie Stuart。Kristiana GregoryがCatherine Princesse de Russie(即位前のロシアのエカテリーナ2世)、Cleopatre(アクサンが2カ所必要)Fille du Nil。Carolyn MeyerがIsabelle de Castille(カスティリア女王イサベル1世)。

 フランス独自のものでは、Catherine de Medicis(Mの次のeにアクサン必要) : Journal d’un princesse italianneという、カトリーヌ・ド・メディシスに、Constance, fiancee(最初のeにアクサン必要) de Mozart、それからSissi : Journal d’Elisabeth(大文字のeにアクサン必要), future Imperatrice (pの次のeにアクサン必要)d’Autricheという皇妃エリザベート。

 読みやすさレベルはそうですね、一般のマンガよりは上で、オズの魔法使いよりは下というところでしょうか。多分、シリーズの中でも著者によってばらつきがあると思いますが、まだそこまではわかりません。英語の感触だと、Kathryn Laskyは割とやさしくて、Kristiana Gregoryがそれより難しくて、Carolyn Meyerなんかレベル5行くんじゃないかという感じでしたね。長さは200ページないぐらいのが多く、2万語から4万語ぐらいと、語数は大分差があります。カラフルな装丁に綺麗な花の絵なんかがあしらわれていて、ページの縁はわざとギザギザに切ってあります。

 以前エカテリーナ2世を読んだ時は、英語では何度も読んでいるのに、今どこを読んでいるかわからなかったし、カトリーヌ・ド・メディシスは辞書を引きながら読んだら英語までぐちゃぐちゃになってひどい目に遭いました。いやー、翻訳病って恐いですね。
 今はSissiを読んでいます。英語にもElisabeth Princess Brideというのがありましたが、その翻訳ではなく、フランス独自のものみたいです。
 エリザベートがシシィで、姉のヘレネがネネで、お母さんがミミで、と、あだ名だらけでまずそこがややこしい。
 時期的には、オーストリア=ハンガリー皇帝フランツ・ヨーゼフ1世とのお見合いの前から、結婚の、式まで行くかどうかという、英語の方と同じ時期ですね。
 お父さんがduc de Baviereなので、どこか調べたらドイツのバイエルンだったり、普段いるMunichはミュンヘンだったり、背景を調べる方に時間をかけてしまっています。

 Catherine Princesse de Russie
 英語を読んだ時の記憶で書くと、1743年、ドイツの小国アンハルト・ツェルプストの公女フィクヘン(ゾフィーの愛称)は14才。家庭教師から、日記をつけるようにと本を渡されます。
 フィクヘンのお父さんは大したことのない公爵ですが、お母さんはスウェーデンの王位継承権を持つホルシュタイン・ゴットルプ家の出です。母方の従兄弟にPeterという年頃の同じ少年がいて、彼がいずれスウェーデン国王になるんじゃないかと言われているので、フィクヘンのお母さんはフィクヘンをPeterと結婚させたがっています。
 ところで、かつてロシアにはピョートル大帝(Peter the Great)という皇帝がいて、今はその娘がエリザヴェータ女帝として統治しています。Peterはピョートル大帝の孫なので、エリザヴェータ女帝の跡継ぎとしてロシアに呼び寄せられます。
 フィクヘンは何と、ヨーロッパの王家の姫君たちを押しのけて、Peterの婚約者に選ばれるのです。
 という、エカテリーナ2世の生涯の中でも特にドラマティックな部分の日記なのです。
 フィクヘンはロシア人になる時に、ピョートル大帝の皇妃でのちに女帝にもなったエカテリーナ1世の名前をもらい、エカテリーナ・アレクセイエーヴナと名乗るようになります。
 日本語で読んで面白かった「女帝エカテリーナ」は著者がアンリ・トロワイヤ(Henri Troyat)で原書はフランス語ですし、エカテリーナ2世の回想録もフランス語で書かれています。
 当時のヨーロッパの宮廷ではフランス語が公用語なので、フィクヘンもフランス語を頑張って勉強して、日記もフランス語で書いたことになっています。実際、15歳の時に「ある15歳の哲学者の肖像」という論文を書いたようです。政変の際に焼き捨てたということで、残念ながら読めませんが。

 あと面白かったのはやっぱりクレオパトラですね(英語で読みましたけど)。
 紀元前57年、主人公はクレオパトラ7世になる12才のクレオパトラ・フィロパトール。父プトレマイオス12世が姿を消し、姉のクレオパトラ・トリファエナ(クレオパトラ6世)が君主然として振る舞い出します。
 父と連絡のついたクレオパトラは、援軍を求めにローマへ旅立ちます。
 最初は読みにくかったんですが、読めるようになると面白かったですね。退屈になりそうになると、巻物が水に濡れて駄目になったとかで日付が飛んで、面白いところだけ読める仕組みになっています。
 去年読んだ、クレオパトラ8世ことKleopatra Selene IIが主人公のCleopatra’s Daughterも面白かったなあ。Michelle Moranという人の本です。その本によると、クレオパトラの頭文字はCではなくてKが正しいようです。
 Moranの前作はフランス語にも訳されていて、Les reves de NefertitiとLes soleils de Nefertariです。ただ、アクサンがあるので著者名で調べた方が早いかも。
 ネフェルティティはアケナーテンの王妃で、有名な美女ですね。アケナーテンとの間に生まれたアンケセナームンはツタンカーメンの王妃になりました。
 ネフェルタリは大王と呼ばれたラムセス2世の王妃です。

Isabelle de Castille
 英語で読んだ時に、ひたすら難しくて投げた覚えがあります。Carolyn MeyerはAnastasia the Last Grand Duchessもそうでしたが、名前を英語風に直さないんですね。スペイン語名前がばしばし出てきて、何もかもわからなくなりました。
 ただ、Young Royalsを全巻読んでいる立場から言うと、この人の本は無茶苦茶面白いです。名前のハードルさえ越えれば面白いのではないかなと思っています。
 しかも、時代が即位前。異母兄と同母弟が両方即位宣言をして国が割れているところから、ついに隣国アラゴンとの統一に道をつけるところまでですから、面白いはずです。

 Mon Histoireの本は他にもあって、読んでいないのも、買った本は全部書評登録しておいたので、よければ参考にしてください。Mon Histoireで検索をかければ全部出てきます。
 長くなりましたが、では。


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1871. Re: フランス語でも歴史:児童書Mon Histoireシリーズ

お名前: 杏樹
投稿日: 2011/1/21(01:00)

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柊さん、こんにちは。

〉フランス語100万語通過したものの、未だにわからないことが多すぎる柊です。えーと、数は今確認したところ7まで数えられました。あとは10,20,80,100,1000がわかります。
〉 月の名前はわかるのもある(英語からの類推)ですが、曜日は全然わかりません。なので、「はらぺこあおむし」を読んでも、わかる文章が一つもなかった。
〉 にもかかわらず、ジュリア・クインやリサ・クレイパスのヒストリカル・ロマンスの気に入った巻の翻訳を読むと、それなりわかります。名前と、あとは少しの手がかりがあれば順番からわかるみたいです。ダーリン、スウィートハートの言い方のバリエイションを覚えて喜んでおります。
〉 アンソニー・ホロヴィッツのLes Freres Diamantも面白かったです。

柊さんのフランス語能力って不思議です。「はらぺこあおむし」がわからなくてヒストリカル・ロマンスなら読める…。

〉 元々歴史が読みたくて入ったところがあり、最終的にはアリエノール・ダキテーヌ(アキテーヌ女公爵、フランス王妃、イングランド王妃)、マルグリット・ダングレーム(ナヴァール王妃、フランス王フランソワ1世の姉、エプタメロン著者)、ブランシェ・ド・カスティール(ルイ8世妃、ルイ9世王母で摂政。アリエノールの孫)が知りたいと思っています。

こういった人たちはフランス語なら面白い本がいろいろありそうですね。パリのクリュニー美術館の売店にもアリエノール・ダキテーヌの本がありました。そのころは多読も知らなかったし読めそうにないのであきらめましたけど。

〉 今はエジプトの本を調べているのですが、英語よりも充実している気が。女性なのにファラオだったハトシェプストは英語ではHatshepsutだけど、フランス語ではHatshepsoutだとか、スペルで楽しんでいて本文には入っていない段階です。

フランス人はエジプトが好きなのでしょうか。

〉 一番興奮したのはNitocris reine d’Egyptという本があったこと。女王ニトクリスといえば、私はブライアン・ラムレイの「タイタス・クロウの事件簿」ですね。「ニトクリスの鏡」という短編がありました。
〉 それによると、ニトクリスはエジプト第6王朝の女王で、恐怖で支配した妖怪じみた人物。生きながらにして霊廟に葬られ、第一の墓と第二の墓があるという謎めいた死に方をしている。
〉 ところが、ウィキペディアなどで調べたところ、ニトクリスという女王はヘロドトスの「歴史」には出てくるものの、考古学では存在しないことになっていて、伝説上の人物なんですね。そういう名前の王族はいたみたいですが。
〉 ニトクリスを実在として扱っているのは、クトゥルー神話を書いている作家だけみたいです。ラムレイはまさしくそれですね。
〉 なので、明らかな子ども用歴史読本に、クレオパトラ、ネフェルティティと並んで当然のようにニトクリスがあった時、興奮してしまいました。

クレオパトラやネフェルティティと並びますか。フランス人、おそるべし(?)

〉 長くなりましたが、本題に入ります。

〉 フランス語のMon HistoireシリーズはGallimard Jeunesseから出ています。この出版社のページはジャンルや年齢から本が選べるようになっていて、結構遊べます。
〉 英語でScholastic社から出ているRoyal Diaries、現My Royal Storyからの翻訳もありますが、独自のタイトルもかなりあり、有名人「につかえた人」や、有名事件「に巻き込まれた人」が主人公の物も多いです。基本的に日記形式です。
〉 Royal Diariesの翻訳だと、Nzingha Warrior Queen of Matambaという、ポルトガルに侵略されるアフリカ部族の族長の娘を描いたものが、スペルもそのままNzingha Princesse africaine。
〉 Kathryn LaskyがMarie-AntoinetteとMarie Stuart。Kristiana GregoryがCatherine Princesse de Russie(即位前のロシアのエカテリーナ2世)、Cleopatre(アクサンが2カ所必要)Fille du Nil。Carolyn MeyerがIsabelle de Castille(カスティリア女王イサベル1世)。

Royal Diariesなら、まだまだハードルが高そう。

〉 フランス独自のものでは、Catherine de Medicis(Mの次のeにアクサン必要) : Journal d’un princesse italianneという、カトリーヌ・ド・メディシスに、Constance, fiancee(最初のeにアクサン必要) de Mozart、それからSissi : Journal d’Elisabeth(大文字のeにアクサン必要), future Imperatrice (pの次のeにアクサン必要)d’Autricheという皇妃エリザベート。

〉 読みやすさレベルはそうですね、一般のマンガよりは上で、オズの魔法使いよりは下というところでしょうか。多分、シリーズの中でも著者によってばらつきがあると思いますが、まだそこまではわかりません。英語の感触だと、Kathryn Laskyは割とやさしくて、Kristiana Gregoryがそれより難しくて、Carolyn Meyerなんかレベル5行くんじゃないかという感じでしたね。長さは200ページないぐらいのが多く、2万語から4万語ぐらいと、語数は大分差があります。カラフルな装丁に綺麗な花の絵なんかがあしらわれていて、ページの縁はわざとギザギザに切ってあります。

〉 以前エカテリーナ2世を読んだ時は、英語では何度も読んでいるのに、今どこを読んでいるかわからなかったし、カトリーヌ・ド・メディシスは辞書を引きながら読んだら英語までぐちゃぐちゃになってひどい目に遭いました。いやー、翻訳病って恐いですね。
〉 今はSissiを読んでいます。英語にもElisabeth Princess Brideというのがありましたが、その翻訳ではなく、フランス独自のものみたいです。
〉 エリザベートがシシィで、姉のヘレネがネネで、お母さんがミミで、と、あだ名だらけでまずそこがややこしい。
〉 時期的には、オーストリア=ハンガリー皇帝フランツ・ヨーゼフ1世とのお見合いの前から、結婚の、式まで行くかどうかという、英語の方と同じ時期ですね。
〉 お父さんがduc de Baviereなので、どこか調べたらドイツのバイエルンだったり、普段いるMunichはミュンヘンだったり、背景を調べる方に時間をかけてしまっています。

Baviereは、シャルル6世の王妃がイザボー・ド・バヴィエールといいます。バイエルンから来たからだということを知って、フランス語ではBaviereなのかと覚えました。
フランスではジャン・デ・カールが「麗しの皇妃エリザベト」を書いてますので、フランス語圏でもエリザベートはよく知られているため独自ものになっているのかもしれません。
オーストリア・ハンガリー二重帝国の成立はエリザベートが皇后になってからですので、この本の時期ですと単に「オーストリア皇帝」ですね。

〉 Catherine Princesse de Russie
〉 英語を読んだ時の記憶で書くと、1743年、ドイツの小国アンハルト・ツェルプストの公女フィクヘン(ゾフィーの愛称)は14才。家庭教師から、日記をつけるようにと本を渡されます。

タイトルを見て一瞬誰かと思いました。この人もおもしろいですね。

〉 あと面白かったのはやっぱりクレオパトラですね(英語で読みましたけど)。
〉 紀元前57年、主人公はクレオパトラ7世になる12才のクレオパトラ・フィロパトール。父プトレマイオス12世が姿を消し、姉のクレオパトラ・トリファエナ(クレオパトラ6世)が君主然として振る舞い出します。
〉 父と連絡のついたクレオパトラは、援軍を求めにローマへ旅立ちます。
〉 最初は読みにくかったんですが、読めるようになると面白かったですね。退屈になりそうになると、巻物が水に濡れて駄目になったとかで日付が飛んで、面白いところだけ読める仕組みになっています。
〉 去年読んだ、クレオパトラ8世ことKleopatra Selene IIが主人公のCleopatra’s Daughterも面白かったなあ。Michelle Moranという人の本です。その本によると、クレオパトラの頭文字はCではなくてKが正しいようです。

これもおもしろそうです。巻物が濡れて飛んでるとか。

〉 Moranの前作はフランス語にも訳されていて、Les reves de NefertitiとLes soleils de Nefertariです。ただ、アクサンがあるので著者名で調べた方が早いかも。
〉 ネフェルティティはアケナーテンの王妃で、有名な美女ですね。アケナーテンとの間に生まれたアンケセナームンはツタンカーメンの王妃になりました。
〉 ネフェルタリは大王と呼ばれたラムセス2世の王妃です。

〉Isabelle de Castille
〉 英語で読んだ時に、ひたすら難しくて投げた覚えがあります。Carolyn MeyerはAnastasia the Last Grand Duchessもそうでしたが、名前を英語風に直さないんですね。スペイン語名前がばしばし出てきて、何もかもわからなくなりました。
〉 ただ、Young Royalsを全巻読んでいる立場から言うと、この人の本は無茶苦茶面白いです。名前のハードルさえ越えれば面白いのではないかなと思っています。
〉 しかも、時代が即位前。異母兄と同母弟が両方即位宣言をして国が割れているところから、ついに隣国アラゴンとの統一に道をつけるところまでですから、面白いはずです。

「無茶苦茶面白い」なんて言われると興味をそそられます。英語圏以外の人の名前が英語風になっているとかえってわかりにくいので、原語表記の方がいいと思うんですけれど。

〉 Mon Histoireの本は他にもあって、読んでいないのも、買った本は全部書評登録しておいたので、よければ参考にしてください。Mon Histoireで検索をかければ全部出てきます。
〉 長くなりましたが、では。

おつかれさまでした。さて、私はいったいいつ読めるんでしょう。


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1875. Re: 杏樹さん、ありがとうございます

お名前: 柊
投稿日: 2011/1/24(08:09)

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"杏樹"さんは[url:kb:1871]で書きました:
〉柊さん、こんにちは。

 杏樹さん、こんにちは。

〉柊さんのフランス語能力って不思議です。「はらぺこあおむし」がわからなくてヒストリカル・ロマンスなら読める…。

 自分でも不思議です。絵本とか、絵本に近いような本が苦手で、大人用の娯楽小説の方が得意ですね。

〉〉 元々歴史が読みたくて入ったところがあり、最終的にはアリエノール・ダキテーヌ(アキテーヌ女公爵、フランス王妃、イングランド王妃)、マルグリット・ダングレーム(ナヴァール王妃、フランス王フランソワ1世の姉、エプタメロン著者)、ブランシェ・ド・カスティール(ルイ8世妃、ルイ9世王母で摂政。アリエノールの孫)が知りたいと思っています。

〉こういった人たちはフランス語なら面白い本がいろいろありそうですね。パリのクリュニー美術館の売店にもアリエノール・ダキテーヌの本がありました。そのころは多読も知らなかったし読めそうにないのであきらめましたけど。

 フランスも、いつか行ってみたいですねー。

〉〉 今はエジプトの本を調べているのですが、英語よりも充実している気が。女性なのにファラオだったハトシェプストは英語ではHatshepsutだけど、フランス語ではHatshepsoutだとか、スペルで楽しんでいて本文には入っていない段階です。

〉フランス人はエジプトが好きなのでしょうか。

 エジプトものばっかり書いている人を三人ほど見つけました。やっぱり需要もあるんでしょうね。

〉〉 一番興奮したのはNitocris reine d’Egyptという本があったこと。女王ニトクリスといえば、私はブライアン・ラムレイの「タイタス・クロウの事件簿」ですね。「ニトクリスの鏡」という短編がありました。
〉〉 それによると、ニトクリスはエジプト第6王朝の女王で、恐怖で支配した妖怪じみた人物。生きながらにして霊廟に葬られ、第一の墓と第二の墓があるという謎めいた死に方をしている。
〉〉 ところが、ウィキペディアなどで調べたところ、ニトクリスという女王はヘロドトスの「歴史」には出てくるものの、考古学では存在しないことになっていて、伝説上の人物なんですね。そういう名前の王族はいたみたいですが。
〉〉 ニトクリスを実在として扱っているのは、クトゥルー神話を書いている作家だけみたいです。ラムレイはまさしくそれですね。
〉〉 なので、明らかな子ども用歴史読本に、クレオパトラ、ネフェルティティと並んで当然のようにニトクリスがあった時、興奮してしまいました。

〉クレオパトラやネフェルティティと並びますか。フランス人、おそるべし(?)

〉〉 長くなりましたが、本題に入ります。

〉〉 フランス語のMon HistoireシリーズはGallimard Jeunesseから出ています。この出版社のページはジャンルや年齢から本が選べるようになっていて、結構遊べます。
〉〉 英語でScholastic社から出ているRoyal Diaries、現My Royal Storyからの翻訳もありますが、独自のタイトルもかなりあり、有名人「につかえた人」や、有名事件「に巻き込まれた人」が主人公の物も多いです。基本的に日記形式です。
〉〉 Royal Diariesの翻訳だと、Nzingha Warrior Queen of Matambaという、ポルトガルに侵略されるアフリカ部族の族長の娘を描いたものが、スペルもそのままNzingha Princesse africaine。
〉〉 Kathryn LaskyがMarie-AntoinetteとMarie Stuart。Kristiana GregoryがCatherine Princesse de Russie(即位前のロシアのエカテリーナ2世)、Cleopatre(アクサンが2カ所必要)Fille du Nil。Carolyn MeyerがIsabelle de Castille(カスティリア女王イサベル1世)。

〉Royal Diariesなら、まだまだハードルが高そう。

〉〉 フランス独自のものでは、Catherine de Medicis(Mの次のeにアクサン必要) : Journal d’un princesse italianneという、カトリーヌ・ド・メディシスに、Constance, fiancee(最初のeにアクサン必要) de Mozart、それからSissi : Journal d’Elisabeth(大文字のeにアクサン必要), future Imperatrice (pの次のeにアクサン必要)d’Autricheという皇妃エリザベート。

〉〉 読みやすさレベルはそうですね、一般のマンガよりは上で、オズの魔法使いよりは下というところでしょうか。多分、シリーズの中でも著者によってばらつきがあると思いますが、まだそこまではわかりません。英語の感触だと、Kathryn Laskyは割とやさしくて、Kristiana Gregoryがそれより難しくて、Carolyn Meyerなんかレベル5行くんじゃないかという感じでしたね。長さは200ページないぐらいのが多く、2万語から4万語ぐらいと、語数は大分差があります。カラフルな装丁に綺麗な花の絵なんかがあしらわれていて、ページの縁はわざとギザギザに切ってあります。

〉〉 以前エカテリーナ2世を読んだ時は、英語では何度も読んでいるのに、今どこを読んでいるかわからなかったし、カトリーヌ・ド・メディシスは辞書を引きながら読んだら英語までぐちゃぐちゃになってひどい目に遭いました。いやー、翻訳病って恐いですね。
〉〉 今はSissiを読んでいます。英語にもElisabeth Princess Brideというのがありましたが、その翻訳ではなく、フランス独自のものみたいです。
〉〉 エリザベートがシシィで、姉のヘレネがネネで、お母さんがミミで、と、あだ名だらけでまずそこがややこしい。
〉〉 時期的には、オーストリア=ハンガリー皇帝フランツ・ヨーゼフ1世とのお見合いの前から、結婚の、式まで行くかどうかという、英語の方と同じ時期ですね。
〉〉 お父さんがduc de Baviereなので、どこか調べたらドイツのバイエルンだったり、普段いるMunichはミュンヘンだったり、背景を調べる方に時間をかけてしまっています。

〉Baviereは、シャルル6世の王妃がイザボー・ド・バヴィエールといいます。バイエルンから来たからだということを知って、フランス語ではBaviereなのかと覚えました。
〉フランスではジャン・デ・カールが「麗しの皇妃エリザベト」を書いてますので、フランス語圏でもエリザベートはよく知られているため独自ものになっているのかもしれません。
〉オーストリア・ハンガリー二重帝国の成立はエリザベートが皇后になってからですので、この本の時期ですと単に「オーストリア皇帝」ですね。

 あ、そうですか。書評直しとこ。

〉〉 Catherine Princesse de Russie
〉〉 英語を読んだ時の記憶で書くと、1743年、ドイツの小国アンハルト・ツェルプストの公女フィクヘン(ゾフィーの愛称)は14才。家庭教師から、日記をつけるようにと本を渡されます。

〉タイトルを見て一瞬誰かと思いました。この人もおもしろいですね。

 すごいひとですよね。

〉〉 あと面白かったのはやっぱりクレオパトラですね(英語で読みましたけど)。
〉〉 紀元前57年、主人公はクレオパトラ7世になる12才のクレオパトラ・フィロパトール。父プトレマイオス12世が姿を消し、姉のクレオパトラ・トリファエナ(クレオパトラ6世)が君主然として振る舞い出します。
〉〉 父と連絡のついたクレオパトラは、援軍を求めにローマへ旅立ちます。
〉〉 最初は読みにくかったんですが、読めるようになると面白かったですね。退屈になりそうになると、巻物が水に濡れて駄目になったとかで日付が飛んで、面白いところだけ読める仕組みになっています。
〉〉 去年読んだ、クレオパトラ8世ことKleopatra Selene IIが主人公のCleopatra’s Daughterも面白かったなあ。Michelle Moranという人の本です。その本によると、クレオパトラの頭文字はCではなくてKが正しいようです。

〉これもおもしろそうです。巻物が濡れて飛んでるとか。

〉〉 Moranの前作はフランス語にも訳されていて、Les reves de NefertitiとLes soleils de Nefertariです。ただ、アクサンがあるので著者名で調べた方が早いかも。
〉〉 ネフェルティティはアケナーテンの王妃で、有名な美女ですね。アケナーテンとの間に生まれたアンケセナームンはツタンカーメンの王妃になりました。
〉〉 ネフェルタリは大王と呼ばれたラムセス2世の王妃です。

〉〉Isabelle de Castille
〉〉 英語で読んだ時に、ひたすら難しくて投げた覚えがあります。Carolyn MeyerはAnastasia the Last Grand Duchessもそうでしたが、名前を英語風に直さないんですね。スペイン語名前がばしばし出てきて、何もかもわからなくなりました。
〉〉 ただ、Young Royalsを全巻読んでいる立場から言うと、この人の本は無茶苦茶面白いです。名前のハードルさえ越えれば面白いのではないかなと思っています。
〉〉 しかも、時代が即位前。異母兄と同母弟が両方即位宣言をして国が割れているところから、ついに隣国アラゴンとの統一に道をつけるところまでですから、面白いはずです。

〉「無茶苦茶面白い」なんて言われると興味をそそられます。英語圏以外の人の名前が英語風になっているとかえってわかりにくいので、原語表記の方がいいと思うんですけれど。

〉〉 Mon Histoireの本は他にもあって、読んでいないのも、買った本は全部書評登録しておいたので、よければ参考にしてください。Mon Histoireで検索をかければ全部出てきます。
〉〉 長くなりましたが、では。

〉おつかれさまでした。さて、私はいったいいつ読めるんでしょう。

私もいつ読めるのか、予測不能です。


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