中1英語

自分のペースでどんどん進められる!
読書を楽しみながら「生きた英語」を身につけるSEGの多読授業

2019.02.02 UP


SEGは約55万冊の洋書を所蔵

英語多読コースの授業は、外国人講師によるオールイングリッシュの授業、日本人講師による多読の個別指導・シャドーイング指導の2部構成となっている。オールイングリッシュで進行する前半パートでは、生き生きと楽しそうに英語を話す生徒たちの姿を見ることができた。後半パートは、日本人講師による多読の個別指導だ。英語学習における多読というのは、単語や文法を暗記するのではなく、辞書を引かなくても読めるレベルの英語の本をたくさん読んで語学力を養う学習法のことである。

【後半80分/日本人講師による多読の個別指導・シャドーイング指導】
まずは英作文プリントで、文法や語彙の確認からスタート

この日、取材した中1Cクラスの後半授業を担当するのは、SEG代表でもある古川昭夫先生だ。前半授業後の20分間の休憩時間が終わらないうちに、古川先生と授業補助のチューターが教室に現れた。教室前のホワイトボードに今日の授業の予定を簡単に書き出した後、古川先生とチューターは、手分けして洋書とポータブルCDプレーヤーを生徒たちに配り始めた。チューターも多読クラスの卒業生とのことで、授業の勝手がよく分かっているのか、てきぱきと動いている。

始業時間になると、生徒たちは自然におしゃべりをやめて自分の席に戻り始めた。授業の最初の5分間は、英作文(和文英訳)プリントの時間である。古川先生いわく、「英作文プリントをやることで、これまでに読んだ本に出てくる文法や語彙がきちんと身についているかどうかの確認ができる」とのこと。

この日は命令文がテーマで、配られたプリントには、
「(火事を見つけて)911に電話して!」
「(先生が授業中に)(あなたの本の)4ページを開いてください」
といった基本的な命令文の英作文が5題載っていた。英作文プリントの出来具合も、読む本のレベルを決める際の参考にしているそうだ。

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最初の5分を使って英作文。これまでに読んだ本に出てくる文法や語彙がきちんと身についているかどうかを確認する

英語上達の秘訣は、「辞書に頼らない」こと





英作文プリントが終われば、次はいよいよ「多読」の時間だ。プリントが早く終わった生徒から順次提出してさっそく洋書を開き、本に付属しているCD をプレーヤーにセットして読書を開始している。生徒たちの机には多種多様な本が積み上がっており、小声で文章をつぶやきながら読む生徒もいれば、黙々と読んでいる生徒もいて、読み方も人それぞれ。授業前半パートのにぎやかな雰囲気とはうって変わって、教室内は静まり返り、生徒たちの表情は真剣そのものだ。

SEGの多読授業では、和訳が中心の従来の授業とは異なり、辞書を逐一引いて意味を調べるのではなく、分からないところは飛ばし、分かるところをつなげて読む読み方が奨励されている。テキストの文法や単語を理解したり、英語を読むのに日本語を介さなければならないという思い込みを捨てて、辞書を引かずに英文を読んだり聞いたりすることに慣れれば、大量にインプットができて、アウトプットも効率的にできるようになるということだ。

本の選定にも欠かせない「読書記録手帳」

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mark びっしりと感想が書きこまれた読書記録手帳
大切な記録だ

生徒が読んでいる本をのぞき込んでみると、種類はさまざま。なかでも多いのが、イギリスの子ども向けの学習絵本“Oxford Reading Tree”や、吹き出しに英語が挿入された漫画形式の“Oxford Bookworms Starter”といった比較的とっつきやすい洋書だ。その一方で、文字数が多く、挿絵がほとんどない本を読んでいる生徒もいた。

先生が本を選定する際に参考にしているのが、生徒全員が手にしている「読書記録手帳」というオレンジ色の手帳である。読書記録手帳とは、生徒自身がこれまでに読んだ本のタイトルや読みやすさのレベル、語数、本の評価や感想を記録し、多読の軌跡を明確にするものだ。

ある生徒のコメント欄を見てみると、
「CDを聴きながら本を読むと、臨場感があってとても面白かった」
「わたしは野球をやったことはないけれど、主人公が野球チームを作るために一生懸命だったことに感動した。何事にも諦めないで取り組むことの大切さを教えてもらった」
などと、中学生らしい率直な感想が書き込まれている。

ほかには、先生からの丁寧なアドバイスが記されていたり、読書のトータル語数に応じたシールが貼られたりと、モチベーションアップにつながる工夫がいろいろとなされていた。

一人ひとりに合わせた個別指導で着実に力をつける






さて、生徒たちが読書にいそしむ間、先生とチューターは本の選定のみならず、生徒一人ひとりに声を掛けながら採点した英作文プリントを返却している。

返却の際には、間違えた箇所を解説するだけでなく、
「この英作文ではどのような語法を使えばいいと思う?」
「どうしてこの単語を使ったの?」
というように、生徒が自分の力で答えにたどり着けるよう発言を促していた。
例えば、英作文プリントのなかに、
「(道路で見知らぬ人に)すみません、駅までどういったらいいか教えていただけますか」
という問題があるのだが、「すみません」を、本来の答えである「Excuse me」ではなく「Sorry」と書いてしまった生徒がいた。それに対してチューターが、
「日本語の『すみません』は、かなり幅広い場面で使われる言葉だけれど、英語には“Sorry.”と“Excuse me.”の2種類があって、意味が異なるんだよ。自分に非があって謝罪したいときが“Sorry.”で、誰かに声を掛けたいときや、自分に非がなくとも軽い謝罪をしたいときが“Excuse me.”なんだ。例えば、街中で人に肩がぶつかったときはどっちだと思う?」
と丁寧に確認していた。きっとこの生徒は、今後同じような問題に出合っても、そのときは間違えずに答えることができるだろう。

英作文を返却している間にも生徒たちがどんどん本を読み終わるので、先生もチューターも大忙しだ。多読の時間が中盤にさしかかると、最初に出された本を読み終えた生徒が続々と出てくる。先生は挙手する生徒のところに向かうと、
「この本はもう読んだ? まだだったら、ぜひ読んでみて!」
「次は、ちょっと難しめの本に挑戦してみようか」
「そのシリーズが読み終わったなら、次はこのシリーズはどうかな?」
と声を掛けながら本を渡していく。

授業の様子を見学していて感嘆したのは、古川先生が教室全体を俯瞰しつつ、常に生徒一人ひとりに目を配っているということ。本を読み終わった生徒が挙手すればすぐにそばに行ってアドバイスを交えながら本を渡し、別の生徒が挙手をすれば、待たせることなくすぐに出向いて新しい本を何冊か渡している。
また、
「この本のシリーズは全部フィクションだから、きっと楽しく読めると思うよ」
「全部フィクションですか? やった!」
というやりとりから、それぞれの生徒の読書の好みも把握していることがうかがえる。まさに、きめ細かく丁寧なマンツーマン指導だ。

シャドーイングで会話力アップ

読書に集中する生徒たちを見守っていると、
「そろそろ時間なので、読書をやめて記録しましょう」
と先生が呼び掛けて、記録用紙を配り始めた。はっとして時計を見ると、多読が始まってからあっという間に1時間が経っていた。

「もっと読みたかったな」
「今いいところなのに残念」
と生徒たちが名残惜しそうに本を閉じて、その日に読んだ本の情報を配られた用紙に記入する。記録が終われば、授業時間の残り10分は、全員が同じテキストを使って行う「シャドーイング」の時間だ。シャドーイングとは、朗読音声をスピーカーで流し、それを聞くそばから影のように追いかけて声に出す学習法である。多読だけでなく、実際に英語を口にすることで、会話力の向上を図るのだ。

先生がスピーカーから音声を流すと、生徒たちが一斉に耳を傾け始めた。まずは、テキストを見ながら短いストーリーをシャドーイング。先生が「次はテキストを閉じましょう」と言うと、2回目は同じ音声を聞きながら、テキストを見ずにシャドーイングする。この日に使ったのは、“Frog and Toad”のシリーズで有名な世界的絵本作家であるArnold Lobel の“Mouse Tales”という絵本だ。7匹の子ネズミたちを寝かしつけるために、お父さんネズミがベッドサイドで7つのユーモアあふれる話をするというストーリーである。
例えば、
「He drove and drove and drove until the car fell apart.」
「He rolled and rolled and rolled until the wheels fell out.」
などというように、出てくるのは基礎的な単語のみでテンポが良く、楽しく読めるので、中1のシャドーイングにはぴったりな内容だった。

めざせ累計語数1000万語! 目に見える結果がやる気を引き出す





授業時間が終わりに近づくと、宿題の本の選定に入る。
「今その本を読んでいるなら、次はこの本がお勧めだよ」
「このなかからどの本をいちばん読みたい?」
というように、先生の方から本を選んであげる場合が多いのだが、
「わたし、このシリーズが大好きなので、もう少し借りたいです」
と自分から読みたい本をリクエストする生徒も少なくない。
「“Collection”は、すごく面白いよね!」
「私もそれ好き! 学園が舞台なのは楽しいよね」
「こっちのシリーズもいいよ!」
などと、友人同士お気に入りのシリーズを共有したり、感想を語り合ったりと、みんなすっかり読書のとりこだ。なかでも、ティーンエイジャーの日常に焦点を当てた“Collection”のシリーズは、中学生たちにとって感情移入がしやすいのか、大人気である。

読んだ本の累計語数も自分でカウントするので、
「今まで何万語くらい読んだ?」
「26万語くらいかな」
「悔しい! 私はまだ23万語ちょっと」

と競い合う声も聞こえてくる。負けず嫌いな生徒たちにとって、やはり周りの進度は気になるようだ。
「それではみんな、1000万語をめざしましょう」
と励ますチューターは、SEG時代は中高6年間で900万語も手帳に記録していたという。さらに、手帳に記録していない本の分も合計すると、1000万語に到達した可能性が高いとのこと。
そんなチューターの言葉に刺激され、
「私もがんばって1000万語をめざす!」
「もっとたくさん本を読まなきゃ!」
と意気込む声が教室から上がる。

古川先生によれば、「平均したら高3までに到達するのは300万語くらいで、1000万語をクリアする人は、1年間でも両手で数えられるくらいしかいない」らしい。
「たまに桁を間違えて語数をカウントする人もいるけどね」
という古川先生の言葉に、教室中から笑いが起こって本日の多読の授業は終了した。

20分間の休憩を挟むとはいえ、前半後半合わせて約3時間の授業は、中1生にとって長丁場なのではないかと最初は少し心配していたのだが、随所に意欲的に参加できるような工夫がなされているためか、最後まで生徒たちの表情は満足そうだった。


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「授業を終えて」-生徒の声―
「今までは単語を一つひとつ確認しながら英文を読んでいましたが、単語の意味を考えることなくぱっと文章が頭に入ってくるので、辞書を引かなくても英文がすらすら読めるようになりました。何よりも自分のペースで進められる点が気に入っています」

「授業を終えて」-生徒の声―
「英語は好きでも得意でもなかったのですが、SEGで自分のレベルに合う、面白い授業を受けることで、今では英語が大好きになりました

「授業を終えて」-生徒の声―
「文化祭の準備や学校の試験時期などで忙しいときは、宿題の本を調整することもできるので、融通が利くのがありがたいです。また、学校の授業のように、座って文法の勉強をするのではなく、ネイティブの人が母国の言葉を覚えるように、たくさんの本を読んで単語力を養えるのが新鮮です」

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