[掲示板: めざせ100万語! -- 最新メッセージID: 25677 // 時刻: 2024/11/24(03:36)]
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10399. Re: My Uncle Oswald と Someone Like You
お名前: SSS学習法研究会 マリコ
投稿日: 2003/2/4(19:36)
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junさんこんにちは。SSSのマリコです。
My Uncle Oswald はもうお読みになりましたか?
内容の分析のするどいjunのレビューはおもしろそうなので、ぜひお願いします。
この本は、内容はアダルトなのに、まさに「抱腹絶倒」の場所がここそこにありますよね。
読み終わると、わたしはこれはコメディーだったのかなって思ってしまいました。
〉 今、オスの牛が一回に射精する精液で何頭のメスの牛を妊娠させることができるかということを(作者は一見科学的であるかのように装って)まじめに議論している抱腹絶倒のところを読んでいますが、
これはOswaldの一説ですよね。
もう一つ短編で、乳牛として役に立つ雌牛だけが生まれるような工夫をする話があるのですが、なんという短編集だったか・・・
Henry Sugar だったか・・・
どうして、ダールが人工的な生殖に関心をもつのか不思議に思ったのでした。
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お名前: SSS学習法研究会 マリコ
投稿日: 2003/2/4(19:53)
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わたしも、書評をあげようと、Oswaldのところに行って来たらすでにjunさんのレビューがあがっていました。
どうもありがとうございます。
これで、たぶん、My Uncle Oswald を読んだのは、古川昭夫さんとわたしとjun さんの3人になりました。
わたしは、Yasminがバナナをくっつけて、少年に扮していくところがすごく笑えました。
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お名前: jun http://members.jcom.home.ne.jp/j-miyaza/
投稿日: 2003/2/4(22:25)
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マリコさんこんにちは。はじめましてでしょうか?
マリコさんの自己レスの通り、「My Uncle Oswald」についての感想は「書評」にアップしてあります。この本についてはまだまだ言いたいことがあったのですが、「書評」であんまり長々と書くのはと思ったので、いささか遠慮しました。この機会に書いちゃおうかな(^^)。
これは悪漢小説の形で書いたポルノグラフィーのパロディなのかなと思います。なんて書きましたが、実は悪漢小説というのをよく知らないのですが、とんでもないやつがやるころなすことうまくいってしまうという小説かなと思っています。
大体、カサノバが三舎を避けるような稀代の色事師が、自分がいかにもてたかを語ろうというのですから、それだけで、みんなふざけるなと思います。そして、そういう書き出しをしておきながら、色事にはまず金が必要だ、ではまず俺がどうやって大金持ちになったかを教えてやろう、と回り道をするような風をみせて、実は最後まで金儲けの話しかしないで終わってしまうという小説の構造自体もとぼけています。
俺がどうやって大金持ちになったかという話だってみんなに嫌われるわけで、それを読ませてしまうダールの才覚というのは大したものだと思います。
開巻わりあいとすぐにMajor Grout が語るスーダンの奇談にひとりだけ乗れずに野暮な質問を連発する(度の強いめがねをかけたなんて書いてないですが、いかにもそういう感じの(^^))女の子がいますね。これが第一の笑いの場面かと思いますが、ここらへんで読者に自分はあんな野暮じゃないぞと思わせてひきずり込んでしまうあたりうまいですよね。
この小説には「罪の意識」がないです。無垢で邪気がないんです。ダールは宗教、少なくともキリスト教がきらいなんだと思います。「Boy」に自分をいじめた先生が出世してエリザエス女王だったかなの戴冠をおこなったという記載がありますね。「Boy」というのはあれが書きたくて書いたんじゃないかと思うくらいで筆誅です。
それで、この小説の中でも、無垢な芸術家が賛美されるわけです。プチ−ニの場面なんか、もうダールがプッチーニが好きで好きでというのが手にとるようにわかります。で、大言壮語風のひとが嫌われます。D・H・ロレンスとかバーナード・ショウとかフロイドとか。プルーストも嫌いみたいですね。あのバナナの場面はプルーストをバカにするために書いたようにぼくは思うのですが、ちょっとあざとい感じで、個人的には、やりすぎなように思います。
この小説を読んでいささかひっかかるのは偉大な芸術家は何をしても許されるのだという考えに傾いているようなところが透けて見える点です。ダールは芸術家に甘いですね。
おっしゃる通りこんなことを書いて関係者がいちゃもんをつけないかとひとごとながら心配です。スペイン王室からクレームがこないんでしょうか? 日本の皇室についてこんなこと書いたら、なんて考えただけでもおそろしいです。むこうは寛容なのかな?
マリコさんの書評も読ませていただきましたが、わたくしは、この小説は最初の数ページだけが、オズワルドの甥によるオズワルド叔父さんの日記の紹介で、そのあとはすべて日記の内容で、ヤスミンたちと冒険をするのもみなオズワルド叔父さん自身であると思って読んでいたのですが違うでしょうか? 根本的にどこかで読み違えをしたのかな?(^^)