[掲示板: 〈過去ログ〉多読による外国語教育 -- 最新メッセージID: 1456 // 時刻: 2024/11/24(13:01)]
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お名前: KYO
投稿日: 2004/2/25(08:45)
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先生たちにより多読に興味をもってもらい、多読のよさを実感してもらう、とってもいいアイディアを思いつきました!(と本人は思っている)
古川さんが紹介していらっしゃる"Extensive Reading in the Second Language Classroom"(Cambridge LanguageEducation) Richard R. Day, Julian Bamford (著)の中で、
多読が広まりにくい理由がいくつかあげられているのですが、列挙すると、
1.費用がかかる
2.多読授業の準備をする労力手間が大変
3.すでにもう過密なカリキュラムの中で多読に充てる時間が見つけられない
4.教師の役割が従来型の授業と非常に異なる
5.多読用の本が内容的に「軽い」という批判がある
6.リーディング指導では(とくにESLで)、「リーディングスキル」を教えるという授業が支配的
7.外国語学習においてはリーディングは話したり聞いたりがある程度できるようになってからするべきだという考え方
8.多読とクラスリーダー(クラス全員が同じ本を読む)を読む方法が混同されている
4については、「とかく教師というものは教えたがるものだ。生徒に何か教えるという従来型の教師の役割から、多読授業では、学生のガイド役かつ読書仲間にならねばならない。このことを受け入れるのはかなり大変なことで、多読が広まらない大きな理由の一つだ」と書かれています。
本では、一つ一つこれらの問題について検討した後、このような問題を乗り越えるにはどうしたらいいかというのが、その次のページに書いてありました。読んでいるときはすごくワクワクして「わあ、どうするんだろう!?」と思ってページをめくりました。すると、
答え:多読のよさをわかってもらうためには、多読を導入すること
はあ? これじゃ「卵が先か、ニワトリが先か」です。「多読導入を渋る人に多読を勧めるよい方法は、その人に多読授業をさせるってこと?どうやって?……こんなの解決策になってないじゃないか!」しばらく本を持ったまま固まっていました。
でももう1回読み返して、さらに結論として「最初はとにかく小規模でも実験的に導入して、その結果多読がどれだけよいものかを教師のみならずその他の人たちにも実感してもらうようにする」と書かれている部分を読んで、「う〜ん」と考えました。
多読がどれほどいいか、どれほど学生によい変化をもたらすかが一番よく実感できるのは、授業を見ることだと思います。他の先生の授業を見ても感心しますが、「多読ってどうなの?」と半ば疑っている本人自身がやってみればもっともっとよくわかるんですよ。
私は昨年末に自分の勤務校で希望者を募って多読体験会を3回ぐらいやったんですが、毎回10名ぐらいの参加者が来て徐々に増えて、他の先生で一緒に読んでくれた人もいたし、多読用の本を(0と1レベルの本80冊ほど用意)見て「とっても簡単な本から読むと日本語に訳さず読むからすごくいいんですよ」という説明に「確かにその通りだ」と言ってくれたネイティブの先生も2人ほどいました。一緒に読んでくれた先生は、学生たちがおしゃべりもせず、ただ黙々と読んでいたのがずいぶん印象に残ったようです。何よりも私自身が「えっ、こんなに読むんだ!」と感動しました。その後、1月に高校生80人ほどに多読の話をして、その時も読んでもらったんですが、短い時間だったけれど、読み方の集中度や熱心さが押し並べてどの子からも感じられて、その時もすごいなあと思ったのでした。
ですから、多読指導を実験的に試してもらえるような「多読指導お試しセット」みたいなものをSSSで貸し出したらどうでしょうか。たとえば、少人数の希望者を対象に5回連続の多読体験授業を開くために100〜200冊ぐらいの多読本を1ヶ月ぐらい貸し出します(簡単なやり方マニュアルとか必要なフォームとかもつけて)そしてその結果をリポートしてもらうんです。実施中に指導する先生だけでなく、できるだけ他の先生にも見てもらえるようお願いするんです。できれば無料で、あと少し実費をもらうぐらいで。実施のしかたは今後いろいろ細かく考えればいいので、基本的なアイディアだけですが。
これって自分ではいいアイディアだと思うんですけれど(私にお金の余裕があれば富山で個人レベルでも1セットぐらいなら「多読指導お試しセット」の貸し出しやれるんじゃないかなと思います)どうでしょうか? 実施が可能かどうか検討してもらえれば幸いです。
Bamfordさんも "let the proof of the pudding be in the eating"と書いています。SSS多読というプリンを見た人たちはきっと最初こう思うんです。
「何このプリン、真っ黒。聞いてみたら作り方もすごく変ってるし。えー、買って食べてみたらですって? いいよ、遠慮しときます」
「プリンにしちゃ、お値段高すぎません? ボクは今食べてるプリンでいいな、結構おいしいし、馴染んだ味だものね」
「プリン作りは私の方法が一番。何て変な作り方をするのかしら! この人たちはそもそもプリンの作り方がわかってないんじゃない」
「おいしい、おいしいって、プリンに大事なのは栄養なのよ。おいしさと栄養、どっちが大切か取り違えてません?」
でも食べみれば、「ああ、これは! 今までのとは全然違う!」
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お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp/
投稿日: 2004/2/25(10:08)
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"KYO"さんは[url:kb:174]で書きました:
〉先生たちにより多読に興味をもってもらい、多読のよさを実感してもらう、とってもいいアイディアを思いつきました!(と本人は思っている)
〉ですから、多読指導を実験的に試してもらえるような「多読指導お試しセット」みたいなものをSSSで貸し出したらどうでしょうか。たとえば、少人数の希望者を対象に5回連続の多読体験授業を開くために100〜200冊ぐらいの多読本を1ヶ月ぐらい貸し出します(簡単なやり方マニュアルとか必要なフォームとかもつけて)そしてその結果をリポートしてもらうんです。実施中に指導する先生だけでなく、できるだけ他の先生にも見てもらえるようお願いするんです。できれば無料で、
これは、多読学会で検討中の貸出の体験版ですね。
SSSで行うか 多読学会で行うか 科研費でおこなうか
という分担の問題は
ありますが、基本的なアイディアは同じですので、
費用の問題さえクリアできれば、(200冊セットで10万円分)
実行は容易です。
しかし、10セットの貸出セットをつくるいは100万円の費用が
必要です。