英語多読 – 講師より
「楽しい読書」をベースにしながら学力を伸ばすための本も織り交ぜる
──英語多読とは、どのように出会ったのですか。
SEGに生徒として通っていた頃は、まだ多読のコースはありませんでした。子どもが生まれたときに久しぶりにSEGを訪ね、代表の古川先生にお会いしたとき、初めて多読の授業の存在を知りました。それまで多読という言葉も知りませんでしたが、古川先生から、英語を母語としない人向けの入門シリーズを何冊か紹介していただいて読んでいるうちに面白くなり、「ハマッた」というのが正直なところです。仕事では英語の論文を読んだり、書いたりしていましたが、自由時間に英語の本を読みたくなるのは初めての経験で、とても新鮮な歓びでした。それからは、自費で多読用の本を買い足しながら、自分自身の楽しみとして多読を続けることになりました。
──講師になろうと思ったきっかけは何でしょうか。
SEGが姉妹校を横浜に立ち上げる時期にちょうど横浜に住んでおり、立ち上げのお手伝いをしたときに多読のクラスを作ることを知り、講師に応募しました。というのも、子どもが0歳のときに多読と出会い、子どもが日本語を獲得していく過程と、自分が外国語である英語を獲得していく過程がちょうどシンクロしており、その質がとても似ていることに気づいていたからです。もちろん母語ほどではありませんが、状況に応じて英語を使えるようになるのは同じで、そうしたプロセスを生徒にも味わってほしい、何よりも楽しい読書を通して英語力も獲得していってほしいと思ったのです。
──授業ではどのようなことに気をつけていますか。
生徒の反応を見て、基本的には楽しく読めるような本を手渡していますが、学力を伸ばすためには楽しい本だけでは不十分です。そのため、苦手なものや、読みにくいものも織り交ぜながら選ぶことを心がけています。もちろん「楽しい」がベースにないと読書を続けることができませんから、そのあたりのさじ加減には十分に注意しています。
──多読講師として、どんなときにやりがいを感じますか。
1冊の本からいろいろなことが発見できるように好奇心を持って楽しく読めるようになれば、インプットの量が増えるわけですから、語学力は伸びていきます。多読講師の仕事は、読書が苦にならないようなルートを、一人ひとりの個性に応じて探していくことです。だからこそ、まずは生徒が「面白かった」と言ってくれる、そこにいちばんのやりがいを感じています。
──これから英語多読講師を目指す人に一言お願いします。
多読講師で最も重要な資質は多読が好きなことです。そのうえで人と関わることが好きなら多読の講師はお勧めです。もちろん多読の経験は必須ですが、英語が堪能ならば、多読経験の蓄積にもそれほど時間はかからないと思います。