2010 SEG

中1多読クラスのBACEテスト、全国の高1平均を4年連続上回る

 SEGの多読コースでは、英語の力は「初見の英文をどう理解できるか?」で判定されるべきだと考えています。授業内容に沿った試験で良い点をとっても、授業でやったことのない英文が理解できないのでは、本当の実力とはいえないからです。この試験ポリシーに沿って、年2回、外部試験を全受講生対象に実施し、伸びを測定し、弱点が発見されればカリキュラムを微調整しています。
 BACEは、英語運用能力評価協会(ELPA)が主催する、高校1年生対象の300点満点のTOEIC形式(英問英答記号式)の英語力判定試験です。毎回1万人近くの高校生が受験しています。英検での取得級との対応は、ほぼ次の様になっています。
英検の級 2級 準2級 3級 4級 5級
BACE受験者の英検取得者の平均点 252 224 180 155 145


SEG多読クラス中1生は、ほぼ全員が、2010年1月〜2月に高1生用のBACEを受験し、2007年以来、4年連続で、全国の高1生の平均を上回りました。SEGの中1多読生と、高1の全国の受験者の得点平均、上位27%の平均、下位27%の平均、その比は次の通りです。

語彙
文法
読解 聴解 総合点
満点(300) 100 100 100 300
中1多読全体平均 55.7 54.9 64.9 175.5
全国高1全体平均 59.3 49.5 55.3 164.2
全国高1との比 0.94 1.11 1.17 1.07
中1多読 上位27% 72.1 74.7 84.3 231.0
全国高1上位27% 74.3 73.1 69.8 213.3
全国高1との比 0.97 1.02 1.21 1.08
中1多読 下位27% 41.7 36.9 48.9 127.5
全国高1下位27% 45.4 28.7 41.2 117.0
全国高1との比 0.92 1.29 1.19 1.09

語彙・文法では、全国の高1生より低い得点ですが、聴解で、全体平均、上位平均、下位平均いずれでも、全国の高1平均を大きく上回り、総合点では、全体でも、上位でも、下位でも、高1を上回っています。

また、同時期に、SEGの中1英語文法中心の従来クラス(eMaster)でも、同一試験を実施しましたので、それと比較すると、次のようになっています。

語彙
文法
読解 聴解 総合点
満点(300) 100 100 481 300
中1多読クラス平均 55.7 54.9 64.9 175.5
中1従来クラス平均 54.0 48.8 61.4 164.3
全国高1平均 59.3 49.5 55.3 164.2
多読クラス/従来クラス 1.03 1.13 1.06 1.07
中1多読 上位27% 72.1 74.7 84.3 231.0
中1従来 上位27% 69.0 67.7 73.0 209.7
全国高1上位27% 74.3 73.1 69.8 213.3
多読クラス/従来クラス 1.04 1.10 1.15 1.10
中1多読 下位27% 41.7 36.9 48.9 127.5
中1従来 下位27% 44.1 32.6 51.0 127.8
全国高1下位27% 45.4 28.7 41.2 117.0
多読クラス/従来クラス 0.94 1.13 0.96 1.00

SEGの中1英語文法中心クラス(eMaster)の得点の平均は、164.3で、高1の全国平均とほぼ同じ得点で、eMasterコースも高い効果を上げていることがわかります。

多読クラスとeMasterクラス(文法中心クラス)の全体平均を比較すると、語彙・文法は多読がやや高いものの大差はありませんが、読解・聴解で多読クラスが大差をつけて、総合点では、多読クラスが文法中心クラスより7%高い得点となっています。
また、双方の上位27%の総合点では、さらに差を広げ、10%となっています。
一方、下位27%では、eMasterクラスの方が、文法・聴解の得点が高く、eMasterクラスの文法指導、リスニング指導は、特に英語力が低い層に効果的であることがわかります。一方、読解では多読クラスの方が得点が高く、総合点はほぼ同じとなっています。

上記の結果から、
 (1) 多読クラスは、文法力の向上については、従来クラスより効果が遅い
 (2) 多読クラスは、読解力の向上については、従来クラスより効果が早い
 (3) 多読による英語教育は、成績上位層により効果が高く、成績下位層についは、従来の方法と同程度の効果である
 (4) 総合的・平均的にみると、多読クラスの方が、従来クラスより、より早く英語力が伸びる
といえます。

読解の点数では、上位27%の比較でも、多読の方が15%上回っているだけで、それほど、大差がついているわけではありませんが、実際に、中2になった段階で辞書無しで読める本のレベル・読書速度については、かなりの差がつきます。試験の点数に表れない要素も考えると、多読クラスの優位性はさらに高まるといっても過言ではありません。

宿題が生徒の能力とやる気に比例して出される多読クラスでは、やる気のある生徒には、毎年、高い効果がでています。これからも、少しでも多くの生徒がやる気を出すように、本の勧め方、文法授業の進め方の双方において、さらに工夫していきますので、今後もご期待ください。

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(2010/05/03 文責 古川昭夫)

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