他の方も書かれているように、話の構成が複雑で、始めはとっつきにくく、文章が短い割に手ごわかったです。心理描写は秀逸だし、主人公が祖父母との道中で、いろいろな名所に立ち寄る場面も合って(The badlands, Old faithfulなど)、慣れてくると楽しく読めました。がんばって読む価値はあると思います。
Amazonでのレビューの良さに惹かれて久々に買った児童小説。
最初のほうは主人公が置かれている状況が分かりにくいところもありますが
どんな結末になるのか気になって、どんどん読み進められます。
ふだんは、あまり児童書に共感することはないのですが
この本は、子供として信じたいことも、
子供から見たときの(キレイごとではない)大人の気持ち・世界も
両方が描かれていて、児童書でありながら共感できる部分が大きかった作品です。
最近はミステリーや軽めの小説を読むことが多かったので
この本で久々に感動しました。
児童書が苦手な人にもおすすめです。
読んでいるといつのまにか自分がそこにいて、車の窓から外を見ながらSalamancaの話を聞いているような気がしました。
旅の情景を肌で感じるような(空気を感じるような)不思議な体験でした。
Salamancaが祖父母と車で旅をする場面、Salamancaの家族の話、Salamancaの友達Phobeの家族の話・・・と複数の場面が交互に出てくる構成なので最初は少し読みにくいかもしれません。
途中からはそれぞれの状況とミステリアスな部分とが活き活きと感じられてどんどんページをめくってしまいました。
そして最後まで読み進めると、「そういうことだったのか!」と納得できました。
初めに邦訳本を読んでから、この本を読みました(シマウマ読み)。
邦訳本もかなり読み応えがありましたが、この本も読み応えがありました。
レベルは5ですが、やさしい英語で書かれているところが多いので、読みやすかったです。
最後にすべての内容がはっきりと明確になるのですが、邦訳でその内容がわかったうえで、この本を読んだので、
細かい描写が再度確認できてよかったです。
登場人物の一人一人が個性のある人で、また内容が謎めくので、とても惹きつけられ、おもしろかったです。
とてもお薦めの1冊です。
三重層の構成が抜群!Salamancaが、友人の失踪した母の話を祖父母にするうちに、Salamanca自身も、帰ってこない母への気持ちを次第に直視するようになります。祖父母の話も巧みに組み込まれ、リアルな人間模様、家族模様がユーモラスに語られています。
最後の数章は、肩で息をしながら読み進みました。読後、しばし呆然。時間をおいて、「あぁ、そうだったのね~、それでなにもかが・・・」と合点しながら、感動がどくん、どくんと沸いてきました。結末を知った上でもう一度読みたい!
こんな素晴らしい作品に、また出合いたいです。
さまざまな時間軸の話が交錯するので、けっして読みやすいとはいえませんが、是非トライしてみてください。
何度か本棚に戻した後、ようやく読み終えた。最終章に近いところで、ようやく今までの話が全てつながった。再度、最初の部分を読み返す。なんと、このことはあれを指していたのか、ということが発見できた。重層的な構成なので、途中まで読みにくい感があった。最後のところで感動は味わったが、途中はなかなか話しに引き込まれなかった。それは、自分の英語力のなさかもしれないが。
人生何が起こるかわからないけれど、受け入れて新たな人生を切り開いて
いかなきゃいけないんだ、というメッセージが伝わってきます。
それは、きっと主人公サラマンカ、そして話中の少女フィービィに共通する
テーマなんでしょうね。
そんな時に本当に頼りになるのは本当は家族の絆じゃないか、という気が
するのですが、この本にはどうもその部分が足りないような気がして納得が
いきません。特にそんなに簡単に家出ってできるものなのでしょうか?
著者が意図して外したのか、それとももともと著者の家庭観から欠落している
から描かれていないのか不明ですが、ちょっとこの部分に物足りなさを
感じます。
とちょっと厳しめのコメントを書きましたが、物語の構成としてはよくできて
ます。Louis Sacharの"Holes"の構成と似て場面がごとにあちこち飛びます
が、これを読んでおくと"Holes"も読みやすいのではないかな。
小説の構造が複雑なため、慣れない間は登場人物の関係がわからなくなるなど戸惑うかもしれません。
英語は基本的に平易なのでゆっくり読めば読み切れると思います。
後半になると、たんたんと進んでいた物語が加速し、ラストではこれまで読者が漠然と感じていたであろう”謎”が一気にときほぐされます。
深い哀しみとそこからの再生の物語で読後感は非常に爽やかです。英語多読に取り組まなければ一生読むことは無かったと思われますので、SSS多読に感謝!の一冊です。
これは大人向けの、大人のための『児童文学』です。
その文章は、さりげなく現れます。,and there, on a little hill overlooking the river and the valley, was ・・・・・ ああ、そうか、そうだったんだ。やられた。感動、衝撃、呆然、納得。
最初はなかなか筋がつかみにくいのですが、後半は急かされるように読み進みました。ミステリーではないのですが、早く結末を知りたいとページをめくらせる、英語を意識させない、まさに多読の醍醐味を味あわせてくれた『児童文学』でした。