[掲示板: 〈過去ログ〉音のこと何でも -- 最新メッセージID: 3373 // 時刻: 2024/11/24(20:46)]
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2215. To reach〜♪ the unreachable stars〜♪
お名前: 慈幻 http://mayavin.txt-nifty.com/labotadoku/
投稿日: 2005/7/15(22:14)
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どうも慈幻です。
「脳内音読」と「音読」の間という論考を公開したところ、私の予想
以上の反響が起こり、続々と多くの方々の貴重なコメントや実践例、自
己分析が報告され、一時期は興奮で知恵熱が出そうなほどでした(苦笑)
皆様のご協力により、私の頭は大分整理され、ようやく方針らしいもの
もおぼろげに見えてきました。
バナナさん、macskaさん等のお陰で、「多唱」というアイデアが固まり
ました。
はまこさん、久子さん、akoさん、優香さん、杏樹さん、marinさん等
のお陰で、「脳内カタカナ変換」や「音声判別」について、その問題点
と個々人の差異が明確になりました。
ありあけファンさん、greenorangeさん等のお陰で、「シャドウイン
グ」に関する私の「誤解」がようやく解けました(苦笑)
その他、暖かい励ましや貴重な情報を提供して頂いた全ての皆さんに、
心から感謝します。どうも有難うございました。
今後は、一連の投稿を基に、「脳内情報処理の理論モデル」や「音声
判別の原理」などについて考えていき、ある程度整理できた時点で、論
考という形で公開させて頂きます。
ただ、これだけで、「今後の課題とさせて頂きます」と結ぶのでは、
余りにも芸がないので、現時点の暫定版を公開します(笑)
まだまだ不十分なものですが、皆様が今後「多読」や「多聴」などを
進めていく上での「自己分析」や「相互理解」への一助となれば幸いで
す。
●「バッティング」と「シャドウイング」の共通点
私は運動が大の苦手です(苦笑)
どれくらいかと言うと、「バッティングセンターの一番遅い球でも掠
ることができない」くらい、「運動神経」が鈍いです。
そして、最近、この「バッティング」と「シャドウイング」が同じ構
造なのではないかと思うようになりました。
運動が得意な私の友人は、
「実際の試合でヒットやホームランを打つのは難しいだろうけど、バッティ
ングセンターで『バットを球に当てる』くらい楽勝だろ?」
と気軽に私に言います。
しかし、私に言わせれば、それは彼らにとっては「通常能力」かもしれ
ませんが、私にとっては「凄い能力」です。
と言いますのも、「バットを球に当てる」には、
1 「飛んでくる球」を「見る」。
2 「球」に当たるよう「正確にバットを振る」
という作業が必要です。
ですが、
1 「飛んでくる球」を「見る」には、相応の「動体視力」が必要。
2 「正確にバットを振る」には、相応の「運動能力」が必要。
であり、残念ながら、私にはその両方ともが、不足しているのです(苦笑)
勿論、気の長くなるような期間、「バッティングセンターに通う」こと
を続け、ひたすら「バッターボックスに立ってバッティング練習を続ける」
ことができるならば、何時かは私でも「「バットを球に当てる」ようにな
れるのでしょう。
しかし、
1 「飛んでくる球」が「まともに見えない」
2 そもそも「まともにバットを振ることができない」
という私にとって、「バッティング練習」そのものが「苦痛」なのです。
そして、一連の投稿を読んで、ようやく理解できたのですが、この
「苦痛」を「シャドウイング」でも感じていたのです。
「シャドウイング」をするためには、
1 「英語音声」を「聞き取る」ことができる
2 「英語音声」を「口真似する」ことができる
という能力を必要とします。
しかし、悲しいかな、現状の私は、
1 「カタカナモドキ」に変換しないと英語が聞き取れない
2 何十回も「音読」した「歌詞」すら、まともに歌えない
という「聞き取り」も「口真似」もお粗末な状態です。
この状態の私が「シャドウイング」をするのは、
1 「動体視力が未発達」で、「速く動くもの」が「よく見えない」
2 「運動が苦手」で、「まともにバットをふったこともない」
ような人が、
「時速150kmのプロ野球選手並みの速さの球を打とうとする」
ようなものです(苦笑)
勿論、「野球が好きで好きでたまらない」ような人であれば、
「ひたすらバッティングセンターに通う」
という選択肢もありだと思います。
しかし、そんなに野球が好きでない、むしろスポーツ全般が苦手
な方に、「ひたすらバッターボックスに立て」というのが適切でな
いのは明白です。
従って、「シャドウイング」をやってみたけど、どうも「楽しくな
い」、「自分に効果があるとは思えない」と感じるならば、「シャド
ウイング」をする必要はないと私は思います。
●「しまうま聞き」の効果と「多唱」の実践例
akoさんの
「映画の音声を録音し、それを何度も聞くことで言語判別ができるよう
になった」
という報告を聞き、
「では、自分でも試してみよう」
ということで、自分を対象に「人体実験」を繰り返したところ、非常に
面白い結果が出ました(笑)
では、まず、「人体実験」の内容ですが、「『ラ・マンチャの男』の
ミュージカルの英語版CDを通勤時間に聞く」です。
私は「音楽」に関しては、山のように「トラウマ」を抱えているので、
ほとんど「ミュージカル」を観た経験がありません。
ただ、高校生の頃、一度だけ、母の知り合いからただ券を貰ったこと
があり、友人と一緒に観にいったことがあります。
そして、その「一度だけ観にいったことのあるミュージカル」が、
『ラ・マンチャの男』です。
それで、その「ミュージカル」が凄く面白かったのです。
音楽性がどうとか、演劇的評価がどうとかは「芸術に疎かった当時の
私」にはさっぱりでしたが、主人公の「ドン・キホーテ」が、もう痺れ
るくらい「格好良かった」のです(笑)
実際、たった一度しか観たことがないにも関わらず、そのテーマソン
グである「見果てぬ夢」という「歌」は、
「我は〜♪ 歩み続け〜ん♪ あの〜♪ 星のもとへ〜♪」
という「サビ」を、機嫌の良い時に口ずさんでしまうくらい気に入って
いたのです。
多読を始めてから、あの「歌」の原曲が英語であることを知ったので
すが、どうやってCDを入手したら良いのか分からずに、そのままにして
いました。
ところが、前回の難波オフで、杏樹さんがそのCDを貸して下さったの
です。
と言うわけで、早速、3980円の一番安いCDウォークマンを購入し、通
勤の時に「ながら聞き」をすることにしました。
そうしたら、「日本語で一度観た」だけで、しかも英語のミュージカ
ルCDを聞いているのにも関わらず、「歌」を聴くと、「場面」が思い浮
かぶのです。
特に、「見果てぬ夢」の原曲、「The Impossible Dream」が掛かると、
あの時感じた「鳥肌が立つくらいの空気」が、物凄い臨場感を伴って
感じられるのです。
勿論、ほとんどの英語はよく聞き取れないのですが、「場面」が思い
浮かぶ「歌」は、「何となく内容がわかる気がする」のです(笑)
その意味で、「たった一度観た」だけにも関わらず、私は『ラ・マン
チャの男』というミュージカルについて、その「物語」の「核心」とで
も言うべきものを感じ取り、それを「強烈な記憶」=「二次抽象イメー
ジ」として持っていたのでしょう。
そして、その「記憶」=「二次抽象イメージ」が、「英語のCD」の
「歌」と「共鳴」し、「英語の歌なのに、内容が分かる気がする」とい
う風に感じさせているのだと思います。
このようなことから考えると、日本語で読んだ漫画を、独語版・仏語
版漫画で読むという「しまうま読み」が非常にやり易いのも頷けます。
ここから、「しまうま読み/聞き」をする素材としては、日本語で
「二次抽象イメージ」を形成するほど「印象的だった作品」が良いとい
うことが言えるかと思います。
次に、「多唱」の観点からの分析です。
この「音」の掲示板で多くの方々から意見を寄せられた結果、
「シャドウイング」とは、
1 「理解」=「記憶/演算装置」の情報処理は遮断する。
2 人間の生得的な模倣能力である「鏡像反応」を利用する。
3 「音声判別」と「音声模倣」だけを機械的に行う。
ことにより、
1 「音声判別」という「聴覚に関わる情報処理」
2 「音声模倣」という「口に関連する出力処理」
を同時に実行、即ち「並列処理」するための「訓練」であると「モデル
化」できました。
しかし、私のように
1 英語の音声が上手く聞き取れない。
2 咄嗟に口から英語が出るほど、英語を話すことに口が慣れてない。
3 機械的な練習を面白いと感じられない。
という人には、
「音声判別」と「音声模倣」という「難しい作業」を「同時に行う」
ことは、非常に困難であるということです。
従って、「難しいことは簡単なものに分けて対処する」という原則
に従い、「音声判別」と「音声模倣」を個別に練習する方が効果的だ
といえます。
「音声判別」については、久子さん、marinさん等の報告から、
「ながら聞き」(多聴?):BGM代わりに対象言語の音声を大量に聞く。
が有望そうであると言えるでしょう。
そして、「音声模倣」については、どうやら「多唱」が有効そうです。
と言うのも、「多唱」であれば、少なくとも私にとっては、
1 「歌詞」を覚えれば、「聞き取れない」部分があっても「歌う」こ
とができる。
2 自分が納得するまで、何度でも同じ素材を繰り返し練習できる。
3 「歌」であれば、「歌のイメージ」という明確な「意味理解』が伴
うので、やる気が維持しやすい。
ということになるからです。
そして、
「歌が歌えるようになる」
ということは、ある意味で、
「発音できるようになる」
ことと同じ構造を持ちます。
従って、「多唱」は、
「発音できれば聞き取れる」
という「シャドウイング」の「原理」とも矛盾しません(笑)
と、言うわけで、現在、「The Impossible Dream」を練習中です。
ただ、既に100回以上繰り返して聞いてますが、それでもまだ所々聞き
取れない部分がありますので、私の耳は筋金入りで「聞き取りが苦手」
なのでしょう(苦笑)
おまけに、「歌詞」を見ながらゆっくりと「音読」を繰り返していま
すが、それでもあちこちで舌を噛んでしまいますので、私は「運動が苦
手」なだけでなく、「口を動かす」のにも苦労するほど「運動神経が鈍
い」と分かり、かなり落ち込んでます(爆)
ただ、唯一の救いは、この「The Impossible Dream」の「歌詞」が
「全身に鳥肌が立ち、髪の毛が総毛立つ」くらい、もう、文句なしの
「超絶的な格好良さ」なのです!
特に、後半のサビからラストにかけて、
This is my quest
To follow that star
No matter how hopeless
No matter how far
To fight for the right
Without question or pause
To be willing to march into Hell
For a heavenly cause
And I know if I'll only be true
To this glorious quest
That my heart will lie peaceful and calm
When I'm laid to my rest
と、盛り上げて、
And the world will be better for this
That one man, scorned and covered with scars
Still strove with his last ounce of courage
To reach the unreachable star
と最後に高らかに謳い上げるところは、もう感涙モノです。
電車の中なのに、涙が込み上げてきて、我慢するのに苦労
してます(苦笑)
結論:
1 「シャドウイング」の「原理」である「発音できれば聞き取れる」
を利用し、
2 「聞き取り」・「意味理解」・「口の練習」をそれぞれに分解して
個別に行い、
3 CDの「歌」に併せて「歌真似」しながら「歌う」
という「多唱」の方が、「私には『楽しい』」ので、長く続けられそう
です(笑)
●もう一つの「SSS」」(Start with Simple Songs and Enjoy Singing)?
「音に関する感覚」を養成する方法の一つとして、「赤ん坊や子供でも
歌える簡単なものから、段階的に難易度を上げていく」という「多唱」と
いう方法が有り得るのではないかと思います。
つまり、「多読」における
「SSS方式」(Start with Simple Storys and Enjoy Reading)
と同じように、
「多唱」における「SSS方式」(Start with Sipmple Songs and Enjoy Singing)
という方法論を提示できるのではないか、ということに気づきました。
そして、「多唱」の「選曲基準」としては、
1 メロディーも、歌詞も簡単
2 でも、リズムもメロディも綺麗
3 さらに、歌詞が喚起するイメージも綺麗
の3つが挙げられます。
また、「多唱三原則」は、暫定的に
1 下手糞で当たり前と開き直ろう
2 間違っても気にしない
3 自分が楽しければそれでOK
の3つとしたいと思います。
さらに、「SSS式多読」に、「0から10まで」の「読みやすさレベル」
(YL)があるように、「SSS式多唱」にも、「0から10まで」の「歌いや
すさレベル」(UL)が作成できると考えられます。
ちなみに、私が今練習している曲で言いますと、
“Moon River”
「UL」:2〜3 (メロディは単純で、歌詞も簡単)
お奨め度:4 (イメージは凄く綺麗)
“My Way”
「UL」:3〜4(メロディは単純だけど、一部、ずらして歌う必要がある)
お奨め度:5 (でも、歌詞の格好良さは抜群!)
“The Impossible Dream”
「UL」:5〜6(メロディは綺麗だけど、かなり早口で言わなくてはならない部分もある)
お勧め度:5!(5段階評価なので。個人的には、100とつけたいくらい格好良い!)
みたいな感じです(笑)
「洋楽」が好きな方、シャドウイングは駄目だけど歌は好きという方、
一緒にやってみませんか?
以上、用件のみですが、今回はこれで失礼します。
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