ナルニアで1200万語通過〜読める・読めないは語彙のせいじゃない〜

[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/6/27(07:53)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

12801. ナルニアで1200万語通過〜読める・読めないは語彙のせいじゃない〜

お名前: 杏樹
投稿日: 2013/8/12(00:07)

------------------------------

みなさま、こんにちは。
英語で1200万語通過したので報告します。

表題の通り、通過本はナルニア国物語です。7冊ありますので途中で通過したんですが、全部読み終わってから報告しようと思い、最後まで読んだので報告します。

主にフランス語に時間を取られているので、100万語ごとに報告するとずいぶん間が空きます。それで読んだ本は随時「本のこと、なんでも」の掲示板に投稿しています。その中で、「Bright Young Things」とか「Sganghai Girls」とか、アマゾンや書店で見かけた未知の本をのぞいてみたらそのまま読んでしまった、ということが起こり、どうも読めるレベルが上がっているらしいと思うようになりました。

「Bright Young Things」
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-paperbacks&c=e&id=3101]

「Sganghai Girls」
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-paperbacks&c=e&id=3102]

それから、「The Ship that Fleu」という児童書を読みました。
[url:http://www.seg.co.jp/cgi-bin/kb7.cgi?b=sss-paperbacks&c=e&id=3123]

さて、私はもともとファンタジーが好きなので、多読を始める時もファンタジーが原書で読めたらいいなと思いました。始める時は半信半疑でしたが、いざ多読を初めて見ると、だんだん英語の本が読めるようになっていきます。そういう時期に「いつか読みたい」と思って未読本をためていくのはタドキストの宿命。それで、ナルニアも「いつか…」と思ってボックスセットを買っていたのです。ちゃんとオリジナルのイラスト、ポーリン・ベインズによるイラストが入っているものを探して。

で、計画では英語の本が読めるようになって、ファンタジーも児童文学あたりから少しずつ読んで行って、最後にファンタジーの金字塔「指輪物語」へたどり着く…という予定でした。
そのためその予定を先取りして「指輪物語」も気に入った装丁のものを選び抜いて(映画のカバーはパス!)ボックスセットを購入して置いておきました。
そうしたら。
まだたいしたレベルでもないのに、どうしても「指輪物語」が読みたいと思って「ホビット」から読み始め、いつ挫折するか、投げるか、と思いながら結局最後まで読んでしまいました。全部の未読ファンタジーをすっ飛ばして…。

その時点で400万語で実際のレベルも低かったので、とても同じレベルの本は読めません。結局それからも普通の児童書を読み続け、時々GRを読んでいきました。そのうち語数が進んでくるとヒストリカル・ロマンスでPBも読むようになりました。
そして記念すべき1000万語が近づいてきたとき、通過本に「指輪物語」を選んでしまい、再読。やっぱり他のファンタジーは放置したまま。

このように、ファンタジーの未読本を積んだまま放置していたのですが、このあいだふとコロがっている「ナルニア国物語」が目に留まりました。そうして、もしかしたら、本当にレベルが上がっているなら、楽に読めるようになっているかも?と思いました。
そうして「ライオンと魔女」をのぞいてみました。最初は読みやすいです。そういう評判は聞いていました。最初は読みやすい。でも後半から難しくなっていくって。いつ難しくなるのかな〜。どんどん読めるな〜。まだまだ読めるな〜。…結局難しくなりませんでした。少なくとも前半と後半で難易度が変わるようには思いませんでした。

それでそのまま「カスピアン王子のつのぶえ」に行き、シリーズをどんどん読んでいきました。

ところで、ナルニアの巻の順番ですが、英語版ではナルニアでの時間順になってしまっています。私のボックスセットも「魔術師のおい」が1巻になっています。しかし、ナルニアは本当は発表された順番に読むべきなのです。日本語版ではその順番になっています。少なくとも「ライオンと魔女」は、ナルニアのことを何も知らない読者に向けて書かれていますので、ヘタに「魔術師のおい」でネタバレした状態で読むのは大いに疑問です。
ということで、順番を調べて並べ替えて読みました。

そうして読んでいったのですが、本当にどんどん読めます。巻が進むと難易度が上がったかな、難しいな、と思う部分もありましたが、投げるほど難しくはありません。書評を調べたらYLが7ぐらいになっているんですが本当でしょうか。
そうして調子よく読み進め、ついに7巻全部読んでしまいました。

内容についてですが、結局全部原書で読んでもやっぱり「指輪物語に比べるとね…」という気持ちは変わりませんでした。キリスト教的世界観がベースになっているので、日本人には理解しにくいという意見もあります。特に7巻。ですから最後の方、14章あたりからは特にゆっくり、きちんと内容がわかるように読みました。そしてラストシーン。私にはこの展開はなんとな〜く納得できないものでした。必ずしもキリスト教的世界観というわけではなく、作者のルイス自身の世界観、死生観なんじゃないでしょうか。
私はネタバレ大嫌いなのでこれ以上詳しいことは書きませんが、「ナルニア」のネタバレトークをしてみたいです。

以下、最近の雑感です。

●難易度と興味は反比例する
今回「ナルニア国物語」を読み始めましたが、全部で7巻あります。いくら楽に読めるとはいえ、日本語と同列には行きませんし、巻が進むとわかりにくいと思う部分も出てきました。それで途中でちょっとしんどく感じました。たぶん、今の時点で楽に読めるようになったので最後まで読めたんだと思います。もっと前に、難しいと思いながらがんばって読んでいたら、途中で本当にいやになって、7巻まで行けずに挫折したんじゃないかと思います。
でも「指輪物語」は大キリンでも読んでしまいました。「ホビット」を含めると相当な分量です。再読のもっと前に別のファンタジーを読もうと思って読み始めたら、結局難しくて投げたりもしたんです。なのに指輪は読んでしまう。

日本語で読んだ時から、「ナルニア」は「指輪物語」ほどのめりこむことはありませんでした。やっぱり好きな本ほどどんなに難しくても勢いで読めるけど、そうでもない本は読めないということを改めて痛感しました。「ナルニア」はかなり長い間未読でコロがしておいて、端も黄ばんでいるぐらいでしたが、今ぐらい読めるようにならないと最後まで読めなかったので、ちょうどいい時に読み始めたんだと思います。

●「読める・読めないは語彙のせいじゃない」
ナルニアはファンタジーですので、日常生活に縁のない言葉がたくさん出てきます。書評では「ライオンと魔女」が途中から難しくなることについて、語彙が難しくなるとも書いてありました。
でも今回読んでみて、語彙は読みやすさにあまり関係ないように思いました。前からずっと言い続けていることですが、未知単語を辞書で調べたらレベルの高い本が読めるわけではありません。レベルの高い本が読めるようになるには、文章を読み取る、内容を読み取る力がないとダメです。
今回「ナルニア」を読んでみて、内容がわかって、あるいはおもしろいと思ってどんどん進んでいるときは、未知単語の一つや二つや三つや四つ出てきたって、読み進むのにあまり障害にならないのです。
英語が読めるようになりたかったら、まず文章が読み取れるようになること。そのためにはやはり多読でたくさん読むのが一番です。

●辞書
相変わらずOxford Advanced Learner's Dictionaryを使っています。英語が英語のままわかるので気持ちがいいです。ただ、ネット辞書ですので、使うのはパソコンが目の前にある時だけです。
文章がわかる、内容が読み取れる時に、虫食いのように未知単語がポッカリある、という時に引いたら「わかった!」になることが多いです。文章全体で何が書いてあるかがわからないような時には単語を調べてもあまり意味がありません。その加減がわかってきて、この単語を引いたら内容がわかるな、というポイントはここ、と思った時に引きます。

●ホンマに読めるようになるもんやな〜
…と、しみじみ思っています。万年レベル3に陥っていた頃などは、勉強してない、基礎力がないからレベルが上がるのに限界があるんだろうかと思ってみたり、キリンでPB(ヒストリカル・ロマンス)を読み始めた時も理解度が低くて、何百万語読んでもこの程度か…と思ったり。
でも私でも1200万語読んだら、こんなに楽に読めるようになるのかと驚いています。…ホンマにそれだけレベルが上がってるのか、いまいち確信が持てないんですけれど。

●多読は効率がいい
多読は効率が悪いように思うのはやはり間違いだと思います。
私は多読を始めて10年かかってますが、10年で英語の本が楽に読めるレベルに達するというのは、これから始めようと思う人にはちょっと気の遠くなる話だろうな、とは思います。でも中国語とフランス語を合わせたら2000万語は越えています。英語だけならもっと早かったでしょう。

例えば、半年で100万語読んだとします。そうしたら5年で1000万語達成することはそんなに難しいことではないと思います。5年でペーパーバックが楽に読めるようになるなら、充分効果的ではありませんか。英語の勉強をコツコツ5年やることを思えば、ずっと楽しくて楽にできます。英語の勉強をコツコツできるような人は、真面目で勤勉で英語が好きな人です。でも多読なら、英語が好きじゃなくても、勉強しなくても本が読めるようになります。

それに「10年」といっても、その10年でこれから先、一生英語の本がずっと読めるんですから、すごいことです。

それで、どうもかなり読めるようになってきたみたいなので、放置してある未読本が気になってきました。「今なら読めるかも」と思うとあれも読みたい、これも読みたい。特にファンタジー。ああ、でもフランス語が、中国語が。

ということで、みなさまもHappy Reading!


▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.