SSS●Learning SSS英語多読研究会

多読で英語に親しみませんか?

多読とは
 多読(Extensive Reading 略してER)とは、文章を分析しないで大意を把握する読書法です。
SSS(Start with Simple Stories)の多読法は、従来不可能であると思われてきた英語初級者でも楽しく始められ、楽しく続けられる多読法です。

100年前から常識だった多読
 昔から多くの英語教師が、「英語を獲得する一番良い方法は多読である」と主張しています。東京帝国大学の英語教師でもあった夏目漱石は、明治39年に『現代読書法』で多読のすすめを書いています。松本亨も、「英語を極めたけば、毎日数時間は英語を読め」と著書で主張していました。最近では、Stephen Krashen が "Extensive Reading is the only way to language acquisition." と主張しています。

なぜ多読が普及しなかったのか?
 しかし、今までは、多読は上級学習者者にのみ許された学習法でした。とういうのは従来、英語教師がすすめる「やさしい本」とは、シドニー・シェルダンの本など、大人向けペーパーバックの大衆小説のことを指しており、実際には、英語上級学習者でないと例えシドニー・シェルダンのように英語教師がやさしいと思うペーパーバックですら、スラスラは読めないからです。近年、多読が高校・大学の授業にとりいれらてきましたが、そういう先生の場合でも、PGR2−3(基本語彙600−1200語レベル)の本から本を読み始めるように指導する人が大半で、1年間の学生の読書量も、1万語〜10万語くらいのものでした。

SSSの多読法とは?
 この従来の多読指導を抜本的に改良して、電気通信大学の酒井邦秀准教授は、1990年代の後半から、「絵本からはじめる多読」を大学の授業や中高生対象に実践し、高い成果を上げて来ました。『教室で読む英語100万語』(大修館)参照。 この新しい多読法をより多くの人に広げるために、2001年に、SSS英語学習法研究会(2008年9月より、SSS英語多読研究会に改称)が創設されました。

非常にやさしい本からはじめ、100万語単位で読む多読です!
 SSS英語学習法研究会の進めるすすめる多読は、非常に易しい本からはじめて、旧来の多読法の10倍以上の種類の本をつかうことにより、従来の多読の10倍以上の量の英語を読む多読法です。
 100万語単位で読むことを目標とする多読法なので、従来の多読に対して、私達は、新しい多読の方法を、100万語多読ともよんでいます。英語初級者の場合、100万語読んででやっと(旧来の多読の出発点であった)PGR2−3レベルに進む位のゆっくりさです。
 しかし、無理なく基礎力が付き、早い段階から「読む楽しさ」を味わえるので、従来の多読法と違い、年間100万語〜200万語読むことが十分に可能です。実際、SSS式多読により、1年間で500万語以上読んだ人も続出しています。はじめはゆっくりなのですが、1年後、2年後の成果では、今までのどの多読法よりも、また精読法よりもはるかに高い効果を得ることができます。

SSS式の多読が効果の高い理由
 なぜ、SSS式の100万語多読法の効果がそんなに高いのでしょうか? それは、
1) 楽しいからあきない
2) 自分のペース・好みによって本が読める
3) 今までの英語学習に比べて、10倍から1000倍の英文に触れることができる
からなのです。英語にたくさん触れれば、無理に暗記をしなくても自然に英語は理解でき、書いたり話したりできるようになるのです。

鍵は、 「楽しくスラスラ読む」こと
 多読を長く続けるためのコツは、「楽しくスラスラ読む」ことです。楽しくスラスラ読むには辞書の利用が大敵です。辞書を使わなくても読める本を読んで、辞書をできるだけ使わないようにしましょう。辞書をつい引きたくなってしまう人は、
 1) 辞書は全く引かないと自分で決める
 2) 辞書を引くのはは多くても、1冊3語までと決めて、できるだけひかい
 3) 辞書を引くのは、本を読み終えてからと決めて、できるだけひかない
ようにするといいでしょう。とにかく一番悪いのは、分からない単語をすべて辞書で確認しようとすることです。分からない単語にこだわると、決してスラスラ読めるようにならないし、リスニングやスピーキングもできるようにはなりません。英文を一語一語読んでいくのではなく、意味のまとまりとして読んでいくことができてはじめて読書を楽しむことができるのです。
 普通の学習法では、指定されたテキストを読まなければいけません。多読による学習法の良いところは、自分の好きな本を、好きな順番に、自分に固有のペースで読めるということです。 また、読書後に試験も無いし、読書感想文を書く必要もありません。自分で分かって楽しめれば良いのです。楽しんで読書をすることによって、生の英語が自然に脳の深層に蓄積していきます。

多読3原則とは?
 SSSでは、次の3つの原則を 多読3原則といっています。

  1. 辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)
  2. 分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)
  3. つまらなくなったら止める (1 2 の原則で楽しく読めない本は読まない) 

の3点です。この多読3原則は、酒井邦秀さんが、『快読100万語ペーパバックへの道』(筑摩書房 2002年6月刊)にて発表したものです。

さらに詳しく知りたいかたへ
 より詳しく多読について知りたいかたは、『英語多読法』、(小学館 古川昭夫著)の解説をご覧下さい。
また、下記も参考となります。

また、この方法を利用して、生徒の英語力を伸ばそうと思われる英語教師の方は、教師のページをご覧下さい。

掲示板(多読学習者のなんでも相談室+交流の広場)
 実際に多読を行っている方の様子は『SSSの広場(掲示板)』をご覧下さい。この掲示板では、多読を始めたばかりの方から、既に1000万語読まれた方までが体験をもとに意見を交流しています。

書評システム(総単語数の確認や次の読書のための指標に)
 自分で本を選ぶ際の参考のために、あらすじと・難易度・面白さを『SSS書評のページ』で紹介してあります。もちろん、面白さは個人差があることをご承知おきください。この書評を参考に、ぜひ英語で読書をする楽しみを実感して下さい

多読教室・多読図書セット
 SEGでは、中高生を対象に多読指導を軸とした英語教育をおこなっています。 SEG多読教室の案内はこちら
そのほかにも多読指導をしている教室は全国に多数あります。 多読教室の案内はこちら
また、Nellies English Books では、多読図書や多読記録手帳を販売しています。

(2023/12/08 修正 古川昭夫)