Re: 中国の古典

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12374. Re: 中国の古典

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/3/12(00:13)

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…というと、反応せずに入られない私。(なにしろ東洋史が専門)。

〉この I Ching。とても気になってつい、禁断の英和辞典を引いて調べてしまいました。

〉答えは「易経」。四書五経の五経のひとつというやつです。

私も「ええっ!?」と思って辞書を引きましたが…載っていないんですが。やはり特殊な語なのでは?もしや「易経のことがわかっている」というより中国の古典、難しい本、ぐらいの意味かもしれません。

〉それで、あ、論語や老荘を、英語で読んだらいいかもしれんと思ったのです。
〉(ここ、ちょっと飛躍がありますが・・・)
〉漢文でちゃんと読むのがスジなのかもしれませんが(漢文が「ちゃんと」した読み方
〉なのかはよくわかりませんが)、英語の方が案外なじみやすくわかりやすいかも
〉しれません。中国語と英語って、中国語と日本語よりも、論理のもって行き方が似てる
〉やうな気もするんですが(ここは単なるイメージです)。

それはおもしろいかもしれませんね。英語ではどんな風に書いてあるのか…。
しかし「ちゃんと読む」なら漢文よりも日本語訳でしょう。日本の漢文研究はとても発達しているので、英米人より理解は深いし信用できると思います。四書五経は二千五百年以上昔の本ですので、原文では中国人も理解できません。そのまま読んで翻訳する、という訳には行かないのです。日本人でも「源氏物語」を原文で読める人はなかなかいないのと同じ。
また、訓読は日本人が独自に編み出した方法で、それでは「原文を読んでいる」ことにはなりません。おまけに現代人には注釈だらけでないと読めないので、辞書を引くのと同じぐらい面倒です。私は訓読ではなく現代中国語読みで漢文史料が読めることになるのが目標ですが。

それからツッコミ入れて悪いんですが、中国語はヨーロッパ語のように理路整然としたところがない言葉です。「シチュエーション言語」と言っていいぐらい、シチュエーションによって意味が千変万化する、アメーバみたに捉えどころのないやっかいな言葉です。英語のように論理の持って行きようがないのではないかと。


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12389. Re: 中国の古典

お名前: 秋男
投稿日: 2003/3/12(01:44)

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杏樹さん、こんばんは。

〉…というと、反応せずに入られない私。(なにしろ東洋史が専門)。

 ありがとうございます。実は杏樹さんのお出ましを願ってたんです・・・

〉〉この I Ching。とても気になってつい、禁断の英和辞典を引いて調べてしまいました。
〉〉答えは「易経」。四書五経の五経のひとつというやつです。

〉私も「ええっ!?」と思って辞書を引きましたが…載っていないんですが。やはり特殊な語なのでは?もしや「易経のことがわかっている」というより中国の古典、難しい本、ぐらいの意味かもしれません。

 わたし、多読直前に買ってしまってほったらかしてあった「リーダーズ英和辞典」を
 引きました。(はじめて役に立った〜)
 でもそんな大辞典にしか載ってないってことは特殊な語なんですかねぇ。
 しかし、まあ中身はわかってないとは思うんですけど、「易経」って名前が出てくる
 こと自体でちょっとびっくりしたんです。それに、五経の中でなぜ易なのかも不思議な感じ。
 (ちなみに、Book of changesともいうんだそうです)

〉〉それで、あ、論語や老荘を、英語で読んだらいいかもしれんと思ったのです。
〉〉(ここ、ちょっと飛躍がありますが・・・)
〉〉漢文でちゃんと読むのがスジなのかもしれませんが(漢文が「ちゃんと」した読み方
〉〉なのかはよくわかりませんが)、英語の方が案外なじみやすくわかりやすいかも
〉〉しれません。中国語と英語って、中国語と日本語よりも、論理のもって行き方が似てる
〉〉やうな気もするんですが(ここは単なるイメージです)。

〉それはおもしろいかもしれませんね。英語ではどんな風に書いてあるのか…。
〉しかし「ちゃんと読む」なら漢文よりも日本語訳でしょう。日本の漢文研究はとても発達しているので、英米人より理解は深いし信用できると思います。四書五経は二千五百年以上昔の本ですので、原文では中国人も理解できません。そのまま読んで翻訳する、という訳には行かないのです。日本人でも「源氏物語」を原文で読める人はなかなかいないのと同じ。

 う〜む、なるほど。日本も捨てたもんではないんですね。

 でも、英語で読むのが魅力的だなあ、たとえ間違ってたとしても。
 英語なら読む気がするんだよなあ。
 英語病だなあ・・・

〉また、訓読は日本人が独自に編み出した方法で、それでは「原文を読んでいる」ことにはなりません。おまけに現代人には注釈だらけでないと読めないので、辞書を引くのと同じぐらい面倒です。私は訓読ではなく現代中国語読みで漢文史料が読めることになるのが目標ですが。

 そうっすね。英語に訓点入れて「我はひとりの男子なり」と言っても英語読んだことには
 なりませんもんね。(でも、そんなふうに英語を読もうとした人が実際いたとか・・・)
 現代中国語読みで漢文史料が読めたらかっこいいですねー!
 わたし、李白の詩が発音できたらええなあと思ったことあります。やっぱり詩は、
 音ですよねえ。

〉それからツッコミ入れて悪いんですが、中国語はヨーロッパ語のように理路整然としたところがない言葉です。「シチュエーション言語」と言っていいぐらい、シチュエーションによって意味が千変万化する、アメーバみたに捉えどころのないやっかいな言葉です。英語のように論理の持って行きようがないのではないかと。

 お言葉を返すようですが、教えてくださってありがとうございます。
 いや、中国語の何たるかを全く知らないもので、ボワ〜ンとしたイメージで言って
 しまいました。御容赦ください。

 いやあ、言葉って、おもしろいですね。(と半ばごまかし・・)
 それではまた!


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12457. Re: 中国の古典

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/3/13(03:00)

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秋男さん、こんばんは。

〉 ありがとうございます。実は杏樹さんのお出ましを願ってたんです・・・

う…。引っかかってしまった。

〉 わたし、多読直前に買ってしまってほったらかしてあった「リーダーズ英和辞典」を
〉 引きました。(はじめて役に立った〜)
〉 でもそんな大辞典にしか載ってないってことは特殊な語なんですかねぇ。
〉 しかし、まあ中身はわかってないとは思うんですけど、「易経」って名前が出てくる
〉 こと自体でちょっとびっくりしたんです。それに、五経の中でなぜ易なのかも不思議な感じ。
〉 (ちなみに、Book of changesともいうんだそうです)

大辞典ですか。確かにどうして「易経」?って思いますね。Book of changesって???

〉 でも、英語で読むのが魅力的だなあ、たとえ間違ってたとしても。
〉 英語なら読む気がするんだよなあ。
〉 英語病だなあ・・・

多読の効果ですね。万引きへの道は近いです。

〉 わたし、李白の詩が発音できたらええなあと思ったことあります。やっぱり詩は、
〉 音ですよねえ。

唐詩は実際には唐代の音とはかなり違っていますが、現代中国語で読んでもリズム感があっていいですよ。発音に厳密な規則があるのでそれに従って作れば一定の美しいリズムが出来上がります。

〉 お言葉を返すようですが、教えてくださってありがとうございます。
〉 いや、中国語の何たるかを全く知らないもので、ボワ〜ンとしたイメージで言って
〉 しまいました。御容赦ください。

いえいえ。よく考えてみると、日本語と英語が隔たりすぎてるんです。それを考えればまだ中国語の方が英語に近い部分があるかもしれません。

〉 いやあ、言葉って、おもしろいですね。(と半ばごまかし・・)

おもしろいですよ〜♪

〉 それではまた!

それではまた。


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12493. 高島俊男(杏樹さんへ。Re: 中国の古典)

お名前: 秋男
投稿日: 2003/3/13(22:44)

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杏樹さん、こんばんは。秋男です。

〉〉 わたし、李白の詩が発音できたらええなあと思ったことあります。やっぱり詩は、
〉〉 音ですよねえ。

〉唐詩は実際には唐代の音とはかなり違っていますが、現代中国語で読んでもリズム感があっていいですよ。発音に厳密な規則があるのでそれに従って作れば一定の美しいリズムが出来上がります。

 あ〜、平仄というやつですよね。昔、石川忠久?がラジオで漢詩を詠んではって、
 おー、詩はやっぱり詠ってこそやなー、と思いました。

 夏目漱石が漢詩を作ってますが、すごいことですよね。
 (まあ、すごい人なんですが。)

 思い出したことがあるので御報告します。(御存じかも・・・)
 高島俊男という人の『本が好き、悪口言うのはもっと好き』(文春文庫)の中の
 「ネアカ李白とネクラ杜甫」というのが面白かったです。
 李白と杜甫のことがよくわかりました(そんままや・・・)。
 「李白は七絶、杜甫は五律」というのも、う〜ん、なっとく!
 著者の高島氏は、例の『漢字と日本人』(文春新書)を書いた人です。
 専門の人から見ると当り前だのクラッカーなことばかりかも知れませんが、
 この人の文章自体がなんとも面白いので、御一読の価値ありかと思われます。

 ではではHappy Reading!!

P.S. 読みやすくて私のお気に入りな本は、
   Astrid Lindgren の The Children of Noisy Village (やかまし村の子どもたち)です。
   (ISBN:0-14-032609-X)
   長くつ下のピッピを書いた人ですね。
   ピッピはちょい難しめですが、やかまし村の方は比較的素直な文章です。
   児童書に詳しい友人に薦められて読んだのですが、大いに気に入ってしまって、
   いま4回目を読んでいるところです。
   御参考までに。


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12510. まだひっぱってもいいのだろうか

お名前: 杏樹
投稿日: 2003/3/14(00:28)

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秋男さん、こんにちは。
元レスに関係なく続いていく話題…

〉 あ〜、平仄というやつですよね。昔、石川忠久?がラジオで漢詩を詠んではって、
〉 おー、詩はやっぱり詠ってこそやなー、と思いました。

そうです。教育テレビで朝5時に漢詩の番組があります。副音声で中国語が聞けます。気が向いたらどうぞ。

〉 夏目漱石が漢詩を作ってますが、すごいことですよね。
〉 (まあ、すごい人なんですが。)

昔の日本人は漢文、漢詩の素養があったので…。日本人は発音で確認できないので平仄を調べながら作るということになるのですごい手間です。私は平仄や韻の組み合わせの言葉を集めた本を見て、そこに載ってる言葉を寄せ集めて作ったことがあります。

〉 思い出したことがあるので御報告します。(御存じかも・・・)
〉 高島俊男という人の『本が好き、悪口言うのはもっと好き』(文春文庫)の中の
〉 「ネアカ李白とネクラ杜甫」というのが面白かったです。
〉 李白と杜甫のことがよくわかりました(そんままや・・・)。
〉 「李白は七絶、杜甫は五律」というのも、う〜ん、なっとく!
〉 著者の高島氏は、例の『漢字と日本人』(文春新書)を書いた人です。
〉 専門の人から見ると当り前だのクラッカーなことばかりかも知れませんが、
〉 この人の文章自体がなんとも面白いので、御一読の価値ありかと思われます。

李白と杜甫の比較は本当に面白いです。よくこれだけ対照的な詩人が同時代に「中国の二大詩人」として並び立ったものだと思います。私は李白はB型、杜甫はA型だと思っています。ノーテンキ李白にきまじめ杜甫。天衣無縫に絶句を詠む李白と技巧を凝らした律詩をねちねち作る杜甫。…李白と杜甫のことを語りだすと止まらないのでこの辺にしておきます。
高島俊夫という人のことは知りませんでしたが、二人のことを面白い文章で書いてあるなら読んでみたいです。

〉P.S. 読みやすくて私のお気に入りな本は、
〉   Astrid Lindgren の The Children of Noisy Village (やかまし村の子どもたち)です。
〉   (ISBN:0-14-032609-X)
〉   長くつ下のピッピを書いた人ですね。
〉   ピッピはちょい難しめですが、やかまし村の方は比較的素直な文章です。
〉   児童書に詳しい友人に薦められて読んだのですが、大いに気に入ってしまって、
〉   いま4回目を読んでいるところです。
〉   御参考までに。

教えてくださってありがとうございます。これ、原書からの英訳ですか?リライトですか?ともかくリンドグレンも読めたらおもしろそう…。
(Captain Underpantsはアマゾンのカートに入っています。表紙を見ると電車で読むには恥ずかしいかも…)


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12562. Re: まだひっぱってもいいのだろうか

お名前: 秋男
投稿日: 2003/3/15(05:50)

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杏樹さん、こんにちは。

〉〉P.S. 読みやすくて私のお気に入りな本は、
〉〉   Astrid Lindgren の The Children of Noisy Village (やかまし村の子どもたち)です。
〉〉   (ISBN:0-14-032609-X)

〉教えてくださってありがとうございます。これ、原書からの英訳ですか?リライトですか?ともかくリンドグレンも読めたらおもしろそう…。

 リライトしてないと思います。おもしろいっす。
 
〉(Captain Underpantsはアマゾンのカートに入っています。表紙を見ると電車で読むには恥ずかしいかも…)

 あー、たしかに・・・ せめて服を着てくれてればね。(それだとUnderpantsにならないか。う〜ん、痛し痒し。)

 ではでは。

P.S. 漢文についてですが、原田種成『私の漢文講義』(大修館書店)も面白かったです。
   反骨というか偏屈というか。石川忠久が序で、「漢字漢文の権化」と評しています。
   


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