2021 卒業生座談会【文系】: 詰め込み教育ではなく自由に楽しく学べるSEG
東大、一橋大に進学された文系のSEG卒業生に集まっていただき、志望大学を決めたきっかけや学習方法、大学生活等についてお話しいただきました。
永島 加南子さん/東京大学文科Ⅰ類1年
山本 英奈さん/東京大学文科Ⅰ類1年
碇 翔太さん/東京大学文科Ⅲ類1年
北林 大空さん/一橋大学法学部1年司会 岡本 雄一(SEG数学講師)
敬称略
大学受験を見据えて力をつけるためにSEGへ
岡本 今日はお集まりいただき、ありがとうございます。最初に自己紹介を兼ねてSEGに入った時期と、入塾のきっかけを教えてください。
碇 東京大学文科Ⅲ類1年の碇翔太です。出身は芝高校で、高1からSEGに通っていました。模試で数学の成績だけがものすごく悪かったため、数学だけは塾に通った方がいいと思い、数学が強いとされるSEGに通うことにしました。
北林 同じく芝高校出身で、一橋大学法学部1年の北林大空です。高1の春に父親の勧めでSEGに入塾しました。中高一貫校のため、それまでは学校の勉強しかしてきませんでしたが、そろそろ大学受験を見据えた勉強も始めた方がいいと考え、親に塾を探してもらうことにしました。数学は学校の定期テストでも赤点を取るくらいの成績でしたが、まずは塾に頼らずに自力で勉強して立て直そうと思って数学の受講は見送り、英語多読だけを受講することにしました。高3からは数学も受講しました。
山本 白百合学園高校出身の山本英奈といいます。東京大学文科Ⅰ類の1年です。親の勧めで中1の冬からSEGの数学を受講し始めました。冬期講習の先生の解説が分かりやすかったのがとても印象的で、その講習のクラスにたまたま学校の友人がいたこともあり、心強く思い入塾しました。英語多読も中3から受講を始めました。
永島 東京大学文科Ⅰ類1年の永島加南子です。出身高校は浦和明の星女子高校です。SEGに入塾したのは小学校を卒業する頃です。実は中学受験のときに第1~第3志望校まですべて落ちてしまい、かなり傷心していました。それだけに大学受験はしっかり準備して臨みたいと考え、いろいろな塾の体験授業を受けてみることにしました。その中でSEGの授業が一番自分に合っていました。詰め込み教育のような感じがまったくなく、自分で考える時間と、解説を聞いて納得する時間があり、さらに分からなければ、質問してちゃんと理解してから帰るという良いルーチンができそうだったため、SEGに決めました。
他塾にない自由な雰囲気が魅力 おかげで楽しく通うことができた
岡本 入塾したときのSEGの印象を聞かせてください。
碇 とても自由な印象があります。高1のときは井上先生に教わっており、問題が早く解けた人にお菓子を配ってくれることもありました。他塾にも通っていましたが、そうした自由な雰囲気は一切ありませんでした。そんな雰囲気が面白いというか、塾っぽくないというか、気軽に授業を受けられる環境がとても気に入りました。井上先生はクラス分けのときに成績が良かった順にプレゼントを配ってくださることもありましたが、それも勉強するモチベーションになった印象があります。おかげで、高1の1年間で数字の苦手意識がなくなり、得意科目とまではいかないにしても、数学を好きにはなれました。
北林 永島さんが話していたように、他の塾や予備校にありがちな、詰め込み学習のような空気感がなく、自由でアットホームな雰囲気があるという印象でした。英語多読では教室に入った瞬間に、壁に洋書がズラリと並んでいる風景に驚き、強く印象に残ったことを覚えています。外国人の先生の授業も、最初はゲームをしたり、映画を観たりといったような内容で、塾に通っているというよりは、英会話教室に来ているような楽しい空間でした。
山本 どの先生からも数学が本当に好きでたまらないという雰囲気が伝わってきました。そんな先生方の授業を受けることで、「数学って楽しいんだよ」ということを教えてもらえた感じがします。おかげで6年間楽しく通うことができました。
永島 光田先生の授業が印象的で、それが私のSEG生活の原点になっています。算数は見るのも嫌というくらい苦手だったのですが、中1~中3まで光田先生に教わることで、その苦手意識が薄らいだからです。先生は割と淡々と授業を進めていかれるのですが、そのためかどうか、数学を考えることが楽しいと感じるようになりました。高3まで相変わらず数学は苦手でしたが、それでもSEGに行きたくないとか、数学をやりたくないと思うようなことは一切なく、6年間通い続けられたことが一番嬉しいことでした。
岡本 SEG生活の原点とは、どういうことでしょうか。
永島 特に印象的なエピソードがあります。中3のとき「5日に1回復習しても忘れます」と、半ばふてくされた感じで光田先生に質問したことがあります。すると先生は「5日で忘れるなら、その間にもう1回やればいいし、1日おきに復習しても忘れるなら毎日やればいい」と答えてくださいました。考えてみれば当たり前なことなのですが、苦手だから、不器用だからと逃げるのではなく、自分の性質に合わせて取り組むことが大切なのだと、改めて気づかされた瞬間でした。これはどの科目にも共通して言えることですから、以後は受験期まで常にそのことを意識するようにしていました。
岡本 中高一貫校のついつい弛みがちな中3の段階で、そういうアドバイスをもらえたのは良かったですね。
受験に直結する力が得られ、論理的な思考力も鍛えられた
岡本 他に印象に残っている授業や先生があれば、いくつでも教えてください。
碇 岡本先生の授業は、問題を解くだけでなく、その背景にあることまで含めて教えてくださり、しかもとても楽しそうに問題を解いていらっしゃいます。僕は数学アレルギーというか、数字ばかり見ていると嫌になってくる方でしたが、先生の授業を受けることで、一緒になって数学を楽しむことができるようになりました。おかげで本番でも、数学の成績が一番良かったほど力がつきました。
北林 SEGというと「理数系の塾」、英語は「多読」というイメージがあると思うのですが、僕の場合は、高2からお世話になった英語の精読パートの渡辺卓幹先生の授業が一番好きでした。ユーモアがあって、知識も豊富で、英文のテーマに関する小話なども面白くて、外国人パートではないにもかかわらず、主体的に参加したくなるような授業でした。また、高3からお世話になった数学の千葉先生の授業もよく覚えています。クリーム本とテストゼミの授業でしたから、どちらかといえばSEGらしい授業というよりは、受験数学に特化したような授業でしたが、いろいろな解法を教えていただき、数学が苦手な自分にとっては、とても分かりやすい授業だったと思います。
山本 数学を習ったのは伴先生と岡本先生で、お二人にはとてもお世話になりました。伴先生は板書がきれいで、説明も分かりやすかったため、数学がそんなに得意ではない私でも理解しやすい授業でした。その後、高2から文系に進んだときに岡本先生にお世話になったのですが、そこからは岡本先生のストイックさに鍛えられて(笑)、それもとてもありがたかったです。
岡本 かなりスパルタでやっていましたからね。
山本 私も高校時代は、岡本先生の授業が一番印象に残っています。SEGのおかげで中学の間に数学を「苦手だけど嫌いではなく、考えるのは好き」という状態にしていただき、高2の冬からの岡本先生の授業で、受験において必要な数学の解法や時間配分などをすべて教えてもらえ、受験に直結する力をいただきました。
岡本 SEGの授業が受験に役立ったという嬉しい報告をいくつもいただきましたが、具体的にSEGでどんな力が身についたと感じていますか。
碇 やはり一番苦手な数学が克服でき、一番得点を取れる科目になったので、そこが一番かなと思っています。
北林 僕の場合は英語の読解力です。最終的には5~6万語といった分厚い洋書まで読めるようになったため、長文に対する抵抗がなくなったことが一番大きかったと思います。大学に入ってからも結構大量の英文を読む機会が多く、今も直接役立っています。
山本 数学に関していえば、公式を暗記しないというか、ちゃんとその公式を理解してから使おうとする意識を養えたことだと思っています。
岡本 口でいうのは簡単ですが、なかなか実践するのは難しいことですよね。時間をかけてじっくりと努力をされたのでしょう。
永島 現在、法律の勉強、予備試験と司法試験の勉強をしているのですが、数学と法律は考え方が結構似ていると感じています。岡本先生の授業では、軌跡やパラメータの問題を扱う場合、最初にこれをやり、次に場合分けをして、この条件ならこう考えるといったような思考の流れを自分でノートにまとめていた記憶があります。法律の論文もこれによく似ていて、最初にあることが保障されているかを検討し、次に制約を受けているかを調べ、その次に審査基準を考える……といった順序というか一種のテンプレートがあり、それを理解してから当てはめていくような流れになっています。その意味で、数学の思考力というか、根本的な考え方を身につけることができたと思っています。
岡本 法律はまったくの素人ですが、論理的に筋道を立てて考えていくということは、どの科目でもどんな分野でも必要ですよね。そういう力を身につけるのに高校生活の時間をしっかり使えたというのは大変意義深いことだと思います。
生徒のことを第一に考えた指導体制の構築に感謝
岡本 SEGに通っていて、ここが一番良かったと強く思うことがあれば教えてください。
北林 周りのレベルの高さです。高2の終わりくらいから英語多読は一番上のクラスに上がったのですが、周りの人の読んでいる本の厚さが自分とかなり違っていました。自分は薄いのに他の人は分厚いペーパーバック。そのことが刺激となってモチベーションアップにつながりました。数学のテストゼミも全然できなかったにもかかわらず、講評のプリントで成績優秀者の得点を見て刺激を受けましたし、SEGにいるときは常に「頑張らなきゃ」って気持ちでいられました。そういうレベルの高い環境にいられたことが良かったと思います。
岡本 現在はオンラインで何でも聞けてしまう時代ですし、分かりやすい授業も大切ですが、やはり周りの仲間からいろいろな刺激を受けることも、塾に通う大きな意義の一つなのでしょうね。
山本 コロナ禍で対面授業ができない状況になったとき、SEGではいち早くオンライン授業にしてくださいました。私は対面授業に行くのに勇気がいるタイプだったため、授業の内容はもちろんですが、こうした素早い対応がとても嬉しかったことを覚えています。高3から別の教科で他塾に通い始めたのですが、SEGの方が生徒を第一に考えてくれている感じを強く受けました。
岡本 オンライン化するのはすごく大変でしたが、頑張って良かったです(笑)。
永島 先生方は「復習をちゃんとしなさい」とはおっしゃるのですが、SEGの場合、やるかやらないかは基本的に自分次第というところがあると思っています。やれば、ちゃんと成績が上がり、やらなければ落ちることを経験したことで、勉強に自主的に取り組む習慣を身につけることができたと思っています。
理数系が苦手で文系に。弁護士目指して法学部へ。
岡本 文系志望に決めた時期と、志望校を具体的に決めた時期などを、理由とともに聞かせていただけますか。
碇 文系に決めたのは、高1の頃です。理科ができなくて、そのときはまだ数学もできなかったので、理系は無理だと思い、消極的な感じで文系に決めました。志望校は、高1と高2のときに友人と一緒に大学の文化祭やオープンキャンパスなどを一気に回り、大学の持っている雰囲気で志望校を決めました。当初は一橋志望で、東大を目指していたら一橋にも受かるのではないかと考え、とりあえずの東大志望という感じでいました。しかし、気がついたら本当に東大を受けようという気持ちになっており、高3の春には完全に東大志望に決めました。
北林 高2で文理に分かれることになっており、そのクラス分けの前に文系に決めました。将来やりたいこともあったのですが、理数系に何となく苦手意識があったからというのが正直な理由です。学部に関しては、「SUITS」という当時見ていたテレビドラマで、弁護士になるのもいいかなと思い、法学部に決めました。志望校は高2の夏に東大や一橋などの大学のオープンキャンパスを回って決めました。東大文Ⅰはそのときの自分の中ではハードルが高かったため、とりあえず一橋を目指して、行けそうだったら東大志望に切り替えようと思ってはいましたが、結局ずっと一橋志望のままの受験生活でした。
山本 私の学校も高2で文理が分かれるため、高1の終わりに文系に決めました。中学の頃は数学が好きで理系に行くつもりで、数学をかなり勉強していました。けれども高校になってから文系科目も面白くなってきたため、文系志望に変えました。法学部を志望したのは、弁護士の父の影響もあります。父の話を聞いているうちに法学部で勉強したいと思うようになったからです。志望校はずっと迷っていましたが、東大文Ⅰの知り合いにいろいろな話を聞いているうちに魅力を感じ始め、最終的には高3の春に東大に決めました。
永島 中1くらいで何となく文系に進むことを決めていましたが、最終的に決定したのは高1の秋です。私はもともと何をやっても不器用で、定着するのに人よりずいぶん時間がかかるという自覚がありました。そこで、将来苦労しないためには、自分が将来やりたい職業→学部→大学というように逆算して注意深く進めていくことが必要だと考えました。まずは、地政学とか国際通商の弁護士に興味があったので法学部に決め、入りたい法律事務所とか弁護士の専門分野を考えると、東大に行っておくのが一番楽かなと考えて東大を志望することに決めました。高1のときに脳科学に興味が出てきて一瞬進路を迷ったこともありましたが、やはり自分の得意分野で勝負したいと思い、自分が得意そうなのは法学だと思い直して東大文Ⅰに最終決定しました。
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*受験や大学生活の話も掲載されています。