子育て中、まだ子供たちが小さかったころ邦訳を読み、大好きだった本。
そのころ、絶版になっていた邦訳本を探して古本屋を探し回ったことは懐かしい思い出です。
原書を手に入れてからずっと手元に置いて暖めてきました(だいぶ黄ばんじゃったよ)。
あんまり書いちゃうとネタバレになってしまうので言及は避けますが、
子供の思い、そして親としての思い、双方の気持ちを考えるととても切なくなります。
最後のほうでは、やっぱりちょっと泣いてしまいました。
孤児であったAnnaは、なかなか心を開かないことを心配した叔母から北の海辺の町に送り出された。地元の子供となかなか仲良くなれなかったが、ある時不思議な女の子のMarnieと友達になった。Marnieと一緒にいると不思議なことが起こる。Marnieとはいったいだれだろう。
愛されていないと感じる女の子の気持ちが、Marnieと友達になるにつれて、だんだんと開かれてくる。前半は少しテンポが緩やかだが、後半から面白くなった。Tom's Midnight Gardenのようなお話だ。
最初の数章、喘息の治療のため送り出されるまでは
ちょっとかったるいなぁという感がありましたが
MARNIE が登場してからは、どんどん話が曖昧になっていきます。
途中で謎の答えはわかってしまうのですが、
心のもつれた糸をといていくお話なので問題ありません。
前半部は、少女の孤独な心と周囲の自然の描写で沈んだトーンで、
後半は、一転明かりがさし、謎解きとクライマックスへと進んでいき
ます。前半が私には少しスローで、中々頁が進みませんでした。
身寄りがなく、養父母一家に引き取られたAnna。喘息のため転地療養にだされ、そこでMarnieという不思議な女の子に出会うのだが・・。Marnieの正体が明らかになっていく最後のほうはページをめくるのももどかしい。そして、すべてが明らかになり・・。涙腺の弱い人は涙なしに読めないと思う。傑作。