英語多読 – 講師より
自らの経験で体感した多読の効果をできるだけ多くの生徒に伝えたい
──英語多読とは、どのように出会ったのですか。
大学は英文学科を卒業していますが、銀行に就職しました。英語教育とは無縁の仕事です。結婚を機に退職したのち、息子が3歳のときに夫の仕事で渡米することになりました。子どもの言語習得には絵本がいいと強く信じていたため、息子の日本語の勉強のために日本語の絵本を200冊くらい購入して持って行きました。加えてアメリカでは英語も習得しなければなりません。そこで、週末のたびに一家で本屋に入り浸り、家族そろって次から次へと絵本を読みふける日々を過ごすことにしました。
しばらくそうした読書を続けているうちに、息子はもちろん、私や夫の英語力もかなり上達していることが体感できるようになりました。当時は、多読という言葉も知らなかったのですが、やさしい英語を「楽しみながら」大量にインプットする多読の作法を知らないうちに実践していたのです。
──講師になろうと思ったのはなぜですか。
こうした体験から子どもの英語習得過程に興味を抱き、英語の教授法を学ぶべくアメリカの大学院に進学しました。そこで、多読がセカンドランゲージの習得にいかに効果的かを理論的に学び、帰国後は、多読の家庭教師をしたり、自宅で多読を教えたりしていました。
SEGとの出会いは、息子の中学受験のとき校門で配られたSEGのチラシでした。「多読を教えているところが日本にもあったのか」とすぐに連絡しましたが、中学生の息子を残して夜働くことに決心がつかず、息子だけをSEGに通わせることにしました。ところが、息子が中3のときに今度は家族でイギリスに赴任することになり、4年後に帰国してすぐにSEGに履歴書を送ったのです。
──英語多読の講師としてやりがいを感じるのはどんなときですか。
Readingが楽になった、Listeningができるようになったという生徒は多く、成績が上がったり、力がついたりすることはもちろん嬉しいのですが、もっと単純に「この本、超面白かった」と言ってもらえたときに、大きなやりがいを感じます。
というのも、多読が英語学習に最も効果を発揮するには、「楽しみながら」読み続けること必要だからです。楽しいから続けられるし、効果的なインプットにつながるわけで、「読書は楽しい」と感じてもらうために講師の仕事があると思っています。
──これから英語多読講師を目指す方に一言お願いします。
多読の講師は、生徒に一方的に何かを教える先生ではありません。生徒が主体的に、モチベーションを持って本を読みたいと思ってもらえるような「環境づくり」こそが最も重要な能力だと考えています。ですから、どんな生徒にも自信を持って勧められるような「本の引き出し」を、なるべくたくさん持っていることが望ましいと思います。まずは自分が多読をすること、しかもできるだけ幅広いジャンルの本を読み続けることが大切だと思います。