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617. Re: Down and out in Oxford
お名前: まりあ@SSS
投稿日: 2003/5/13(12:24)
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酒井先生、今日は。 まりあです。
〉重くて大きなプリンターをしょってきて、こんなに時間が
〉かかるとは思いませんでした。でもなんとかきょうやっと
〉プリンターが使えるようになり、すこし落ち着くと思います。
大変でしたね。インターネットを使うとつくづく
英語圏の有利さを感じます。私達はパソコンの能力の4割位を
日本語環境を作るために浪費しているように感じます。SEGの
夏休み特別クラスに、不用になった中古パソコンにでも英語版
Windowsをインストールして、インターネットからフリーソフトを
ダウンロードしたりして遊ぶなど、完全な英語環境でパソコンを
使う講習会が欲しいと投書したことが、SSSとのお付き合いの
始まりでした in reminiscence
〉食事のパターンも決まってきたし、講義の準備も大変は大変だ
〉けれども、パターンができてきた。うまいコーヒー屋も
〉見つかったし、あとは出版社と著者に会うのが決まってくれば・・・
ロンドンにスタバとかプレタマンジェとか、コーヒーショップ
ばっかりで!!でしたが、イギリス人にとって紅茶は日本人のお茶
みたいなもので、家でただで飲むものなんでしょうか?日本でも
緑茶を飲ませるお店は珍しいですからね。
〉ヨーロッパの学者は同じ本を数週間で読んで、
〉大事なところだけを自分の考えの肥やしにする。
〉そうやって何ヶ月かのうちには日本人の学者の3倍とか
〉5倍くらいの肥やしを仕入れる。
〉そして夏休みには別荘に行って、じっくり自分の考えをまとめて、
〉3年に半年、または6年に1年の休暇を使って本を書く。
〉その間には世界中の友人たちと意見交換をして、内容と文章を
〉磨いていく・・・
私は日本の学者と欧米の学者の重厚感の違いはこの休み方に
あるように感じます。CEOなどの経営のトップについても同じように
感じますから...日本人はのべつ幕なし働き過ぎで擦り切れている
んではないでしょうか?
sabbaticalというのはイギリスだけの制度ですか?
アメリカにもあるの?ビジネスパーソンでも働いてばかりだと
大局観がなくなると感じていますが、学者のように最高に深い思考を
要求される職業では、雑事から解放されてひたすら考えることに
沈潜する期間がないと、吸収した知識が醸成される暇がなく、
受け売りと大差なく感じられるものになってしまうのではないで
しょうか?
〉どうにも同じ土俵では相手になりませんね、少なくとも
〉人文社会科学の分野ではね。
〉くやしい。
人文社会科学がもともとヨーロッパの学問ですから、
仕方のない面もあるのでは?英米人の源氏物語研究家は日本人の
それに太刀打ちできる人いないのでは?
〉翻訳についてだって、欧米の連中はキリスト教の聖書の
〉正統性を保ちたいから、すでにもう何百年も議論している。
〉そこに、ぼくみたいにたかだか数十年(?)わずかな翻訳を
〉して、そのあいだに考えたことがまとまっていないような人間が
〉入っていっても、ほとんどなにも言えない!
〉くやしい。
日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉でも、このままじゃいやだから、「快読!」にも書きましたが、
〉これからの若い人は大学にはいったら欧米の大学生と同じ本を
〉同じ理解度で読めるようになってほしい。そのために残りの
〉人生を使うことにしよう。
日本には翻訳家が多すぎる!東南アジアはもとよりスウェーデン
ノルウェー辺りでも大学院レベルの勉強は母国語で出来ないと聞きます。
日本では、翻訳ばかり読んで英文学の修士論文が書けてしまうし、
最近は英語が学びやすくなって、英語が出来る人が増えるかと思ったら、
英米文学以下の英語使いがハーレクインロマンスとか娯楽小説まで
翻訳するようになってしまった(T_T;)
結局日本人にとって英語が出来る→翻訳家になる
という図式なんでしょうね。だから英語の授業は必ず和訳させる。
SSS式多読が、英語が出来る→英語で自分が学問する という流れを
つくる第一歩となりたいですね(^^*)
〉ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
〉それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
〉言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
〉ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
アジアにはアジアの文明がある。それはヨーロッパ文明とは
異質なだけで、劣っているわけではないということを示せるように
なって欲しいと願っています。
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お名前: バナナ http://www.geocities.jp/mkawachi30s/
投稿日: 2003/5/13(18:20)
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〉酒井先生、今日は。 まりあです。
こんにちは、バナナです。
〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
ちょっと気になったんで教えてください。
「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
どんな意味なんです?
ではでは
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お名前: まりあ@SSS
投稿日: 2003/5/14(01:23)
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バナナさん今晩は。まりあです。
〉〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉ちょっと気になったんで教えてください。
〉「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
〉どんな意味なんです?
まず、徹底的に正当性を検証されるのが学問の本質
じゃないかと思うんです、この前提が間違っていたらどーしよー...
それで、日本である本の翻訳が出たとして、みんなその本を
利用することが先で、翻訳そのものを徹底的に検証しないん
じゃないですか?まあ、シェイクスピアの翻訳などでは、
福田恒存訳があーだこーだなんて本もあるようですが...
あとは、とある本の翻訳者が「ここんところ苦労しました」
なんて内輪話をしたり、誰かが「ハリポタのあの部分は誤訳だ!」
と週刊誌などに書いたりでお終いでしょう?
ところがキリスト教者はしつこく翻訳されたものが
原本とパラレルかどうか検証するんだそうです。聖書とか
トマス・アクイナスの神学大全とかパスカルの瞑想録とかの
世界各国語の訳が正当性を保っているかどうか、一生かかって
研究した人がいくらもいるらしい。そしてその成果として、
翻訳とは何をすることか?どうすべきかという方法論も学問に
なっているらしいです。私がミッションスクールに通ったのは
中学までなので、教わったことも中学生レベルですみません。
留学して聖書学を勉強するTORAちゃんに将来もっときちんと
説明して貰えるのでは?
ではでは
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お名前: バナナ http://www.geocities.jp/mkawachi30s/
投稿日: 2003/5/14(08:49)
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〉バナナさん今晩は。まりあです。
おはようございます。
〉〉〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉〉〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉〉ちょっと気になったんで教えてください。
〉〉「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
〉〉どんな意味なんです?
〉 まず、徹底的に正当性を検証されるのが学問の本質
〉じゃないかと思うんです、この前提が間違っていたらどーしよー...
なるほど。ここ分かります。
〉それで、日本である本の翻訳が出たとして、みんなその本を
〉利用することが先で、翻訳そのものを徹底的に検証しないん
〉じゃないですか?まあ、シェイクスピアの翻訳などでは、
〉福田恒存訳があーだこーだなんて本もあるようですが...
〉あとは、とある本の翻訳者が「ここんところ苦労しました」
〉なんて内輪話をしたり、誰かが「ハリポタのあの部分は誤訳だ!」
〉と週刊誌などに書いたりでお終いでしょう?
ふむふむ
〉 ところがキリスト教者はしつこく翻訳されたものが
〉原本とパラレルかどうか検証するんだそうです。聖書とか
へー!
〉トマス・アクイナスの神学大全とかパスカルの瞑想録とかの
〉世界各国語の訳が正当性を保っているかどうか、一生かかって
〉研究した人がいくらもいるらしい。そしてその成果として、
神学だったらそうなんでしょうねー!
へんな訳=教義からはずれる ってことなんでしょうねー。
で、欧米の昔の学問って協会や神学と切り離せない部分が大きい
のでしょうから、そうなってるんでしょうか?
〉翻訳とは何をすることか?どうすべきかという方法論も学問に
〉なっているらしいです。私がミッションスクールに通ったのは
ぎゃぎゃ!そんな学問もあるんですか!
知らなかったなー!
びっくり!
日本と欧米の、この違いはなんなんですかね?
やっぱりキリスト教とかカソリックの教義とかそういうのが
あるのかないのかの違いなんですかね?あるいは常に他民族
を支配したりされたり、教化したりされたり、の繰返しが
そういう学問を発展させたんですかねー?
学問におけるキリスト教の果たした役割って大きかったのかなー?
こういう学問の歴史の話って面白いですね。
〉中学までなので、教わったことも中学生レベルですみません。
〉留学して聖書学を勉強するTORAちゃんに将来もっときちんと
〉説明して貰えるのでは?
〉ではでは
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まりあさんこんにちわ。ヨクサルです。
〉誰かが「ハリポタのあの部分は誤訳だ!」
〉と週刊誌などに書いたりでお終いでしょう?
私が見たのは月刊誌CAT2月号(4月号からMAGAZINE ALCに名前が変わりました。)の「ゴガク」のツボ(第23回:“翻訳的思考”で英文読みはワンランク
アップする!)のコーナーでハリポタの誤訳が指摘されていました。
ハリポタの誤訳の指摘を目的で書かれたのではなく、
「英文をちゃんと読めるようになるには、多読も精読も両方とも必要です。」
と文頭で説明されています。
「ある一定のレベルに達したら特に翻訳家を志すつもりはなくても“翻訳的思考”
はワンランク上のリーディング力につながる。」とも説明されています。
私の場合今のところ「多読」で作品を楽しみます。
〉留学して聖書学を勉強するTORAちゃんに将来もっときちんと
〉説明して貰えるのでは?
TORAさんのカナダの大学の専攻決まったそうですね。
「聖書学」なんか難しそうですが、欧米文学は「聖書」「ギリシャ神話」が基礎
になったいるのだそうです。研究し甲斐ありそうです。
TORAさんには頑張ってほしいです。
ではではm(__)m
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バナナさん、こんにちは。
〉〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉ちょっと気になったんで教えてください。
〉「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
〉どんな意味なんです?
翻訳と言うと、単に外国語を訳せばいいと思っている人が多いですが、本当は一種の特殊技能なんです。言葉の背後には独自の文化や考え方があり、それをうまく自国語に移し変えるのには相当の技術が必要です。多読をしていて、「これは日本語にはない表現だな」と思うことはありませんか?それをどんな風に日本語として表現するか、おそらく「日本では翻訳は技術」という発言にはそういった意味があると思います。
しかし、技術だけ習得して終わってしまってはいけない、というのが「学問」になるのではないでしょうか。翻訳をするための考え方や取り組み方、テキストの選び方や異なる言語の調整の仕方とか…。
私も具体的に「翻訳の学問」とは何か、を知っているわけではありません。しかし外国語を自然な自国語に移し変えるのはかなり難しいことですので、それが「学問」になるのは充分ありうることだと思います。