Re: 私の100万語(8)−「古典」「名作」を手軽に読む

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1572. Re: 私の100万語(8)−「古典」「名作」を手軽に読む

お名前: ウルトラQの母
投稿日: 2004/4/8(11:15)

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これまで読んできた中で私の「好み」のものは、ケンブリッジ大学出版のの「書き下ろし」小説(私のイギリス好きの同僚が指摘するように「現代のイギリス」の香りがするのです)やノンフィクションもの・…。

しかし、夏にイギリスからの帰国便で読んだベネットのStories from Five Townsのような、「古典」とも言うべき「名作」を「手軽」に読む、というのももう少し追求してみようかな、と思い、ホーソンの『緋文字』(The Scarlet Letter)を読んでみました。

私、これ、翻訳を購入したことはあるのだけれど、「積ん読」のままでした。

こういう「簡単バージョン」がどれだけオリジナルの香りを残しつつ、自然なストーリー展開を確保できるのか、というのは「簡単バージョン」作家の「腕」にもよるんだと思うし、作品自体が「簡単にしやすいか否か」というのもあるんだと思います。

ベネットの簡単バージョンはもとが短編だったというのもあって「やりやすかった」のかもしれないし、翻訳ではあるけれどベネットのものを読んだことがあったので「香りが残ってる感じ」っていのが「分かりやすかった」のかもしれません。

『緋文字』に関してはなかなかハラハラドキドキするんですが、途中話が見えにくいところもあって(あるいは原作も? それとも私の英語力のせい?)、まぁ、いずれ翻訳を読んでみるかなぁ…と思ったりしています。でも、充分に楽しめました。

本当は仕事の上でもイギリス文学を幅広く読んでいる方が良いのだけれど、なかなかそこまで手が回らない(その割にど〜でも良いようなミステリーは五万と読んでいる)ので、少なくとも仕事に関係のある「イギリス文学」系はこれでサクサクと読み進めるのも「手」だわね〜と思ったりしています。

29.12月22日(火):The Scarlet Letter (OBW4):1400語: 17000語:語:371300語:☆☆☆☆:
  16世紀のニュー・イングランドを舞台にした作品。主人公の女性は「不倫」(というより「姦通」っていう感じの当時にしてみれば非常に不道徳で大きな罪)による子を宿し、処刑台の上で数時間「さらしもの」にされた上、胸に一生”A”(adultury=姦通)の文字をつけて暮らさねばならない、という判決を受ける。彼女は「相手が誰か」ということについて決して口を割らない。そもそも、彼女の夫は彼女をニュー・イングランドに先に行かせたまま2年間も姿を現さず連絡も取らなかったという事情もあり、考えて見れば、「随分な」話な訳だ。女性の雇用機会なんかほとんどなかった当時、一体彼女はそれまでどうやって暮らしていたんだかな〜。処刑当日に彼女の夫が「突然」現われる。で、その夫は彼女に「自分が夫であること」を秘密にするように言う。「何食わぬ顔」で暮らしている彼女の相手と、夫であることを隠して「新参者」のような顔して町の中に根をはっていく夫、そして彼女…。その3人の葛藤のお話であります。
  彼女は子どもを抱えてその後お裁縫で身を立てて行くんですが、その契機となったのが、一生身につけていなければならない「緋文字」でした。彼女はこの「緋文字」を見事な刺繍をほどこして作るんです。で、彼女の腕は「誰の目にも明らか」になり注文は切れ目なくある。いや〜、なかなか賢く堂々として潔い女性です。
  オックスフォードのものは後に”Glossary”という「単語リスト」のようなものがついてます。本当は酒井先生の指示に従うなら「お勉強」しちゃいけないのだからそういうのも見ない方がいいのかな? 読んでいる最中に??で、でも、推測できた単語は”scafford”。本文読んでいる時には??と思ったのかもしれないけれど、「単
語リスト」を見るまで気づかなかった「知らなかった(覚えてなかった?)単語」が”meteor”。

30.12月26日(土):The Ironing Man (CER3):1300語: 15000語:語:381600語 :☆☆☆:
  これは「コメディ」に分類されてます。これまで手を出してこなかったけれど「コメディ」にも挑戦してみるか…。しかし、読んで見ると「コメディ」と言うようりは、ちょっとビターなラブ・ストーリーかも。
  ま、イギリス人男女も色々苦労してんのね〜。まぁまぁ面白く読めたことは読めたんだけど、1時間以上もかけてロンドンに通うんだったら何だってそんな「ひっこんだ所」に引っ越したのさ!ってのが最初からよく分からなかったです。夫の勤務先がその町だか村にあって…っていうなら分かるけど…。
  ケンブリッジのには「単語リスト」がついてないので気づいていないで見過ごしてる物もあるかもしれないけれど、一応分からない単語はなし。ケンブリッジのものには、お話の舞台になる所の地図が最初に出ていて、これはなかなかいい。オックスフォードのものにも地図があるといいのになぁ。

31.12月28日(月):The Tales from Longpuddle (OBW2):700語: 5000語(新しい本らしくリストにないのでこのレベルの本の平均語数より少なめにしときます):386600語:☆☆☆☆:
トマス・ハーディの「古典」。ハーディと言えば『テス』ですが、この本の後の方にある「著者紹介」のところを読むと、彼が生きていた時代には『テス』は評判悪かったんだそうです。話が暗いって言うんで…。で、このThe Tales from Longpuddleは、『テス』とは違って、軽くて明るい庶民の話です。
  19世紀の文学を易しくした物なので、今はあんまり使わない(と思われる)”parson”なんていうのも最初??だったし、結局最後まで正確には分からなかった単語としては(形態などは挿絵もあって分かったのですが、材質とかそういうのは…)”tarpaurin”がありました。
  「古典」物には1冊に1〜2語分からない物があるなぁ…。現代物だと分からない語がない場合の方が多いけど…。

32.12月30日(水):Remember Miranda (OBW1):400語: 5700語394300語 :☆☆☆☆:
  OBWのシリーズはこれまでは実話物か古典を中心に読んで来ましたが、これは”Human Interest”に分類されている小説。ちょっとミステリー仕立て。(若いのに)身よりのない主人公がノフォークの田舎の一家に住み込みのナニーとして就職します。母親を亡くした2人の子を世話するためなんだけど、なぜかみんな口をつぐんだように母親の話はしない…。近くに住む若い男性と友達になるんだけれど、その家族はその男性のことを忌み嫌っていて主人公にも彼との交際を禁じる…。でも、実はこの彼と、一家をよく訪ねてくる亡くなった母親の妹がこっそりつきあっていて…。


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