英語は易しい? 寅です

[掲示板: 〈過去ログ〉英語のことなんでも -- 最新メッセージID: 2495 // 時刻: 2024/7/18(02:15)]

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1649. 英語は易しい? 寅です

お名前: 寅彦 http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/
投稿日: 2007/11/19(23:33)

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寅彦です。
お招き頂き、ありがとうございます。

言語固有の難易度か、その人にとっての難易度かという話が出ていたようです。

言語固有の難易度という問題は、言語学者にとっては興味深い話かもしれませんが、証券会社の経理マンの私はあまり興味がそそられず、また、きっと研究しようにもいろいろな条件を揃えるのが大変で、結果の比較が正しくできるのだろうかと心配してしまいます。
(二言語間で、幼児の言語習得スピードを比較するのでしょうが、家庭環境、学校の環境、テキストなどの条件を揃えるのが大変そうです)

ということで、母語の習得後に外国語を学ぶことについて思いつくままに書いてみたいと思います。

英語が簡単かフランス語が簡単かという問題も、他の条件を揃えようとすると比較はなかなか難しいかもしれません。
英語を(モノにしたかは別として)中高で学んだ後に大学でフランス語を習うケースは、中学で始めて英語を学ぶケースと直接の比較はできないと思います。

音声面で言えば、追加で覚える音はrと、何種類かの eくらいですし、語順に対する抵抗もなくなっているでしょうから。

55カ国語を教えている大学書林が、10,000人の学生の習得のスピードから、日本人にとって学びやすい外国語/学びにくい外国語をまとめた資料があります。

易しい方から難しい方にグループ1から4に分類すると

グループ1
インドネシア語、朝鮮語、スワヒリ語、マレーシア語
グループ2
中国語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語、トルコ語
グループ3
英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、タイ語
グループ4
ロシア語、ポーランド語、チェコ語、アラビア語

同様にアメリカのFSIという外務省の研修所みたいな機関がまとめた資料では、アメリカ人にとって学びやすい/学びにくい言語は

グループ1
フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、スワヒリ語グループ2
ギリシャ語、インドネシア語、ヒンディー語、マレーシア語、ウルドゥー語
グループ3
チェコ語、ハンガリー語、ロシア語、トルコ語、ベトナム語、タイ語
グループ4
日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語

だそうです。

出典 
早稲田大学国際言語文化研究所主催、第2回公開国際シンポジウム「アジアの言語と文化を学ぼう − 日本人にとってのやさしい外国語・むずかしい外国語」(2003/12/4) における、大学書林国際語学アカデミー理事長の佐藤氏の基調講演

資料が本のヤマのどこかにあると思うのですがすぐには見つかりません。
「大学書林の授業で、何時間でモノになるか」という調査だというので、ある程度正しそうな気がします。

母語と音、単語、文法が似ていれば、習得が容易だろうなぁということは想像がつきますね。

私の場合は英仏伊で、地上の様々な言語の集まりから見れば極めて近い三カ国語なので、一つができれば後が容易だったということはあると思います。

また、カナダの言語学者のカミンズの「カミンズの法則/氷山の法則」にあるように、一つの言語の学習を放っておいても別の言語の学習を続けている間に一緒に能力が底上げされるということを実際に経験できたのは、言語間の距離が近かったのだと思います。
(フランス語は大学で習った後、20年近く放置していたのが、イタリア、イギリス暮らしを経て帰国して、ちょっと勉強したら仏検1級に合格した)
 
ロンブカトーの「わたしの外国語学習法」(米原万里訳)の181ページに、言語間、言語内の相似にたよって外国語を話すということが書かれています。
「言語のルールをわれわれは外挿するか内挿する」とされていますが、言語間の距離が近ければ、外挿が容易です。(イタリア語で作ったテンプレートをコピーしてフランス語のテンプレートとして使い始めるというようなこと)
私は自分のブログでは「フィルター」という用語で表していました。

お相撲さんの話が出ましたが、インプット/アウトプットと、測定の問題がある点は注意が必要だと思っています。

読んで分かる漢字の数に比べて、書ける漢字が少ないのと同様に、母語でも外国語でも、アウトプットの方が範囲も深さもインプットに比べて劣ります。
しかしながら、その人のインプットのレベルを測定するのは難しく、結果的にアウトプットの測定によって近似させようとします。
結果的に、多読で何千万語も読んで、何の不自由も感じていない人であっても、外国語の会話が苦手だったりすると周囲の評価が不当に低くなります。
逆に、内容が無くてもペラペラと話をしていると、インプットは当然にその何倍もあるに違いないとの美しき誤解から、外国語のできる人という評価がおりることもあります。

会話の場合、自分の話したい話題を使える表現で乗り切れるのに対し、読書などのこちらを意識してくれないインプットは、逃げ場がありません。

話は変わりますが、同じくらいの難易度であっても、教材が入社可能であれば結果的に習得が容易であるということもあるでしょう。

まとまりのない話でごめんなさい。


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