[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/26(04:48)]
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: えすてる
投稿日: 2005/5/13(21:31)
------------------------------
えすてる です。
新年度が始まって1ヶ月半余り。
昨年度末までに図書館にORT2セットとLLL1セットを入れてもらって、4月後半から2年生全クラスと3年生の選択クラスで多読を始めました。英語科職員は常勤4名と非常勤1名なのですが、常勤の教諭は全員が多読の授業を最低週1時間は持つようになりました。理解してくれて、協力してくれる同僚に感謝です!!
始める前に一通り生徒に対して説明はしてあるのですが、人数が多いのと、中だるみになりがちな「2年生」ということで、本人たちがちゃんと効果を実感できるほど量を読めるのか、ちょっと不安です。でも楽しいと感じている子たちはどのクラスにも確実にいて、放課後もせっせと本を借りに来て、4月1ヶ月で60冊も(ORTですが・・)借りる子が3人いました。その反面、読めない子、本というものをまったく受け付けない子、集中できなかったり楽しめない子も確実にいて、これからどんな風にすすめていったらいいかなあと思案中です。
多読開始後、2〜3回の授業を使って、初めて受け持った2クラスの生徒一人ずつ呼んで記録用紙を見ながら、「英語は好きか嫌いか、得意か苦手か」「英語で書いてあることを音にできるか」「本は好きか」などについて、聞き取り調査のようなことをしながら、「文法ができないとかテストの点が取れないことは気にしなくていいよ」「訳せない方が多読には、いいよ」「得意じゃなくてもだいじょうぶ!」「だいたい話がわかって楽しめればいいよ」「この調子で」と苦手意識が少しでもなくなるよう、話してみました。英語が嫌いと躊躇なく言う生徒が大多数という今の状況が、多読を通じて少しでも変わりました!という報告が1年後くらいにできるといいなと思っています。大変な道のりのような気がしていますが。
図書館の司書の方にも、本の整理やディスプレイの仕方を教えてもらったり、5〜6人のグループに分けてソファのコーナー(図書館に一角にあります)に呼んでAETや教員が読み聞かせをしたら?とかいろいろアドバイスももらっています。いろいろな仕掛けや工夫がうまくいったら、報告しますね。
それでは、みなさんHappy Reading!
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: yksi
投稿日: 2005/5/22(20:23)
------------------------------
えすてる さん yksiです
新年度の報告ありがとうございました。
〉 昨年度末までに図書館にORT2セットとLLL1セットを入れてもらって、4月後半から2年生全クラスと3年生の選択クラスで多読を始めました。英語科職員は常勤4名と非常勤1名なのですが、常勤の教諭は全員が多読の授業を最低週1時間は持つようになりました。理解してくれて、協力してくれる同僚に感謝です!!
この部分が特にすばらしいと思いました。多読導入に最も抵抗感があるのは、「英語教員ではないか」と勘違いするような話しをよく聞く中で、週1回のクラス担当に全員が賛同してくれるとは、なんと頭の柔らかい方々なのでしょう。
〉 始める前に一通り生徒に対して説明はしてあるのですが、人数が多いのと、中だるみになりがちな「2年生」ということで、本人たちがちゃんと効果を実感できるほど量を読めるのか、ちょっと不安です。でも楽しいと感じている子たちはどのクラスにも確実にいて、放課後もせっせと本を借りに来て、4月1ヶ月で60冊も(ORTですが・・)借りる子が3人いました。その反面、読めない子、本というものをまったく受け付けない子、集中できなかったり楽しめない子も確実にいて、これからどんな風にすすめていったらいいかなあと思案中です。
毎週1回で1年継続できれば、かなりの生徒さんが多読の効果を実感できるのでないかと思います。多読2年目以降は、もっと楽しみですけど。
豊富な(多種多様な)本を準備すると、興味を示す生徒さんが増えるのではないかと思います。自分自身、ノンフィクションが苦手で、趣味として読むのは、ほとんど全てフィクション(ほとんどが子ども向けのファンタジー)です。使い方が難しいけれど、疲れた人には、マンガが効くようです。
〉 多読開始後、2〜3回の授業を使って、初めて受け持った2クラスの生徒一人ずつ呼んで記録用紙を見ながら、「英語は好きか嫌いか、得意か苦手か」「英語で書いてあることを音にできるか」「本は好きか」などについて、聞き取り調査のようなことをしながら、「文法ができないとかテストの点が取れないことは気にしなくていいよ」「訳せない方が多読には、いいよ」「得意じゃなくてもだいじょうぶ!」「だいたい話がわかって楽しめればいいよ」「この調子で」と苦手意識が少しでもなくなるよう、話してみました。英語が嫌いと躊躇なく言う生徒が大多数という今の状況が、多読を通じて少しでも変わりました!という報告が1年後くらいにできるといいなと思っています。大変な道のりのような気がしていますが。
英語が嫌いな生徒さんも、嫌いなのはクイズのような英語の試験とそこで点を稼がなくてはならない試験勉強ではないのでしょうか?多読で「本当は英語が嫌いなわけではなかった」という生徒さんが出てくることを期待しています。
〉 図書館の司書の方にも、本の整理やディスプレイの仕方を教えてもらったり、5〜6人のグループに分けてソファのコーナー(図書館に一角にあります)に呼んでAETや教員が読み聞かせをしたら?とかいろいろアドバイスももらっています。いろいろな仕掛けや工夫がうまくいったら、報告しますね。
多読は、図書館の活性化にも大変効果がありますよね。
次回のご報告を楽しみにしております。
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: えすてる
投稿日: 2005/5/25(21:52)
------------------------------
yksiさん、お返事ありがとうございました。
今日、職員会で県からの特別枠の予算の話があって、申し込んでおいた多読用図書の購入費用も11万円ほど認められたという報告があり、嬉しい反面、責任の重さも感じていたところです。だから掲示板でお返事を読めて、また元気が出てきました。本当に感謝しています。
ところで、多読の本当のすばらしさを同僚がみんな理解していてくれるかということについては、まだまだ私の説明が不足している面もあって、現実は「?」なのですが、とりあえず取り組んでくれていることに感謝しつつ、本当のよさやすばらしさを伝えていかなきゃいけないなと、思っています。まずは酒井先生が本に書かれているように、教員自身がやさしい本の多読をある程度やってみて楽しさや効果を実感できてこそ、伝えられることやアドバイスできることがたくさんあると思うのですが、その部分が多忙な同僚にうまく伝えられなくて、もどかしいところなのです。贅沢な悩みなのかもしれないとは思いますが。
〉毎週1回で1年継続できれば、かなりの生徒さんが多読の効果を実感できるのでないかと思います。多読2年目以降は、もっと楽しみですけど。
〉豊富な(多種多様な)本を準備すると、興味を示す生徒さんが増えるのではないかと思います。自分自身、ノンフィクションが苦手で、趣味として読むのは、ほとんど全てフィクション(ほとんどが子ども向けのファンタジー)です。使い方が難しいけれど、疲れた人には、マンガが効くようです。
この部分、yksiさんが書かれている通りですよね。多種多様な本が必要ですよね。私自身、なかなか読めない(読みにくいというか苦手な)分野があるので、予算もついたことだし充実させていけたらいいなと思っています。マンガも単価が高いのと、40人のクラスもあるので取り合いになりそうな気がしてちょっと手が出ないでいるのですが、様子を見て、買っていけたらいいなと思っています。
〉多読は、図書館の活性化にも大変効果がありますよね。
ホントです。「英語の本を借りていく子が日本語の本も一緒に借りていく!」と司書も相乗効果にビックリしています。ちなみにこの司書の方も、本の受け入れをしながらLLLを眺めているうちに「私はSamに入れ込んじゃった」と言いながら、すっかりシリーズのファンになってくれて、多読仲間に加わってくれました。
〉次回のご報告を楽しみにしております。
はい、ありがとうございます。報告できるように、楽しみつつ、工夫しつつ、Happy Reading でいきたいと思います。
それでは、また。
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: 酒井@快読100万語!
投稿日: 2005/5/25(22:08)
------------------------------
えすてるさん、yksiさん、こんばんは!
酒井@快読100万語!です。
すばらしい新年度の報告です。
英語の先生方の中に、希望を持てる人たちがいるのだと思いました。
yksiさんが書いているように、図書館のこともすばらしです。
図書館の利用が劇的に増えるという例はyksiさんの学校でも、
大分でも経験されているようです。それに、司書さん、いいぞー!
これからもときどき様子を知らせてください。
(ぼくもみなさんにお知らせしなきゃと思いつつ・・・)
では、えすてるさん、同僚の英語の先生、子どもたち、司書さん、
みなさんで、Happy reading!
------------------------------
酒井先生、お返事ありがとうございます!
あきっぽくて、さまざまな英語の勉強法や指導法に手を出しては挫折したり、放り投げたりしてきた私が、こんなにも自分自身でも楽しみながら、伝道してるとからかわれるほどせっせと生徒や同僚にすすめ、全校に広げようとしているなんて、とても不思議な気がしています。
9月に酒井先生のお話を聴けた、あの出会い(と勝手に言ってしまいますが・・)がなければ、今の私は絶対になかったと思うと、本当に入院中の娘の付き添いを抜け出して聞きにいってよかった?!です。本当に「出会い」って大切ですね。
『教室で読む英語100万語』の中で、一番腑に落ちたのが酒井先生の書かれていた「語りの力」のくだりで、本というのが「1つの世界を作って」いて、「その世界を語るのに使われる単語は『単語』ではなく、『世界のひとかけら』なのです。その世界の中で、また物語の中で必然的にそこにあるべき『ひとかけら』」という、「世界のひとかけら」説?に、「おおっ!!これだー!!」と・・・街頭で交通安全指導をしながら読んでいたんですけど、近くに人がいなかったのでホントに叫んじゃいました。
なぜ、多読で読んでいる英語は教科書や受験英語や問題集と違って、自分の中にしみこんでくるのか、何回も出会ううちに自分自身の中に血となり肉となってくる(ちょっと大げさですが・・)のか、私自身とても不思議だったのですが、「世界のひとかけら」説のおかげで、消化不良が解消された気がしています。
考えてみれば、母語は日々の生活の中で、生きている世界の中で体得していくわけですが、やさしい英語で、英語圏向けの子どもたちに向けて語られている本の中でも非英語圏に暮らす私たちはそれが追体験でき、しかも日本語という母語、すでに構築された言語体系やそれまでの生活経験があるからこそ、短時間でそのことが可能になるというわけなのですね。なるほど、と思いました。とても味わい深い文章で、あの部分何回も読んで、ますます酒井先生のファンになってしまいました。
それ以来、本を手に取ると、この中に「1つの世界がある」とふと思うことがあって、ロマンチックな、すてきな、わくわくするような、気持ちがわいてきます。
「本」はもともと好きなのですが、そんな「1つの世界」がきちんと描かれている本とたくさん出会いたいし、子どもたちにも手渡していきたいなと思っています。
本当にありがとうございました。また報告ができるといいなと思っています。それでは。