[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/24(08:47)]
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お名前: yksi
投稿日: 2004/10/9(16:03)
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coominさん、こんにちは。 yksi@豊田高専です
"coomin"さんは[url:kb:422]で書きました:
〉coomin@沖縄高専です。
〉今日は前期に入って2回目の多読授業だったのですが、夏休み前にたくさん借りて帰った学生は、読む力と読書習慣の両方を身につけてくれたようです。
〉以前は難しくて読めなかった本が読めるようになったという声も聞こえましたし、授業が終わってから自主的に本を借りて帰る学生も前期に比べると多くなりました。(連休前というのもあったと思いますが)
〉ただ、その分、多読に積極的でない学生との差がより大きく開いていくのが心配です。
学生さんの「読めるようになってきた」という声を聞けることが、多読授業を担当する教員の最大の励みですね。
学生さんの読書量がばらつくことは、あまり気にしなくてもよいのではないかと思います。あんまり読んでいない子は、まだ、多読の効果を確信できないのでしょう?クラスメートが楽しく読み進み、成果が上がってくれば、自然に仲間に加わってくると思います。
多読の良いところは、出遅れても、いつでも、(本人がその気になったときに)始めれば、十分間に合うことでしょう。4年目になっても読もうとしない子が出てきたら、再考が必要かもしれませんが。
〉まだひとりですが、夏休みの間に10万語を超えた学生がいます。
〉夏休み前は5万語程度だったので、一挙に倍です。
〉5万語を超えたあたりからきっと伸び方が速くなるのでしょうね。
〉こういう学生がいると、他の学生たちも感化されるようです。
〉今後、10万語、20万語に至る学生がもっと増えれば、学生たちにいい影響を与えてくれるだろうと期待しています。
たぶん、1人が10万語を超え(彼/彼女が、楽しんで読んでいることが分かると)、すぐに、クラスの数人が釣られるように10万語に届くと思います。多読2年目は、1年目に比べて読書量が伸びるように、後期は前期より読書量が伸びるのではないかと思います。
うちに、卒業研究で本校学生の読書記録のパターンを調べている子がいるのですが、彼が言うには、(やはり)易しいレベルの本を重点的に読んでいる学生の方が調子が良いそうです。目安として10万語ではYL0.9以下、20〜30万語まではYL2.0以下を中心に読んだほうが、その後に伸びるようだと言っておりました。
また、最近、多読2年目に入った専攻科1年生(21才)の成果がでて喜んでいます。長年、英語に苦手意識を持ち、昨年度の多読授業でも目立たなかった学生3人のTOEIC得点が、そろって440点以上に上昇しました(多読1年半での読書量は30万〜120語です)。中でも半年間で110万語読んだN君は、今春「多読の教育効果が低いことを、TOEICの得点が上昇しないことで証明するために、10月までに100万語読みます。証明後は、TOEIC450点以上を取るために、晴れて、TOEIC対策の文法と語彙の学習を始めます。」と言っていましたが、現在も、(無理してTOEIC対策を始める必要もなくなり)楽しそうに読んでいます。
授業で多読を行う場合、短期間では、なかなか(TOEICのように外から見やすい)結果が出ませんが、2年、3年と続けると、(勝手に)結果が出てしまうのではないかとの実感を強めています。沖縄高専でも、今年度は、そのようなノイズに惑わされず、「英文の読書が好き」な学生さんを育てて下さい。
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yksiさん、coominです。ありがとうございます。
〉うちに、卒業研究で本校学生の読書記録のパターンを調べている子がいるのですが、彼が言うには、(やはり)易しいレベルの本を重点的に読んでいる学生の方が調子が良いそうです。目安として10万語ではYL0.9以下、20〜30万語まではYL2.0以下を中心に読んだほうが、その後に伸びるようだと言っておりました。
学生に聞かせたら安心するでしょうね。
簡単なものを読んでいても力はつかないのではないか、と心配している学生もいるようなので。
〉授業で多読を行う場合、短期間では、なかなか(TOEICのように外から見やすい)結果が出ませんが、2年、3年と続けると、(勝手に)結果が出てしまうのではないかとの実感を強めています。沖縄高専でも、今年度は、そのようなノイズに惑わされず、「英文の読書が好き」な学生さんを育てて下さい。
多読の結果は短期間ではわからない、というのが、学生にとっても教員にとっても苦しいところですが、焦らずに待つことにします。
本当は、結果なんて出なくても学生が読む楽しみを発見してくれたら、教師としてはそれで十分なんですが・・・