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SSS英語学習法研究会
SSS英語学習法は、多読を基本とする英語学習法です。電気通信大学助教授の酒井邦秀が科学的教育グループSEGの協力のもとに開発してきました。といっても、この学習法は、決して酒井やエスイージーだけの力で可能になったわけではありません。何よりも、LONGMAN,OXFORD,CAMBRIDGE
などの出版社が良質のGraded Readers を出版していたからこそ実現できた方法であることを認識しなくてはなりません。私達は、まず、これらの出版社と本を企画された方、編集者の方、執筆者の方に謝意を表したいと思います。
多読によるSSS英語学習法を展開していく過程で、私達とは独立に多くの方が多読を重視した英語教育をされていることを知りました。ノートルダム清心大学のRob WaringさんのWebsiteから、現在の標準的な多読教授法を知ることができました。茨城大学のMary Lee さん、トライデントの山中純子さんとは、直接お話をしたり、メイルで意見を交換したりして、非常に励まされました。また、四天王寺国際仏教大学のメイソン紅子さんは、授業見学を許可して下さり、授業見学後、有意義な意見交換をすることができました。メイソンさんから、Input Theory のKrashen教授は、"Extensive Reading is the only way."と発言されていることを知りました。私達はこの言葉を励みとして多読法を広げていきたいと思いました。
また、英語学習者自身が作成しているWebsite上での多読に対する意見も非常に参考になりました。特に伊藤サムさんの「やさしくたくさん」のWebsiteには共感する部分がたくさんあります。今後も英語教師だけでなく、多読に興味を持つ多くの方々と互いに連絡しあい、協力しあってゆきたいと思っています。
多読と精読のバランスや精読や多読の開始時期についての見解は人によって別れるものの、このように多読をすすめる多く人と話し合えば話し合うほど、多読法をさらに大きく広める必要性を痛感しました。
それで、会の名称を決めるとき、Sakai, SEGの2つのSに加えて、先人に敬意を払い、また、私達を励ましてくださるすべての人に感謝するシンボルとしての文字が必要だと思いました。多読を通じて生きた英語を学び、そして、英語教師として多読を勧めていた先駆的な日本人に、作家の夏目漱石がいます。漱石は、生前、多読を勧める文章をいくつも書いています。
もし、夏目漱石が現代に生きていれば、Graded Readers の多読を中心とした方法が、英語を学ぶのにもっとも合理的であると同意したことでしょう。
他人の開発した学習法に対して、一切クレジットをつけず、あたかも、自分たちだけで開発した学習法であるかのように宣伝されている方々を見受けることがありますが、私達は、訳読に頼らない外国語学習法を開発されてきたすべての人々に敬意を払いたいと思います。SSS英語学習法の最後のSは、漱石だけでなく、Direct Method の深化に貢献したすべての先人への謝意を表しているのです。
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