Re: 発音の勉強と書き取り(dictation)練習について

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[質問] 937. Re: 発音の勉強と書き取り(dictation)練習について

お名前: まりあ
投稿日: 2002/3/12(15:32)

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柴田さん 今日は

〉私は発音の技術的な面をおろそかにしたままで単にシャドウイングするのは
〉カタカナ発音を強化するだけであり、危険なことだと思っています。外国語の
〉勉強をするのに発音の(ある面では機械的ともいえる)練習は絶対必要だと
〉考えます。本当は中学1年生からきちんと学校の先生が指導すべきことなの
〉ですが、多くの先生は生徒の発音については「ほったらかし」にするので、
〉学習者自身が努力するしかないのが日本の英語教育の現状です。

  まず最初にこれは私の個人的意見で、SSS研究会の統一見解では
ないことをお断りします。逃げているのではなく、集まるとGRの
ことで話し合うことが多すぎて、他の方の意見を聞いていないのです。

  さて、発音が英語に重要なことには何の反論もありません。
先日も、長くて何と読んで良いか判らない名前の人物が多く登場
してくると、人間関係が理解できなくなってお話のストーリーが
掴めなくなるという投書に共感者が大勢出ました。これは読み方の
判らない単語は使える程度に覚えられない、ということの証明にも
なるかと思っております。

  しかし問題は、正しい発音を指導できる教師に滅多に出会えない
(柴田先生の生徒さんは羨ましいです)というよりももっと悲惨なのが
現状で、何が正しい英語の発音か、の認識段階ですでに誤りが多い
ということです。多くの日本人がきれいな英語の発音だと思っている
ものは、正しい英語の発音ではないと思っています。たとえば日本人で
teaを正しく発音できる人は10人に1人いるでしょうか?たいがい
「ティー」と発音します。飛行機の中ではコーヒーとのチョイスなので
通じますが、メニューの豊富な店で Two cups of tea, please. と
注文したらカプチーノが1つ出てきた、などの経験談を良く聞きます。
母音の発音の聞き分け・言い分けが必要なことは言い古されていますが、
子音についても同様の練習の必要があることが認識されていません。

  学校教科書の読み上げをしたCDなどは、100〜120wpm の、連結、
同化、脱落の音変化を生じないいわゆるTeachers English のものが
多いでしょう?(5,6年前のことです、現在良くなっているなら申し訳
ない)社会人向けのものは別として、中高生用リスニング教材なども、
Teachers Englishが殆どです。あれを練習しても英米ネイティブに
通じやすい英語になるかどうかは疑問です。(東南アジアで褒められる
ようにはなります)リスニング力の向上は望めません。労力の割に
ひどく得るものが少ないので、私は時間の無駄だと考えます。

  シャドゥイングもゆっくりとした英語ですることは、ご指摘の
ようにカタカナ発音を強化する危険があるでしょう。けれども
英語らしいスピードのCD(たとえばハリーポッターのもの)を
利用すると、カタカナ発音では後がつけられません。必死で追って
いく練習をするうちに自然に不必要な母音を落とすことを覚え、
発音はかなり矯正されますし、なによりリスニング力が着きます。
日本人には上手といわれる発音にならなくても、アメリカ人には
「君の発音は普通の日本人より随分良い」と言われるように
なります。
  正しい英語の発音を知っている指導者から指導して貰えれば
最も効率的ですが、そういう人にに出会えず、自力で聞く・話すを
練習しなければならない場合にシャドウイングはセカンドベスト
ではないでしょうか。
  お勧めのアルクの教材を聞いていないので恐縮ですが、他の
2,3000円の発音教材などで、母音の似通った単語を発音区別させる
ものなど、結局自分自身が正誤の判定者にならねばならず、
無限循環ループに陥る危険がないでしょうか?コンピューターで
周波数型を示して判定するものもありますが、とても時間がかかり
ます。また数個の単語だけ正しい発音を訓練しても、その単語を
センテンスの中で使うときには、もとのカタカナ発音に戻ってしまう
場合が殆どです。正しい発音をカタカナ発音の中に混ぜることは、
一単語正しく発音するよりもさらに困難だからです。
  その点シャドウイングは、『追いつかない!』という分かり
易い指標を独学者に示してくれる長所があります。また長い
センテンスの発音全体を少しずつ向上させるので、部分的に
発音の正しいところとおかしなところが混在せずに、それなりに
自然に発話ができるのも長所かと思います。

  ただし、単語を4つ並べて母音の違うものを当てさせる
問題や、アクセントがどの音節にあるかを問う問題などの
正解率を高めるためには、「音」の発音練習の方がずっと
有効だろうとは考えています。

 
 


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