Re: Ryotasanさん ありがとう!

[掲示板: 〈過去ログ〉英語のことなんでも -- 最新メッセージID: 2495 // 時刻: 2024/11/24(10:29)]

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2168. Re: Ryotasanさん ありがとう!

お名前: たかぽん
投稿日: 2008/3/13(19:44)

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Ryotasanさん、ふたたびありがとうございます!

〉たかぽんのおかげで、
〉有意義なやりとりをもうちょっとだけできそうです。

そうですか・・・
私はちょっともう、お話しする知識・教養がいっぱいいっぱいかもです^^;

〉〉「失敗」だなんて、とんでもないっす!
〉〉みんなに暖かいお言葉をいただいて、これもa blessing in disguiseだったかなと思っております。

〉〉〉スポーツにおける規則と文法的な規範との違いについては、
〉〉〉なるほどと思いましたよ。
〉〉〉重要な問題だし。

〉〉ほんとにしつこいようですが、やはり文法を「規範」と言ってしまうことには抵抗があります。(笑)

〉この点はもう少し説明が必要でしたね。
〉おっしゃることは分かります。

以下、丁寧に説明してくださって、ありがとうございました。

〉〉やはり、もともと文法は、事実上の習慣を観察して、学者さんが体系化したものに過ぎないと思います。

〉いいえ。
〉実はそうでもないんです。

そうですね。勝手に決めといて「これが正しい」とするパターンもあるなぁと、
後で気がつきました。。

ちょこっと、法律学の刑法でやった、「自然犯」と「法定犯」のことを思い出しました。
自然犯というのは、殺人などのように、一般に「悪い」と考えられている犯罪、
法定犯というのは、一般に「悪い」と考えられているわけではないけれど、
法律で犯罪と決めたので犯罪とされている犯罪(行政犯ともいう?)、だったと思いますが、
法定犯が、長年のうちに、自然犯化することがあると言われています。
たとえば、昔、自動車でスピードを出すのは犯罪的とは思われていませんでしたが、
スピード違反という犯罪ができて、長年たってくると、誰もがそれを、
「悪い」ことだと認識するようになる、というような。
(うろおぼえで書いてます。ぜんぜんそんな話じゃなかったかもしれません・・・)

〉〉そこに、(酒井先生がおっしゃるように、)権威・権力による強制の要素が入って、
〉〉はじめて、法律的という意味での「規範」とみなされるようになるのだと思います。

〉そうです。
〉一般的に "grammar" とか「文法」と呼ばれている文書は、
〉そっちを指すことの方が多いと思っています。

ただそれでも、文法は、法律的という意味での「規範」ではないのではないかと思います。
いくら、「これが標準的な文法です」と、偉い人たちのグループが提示したといっても、
それは、法律を制定・施行して強制するのとは根本的に何かが違いますよね。
単に、権力が強制して、守らないとサンクションがある、っていうだけじゃない何か。
「法とは何か」という問題になりそうですが。legitimacyというか。。。

〉〉「である」が「すべき」に変わるとき。。。
〉〉いかにして権威・権力の強制の要素が入ってくるのか(歴史的に入ってきたのか)という話を、
〉〉実はいろいろうかがったりしたいなと思っていました。そういう広がりが生まれればと。

〉もともと英語は方言の寄せ集めで、
〉みんな好き勝手に喋っていました。
〉辞書も無かったので、
〉単語のつづりも適当というかバラバラでした。
〉それではあまりに節操がないので、
〉Sheakespeare はイタリアの詩を手本に劇や詩を書きました。
〉聖書の英語訳は比較的整然としていますが、
〉これはヘブライ語やギリシャ語やラテン語の文章を手本にしたのと、
〉文字の読めない人を対象に教会で読み聞かせるという目的が明確だったせいだと思います。

シェークスピアについては、聞いたことがあります。
ちょっとそれますが、今の人は、「シェークスピアって、ことわざばっかりじゃんか!」という感想を持つそうですが、
シェークスピアの書いたことが、たくさんことわざになってるんですよね(笑)

〉これでは不便なので、
〉標準的な文章の書き方を定めようと言う声があり、
〉学者や作家や政治家たちが規範を定める努力をして築かれて来たのが、
〉英文法なのです。
〉Oxford Bookworms Factfiles にある
〉The History of the English Language に概要が載っています。

あ。その本持ってます。家のどこかにあるはず。。。

〉学校での授業が英文法をふまえて行なわれるようになると、
〉段々に職業作家も英文法を意識して文章を書くようになりました。

なるほど。
なんか、「近代国家」ってのが関係しそうですね。

〉こういう権威からの押しつけ文法 (prescriptive grammar) に疑問を感じ、
〉実際に広く使われている用例を調査し、
〉多くの利用者のあいだで合意が得られている英文法のすがた、
〉民主的な descriptive grammar を明らかにしようという研究も、
〉最近は行なわれています。
〉たかぽんが目指しているのはそっちなんですね。
〉好き嫌いは別として、
〉両方あるんです。
〉重なっている部分も多いと思います。

権威からの押しつけ文法であっても、それは法律的という意味の「規範」ではないと思います。しつこいようですけど(笑)
権威から発したものが事実上のドミナンスを持つということはあると思います。
でも、それでも法律とは違う。
たとえば、文法と違う言葉づかいをした人を、法律で処罰したりすることは正当化されませんよね。
それはなぜなのか?
(あ。独裁国家だとありうるのかな?。。。)

〉〉英語、フランス語、ドイツ語などでも、そのあたりの事情がぜんぜん違ってそうです。

〉フランスは国家の政策として国語を重視して来たし、
〉ドイツ語も色々な方言があったなかから国語として標準的な形を定める努力はしてきたようです。

ドイツ語は、マルチン・ルター訳の聖書が、大きな役割を果たしたみたいですね。

日本の事情は、井上ひさし氏?の『国語元年』?とかいう作品で、描いてたと思います。

〉〉でも、Ryotasanさんが、雑談掲示板のほうでお書きになっていることが、まさに
〉〉それに類するお話ですよね。

〉具体的にどの話なのかは分かりませんが、
〉そういうことを常に考えて投稿しているのは確かです。

いつも奥深い内容で、すごいなと思います。

〉〉〉こども式の掲示板でお会いできると思うし、
〉〉〉きっと円熟してこの掲示板に帰ってくると信じています。

〉〉円熟するでしょうか・・・
〉〉持って生まれた性格的なものなので、無理かもしれません(笑)

〉たかぽんの性格が変わるとは思っていません。
〉そういうことを望んでいるわけではないのです。
〉でも、
〉発展によって、
〉新しい側面が育ってくることはあると思います。

どうでしょうね(笑)

〉〉でも、またこちらに戻ってくるようなことがありましたら、よろしくお願いします。

〉こちらこそ。
〉僕は所属ということにあまり拘りたくないので、
〉別の場所でもお会いできるかも知れません。

そうですね。いずこでも、よろしくお願いいたします。

〉〉ありがとうございました!

〉僕からも、
〉ありがとうございました!

とんでもないです。
重ねがさねありがとうございました!


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2169. たしかに grammar と law は違うかもしれませんね

お名前: Ryotasan
投稿日: 2008/3/13(20:04)

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話が深まって来たのでもう少し行きましょう。

国家の事業として、
国語の形を明確にするため、
grammar が築かれて来たことを申し上げたんですが、
たしかにこれは、
議会で決めた法律とも自然の法則とも違いますね。
せいぜい「作法」と言ったところでしょうか。

英語で言えば、
"law" ではなく、
"rules" か "guidelines" に近いでしょう。
実際のところ、
grammar について英語で述べた文章の中で、
"law" という単語はあまり使われないです。

もしかしたら "grammar" を「文法」と訳すことにも、
不自然さがあるかもしれません。

以上ですが、
お返事は時間が余ったときで結構です。


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2173. Re: たしかに grammar と law は違うかもしれませんね

お名前: たかぽん
投稿日: 2008/3/13(22:32)

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Ryotasanさん、こんばんは!

〉話が深まって来たのでもう少し行きましょう。

たしかに、ちょっとおもしろくなってきましたね…^^;

〉国家の事業として、
〉国語の形を明確にするため、
〉grammar が築かれて来たことを申し上げたんですが、
〉たしかにこれは、
〉議会で決めた法律とも自然の法則とも違いますね。
〉せいぜい「作法」と言ったところでしょうか。

そうなんでしょうね。酒井先生もそんなことをおっしゃってましたね。

私は世界史よく知らないのでわからないのですが、「国家」というのがここでキーなのかと。
ヨーロッパで言うと、中世には教会とか封建領主とか国王とか、重層的に権力があって、
それが国王の権力へと統一されていくっていうのが、近代国家成立の大ざっぱなところだと思うんですが、
「国家」を成立させるためのひとつの道具として、「国語」の統一という事業があったということなんでしょうか。
(でも、中には多言語の国家もありますね。う〜ん・・・)

でも、そもそも、どの領域までを「わが国」とするのか、誰を国民とするのか、という点が、
ヨーロッパあたりだとややこしかっただろうなと思います。
そこに言語が複雑にからみ・・・

「議会」といっても、なんで「その議会」に法律を作る権限があるのか?
authorityとかlegitimacyの問題だと思いますが、それは、逆転の発想であって、
議会を含む政府そのものが「国家」であると。ふむ。
結局、権力闘争によって、ある領域を支配した政府が、すなわち「国家」だと。

あ。そうか。ですから、「国家」と「言語」は必ずしも重ならないんですね!

lawというのは、governmentがあってのものです。その国(領域)や、その国民を支配します。
しかし、言語は、必ずしも一国家に限られるものではないので、言語に枷ははめられない。

では、「『国』語」とは何なのか・・・

すみません。以上、頭に浮かぶままを書いてしまいました。。

〉英語で言えば、
〉"law" ではなく、
〉"rules" か "guidelines" に近いでしょう。
〉実際のところ、
〉grammar について英語で述べた文章の中で、
〉"law" という単語はあまり使われないです。

言語が、超国家的なものなので、強制権力がないため、lawと言いにくいのかもしれません。

それと、やはり言語というのは、mother tongueというように、その人の民族やらの歴史を背負った
アイデンティティーにかかわるものであるので、国内においても、それを法律によって強制することは許されない、
という観念があるのでしょう。

(lawと言うと、何がなんでも守らせて、違反したら即刻ペナルティー、ってイメージがあります。)

でも、おっしゃっていたように、世界に向けての国家戦略として、英語やフランス語の形の「標準」を作る。
そういうことがあったわけなんでしょうね。そして、それが今でも行なわれているんでしょう。

(エスペラント語のことなんかも・・・)

〉もしかしたら "grammar" を「文法」と訳すことにも、
〉不自然さがあるかもしれません。

そうですね。
「法」は、"law"よりも広い感じはします。「方法」でも「法」と言うように。
でも、現代の「法」は、法律が多くなり生活に密着してきたこともあってか、
昔よりも"law"の語感に近づいてきているのではないでしょうか。
なので、「文法」と言われると、"law"っぽく感じるようになってしまってるというか。

〉以上ですが、
〉お返事は時間が余ったときで結構です。

あまり考えがまとまらなかったのですが・・・ ひとまず投稿してみます。

それでは。


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