[掲示板: 〈過去ログ〉英語のことなんでも -- 最新メッセージID: 2495 // 時刻: 2024/11/23(14:32)]
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1689. Re:理解につながる語彙力って…?(長いです、ごめんなさい)
お名前: fiona
投稿日: 2007/12/6(15:38)
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オレンジさん、みなさん、今日は。fionaです。
語彙を増やすのに直接関係はないのですが、理解力につながる語彙力って何?と、最近考えることがあったので書いておきます。
この前の日曜日、多読を始める何年か前に少しだけ読んだ「Pollyanna」を、もう一度、少し読んで見ました。
そこで、「あれあれ?!」と思ったのです。
以前に比べて、ずっと良く分かる。
これが、多読の効果なのかなあ…と思ったのですが、知っている単語の語数はそれほど増えていないのになぜ?、と疑問に思いました。
多読量は、もう少しで100万語になりますが、一部のキリン読み(数万語)を除いては易しいものしか読んでいません。具体的に書くと、PGR0から始まってOBW1までのGR(レベル0〜2)を約50万語とPGR2が十数冊。その後、児童書に行ってNate(レベル1)を25冊全部、Olivia Sharp(レベル2)を4冊全部、Cam Jansen(レベル2)を5冊、そして今継続中のMagic Tree House(レベル2)が26冊、現在95万語あたりなのです。
「Pollyanna」を読んだ時の、前回と今回の違いは、前回はストーリーの流れしか(ほとんど)分からなかったのに対し、今回は登場人物の心の動きや細かなしぐさ、さらにしゃべっている口調(感じ)まで読み取れることです。
本1冊を1枚の絵画に例えるなら、分からない単語と言うのは、絵画の見えない(欠けている)部分と言えるでしょう。今回は、以前と、この見えていない部分の量はあまり変化していない。
何が違うかと言うと、見える部分が、よりはっきり見えるようになった(どなたかが、解像度とおっしゃってましたね)。今回に比べると、以前に読んだ時は、見えていてもかなりピントがずれていて、ぼんやりとしか見えていなかった感じがします。
なぜ、細かく見えるようになったのか?知っている単語の数以外に何が変わったのか?、を考えてみました。
単語の持つ意味(語義)は一つではないので、一つの単語に対する語義が増えた。さらに、その単語のいろんな使い方を覚えた(「Does this go here?(これ、ここにつなぐの?)」といったgoの使い方など)。
でも、これもあまり増えているようには思えない。他に、何かが変わっているような気がする。
そこで、さらによく考えてみると、単語と頭の中のイメージとの結びつきが強くなったり、そのイメージが膨らんでいるように思われました。
英語では上手く例をあげられないのですが、日本語では、「赤」といえば、あの色を思い浮かべます。さらに、そこに付随して、「血」とか「ポスト」とか「信号」といったもの、「情熱」といった抽象的なイメージがくっ付いてきます。
日本語では、こういったイメージが言葉(単語)と表裏一体で結びついているのに、英語では言葉とイメージとに距離のある感じがします。さらに、そのイメージも薄っぺらい。
多読で大きく変わったのは、この単語とイメージとの結びつきの強さや、そのイメージの豊富さではないか…と思ったのです。
整理してみると、理解力につながる語彙力と言うのは、3つの要素があるのでは(と言うより、3つしか思い浮かばなかった)ないかと思ったのでした。
一つ目は、知っている単語の数(どの程度知っているかは問わない)…「語彙の数」とします。
二つ目は、その単語の知っている(理解している)意味や使い方の広さ。…「語彙の幅」とします。
三つ目が、その単語とイメージとの結びつきの強さ、イメージの豊富さ。…「語彙の深さ」とします。
(イメージの「結びつきの強さ」と「豊富さ」とは別の要素かも知れませんが、ここでは一つにしておきます)
そして、この3つの大きさを掛けたものが、語彙力ではないだうか、という仮説を立ててみました。
題して、語彙力3次元モデル。
数学の立体の、x、y、z軸にそれぞれ、「語彙の数」「語彙の幅」「語彙の深さ」を当てはめ、その数値をプロットして結ぶと立体ができる、この立体の体積が大きいほど、(理解するための)語彙力が大きい…といったイメージです。
今回の私の変化は、語彙の深さが大きくなったため、(語彙力の体積が大きくなり)理解力がアップしたのではないかと考えられえます(要するに、単語とイメージとの結びつきが強く、イメージも豊富になったのが原因)。
みなさんは、どう思われるでしょう。
言葉の持つイメージがたくさん絡まりあって、一つの物語を作っていく。ですから、この「語彙の深さ」(イメージ)の部分は、重要ではないかと思うのですが…。
また、易しいものをたくさん読むのが良いと言うのは、「語彙の幅」、特に「語彙の深さ」(イメージ)を広げることができるからではないでしょうか?(難しいものでは、逆にここが広がりにくい?)
ここ2、3日で考えたことなので、こんなので良いのかどうか?
他の方が多読をされてきて、どのように感じ、このモデルをどう思われるのかを聞いては見たいのですが……。どうなんでしょう?
ではでは〜。
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1690. Re: 理解につながる語彙力って…?(長いです、ごめんなさい)
お名前: 酒井@tadoku.org http://tadoku.org
投稿日: 2007/12/6(18:28)
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fionaさん、こんにちは!
さかい@tadoku.orgです。
オレンジさん、みなさん、こんにちは!!
〉オレンジさん、みなさん、今日は。fionaです。
〉語彙を増やすのに直接関係はないのですが、理解力につながる語彙力って何?と、最近考えることがあったので書いておきます。
〉この前の日曜日、多読を始める何年か前に少しだけ読んだ「Pollyanna」を、もう一度、少し読んで見ました。
〉そこで、「あれあれ?!」と思ったのです。
〉以前に比べて、ずっと良く分かる。
〉これが、多読の効果なのかなあ…と思ったのですが、知っている単語の語数はそれほど増えていないのになぜ?、と疑問に思いました。
〉多読量は、もう少しで100万語になりますが、一部のキリン読み(数万語)を除いては易しいものしか読んでいません。具体的に書くと、PGR0から始まってOBW1までのGR(レベル0〜2)を約50万語とPGR2が十数冊。その後、児童書に行ってNate(レベル1)を25冊全部、Olivia Sharp(レベル2)を4冊全部、Cam Jansen(レベル2)を5冊、そして今継続中のMagic Tree House(レベル2)が26冊、現在95万語あたりなのです。
〉「Pollyanna」を読んだ時の、前回と今回の違いは、前回はストーリーの流れしか(ほとんど)分からなかったのに対し、今回は登場人物の心の動きや細かなしぐさ、さらにしゃべっている口調(感じ)まで読み取れることです。
〉本1冊を1枚の絵画に例えるなら、分からない単語と言うのは、絵画の見えない(欠けている)部分と言えるでしょう。今回は、以前と、この見えていない部分の量はあまり変化していない。
〉何が違うかと言うと、見える部分が、よりはっきり見えるようになった(どなたかが、解像度とおっしゃってましたね)。今回に比べると、以前に読んだ時は、見えていてもかなりピントがずれていて、ぼんやりとしか見えていなかった感じがします。
〉なぜ、細かく見えるようになったのか?知っている単語の数以外に何が変わったのか?、を考えてみました。
〉単語の持つ意味(語義)は一つではないので、一つの単語に対する語義が増えた。さらに、その単語のいろんな使い方を覚えた(「Does this go here?(これ、ここにつなぐの?)」といったgoの使い方など)。
〉でも、これもあまり増えているようには思えない。他に、何かが変わっているような気がする。
〉そこで、さらによく考えてみると、単語と頭の中のイメージとの結びつきが強くなったり、そのイメージが膨らんでいるように思われました。
〉英語では上手く例をあげられないのですが、日本語では、「赤」といえば、あの色を思い浮かべます。さらに、そこに付随して、「血」とか「ポスト」とか「信号」といったもの、「情熱」といった抽象的なイメージがくっ付いてきます。
〉日本語では、こういったイメージが言葉(単語)と表裏一体で結びついているのに、英語では言葉とイメージとに距離のある感じがします。さらに、そのイメージも薄っぺらい。
〉多読で大きく変わったのは、この単語とイメージとの結びつきの強さや、そのイメージの豊富さではないか…と思ったのです。
〉整理してみると、理解力につながる語彙力と言うのは、3つの要素があるのでは(と言うより、3つしか思い浮かばなかった)ないかと思ったのでした。
〉一つ目は、知っている単語の数(どの程度知っているかは問わない)…「語彙の数」とします。
〉二つ目は、その単語の知っている(理解している)意味や使い方の広さ。…「語彙の幅」とします。
〉三つ目が、その単語とイメージとの結びつきの強さ、イメージの豊富さ。…「語彙の深さ」とします。
〉(イメージの「結びつきの強さ」と「豊富さ」とは別の要素かも知れませんが、ここでは一つにしておきます)
〉そして、この3つの大きさを掛けたものが、語彙力ではないだうか、という仮説を立ててみました。
〉題して、語彙力3次元モデル。
〉数学の立体の、x、y、z軸にそれぞれ、「語彙の数」「語彙の幅」「語彙の深さ」を当てはめ、その数値をプロットして結ぶと立体ができる、この立体の体積が大きいほど、(理解するための)語彙力が大きい…といったイメージです。
〉今回の私の変化は、語彙の深さが大きくなったため、(語彙力の体積が大きくなり)理解力がアップしたのではないかと考えられえます(要するに、単語とイメージとの結びつきが強く、イメージも豊富になったのが原因)。
〉みなさんは、どう思われるでしょう。
〉言葉の持つイメージがたくさん絡まりあって、一つの物語を作っていく。ですから、この「語彙の深さ」(イメージ)の部分は、重要ではないかと思うのですが…。
〉また、易しいものをたくさん読むのが良いと言うのは、「語彙の幅」、特に「語彙の深さ」(イメージ)を広げることができるからではないでしょうか?(難しいものでは、逆にここが広がりにくい?)
〉ここ2、3日で考えたことなので、こんなので良いのかどうか?
〉他の方が多読をされてきて、どのように感じ、このモデルをどう思われるのかを聞いては見たいのですが……。どうなんでしょう?
〉ではでは〜。
すばらしーです!
単語を取り出していくら覚えてもそれは「痩せた知識」でしかない、
ということを非常にわかりやすく思い描けますね。
お見事!
これからはこのモデルを使って語彙を考えていこうと思います。
それでうまく説明できないところが出てくるでしょうから、
そうしたら、もう一段わたしたちの語彙理解が進むわけですね!
ありがとー!!
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1697. Re: 理解につながる語彙力って…?(長いです、ごめんなさい)
お名前: fiona
投稿日: 2007/12/8(22:56)
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酒井先生、ありがとうございます。
ただ、語彙の深さってどんなものか、まだイメージが曖昧な部分があります。
直感的に、こんなものという感じはあるのですが、言葉で説明しにくい。
また、「語彙の深さ」を一つの要素としていいのか?もしかしたら2以上の要素が混ざっているのではないかと思うこともあります。
とにかく、何かに必要でしたら、どうぞご自由に使って下さい。
ではでは。
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1691. Re: 理解につながる語彙力って…?おもしろい!
お名前: こるも
投稿日: 2007/12/6(22:38)
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fionaさん、こんばんは。
オレンジさん、おじゃまします。
すご〜い、おもしろ〜い。
そしてわかりやすい!
理系っぽい〜!!
(いつもこんな感想ですみません)
(こんなぶちょうでもいいのでしょうか?)
つまり、語彙力というのは、三次元的に広がったものだと言う仮説ですね!
ふふふ。でも実はもっと広いものかもしれませんね?
4次元とか5次元とか。
この辺は、半分冗談です。
私も今Holesを再読しているのですが、一回目よりもずいぶん読解力が上がりました。
みなさんのおっしゃるように、輪郭がはっきりしてきた感じです。
「ストーリーがわかっている分、細かいところまで気が付くのかなあ?」
と思っていたのですが。
それだけではないのかもしれませんね。
fionaさんの説を読んで、「なるほど〜」と思いました。
単語の持つイメージですが、私の場合はplainという単語に変化が出ました。
今までは、「何も入っていない」とか、「シンプルな」とかいうイメージだったのですが。
この夏にケニアに行って、アフリカのサバンナのこともplainというのですね。
いまは、「plain」を見ると、目の前にサバンナが広がります。
3次元目のイメージが深まっているのかもしれません。
何を言いたいのかわからなくなってきました。
fionaさんの投稿は、すごく面白かった!といいたかったのです。
では!
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1698. Re: 理解につながる語彙力って…?おもしろい!
お名前: fiona
投稿日: 2007/12/8(23:22)
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こるもさん、今晩は。
現在、あまり一つのことを考えすぎて、頭がオーバーヒート気味です。
理系っぽいというより、理系的発想でしょうね。私は理系人間ですし。
高校のときの実力テストも、理科はトップのあたり、社会は一番下のあたりでした。(すごい格差!!)
語彙力は、もしかしたらもっと多次元に広がっているのかもしれません。
特に、語彙の深さは、一つではなく、2つ以上の要素からできているのかも…と思うこともあります。
語彙力4次元モデル、名前は3次元よりかっこいい!…でも、4つの次元を掛け合わせた4次元的な体積が語彙力?イメージ的にどんなものか想像できない!!
ということで、できれば3次元まででおさまって欲しいのですが。
だいたい、4つ以上のものは直感的にわかりにくい。なんとかの原則というのも、3つというのが多いですよね。(多読の3原則とか)
一番原始的な数の数え方も、「1」「2」「3」「たくさん」だと聞いたことがあるし。
「plain」でサバンナが目の前に広がるんですか。
私は、「マイフェアレディ」(そしてオードリー・ヘップバーン)を思い出します。確か、ヒロインのイライザ(でしたっけ)が"in plain"とか"in Spain"と歌っていたので。
テレビで見たので、歌以外は日本語でしたが、発音の練習に「スペインでは、雨は主に広野に降る」と言っていたので、"In Spain it rains mainly in plain."というようなことを練習していたのかな?を思っています。
「plain」がサバンナのような場所の意味がある、と言うのが付け加わったのは、どちらかというと「語彙の幅」の方が広がったのかな?という気がしますが、目の前にその光景が浮かぶというのは、かなり「語彙の深さ」も深まっているんでしょうね。
ではでは。
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1695. Re: 理解につながる語彙力って…?(長いです、ごめんなさい)
お名前: アーニャ
投稿日: 2007/12/7(23:10)
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fionaさん、こるもさんお久しぶりです♪
オレンジさん、ちょっと横レスでお邪魔します。
久しぶりに掲示板を覗くと、fionaさんのすばらしい投稿に遭遇。ラッキー!
fionaさんすんばらしい分析ですね!
私もよく多読のことをあれこれ自分なりに考えてみることはありますが、
語彙力をピンポイントでここまで考えたことが無かったので、
とても面白く読ませてもらいました。
こるもさんが「Holes」を再読なされたと聞いて、敏感に反応。
「Holes」は私の何度読んでも飽きない本の一つなんですよねぇ。
一回目に読んだときは、まだまだ分からない単語や、状況が沢山ありました。推測もまだあいまいです。
二回目に読んだときは、もう大体のあらすじが分かっているので、分からない単語が少し減っていたように思います。
dirtやweedなどの単語を習得。←「語彙の数」
あれと言えばsoil、と多読を始める前は思っていましたが、多読を始めてからめっきりsoilという単語は見かけないなぁ。
今読んでいる易しい本に出てくるのも、dirtがほとんどです。
三回目は、映画「穴」を見た後だったので、読む時のイメージがより鮮明に。
あと、わからなかった場面がはっきりしました。←「語彙の深さ」かな?
四回目は、「Holes」には、まだ分からない単語がいったいいくつあるのか知りたくて、辞書を引き引き読みましたが、途中で面倒くさくなって、やめてしまいました(^^;
五回目は、たとえ分からない単語があったとしても、推測できるものばかりで快適そのものでした。
←「Holes」の語彙力三次元がほどよくいい感じになってきている!?
…と早速当てはめてみました(笑)
振り返ってみると、多読では特に「語彙の深さ」をよく吸収しているみたいですね。
いやぁ、本当にfionaさん興味深い解説ありがとうございます。
なんだかスッキリした気分になりました。
アーニャ
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1699. Re: 理解につながる語彙力って…?(長いです、ごめんなさい)
お名前: fiona
投稿日: 2007/12/8(23:34)
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アーニャさん、今晩は。
言われるように、多読は、「語彙の深さ」を広げるのにとても効果的なのではないかと思います。
単語集の暗記では、この部分は薄っぺらいままになるように思います。(語彙力の増大には効果的でない?)
最近の単語集は例文が載っていたり、文章から単語を取り出して覚えようとしたりしているようです。そのほうが覚えやすいことと、意識的にではないかもしれませんが「語彙の深さ」の充実もそこで図ろうとしているような感じがします。
でも、やはり本をたくさん読んで、何回もいろんな場面でその単語に出会わないと「語彙の深さ」は伸すのは無理なのではないでしょうかね。
ではでは。