英語多読 – 講師より
題名を見て内容を思い出せるような読み方ができる指導を心がけたい
──英語多読とは、どのように出会ったのですか。
中1になる前に、友人と一緒に参加した多読の体験講座が非常に楽しかったことをよく覚えています。絵本を読んだり、外国人の先生とゲームをしたり、友人と英語で話をしたりと、勉強っぽくない授業が気に入り、そのまま春期講習を受講し、6年間続けることになりました。
──どうしてチューターになろうと思ったのですか。
もともとチューター志望でした。数学のチューターにお世話になったこともあり、自分も後輩の助けになりたかったからです。数学でも化学でも教科は何でもよかったのですが、6年間で1000冊以上の本を読んでいますし、その中にはお勧めの本もたくさんあるため、自分がいちばん貢献できるのは多読だろうと考えました。
──講師になろうと思った動機はなんですか。
自分と年齢の近い学生講師のチューターとして授業補助をすることが多かったのですが、生徒から信頼されている様子や、英語の成績が伸びたことに感謝する生徒の言葉などに接するうちに、自分でも直接生徒と触れ合いたい、生徒の相談に乗りたいと思うようになり、講師試験を受けることにしました。1年間のチューター期間で、どんな場合にどんな本を渡せばいいのかといった選書の勘などのようなものが芽生えてきたことも大きかったと思います。
──生徒時代の経験は、講師の仕事にどのように活きていますか。
多読手帳を見返すと、題名や感想から当時の感情を思い出すことができるため、生徒とやり取りしながら授業を進めていく際や、本を選ぶ際に、とても役立っています。当時から「題名を見ただけで内容を把握できるように読みなさい」と指導されていましたが、そうした深い読み方ができたおかげで英語力が伸びたわけですから、自分の授業でもそんな読み方ができるような指導を心がけています。
──授業に向けては、どのような準備をされていますか。
毎回の授業で「この子は音読が苦手」「この子はこのシリーズが嫌い」といったことをメモしており、一人ひとりの生徒の個性に応じて勧める本を想定してから授業に臨むようにしています。また、全員で同じ本を読む「一斉読み」に対しては、難しそうな表現や、ネイティブらしい表現などを細かく調べる、絵から状況を読み解くヒントなどを確認するなどの準備をしています。
──英語多読の講師としてのやりがいを感じるのはどんなときですか。
多読によって読書の楽しみを知り、楽しみながら読み続けることができたわけですから、「英語の本が楽しく読めるようになった」「英語が分かった」という声を聞いたときは嬉しいですね。楽しめる本を選ばなければならない責任は強く感じますが、それだけに大きなやりがいを感じます。