英語だと安上がり

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1584. 英語だと安上がり

お名前: 柊
投稿日: 2007/3/4(15:55)

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 たかぽん(さんつけちゃいけなかったですよね?)、こんにちは(たかぽん、ぽん!と書いた方がいいでしょうか?)。色々迷いつつ、お久しぶりの気がしない柊です。

〉久しぶりに出てきたものの、もうすぐ春だなぁと、うっかり出てきただけで、
〉特に書くこともないのですが・・・
〉あんまり多読も進んでないし・・・

私も進んでいない気がしつつ、よく考えるととんでもなく進んでいる気がするんですが(語数ははてなマークですが)、なぜ春になると出てくる気になるんでしょうか? けちをつけに来たんじゃないんですが、ちょっと気になります。

〉しかし、やっぱり英語を読む必要があるなと、最近、ひしひしと感じた出来事がありまして。ええ。
〉それは、どうやら、大切な本が、日本語訳されてなかったりするということを知ったからで。

よくありますね。
法学の話は、興味深いものの返事ができるほどはわからないので跳ばしますが、

〉長々としゃべりましたが、要するに、これは、やっぱり英語情報を直接得なければいけないのか、と。
〉と言いますのも、アメリカ憲法において、重要な古典とされております、
〉The Federalistという論説集があるんですが、もうほんとに重要みたいなんです。
〉あちらでは、子供でも、題名ぐらいは必ず知ってるんじゃないかなぁ。
〉で、この本の全訳を日本で読もうとすると、なんと1万6千円もする・・・なんでやねん!
〉英語だと、そんな希少な学術本なんかじゃなくて、ふつうに安いペーパーバックで売ってるし、
〉ってゆうか、ネットでタダで読めます。
〉日本語訳、なんでそんなに高いねん・・・

よくありますねー。
 アントーニア・フレイザーのヘンリー8世と六人の王妃なんて、翻訳の価格が四千円を突破していますが、内容が明らかに歴史の専門書じゃないんですね。有名なので知っている気になる人が多いけど、実は知らないんじゃないでしょうかという本なので、一般の人(多分、私は一般の人ではない)に読んでもらわないと仕方がない。でも、四千円出して買う人って、歴史の専攻でもないとまずいないと思うんです。
 原書はamazonで千円台で売っているんです。多分、そっちが正しいんです。しかも、専門じゃない人向けの本は日本人が書いているので千円台のがあるんです。
 訳した人と出版社の意向がわからないです。アン・ブーリンの伝記にしても、訳すのはいいんだけれど、星の数ほどある英語圏の研究書の中から、よりによってこれを選ぶ理由はなんだろうかと考えてしまったり……。
 と、また歴史に走った例になってしまいましたが、原書が読めるならそっちの方が値段的に楽なことが多いですね。選択肢も増えますし。
 
〉というのもありますし、どうやら、その日本の憲法学の「汚染」のあおりで、
〉その手の外国物の日本語訳は、かなり歪められているそうなのです。
〉(知りませんよ。中川八洋先生曰くですよ。)
〉「人民の人民による人民のための政治」という言葉も、アメリカ合衆国は、
〉ルソー→フランス革命的な、自然から裸で生まれた「人民」との観念を極力排しているので、
〉ここは「国民」と訳さなければならない、誤訳だと。
〉(ついでに、「人権」という言葉も危ないらしい。「権利章典」は「人権章典」ではない。)
〉そこんとこ、よくわからないのですが、とにかく、英語でそのままってのが良いようです。

 誤訳だったり、ニュアンスが違ったり、日本語が意味がわからなかったり(こんな日本語見たことない、とか)。確かに、よくありますね。英語で読んだ方が、英語力の方が国語力(日本語力)より低いはずなのに楽だったり、わかりやすかったりすることが、増えてくると嬉しいです(半分願望)。まあ、法律、特に憲法関係だとか人権だとか権利だとかいう話はヨーロッパからの輸入ですし、自然科学もそうなので、日本だと専門用語がそれ専用の造語なのが、ヨーロッパの言語では日常用語をそのまま使っていて、英語で読むと一発でわかることはあります。
 万有引力の万有ってなんだろうと悩んだ時間は、未だに返して欲しいです。

〉ちょうど、Jean Fritzのアメリカ憲法の本や、建国の父たちの本で、興味があるところなので、
〉そういった古典中の古典を、英語でそのまま読めたらなーという意欲みたいなものが
〉湧いてきました。
〉そして、ちょっと読んでみたら、まぁ、うーん、読めないこともないか、という感じです。
〉意味がわかってるかは知りませんけど。(笑)

日本語で読むと、意味がわかってるかははっきりしますし、間違っても訳した人の責任と言うことができるのが利点でしょうか(?)

〉あと、これまた必読の古典らしい、バークという人の『フランス革命の省察』や、
〉バジョットという人の『イギリス憲政論』なんかも、英語で読んでみとうございます。
〉このところ、英語のヤル気が、髪の毛とともにちょっと薄れてたんですが、
〉また目標がでけて、再燃しつつあります。

読みたい本は読み易いですよね。面白いかどうかわからない本は、読み始めがきついです。どうしても読みたい本は、わかっている部分が少なくても平気ですし。

〉しかし、こういうことって、どの分野でもあるんだろうな、と思います。
〉日本語訳には頼れない、ってこと。
〉日本語訳では遅いということも多いでしょうね。

 小説の翻訳でも一年とか遅れたりしますね(数えてないのでテキトー)。ジョセフィン・テイに至っては多分、半世紀遅れぐらい。翻訳が早い遅い以外の問題だと思いますが。
 英語圏では評価が高い割に日本では訳されていない小説が、私の好きなジャンルではごろごろしています。どうも、日本で書いている人は結構自力で読んでいるらしい。
 子ども用の名探偵事典というような本で紹介されていて、大人になったら読むぞ!と思っていたシリーズが、唯一の翻訳が子ども向けの上、一作きりしかなかったり(泣)。

〉ある意味、日本って、実はものすごい情報鎖国なのかなと思います。
〉そんな、法学の分野でも、あるトップ大学の、偉い人の学説は、どの大学でも講ずるところとなって、
〉世界の常識が知らされず、恐ろしかことになっていく、と。
〉ねー。
〉英語でもフランス語でも、なんでもいいから、自分に窓口作っておくのは、
〉大事なことかもしれませんね。いやはや。

 大事なことだと思います。そう思っているうちに、第二、第三の窓口建設にはまっていっています(来年、第四と第五の建設に着工予定)。Wikipediaを読んだ感じ、スペイン語と中国語は日本語版を読んでいればそこそこわかります。アルファベットと漢字は一応読めますし、この順番で書くというのがある程度あるので、ここにこのことが書いてあるはずと見当もつく。そうすると、読み比べが楽しくなってくるんですね。
 英語版では英語圏以外の人名が英語読みになっていることが多くて日本語からは見当がつかないけど、スペイン語でも同じことをやっていた。たとえば、スペイン語版ではスペインのイサベル一世も、イングランドのエリザベス一世も同じIsabelだったとか(英語ではIsabelとElizabethです)。これが楽しくて仕方がない。こうなると明らかに歴史病ですが。

〉というわけで、まぁ、古典を読もうなんて気になれたのも、多読のおかげです。(取ってつけたように・・・)

 日本語だと読む気になれなかったものを、英語だと読もうという気になったり、日本語でも古典を読む気になったり。読めないはずと思っていたものが読めたという体験がまた、価値観を変えるんでしょうね。あと、私の場合、掲示板で面白かったという投稿を見ると、すぐその気になります。

〉もっと読めるようになったら、また報告なりしますね。
〉何年経っても音沙汰なかったら、思いっきり挫折したとお受け取りください。
〉あー、1万6千円出して本買ったんだなー、と。

 うー。読もうと思って買ったのに読めていない本が本棚にどっさりの身分では、笑えません(しかも一冊平均、二千円近い)。
 ではー。


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