Re: 古文の多読

[掲示板: 〈過去ログ〉英語以外で多読を楽しむ掲示板 -- 最新メッセージID: 3292 // 時刻: 2024/7/17(04:15)]

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1569. Re: 古文の多読

お名前: 極楽トンボ
投稿日: 2008/4/4(20:28)

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"アーニャ"さんは[url:kb:1560]で書きました:
〉掲示板お久しぶりのアーニャです。

アーニャさん、はじめまして。極楽トンボと申します。よりしくお願いしま
す。

〉SSS掲示板に色々大きな変化があって、
〉掲示板暦がまだ浅い私ですが、人事とは思えず動揺してしまって、
〉少し英語多読と掲示板から遠のいてしまいました。

わたしはこの時期に掲示板にデビューしてしまいました。ああいう大きな変動
がなければ、デビューしていなかったかもしれません。

〉でもでも、常に平らで真っ直ぐで障害のない道はないですよね。
〉道はでこぼこしている所もあれば、岐路もあり。
〉人それぞれ、変化していくもの。それを受け入れられる心が必要。
〉最近読んだ梨木香歩さんの著書の中で「理解できないけど、受け入れる」という言葉にしんみりしちゃった私です。
〉な〜んて、いきなり書き始めから、一人感慨に浸っているアーニャは放っておいてもらって…(笑)

わたしも感慨に浸ってしまいます。

〉さっそく質問です!
〉「枕草子」や「源氏物語」など、原文で古文の多読を試みたいと思っているのですが、
〉初めて読む作品にはどれが最適でしょうか?
〉読みやすくて、できれば面白いのがあればもってこいなんですけど。。
〉「竹取物語」や「今昔物語」あたりが読みやすいでしょうか?
〉「堤中納言物語」や「蜻蛉日記」は難しいと聞いたことがあるのですが…。

枕草子は、ときどき面白いことが書いてありますが、全部を通して読もうと
するのは苦行です。かなり前に前半読んで挫折しました。文章もかなり難し
い印象があります。

源氏物語の冒頭の桐壺の巻は、かっちりして遊びの少ない文章のような気が
します。また、最後の宇治十帖のほうは、濃厚な心理描写が多くてこれまた
息がつまります。SSS多読のやりかたで源氏物語を読むなら、物語がはっき
りしている巻を読むのがいいと思います。

たとえば、玉鬘の巻から始まる数巻は、幽霊に取り殺された夕顔の遺児玉鬘
が、源氏の後見を得て筑紫の国から京に上り、髭黒の大臣の妻となって幸せに
暮らすまでの数奇な身の上を物語っています。このへんがいちばん気楽に楽し
く読めます。

でも、アーニャさんがもし源氏物語に一度もふれたことのない人だったら、い
きなり途中から読むのも抵抗があるでしょうね。

本は、岩波文庫が一番読みやすいです。本文の句読点が多めなので意味がとり
やすいし、必要最小限の注釈が傍注の形でなされているので、注釈を読むこと
による中断をほとんど感じません。ただ、岩波文庫には現代語訳がついていな
いので、何か文庫版の現代語訳を用意するとよいでしょう。

竹取物語は、いまは絶版になってしまったのですが、旺文社文庫版が字が大き
くて読みやすいです。

今昔物語は、あまり読んだことがありません。最近、ブックオフでちくま文庫
版の福永武彦訳を入手したので、今度多読が停滞に陥ったらこれを読もうと思
っています。

堤中納言物語も、ブックオフのおかげで昔読んだ旺文社文庫版を再入手しまし
た。停滞したらこれも再読しちゃお。

蜻蛉日記は、不毛な愛に悶々とするところが好きなのですが、通して読んだこ
とはありません。結構難しくて挫折したままです。今は本すらどっかいってし
まいました。これも最近、ちくま文庫の円地文子訳を手に入れたので、これも
停滞したら読んでみよーっと。

〉私は、英語も好きなのですが、昔の日本も大好きで、
〉最近になって古文でも多読をやってみたいなぁと思うように。
〉でも、まずどこから始めればいいのか分からなくて、
〉SSS掲示板には知識人の方が多いのでぜひとも知恵を拝借できたらなぁとやってまいりました。

〉ぜひ、少しの情報でも教えていただけら嬉しいです。

わたしも古文が好きです。いまは英語の多読をやっているので、全然読んでい
ません。でも、英語の本を見るのもいやな停滞のときによく読んでいます。通
読するのは骨が折れるので、好きなところを拾い読みすることのほうが多いで
す。

アーニャさんは百人一首は好きですか?もし百人一首が好きなら、『百人一首
一夕話』(岩波文庫)なんかいいかもしれません。今知られている百人一首に
まつわるエピソードはこれがネタ元のようです。あまりたっぷりありすぎて、
わたしもまだ全部読めていませんが。

もし、興味はあるけど、百人一首を全然読んだことがないのなら、現代のもの
も入っていますが、大岡信『折々の歌』(岩波新書)の1から3くらいまで読
むと、楽しく和歌に入門することができます

もし、もっと和歌に触れてみたいなら、『王朝秀歌選』(岩波文庫)がいいと
思います。百人一首を含む代表的な王朝和歌のアンソロジーが各種収録されて
います。『定家八代集』(岩波文庫)もいいです。古今集から新古今集までの
アンソロジーです。古今集や新古今集の現代語訳なら、窪田空穂のものが平易で好きなのですが、入手しにくいのが難点です。

いまこのくらいしか考えが浮かびません。文学作品に限らず、いろいろ探して
みるとおもしろいものがたくさんあると思います。アーニャさんの好みを知ら
せてもらえたら、もっといい考えが浮かぶかもしれません。


▲返答元

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