[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/26(05:27)]
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お名前: 桜印
投稿日: 2005/11/5(07:11)
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多読で英語に慣れさせた後はより深い精読に移行させたいのですが、そのタイミングが問題です。
ところで、最近読んでショックを受けた本。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033229/jissen-22/ref%3Dnosim/250-6899226-6214600
読解力が深まらない本当の原因は『わからない』ことよりも、不十分な読みや間違った読みをしているにもかかわらず『わかったつもり』になることである、というのが本書の主張です。誤りに気づかないまま、多読を進めてしまう可能性がある以上、教師が能動的に生徒の読みを誘導し、場合によっては介入していく必要性がある。
いままでこういう試みはあまりなされてませんね。
この業界で「精読」っていうのはセンテンスの文法的分析のことですから・・・つまり伊藤和夫さんの世界ですね。
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お名前: bigfoot
投稿日: 2005/11/5(17:59)
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桜印さん、こんにちは。理系の大学教員bigfootです。
ご紹介の本、アマゾンの案内で見させてもらいました。確かに興味深い本ですね。まだ読んでいませんが目次に
第2章 「読み」における文脈のはたらき
1.文脈がわからないと「わからない」
2.文脈による意味の引き出し
3.文脈の積極的活用
ともありました。門外漢が何ですが、これはより大事な指摘に思えます。高校時代は、専門知識に照らし合わせながら正確に判読しなければならない高度の内容の英文を読むよりも、多読により文脈に乗って行く力をつけさせるのが大事ではないでしょうか。フォニックスの本(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062564335/ref=pd_sr_ec_ir_b/250-4634050-9966632 多読する前に買った本ですが)にも、アメリカの子供の読書能力は10歳位(うろ覚えですが)を超えると見違える程、読書量が増えると書いてありました。そして日本人の子供より大人びた考えを持つ。子供自身の伸びる力を信じると簡単に言ってはいけないでしょうか。
一方、日本語で文脈を追えなければ(多読できなければ)、英語で文脈を追える(多読できる)はずがないのに、大学生協が4年間に100冊日本語の本を読もうという運動を展開しているのが現状です。御担当の生徒さんたちは違うでしょうが、最近始まった小学校での読書運動が身を結ぶことを私は期待しています。
いずれにしても、御紹介の本を読んでみようと思います。では、桜印さん、Happy Reading!
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多読と精読を両立させることは難しそうです。
雑な読みでもいいからたくさん読ませることを優先すべきと考えるようになりました。
雑でもいいというより雑なことに意味があるかな・・・天下り式に正しい知識を教えてもらうのはやはりよくないし。単語も文法も文脈も雑な把握でいいからとにかく読ませる。雑だが自ら獲得した知識だから教師の助力でそれを正しいものに転化してやればすごい力になるでしょう。
さて、例の本によれば、小学生2年生の国語教科書の文章すら大学生の多くが読めていない。深い読みをしていない。母語ですらそうなのですから英語で精読を期待するのは無理かもしれません。
多読はあくまで自発的な読書で、文脈が取れているか講義したりテストしたりすると多読へのモチベーションが極度に低下しそうです。
GRを読ませて多読させている学校はたくさんありますが、ある実践例によるとテストを導入すると本の貸出率が極端に低下するそうです。
高校二年まではせいぜいセンター試験レベルまでの英語を大量に読ませる
↓
量の質への転化を期待する(甘いか。ただ精読をするための基礎は作れる)
↓
高三は受験対策もかねて精読の講義を行う
というのが穏当かな
ただ一年でセンターレベルから大学入試レベルまで上げるのはたいへんだなあ。GRと入試の英文は語彙と内容が違いすぎるので困る。
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806. Re: 深い読みへの移行(行き過ぎ表現の訂正自己レス)
お名前: bigfoot
投稿日: 2005/11/8(23:00)
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以下の表現は、学生ばかり責める不適切な言い方でした。
〉一方、日本語で文脈を追えなければ(多読できなければ)、英語で文脈を追える(多読できる)はずがないのに、大学生協が4年間に100冊日本語の本を読もうという運動を展開しているのが現状です。御担当の生徒さんたちは違うでしょうが、最近始まった小学校での読書運動が身を結ぶことを私は期待しています。
フォニックスの先生の著書では、御令嬢と遊んでばかりいたアメリカの少女が、10歳過ぎてから1日1冊のペースで読むようになって驚かされたが、発音のルール等がマスターできるのがその年齢で、漢字を覚えなければならない日本人より早く多読しだすのだろうと推定されていたのですが、日本語でそれほど本を読んでいなくても、英語で本をたくさん読むようになる可能性を否定したのは、軽率でした。
ついでに。北米に語学留学した学生さん(TOEIC700点以上)は、そこで、韓国人の中学1年生が夏休みに来て、猛烈なスピードで小説を読み散らかすのを見て、驚愕したそうです。で酒井先生の講演に台風の中、参加されたのです。その人は、本はそれまでも読んでいたし、1年の留学から帰ったのに読速毎分130語でした。
では、失礼します。
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お名前: bigfoot
投稿日: 2005/11/15(18:42)
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本を買って読んではみたのですが、私にはどうもでした。最初のストーリーをもっと深く読みたいと思えませんでした。年のせいか気短になっているせいか?多読で投げ癖が亢進しているせいかも知れません(責任転嫁)。今はご縁がないというのでしょうか。許してください。
ここには昔?、中学高校、図書館の本を全部読みきったという方がおられ、そんなに早く読んでわかるの?考えて読まなければだめよ?本当に読んでいるの?絶対に読んでいないと友達に言われたと書かれていました。すぐに意味に気づかなくてもいいのではないかとも思うし、パンが無ければ御菓子を食べればいいのにと美貌のフランス王妃は無邪気に言ったわけですが、体験、勘のよさがなければ全く分からないでしょう。とながながと言い訳しました。
では、先生も多読を採用してくださることを願いつつ失礼します。
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>最初のストーリーをもっと深く読みたいと思えませんでした。年のせいか気>短になっているせいか?多読で投げ癖が亢進しているせいかも知れません
>(責任転嫁)。今はご縁がないというのでしょうか。許してください。
量を追求すると質がおろそかになるという点は否めないと思います。多読実践者のトイックなどのスコアの伸びはあまり芳しくないというが私の正直な印象です。高校の英語教育は大学受験から逃げるわけには絶対にいかないので、正確な読解という課題ははずせません。多読を導入する場合、そこらへんの処理が課題です。