[掲示板: 〈過去ログ〉YL・語数・書評システム情報 -- 最新メッセージID: 1253 // 時刻: 2024/11/22(20:54)]
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558. Re: 【意見募集】レベル2〜3児童書シリーズの読みやすさ順は?
お名前: 成雄
投稿日: 2004/11/4(02:09)
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みなさん、こんにちは。成雄 (Nario) です。 私の考えるレベル2〜3の児童書の、読みやすさ順を書きます。 最初におことわりしますが、 しおさんがご案内のように、この間投稿されたすべての方の発言は、まったく未読のままです。 その状態で、このアンケートを書いています。 そのため、ひょっとしたら、まったく同じ情報、同じ内容、同じ表現があるかもしれません。 ご容赦ください。 【対象にしたシリーズ】 Flat Stanley は読んでいませんので対象外で、それ以外の9シリーズを読みました。 A to Z Mysteries Catwings Cobble Street Cousins Fullhouse Michelle Magic Tree House Marvin Redpost Maximum Boy Nancy Drew Notebooks Zack Files 【今回のために読んだ本】 この間、A to Z, MTH, Marvin, Nancy, の各シリーズはすでにかなり読んでいます。 そのため今回のために読んでいても、再読です。Catwings #1 も最近読みましたが再読しました。 Zackは#1〜3まですでに読んでいました。 今回初めて読んだのは、Catwings #2, Cobble, Michelle, Maximum, Zack, の各本です。 A to Z Mysteries #4 … 8245語, RL2.8 (RL2.4) Catwings #1 … 2912語, RL4.5 (RL3.0) Catwings #2 … 4979語, RL4.8 (RL3.0) Cobble Street Cousins #1 … 3937語, RL3.4 (-) Cobble Street Cousins #5 … 2943語, RL3.1 (-) Fullhouse Michelle #1 … 9600語, - (RL1.7) Fullhouse Michelle #6 … 10000語, - (RL2.5) Magic Tree House #17 … 5137語, RL2.2 (RL2.2) Marvin Redpost #2 … 4631語, RL1.9 (RL1.9) Maximum Boy #1 … 9000語, - (RL3.0) Maximum Boy #5 … 9670語, RL3.7 (RL3.0) Nancy Drew Notebooks #4 … 9436語, RL4.2 (-) Zack Files #5 … 5152語, RL2.8 (RL2.2) Zack Files #6 … 5030語, RL3.5 (RL2.2) ※ ・RL : Reading Level(YLではありません) RLについては、『親子本』p.200に詳しく解説されているので参考にして下さい ・総語数及びRLは、Scholastic社のサイトで確認したものです または、書評の総語数を引用しました ・( )内のRLは、本の裏表紙に表示されているRL数値です 【私の感じた読みやすさ順】 読みやすい順に、上から並べました。 同じ番号にある、3は、イコールで 5は、同じくらいの読みやすさだけれども、左から右に行くに従って読みにくいということです。 それぞれシリーズ本なので、各本ごとにバラツキがあると思います。 そして、Nancy が一番読みにくいということになります。 1. Cobble ↓ 2. Marvin ↓ 3. Michelle, Maximum, ↓ 4. Catwings ↓ 5. A to Z Mysteries, → Magic Tree House, → Zack Files ↓ 6. Nancy Drew Notebooks 【私の読みやすさの基準】 基準は大きくわけると2つです。 ひとつは内容、もうひとつは視覚的な見やすさです。 1. 内容 ← 逆に言うと ・物語構成の単純さ、わかりやすさ ← ワクワクしない ・登場人物の少なさ ← 行動も含め、いわゆるワンパターン ・場面転換のわかりやすさ ← 平板でつまらなくなる ・状況説明のていねいさ ← 話がくどくなる、飽きる これをどう感じるかは個人差があると思います。 2. 視覚的な見やすさ ・総語数 ・1ページの行数(行間の広さ) ・さし絵 ・会話を含む行数の割合 << 視覚的情報の整理 >> 何冊か、総ページのほぼ半分のページの、全行数と、 その中に占める会話文(""で括られる文)を含む行数を確認 見落としもあるかもしれないので、参考程度 例えば、行の最後に、「 "I 」と、 会話文の始まりが行末に1文字であって、改行されていても、 それも1行としてカウント 1単語だけであって、それだけで改行されていても1行としてカウント A to Z Mysteries #4 … 最大22行 会話行50% (392行/785行) 45/86p 全86ページのうち、 45ぺージぶんの全行数と、会話を含む行数 Catwings #1 … 最大20行 会話行37% (158行/432行) 38/38p ※ この本だけ総ページで確認 Fullhouse Michelle #6 … 最大23行 会話行41% (371行/905行) 45/89p 全89ページのうち、 45ページぶんの全行数と、会話を含む行数 以下同じ Marvin Redpost #2 … 最大19行 会話行44% (174行/399行) 32/64p Maximum Boy #1 … 最大19行 会話行53% (392行/743行) 47/85p Nancy Drew Notebooks#4 … 最大27行 会話行46% (421行/923行) 41/76p Zack Files #6 … 最大19行 会話行40% (160行/396行) 29/57p 【具体的な判断】 注意:Catwingsのところは、未読の方にはネタバレを含むかもしれないので気をつけて下さい。 1. Cobble とにかく文章が長くならないように配慮されている。 そして、さし絵が多い。しかもそのさし絵が文章に合っているので、 難しそうな、知らない表現でも理解できるようになっている。 1ページ最大19行なのだが、19行もあるのは数ページのみ。 しかもそのページにさえ、さし絵を入れている。 ICR, SIR, のステージ2〜3あたりを読んでいる感覚になった。 主な登場人物は主役3人+2人。子供と大人で感情もわかりやすい。 2. Marvin これも見やすいように配慮されている。 特徴は、段落(または文)の最後の1単語を次行に持ってきて改行していること。 その結果、ほぼ1行の空白を確保。これが、1ページに2〜3行分使っている。 だから、1ページ16〜17行の雰囲気。見やすい。 内容的には、Marvinにどんどん同化していき、一気に読めてしまった。 初めて#2を読んだとき、最初はpick onという意味がわからなかった。 でも pick it up pick own nose pick on と、同じような表現を使い、最後にはわかるようになっていた。 全体的な文章表現もやさしい(心やさしさが伝わってくる)と思った。 さし絵も感情的でわかりやすい。 3. Michelle, Maximum, MGR3あたりでも1万語近くなるので、総語数の長さを短所とは判断しなかった。 それぞれ、1万語程度の長さなのに、読みやすい。 状況説明のていねいさにつきる。PBでいう、シドニー・シェルダン。 わからなくて飛ばしても、同じ内容を説明している文章が後から続くので、 流れを外れずに読める。 Michelleにいたっては、さし絵がないが、だからこその説明文がわかりやすい。 順を追って場面が変化していくので、迷わない。 4. Catwings #1を結局3回、#2を2回読んでみた。 よく読むと、難しい単語は使われているが、文としてはそれほど難しくなさそう。 児童書のDragon Slayers' Academyの作りと似ていると思った。 展開を考えてみれば意外と簡単。それをなぜ難しく感じるのか? 難しい単語を含め、内容を全部知りたいという欲求が高まる。 私の場合、豊かに思える文の表現を理解したいと思ったから。 会話行をすべて表記すると Catwings #1 全4章 158行 / 432行 = 37% | #1 | #2 | #3 | #4 | | | | | | | 11 / 16 | 2 / 16 | 12 / 16 | 0 / 16 | | 0 / 10 | 4 / 10 | 1 / 20 | 5 / 19 | | 0 / 9 | 5 / 10 | 2 / 7 | 3 / 10 | | 0 / 5 | 0 / 11 | 7 / 20 | 0 / 6 | | 14 / 20 | 0 / 20 | 4 / 9 | 8 / 20 | | 6 / 20 | 2 / 6 | 1 / 20 | 17 / 20 | | | 0 / 9 | 1 / 11 | 1 / 9 | | | | 14 / 20 | 7 / 11 | | | | 12 / 13 | | | | | 8 / 10 | | | | | 11 / 13 | | | | | | | | 31 / 80 | 13 / 82 | 73 /159 | 41 /111 | | | | | | 第1〜2章の会話行の少なさと、ページ毎の会話を含む割合のデコボコさ。 これが内容と共に、読み手の緊張感を高めているのではないか、と思う。 ちなみに羽(翼)の大きささえバランスすれば、☆5個のシリーズ本なのだが…。 5. A to Z Mysteries, → Magic Tree House, → Zack Files A to Z は、 第1章の最初に、さし絵があり、それを説明する文から始まる。 だから、さし絵をよく見ながら読めば、いきなり始まる導入部であっても 対応可能だと思う。総語数が多いだけあって、謎解きのヒントがけっこう隠れていて 飛ばして読んでも大丈夫。 MTHは、 パターンが決まっている。なので、構成で迷わない。 ただ、1行飛ばすと、あれれ?となることもけっこうあった。Annieが消えたりするし。 Marvinと同じように、最後の1〜2語を改行して次行に持ってきて、 空白行に近い行が、各ページ3行程度あるようになっている。 それで、文字に圧迫されることなく、読みやすい。 Zackは、 展開が奇想天外なので、ポイントとなる単語を理解できていないと、 なぜおかしいのか、理解できず読んでいて面白くなくなる。 ポイントとなる単語を、後から違う表現で説明することも少ないと思う。 笑いたいのに笑えない悲しさ。さし絵がヒントになるのだが、それだけでは満足できない。 逆に、ポイントとなる単語を知っていると、これほどおかしく読める本は楽しい。 読みやすさに振幅があると思う。 6. Nancy Drew Notebooks 30巻程度手元に持っていて、各本2回は読んだ。 今回、久しぶりに読んでみて、こんなに読みにくい本だとは気づかなかった。 まず、行間が狭い。文字が大きく少し太く、行間は0.5行くらいに思えてしまう。 1ページに27行あり(左のページが27行、右のページが26行、またはその逆、とかいうのが得意)、 文字ばっかりという印象。 推理もので、登場人物も多く、飛ばして読んでいると、証拠関係の話がわからなくなって 話の流れに迷うこともある。 さし絵も、さして効果的とは思えない。 これを楽しく読んでいた自分が不思議。100万語あたりで読みまくっていた時が、 ひょっとしたら自分のベストパフォーマンスだったりして…。 【総評】 今回の企画をきっかけにして初めて読んだ、Cobble, Michelle, Maximum, の各シリーズ。 この3シリーズとも、とっても面白かったです。読んだ本は全部☆5個ですよ! (バランスをとって、☆4個でレビュー上げたのもありますが) ぜひ、今後もブッククラブを利用して、た〜くさん読みたいと思っています。 Catwingsについては、 古川さんの 「SSS推薦・多読用基本洋書のご紹介」ファイルで、 『大人はレベル4くらいに感じる人が多いですが、子どもはレベル3以下に評価することが多いようです。』と、 「頭が固い」とはっきり言われて、結局、何度も読み直してみました(笑) 例えば、Alleyという言葉を知っているか、または想像できるか、その逆かで、 この物語を楽しく読めるか読めないか、そんな気がしています。 だから、どうしても、難しい単語も知りたくなるのです。 地上20cmの視線の新鮮さに触れた喜びと、上空から地平線を見渡す鳥瞰を満喫したいから。 最後に とても素敵なシリーズ本をリストしてくれた、しおさん。 心からありがとうございます。
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