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お名前: Ryotasan
投稿日: 2007/3/9(21:41)
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今晩は、akoさん。
里見八犬伝や東海道中膝栗毛、それに『舞姫』など鴎外の初期作品は文語体なので難しいです。これは平安時代の文章や漢文訓読体を手本にしており、江戸時代の町人が使っていた話し言葉とは違います。
漱石の小説や鴎外の後期作品は口語体なので、読みやすいです。現代の日本語と切れ目無く繋がっていますが、江戸時代の町人の話し言葉とも大きな違いは無かったようです。
書かれた時代がいつであれ、現代の読者にとっても、おそらく江戸の町人にとっても、文語体の方が難しいはずです。
ややこしい話をすれば、1887年に発表された二葉亭四迷の『浮雲』より、1910年に発表された泉鏡花の『歌行燈』の方が読みにくいです。『浮雲』は口語体で、『歌行燈』は基本的に文語体だからです。
『竹取物語』と『源氏物語』はどちらも古文 (文語体) ですが、時代が新しい『源氏物語』の方が読みにくいと僕は感じました。これは19世紀に西洋の町人文化が成熟していたのと同じように、平安時代の貴族文化が成熟していたせいだと思います。
フランス革命が英語の文章に直接的な影響を及ぼしたとまで言えるかどうかは分かりませんが、金持ちの町人 (市民) 階級が台頭し、彼らを読者として商業的な出版が増えたのだと思います。モーツァルトの音楽よりベートーヴェン以降の音楽がややこしいのも同じだと僕が考えています。
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