ついに1000万語!「指輪物語」で通過

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11949. ついに1000万語!「指輪物語」で通過

お名前: 杏樹
投稿日: 2010/5/31(23:39)

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ついに1000万語通過しました!(あ、英語です)。
通過本は「The Lord of the Rings」です。そう、多読を始めたときのとお〜い、とお〜い目標本。400万語の時に一度大キリンで読んでみましたが、ほとんど予備知識で補って、理解度はものすごく低かったです。ですからいつかはリベンジを…と思っていました。そしてついにリベンジを果たして1000万語通過しました。

まず900万語通過したのが一昨年の11月で、なぜかこの中途半端な語数でフランス語多読に走ってしまい、英語が進まなくなりました。フランス語の本を注文して届く合間などに積読本をちびちびと読むぐらい。なんで1000万語を待たずにフランス語に走ってしまったのか?我ながら謎でしたが、それでもすこーしずつ英語の語数が増えてきて、ふと思いました。「指輪物語」は「ホビットの冒険」を合わせると50万語以上ありますから、これを1000万語通過本にすれば、40数万語で読み始めたら1000万語まで一気に行ける!

そしてフランス語が100万語通過して、英語の本を何冊か読んで、40数万語になったところで「指輪物語」を読み始めました。

「The Hobitt」を読み始めてみますと、なんだかわかりやすいです。これ、もっとレベル高いはずじゃなかったっけ?と思いました。出だしは読みやすいのかもしれません。前に読んだときも、どうせ自分にはまだ読めるはずがないから中をのぞくだけでも…と思って開いて見ました。そうしたら意外と読み進めることができたのでそのまま読んでしまったのです。ただ、後半になるほど難しくなっていきます。特にストレートに竜退治、にはならないので、前に読んだときは何が書いてあるのかほとんど理解できないまま無理矢理読み終えました。
しかし今回は確かに難しいとは思いましたが、ほぼ内容を理解して読むことができました。

そうしたらいよいよ本編です。前は「ホビットについて」は飛ばしましたが、今回は最初からきっちり読みました。そして「旅の仲間」に突入しますと、最初はやはり読みやすいです。しかしフロドが袋小路を出たあたりからだんだん読みにくくなっていきました。どうも風景や地形の描写が細かくて、そのあたりが難しいようです。
それでも前よりはずっと理解度は上がっていました。

まず、前に読んだときは、内容を知っているためほとんど予備知識で見当をつけながら読んでいるようなものでした。それで細かい文字がびっしり詰まっているため、見開き読むだけでも時間がかかる上、自分がどこを読んでいるかわからなくなることもありました。一度本を閉じてしまうと、次に開いたときは確実にわからなくなっています。ですからふせんを使いながら読んでいました。(そのころはまだラストラインやブックダーツを知らなかったのです)。
しかし今回は普通にはさむだけのしおりを使いました。一度閉じた本を開いても、どこを読んでいたかちゃんとわかります。わからないときもありましたが、見開き部分をざっと見渡していくとたどり着きました。

しかしこの本は難易度が揃っていないというか、わかりやすいところとわかりにくいところがムラがあるように思います。私の読む能力の方が問題なのかもしれませんが、特に地形描写が中心になるような部分はわかりにくいです。わかりやすいところはスムーズに進むのですが。

それから、今回は読んでいると邦訳で読んだときのことがよみがえってくるのです。日本語の文章や寺島龍一氏の挿絵が浮かんできます。前はぼんやりとした理解力で読んでいたためか、邦訳のどの部分か細かいところまでは思い至らなかったようです。しかし今回は内容が把握できていたためか、忘れていた場面も「あー、そうだった」と思い出すのです。

また、少し前に単語や辞書が話題になっていたこともあり、そのころ読んでいたあたりで単語にちょっと注目してみました。そうしたら、多読前は知っているはずのなかった単語がたくさん「わかる」ことがわかりました。いつの間に覚えたのかわかりませんが、とにかく「いつのまにか」覚えている、それも「単語を覚えた」ではなく「わかる言葉が増えた」という感じです。「指輪物語」を読んでいる間に覚えた言葉もあります。最初は単なる未知単語だったのが、何度か出てくるうちにすっかりわかるようになりました。

「指輪物語」とのかかわりは400万語の時にも書いたと思いますが、私がファンタジーに興味を持ったころは、「指輪物語」といえばファンタジーのお手本、ファンタジーの最高峰として特別な本でした。
多読前に映画のおかげで原書が書店で積まれているのを見かけるようになりましたが、「ああ、これが読めたら…」と指をくわえているしかありませんでした。そのころ、辞書を引きながら英語の本をいくつか読んでみた結果、「辞書を引いても読めないものは読めない」ということを痛感していました。「指輪物語」など読めるはずがありません。

400万語通過の時は大キリンで、本当にこれがもっとわかる日が来るのだろうかと思いました。
それが、本当に、本当に読める日が来たのです。
確かにまだ難しかったです。わかりにくいところもありました。でも「指輪物語」が辞書も引かずに(時々引きましたけど)、普通の本を読むように読めるようになったのです。
本当に「読んでいればいつかは読めるようになる」んですね。ああ、万年レベル3に悩んだ日々…。もともとの英語力が低いから、多読しても読む力には限界があるのではないかと思ったこともあります。でも「指輪物語」がこんなにわかるようになるなんて、やっぱり多読ってすごいです。一番すごいのは「勉強していない」ことです。文法の勉強や単語暗記をしたりせず、いつのまにか読めるようになったので、なんで読めるのか、あんなに難しかった本がなんで読めるのか、自分でもよくわかりません。
それから、前はAPPENDIXは飛ばしましたが、今回はきっちり読みました。かなりわかりにくかったですけど。これは英語が難しいというより、「歴史の本」や「言語の本」状態ということもあるでしょう。

で、書評ではThe Return of the Kingの語数はAPPENDIXを飛ばしているということです。APPENDIXが何語あるか誰かご存じないでしょうか?自分で数えるしかないのか…。APPENDIXなしで1000万語越えているので、本編を読み終わった時点で通過はしているのですが。

★それ以外に読んだ本のことなど。

まず900万語越えてすぐに読んだのは
「Little Pear」
「Little Pear and His Feriends」

極楽トンボさんに教えてもらってすぐに注文した本です。100年ぐらい昔の中国の農村の5歳の男の子の日常生活をほのぼのと描いています。(続編では6歳)。外国人が書いたとは思えないほど当時の中国の雰囲気が出ていて、作者が描いているという絵も西洋人特有の違和感が全くありません。極楽トンボさんに教えてもらって感謝です。

その後はとにかくフランス語の合間に読むので、あまり長い本は避けました。そうしたら、結局ロアルド・ダールの未読本を片付けることになりました。

「The BFG」
Sophieはある夜巨人にさらわれてしまいます。豪快な展開でダールらしさが光ります。巨人語が難しいとか言われてYLも高めだと思って後回しになっていましたが、すらすら読めました。

「The Wonderful Story of Henry Sugar and Six More」
ダールの短編集。一応12歳ぐらいと書いてある本ですが、ほとんど大人向けですね。今までの児童書よりもやや難しめです。
特に表題作は最初の方はHenryが奇妙なことが書いてある本をひたすら読んでいて、一体どうなるんだろうと思っていたら…まさかこんな展開になるとは。
Piece of Cakeとそれを発表するに至る話は実話なのかフィクションなのかいまいち判別が付きにくいのですが、それもまたダールの人を食ったところが表れているように思います。

「Going Solo」
これははっきりと一般向けとして書かれた本です。ダールの自伝で、前に少年時代のことを書いた「BOY」を読んでいたので、いずれはこちらも読みたいと思って積んでました。
ダールはシェル石油に就職してアフリカへ行き、やがて第二次大戦が始まってパイロットになって戦闘に参加した経過が書かれています。それにしても、アフリカへ向かう船内から、現地での出来事など、まるでダールのお話の中のようなとんでもないことがいろいろと起こります。こんな経験をしたからあんな話を書くようになったのか、それとも脚色しているのか…?

以上でダールの未読本は全部片付けました。児童書はほとんど読んでしまったので、これからは一般向けの本を読んでいきたいと思います。
多読の収穫の一つに、ダールとの出会いがあります。日本ではダールはチョコレート工場だけがやたら有名ですが、私は読んだことがありませんでした。原書でダールと出会えてラッキーです。

その他の本

「The Graveyard Book」
AMINOさんに教えてもらった本です。
両親を殺された赤ん坊は、墓場で幽霊たちに助けられます。そして幽霊たちに育てられます。ちょっとダークなファンタジーです。章ごとに主人公の年齢が上がっていきます。なにしろ幽霊なので、死んだ時代、死んだ年齢がそれぞれバラバラで、いろんな幽霊が出てきます。そういった幽霊たちに囲まれて育つ子ども、というシチュエーションがおもしろいです。

「Chinese Cinderella The Mystery of the Song Dynasty Painting」
極楽トンボさんに紹介してもらって即買ってしまいました。一応フランス語が100万語通過するまで読むのは我慢してましたけど、通過してすぐ読みました。
宋時代のお話が英語で書かれているわけですが、作家が中国系のためかほとんど違和感なくその時代に入っていけました。「清明上河図」からこういうお話ができるんですね。

さて、フランス語で100万語通過して、さらに英語の本を読んでみようと未読本を発掘したら出てきたのは…。

Dragon Slayers' Academy

です。今頃このレベル?と思わなくもなかったのですが、読まずじまいで終わるのももったいないのでとりあえずのぞいてみました。この本、最初はちょっとわかりにくい、とっつきにくいです。しかし「おバカ本」で有名なだけあって、ずいぶんふざけた展開でおもしろかったです。
それで結局続けて読んでいってしまうことに。
1冊1万語ぐらいなので、フランス語で1万語読んでDSAを1冊読む、というサイクルで行けばフランス語と英語がバランスよく読んでいける計算です。

巻が進むと最初のおバカぶりとちょっと雰囲気が変わってきましたが、全体的にギャグマンガのような感じでどんどん読み進むことができました。レベル3あたりで何を読んだらいいか悩んでいる人がいたらお勧めしてみたいです。おフザケ、ギャグが好きかどうか確認してから…。

そしてこれが9巻まで来たところで940万語越えたので、このへんで「指輪物語」を読み始めたらいいだろうと思って読み始めました。まず「The Hobbt」からです。(…ということで、「指輪物語」報告に戻る)。

★多読と勉強

さて、1000万語読むのに7年半かかりました。
最初多読を始めたときはいくらなんでも「指輪物語」が読めるようになるなんて、と思いました。もしそのとき7年半かかると言われてたら「そんなにかかるの?!」と思って腰が引けたかもしれません。
多読が効率が悪いような印象を与えるのはそういった部分かも知れません。100万語読んでもPBは読めないし。でも例えば遅めの設定で1年に100万語読んだとして、5年で500万語読んで、そのあたりまで来ると英語との付き合いが一生ものになる…というアプローチならどうでしょうか。
そもそも語学の勉強は手間ヒマかかるものです。何ヶ月とか、1年とか学習期間が設定された語学教材をしてたとして、それはそれで真面目に勉強すればそれなりに力は付くでしょう。でもどんな勉強をしても、数ヶ月や1年で英語が「マスター」できるわけではありません。ペラペラしゃべってPBを読みこなし、メールのやり取りも映画を字幕なしで見るのもOK!というレベルになるにはよほど大変な勉強をしなくてはいけません。それならば、数年にわたって面白い本をたくさん読んでいくのと、どれだけ効果が違うのでしょうか。少なくとも多読の方が効率が悪い、ということはないと思います。試験のための勉強など特別な目的のための勉強なら別ですが。

ただ、多読だけで何でもできる、と主張するのも原理主義的な考え方です。
多読は英語の強力な土台作り、基礎作りになると思います。もしもっと高度な英語力を身につけたいと思ったら、それはそれで目的に沿った勉強が必要です。そう、「目的」が重要です。英語で何がしたいのか、何が必要なのか、それを自分で考えて、自分に必要な英語を身につけていくという姿勢が必要です。
でもそんなにたいして英語が必要じゃないとか、必要じゃないから勉強する気にならない、ということなら好きな本を読んでいればそれでいいでしょう。そこは自分で取捨選択することです。多読は自分が英語と付き合うための基礎作り、土台作りだと思います。
多読と勉強は対立するものではなく、勉強したい人には多読を土台にすれば語学力を上げる強い助けになり、勉強したくない人もそれなりに英語がわかるようになっていくというフレキシブルな「勉強法」だと思います。

★単語、辞書について

まず小ネタ。「指輪物語」を読んでいて、知らない単語をいつの間にか覚えていることに気が付きましたが、それでもわからない単語が出てきたら辞書を引きました。
そこでやはり英英辞典がいいなと思ったところがあります。
「The Hobbit」では、ビルボはBurglerと言われます。これは多読で覚えた言葉ですが、ビルボがBurgler??と思いました。それで英和辞典を見てみました。「夜盗、盗賊」と書いてあります。私が思っているのと同じ意味です。でもビルボは泥棒じゃないし…。それで英英辞典を見てみました。
someone who enters a building illegally in order to steel things
つまりここではenters a building illegallyの意味が重要らしいです。そういえば邦訳では「忍びのもの」となっていました。

それから、ちょっと難しいあたりがあったので、試しにマメに英英辞典をひきながら読む、ということもしてみました。でもやはり辞書を引いてスッキリわかるところもあれば、よくわからないところもあります。そしてやはり辞書を引きながら読むと速度が落ちます。ということで、あまりマメに、ではなく適当に、速度を妨げない程度に、そしてあまり期待をしないで引くというスタンスで引くのがいいと思いました。

それから、英語学習の掲示板でRy0tasanが言っていましたが、語彙を増やすには一定の速度で読む必要があるということです。私はこれを見て、多読三原則の説明ができるのではないかと思いました。語彙を増やすだけではなく文章を理解する力をつけるにも一定の速度は必要だろうと思います。
多読とは、とにかく最初は「三原則を守って読むこと」で、多読の効果はその結果「体感」するものだということになっています。体感するのが大切だから理屈抜きにとにかく読んでみろ、ということです。特になぜ辞書を引いてはいけないのか納得できない人には無理矢理にでも「とにかく辞書を引かないで100万語読んでみてください」と言うしかありませんでした。
しかし理解するのに一定の速度が必要だとなりますと、「辞書は引かない」「わからないところは飛ばす」は、その速度を保つために必要ということになります。そして一定の速度で内容がわかる本、つまりやさしい本から読む必要があるということになります。ただ、その速度をはっきり数字で規定してしまうと数字にとらわれてしまうなどの問題がありますので、ここはとりあえず「一定の速度で読むこと」程度の表現にしておいたほうがいいと思います。

だから…というわけでもないんですが、「指輪物語」で一部音読してみました。きちんと発音しようとするとかえって発音に気をとられて内容がおろそかになったり速度が落ちたりしますが、「もごもごシャドウイング」みたいな感じで一定の速度を保つことだけ考えて声を出して読んでみました。
私は普通に読んでいるときはある程度脳内音読になっているのですが、この脳内音読がけっこうカタカナ英語です。特にわかりにくいところ、難しいところになると速度が落ちてますますカタカナ英語っぽくなってしまいます。それで強いアクセントだけはっきりさせて、あとは音をどんどん落として一定の速度を保ちながら読んでみようと思ったんです。そうしたら難しい箇所でもなんとなく、全体的に「こんな感じのことが書いてある」というのがつかみやすいような気がしました。

それで思ったのは

細部にこだわるとかえってわからなくなる

ということです。

今までも「トップダウン方式」の理解とか、言葉の最小単位は文章、あるいは「物語」ということが言われてきました。英語の勉強ではなく、言葉として理解するためには、全体的に何が書いてあるか、をつかむ力をつけるのが大切なのです。それが細部にこだわりだすと、全体を見渡すことができなくなるのです。

そのために、一定の速度で「すらすら」感を感じながら読んでいく練習が必要で、そのために「辞書は引かない」「わからないところは飛ばす」「レベル0〜1から読む」という方法が有効だということになります。
そして速度を保って読むことを体得できれば、その速度を妨げないように辞書を引けば大丈夫ということになります。

★これから
多読で計画を立てるのはムダ、ということはさんざん思い知らされました。ですから計画は立てません。とりあえず英語と中国語はまずます好きな本を好きなように読めるようになってきたので未読本を片付けることだけ考えていればいいのですが(片付けるのが大変なのですが)、フランス語がもう少し読めるようになるまでやさしい本を読み続ける必要があります。これが一体どこまでできるものか…。
中国語が500万字通過してからほとんど止まっているので何とかしたいし、英語はDragon Slayers' Academyの続きを読みたいし、まだまだ未読本との格闘が続きそうです。

おまけ
1000万語記念にTOEICを受けました。多読半年前に偶然受けていたので、500万語通過時に受けました。ですから次は1000万語通過したら受けようと思っていました。
でもテストの内容が変わっていて、比較になるのか不安です。リスニングも長文を聞くタイプのものが増えたようですし、長文問題もどっさり増えたようで、前よりずいぶん難しく感じました。下がってたらショックかも。


▼返答


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