Re: 200万語を超えました

[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/7/1(08:24)]

管理用 HELP LOGIN    :    :


上へ上へ | 前のメッセージへ前のメッセージへ | 次のメッセージへ次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む返答を書き込む | 訂正する訂正する | 削除する削除する

12672. Re: 200万語を超えました

お名前: せきけん
投稿日: 2013/3/25(01:00)

------------------------------

杏樹さん、こんばんは。

いつも丁寧なレスをありがとうございます。

私としては、理解することや鑑賞することも、モチベーションになるので、
一概にそれを第一に目指して読むことが悪いとは思いません。
しかし、急がば回れで、読めるようになってから理解する、鑑賞するという方が、実は正解だったりするということもあるから、
そう慌てなさんなというアドバイスをしたい、その心得が、
多読の三原則になっていると理解しました。

でも、やっぱり最終的にには、理解することや鑑賞すること、
もっと広く、コミュニケーションすることが目的なんですよね。

読む力を養った上で、よりスムースに理解し、鑑賞し、コミュニケートすることが目標。

しかし、理解することが目的であっても、逐語的に理解することや、
中国語を漢文のように理解することを目標にしては、
英語を英語として理解することにならず、遠回りであるということは、
耳にたこが出来るぐらい言ってもいいことだと。

今、書いていて思いついたんですが、日本人の英語を後ろから翻訳するようなやり方は、
悪い意味で漢文の伝統とも繋がっているんですね。

kindleを使っていてマイナスなのは、辞書が直ぐに引けることですね。
これに頼るのは確かに良くないです。
辞書を引くハードルが低過ぎるのです。
辞書を引かないようにするには、よりwill powerが必要です。
可能であれば、辞書を引くのは、全部読んでから、
それでも気になっていて、綴り何となく覚えているような単語を、
調べてみるというのがいいかと思います。

それから、Kindleで前のページをサーチするときには、
虫眼鏡のマークのところをタッチして、
本の中をサーチすればよいので、サーチするキーワードが分かりさえすれば、
簡単です。

それから、どうしてそういう語順になっているのか、そういう言い回しなのか、
腑に落ちないけれども、意味は何となく分かるということが、
まだまだ、よくあります。
それも、経験を重ねれば、腑に落ちるようになってくるのでしょう。
それが腑に落ちるようになるための、条件って何なんでしょうか。

一つは、意味を理解しようとして読むことではないのでしょうか。
但し、ここでは、頭で理解しようとするのではなく、
身体で、心で、イメージとして理解しようとすることかと思います。

そうだとすると、自分の腑に落ちてくる可能性が多い、
しかし、文脈が頭に入っていなかったら理解もできないし、
腑にも落ちてこないようなもの、そういう臨界にあるものを読むのが、
読む力を付けるのに一番有効ということになりますね。

パンダ読みがお勧めなのは、その境界を跨ぐ行為を知らず知らずできるからで、
幅というか揺らぎを作り出すことによって、限界点(臨界点)が浮かび上がってくる効果があるんでしょうね。

この話で思い出したのは、マイケル・ポランニー(ポラニー)の暗黙知の理論です。
「暗黙知の次元(Tacit Demension)」という本があるのですが、
多読三原則は、この本で言われていることを、
具体的に言語習得(読みだけですが)という場面で、具体的に展開した場合を分かりやすくルール化したものとも言えそうです。

この本の紹介が以下のサイトにあったので引用します。
http://www.tku.ac.jp/kiyou/contents/hans/127/127_oosaki.pdf
> 結局マイケル・ポラニーが主張しているのは,人が新しい技能や理論を身につけるのに際
> し,最も良い方法は,対象の諸細目を部分的に学んだり捉えたりすることではなく,対象の
> 全体に内感的に「潜入する」(dwell in)ことである。全体像に部分項目を加え,その部分を
> 説明したり意味付けたりするのは,全体の意味を消滅させ,知識の全体性を破壊することに
> なる(Polanyi, 1966, p. 18)。

辞書を引くというのは、この文章の後半で言っていること、
「全体像に部分項目を加え、その部分を説明したり意味づけたりすること」に当たっていて、
従って、「全体の意味を消滅させ、知識の全体性を破壊することになる」から駄目なんですね。

この話は、これだけでは分かりにくいと思うので、
また別の機会に、話させて下さい。

頭でっかちの人には、多読三原則に対するこういう説明もいいかもしれません。
多読三原則をこうだと説明するときに、
こういう理論も踏まえて、色々な技能習得の場面も比喩的に使いながら、
説得的に説明できるとよいのではないでしょうか。

では、Happy Reading!!


▲返答元

▼返答


Maintenance: SSS 事務局
KINOBOARDS/1.0 R7.3: Copyright © 1995-2000 NAKAMURA, Hiroshi.