[掲示板: 〈過去ログ〉音のこと何でも -- 最新メッセージID: 3373 // 時刻: 2024/11/24(17:21)]
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お名前: 慈幻 http://mayavin.txt-nifty.com/labotadoku/
投稿日: 2005/6/27(23:01)
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"ありあけファン"さんは[url:kb:2086]で書きました:
どうも慈幻です。
〉慈幻さん こんにちは
〉ありあけファン@214万語(多読)/3万3000語(多聴)です
〉私は,SSS式での多読を始める前は,「音読」をかなり行いました.
〉最近,「シャドウイング」と「音読」とのつながりも自分なりに理解
〉できるようになってきたところでしたので,慈幻さんの論考はとても
〉興味深く読ませていただきました.
はい。そうやって自己分析の参考にして欲しいというのも、今回の論考
の趣旨です。
〉とてもわかりやすい理解方法ですね!
〉いままで,「難しい」と思っていた先入観が払拭できました.
解説書を何冊か読みましたが、コンピューターの比喩を使っていながら、
解説者がコンピューターのことをどうも分かってないような場合が多い
ようです(苦笑)
〉この問題,学習法との関連を考えると,一日も早い体系化が待たれる
〉ところですね.
う〜ん。創設者の二人も喧嘩別れして、分派が乱立している状態ですか
ら、当分は無理そうです…
〉私の場合はやはり,視覚がやや優位かな!
〉でも,聴覚がないととても不安になる.実際,音楽は大好きですし,
〉聴覚は必要なのだと思います.
〉「視覚優位だけど,聴覚は絶対に必要」←私はこんな感じですよ.
はい。そういう風に自己理解・自己分析の参考にしてください。
〉この部分なのですが,
〉脳内で再構成される元になるのは,
〉「現実のみならず,過去(ほんの一瞬前も含めて)に現実を元に再
〉構築されたものも含まれる」
〉と私は考えるのですが,どうでしょうか?
その理解であってると思います。
実際、かなりの間、「Dog」と聞いて、「ドッグ」と「脳内カタカタ変
換」された「脳内音読」しかできませんでしたし(苦笑)
〉つまり,ここで,さまざまな修飾や転化,干渉を受ける,ということ
〉ですね.
はい。その通りです。
〉そうですね.通常は意識しないですよね.
〉でも,意識する瞬間(厳密には,意識せざるを得なくなる瞬間)もあり,
〉そのような時は概して,「英文の視覚像」と「英文の聴覚像」の食い違い
〉があったり,上記の変換に時間がかかっていたりだと思います.
はい。多読をやってると、脳内の情報処理が再構成される移行期間があり、
その時に、色々と奇妙なことを体験するので、ああいう情報処理モデルを
考えた訳です。
〉〉英文の聴覚像 → 和文の聴覚像
〉〉という風に、変換=翻訳を行います。
〉これが起こると大抵,理解度が急降下するんですね.
〉完全に読書のリズムが(一瞬でも)崩れてしまいますから!
ただ、通常は、この「翻訳」が「理解」だと「誤解」されてます(笑)
〉確かに,「脳内音読」が伴わないときはすごく速度が上がっています.
〉それでいて,意識的に速く読んでいるわけでもない,そういう時です.
それはほぼ「速読」と同じ状態ですね。
〉もう一度変換するとなると,その部分のキャッシュ領域のメモリと
〉その処理速度の影響を受けるようです.
〉同じ「脳内音読」でも,すでに内容を理解している場合もあれば,「脳内
〉音読」と同時または直後に理解がついてくる場合,しばらくの時間差を
〉置いてから理解できる場合,といろいろあります.
〉さらに,脳の場合は完全なマルチタスクでしょうから,各タスクが消費
〉するリソースの影響も大きいと思います.
余り細かく考えると、変数が多くなりすぎるので、そこら辺の議論はばっ
さり省略しました(苦笑)
ただ、より厳密かつ詳細なモデル化をするとなると、その辺の議論も
避けられませんが、私はそんなにコンピューターに詳しいわけではな
いので、あそこまでのモデル化が現状では精一杯です。
ありあけファンさんは、かなりお詳しそうですから、その辺、色々と
モデル化してみてくれると大変有難いです。
〉私見では,シャドウイングは「記憶装置」の容量が小さくて済む方法
〉である,と理解しています.
〉個人差はあるでしょうが,入力装置から出力装置まで,途中にキャッ
〉シュメモリがいくつかあって,その容量と速度によって,人それぞれ
〉のやりやすいシャドウイングのタイミングが決まってくると思います.
〉(もちろん,演算量と演算速度,また演算を行うためのパイプライン
〉の数の影響や,演算対象となる素材によっても変わってくるでしょう)
確かに、理論上は、「語数の蓄積」が少なくてもできる訓練になる筈で
す。
ただ、実際は、そんなに簡単ではないので、何か他の要素があるのかも
しれません。
その辺は、今後の課題でしょう(笑)
〉シャドウイングを少し負荷をかけたりしながら変化させて行う方法も
〉ありますね.
〉一般にシャドウイングとは,流れてきた音声(入力)に対して,自分の
〉発声を(出力)を少しのタイムラグ(時間の遅れ)をおいて行う方法
〉ですが,
〉 (a) どんどん,タイムラグを少なくしていく
〉 (b) どんどん,タイムラグを多くしていく
〉ようにすると,面白い現象が見られます.
〉(a)の場合も,(b)の場合も,どんどん難しくなっていくわけではない
〉のです.
〉特に,(a)の場合,ある程度時間間隔が短くなると逆に易しくなる瞬間
〉があります.
〉これは,通常,必要とされるキャッシュメモリをほとんど利用しなく
〉なるため,CPUに負荷がかからなくて済む,ということだと思いま
〉す.
〉(その極限に対しては名前が付いていて,「オーバーラッピング」と
〉いうのは周知のとおりです)
タイムラグがほぼゼロになると、逆に簡単になるというのは面白いと
思います。
恐らく、人間が生得的に持っている「鏡像反応」をダイレクトに発揮
してるのだろうと予想されますが、私には出来ない芸当なので、詳細
は不明。
〉逆に,(b)の場合は少し複雑です.
〉(b)の場合は時間間隔を長くしていくのですが,長くすればするほど,
〉急速に難しくなります.
〉ただし,1フレーズ,1センテンスなど,まとまった単位分だけ遅れ
〉る時は,
〉一旦メモリをクリアすることができますので(コンピュータでいうバ
〉ースト転送),
〉時間間隔がある割には,とても容易になります.
〉そこで,一定の時間間隔を遅らせるのではなく,常にまとまった単位
〉だけの時間差をおいて繰り返す方法,が負荷が少ない方法として考え
〉られます.
〉これは,一般に,「リピーティング」という方法であることは周知の
〉通りです.
この辺、同時通訳なんかとの対比を考えると面白いのかもしれませ
ん(笑)
ただ、シャドウイングそのものが出来ないため、全く実感がないので、
分析しようという気力が…(爆)
〉まだまだあります.
〉まとまった単位が複数のセンテンスになってくると,通常のキャッ
〉シュメモリには入りきりません.
〉2次キャッシュが必要になります.
〉それだけ,演算速度は落ちますが,一旦,記憶して繰り返すことになり,
〉この方法は「リテンション」と言われることがあります.
〉このようにして,だんだんと,
〉 入力→1次キャッシュ→2次キャッシュ
〉と進むにつれ,正確に記憶しておくことが難しくなってきます.
〉そこで,通常はすでに記憶装置に記憶してある内容を読み出してくるこ
〉とにより補っているのです.
〉記憶装置の内容の助けを借りれば,もっと長い単位でも再生が可能です.
〉「リテンション」の単位をどんどん長くすることもできるわけです.
〉また,記憶装置の内容のみを使って再生することも可能です.
〉これが,「音読」として知られている方法ですね.
〉音読は,かなりの部分を記憶装置を活用することになっています.
はい。純粋に「演算装置」と「キャッシュメモリ」(作業記憶&短期記
憶領域)を酷使するより、「記憶装置」を併用した方が、負荷が少ない
ため、「楽しい」と感じやすいのではないか、というのが私の予想です。
〉この記憶装置を利用する泣き所は,入力の時と同じく,既存の(記憶
〉装置内の)「脳内感覚=イメージが」の影響,すなわち,修飾,転化,
〉干渉を受けてしまう,
〉という点です.
〉記憶装置の内容をすっかりと洗い流すためには,できるだけ途中のメ
〉モリを介さずに,ダイレクトに入力していくことが必要で,そのため
〉にはキャッシュ(特に1次キャッシュ)の効率と精度を高める必要が
〉あり,
〉それが酒井先生の推奨されているシャドウイングだと思います.
〉つまり,次に入力があったときに1次キャッシュの効率と精度が高まっ
〉ていると,
〉それだけ2次キャッシュの効率と精度,記憶装置の精度が高まりやす
〉い,ということだと思います.
いえ、ここで異論があります。
ありあけファンさんの仮説ですと、「キャッシュメモリ」への入力を
繰り返すことでしか「記憶装置」の「データ書き換え」が出来ないと
いうことを前提にしています。
しかし、ばななさんやはまこさんの報告例や私の経験から考えて、
「記憶装置」の書き換えは、LRや「ながら聞き」など、「入力」の
絶対量を増加することでも可能だと思われます。
〉キャッシュメモリの処理速度や容量には制限がありますので,
〉私も「かなり難しい」というのが正直な感想です.
〉でも,上記の私見からもそうですし,実際にシャドウイングの効果
〉の大きさも体験していますのでシャドウイングはやめられません.
はい。私はシャドウイングの効果を否定する気はないですし、実践で
きる方がやめる必要があるとも思ってません。
単に、いきなりシャドウイングをさせるのは酷な人も居る、と言いた
いだけです(笑)
〉私の体感しているシャドウイングの効果とは,直接的には,
〉 ・ キャッシュメモリの処理速度の向上
〉 ・ キャッシュメモリの増設
〉のようです.たった3万3000語でこの2つが自覚できるのですから,
〉シャドウイングの効果がいかに大きいかがわかります.
はい。もし、そのような効果があるのだとしたら、それらを目的とする訓練
法としては適切だと思います。
ただ、普通の人が、普通に英会話をするのに、
・ キャッシュメモリの処理速度の向上
・ キャッシュメモリの増設
までが必要だとは思いません。
(同時通訳とか、高度かつ高速な情報処理を目指す人は、必須な訓練
だとは思いますが…)
〉自由に速度を調節できるほうが,敷居は低いと思います.
〉でも,記憶装置の記憶内容の精度が落ちるのは避けられず,
〉どちらを重要視するかは本当に難しい問題ですね.
〉私は,ゆっくりな音源でのシャドウイングも上記の1次キャッシュの
〉効率と精度を上げる効果があると思いますので,大いに意味があるこ
〉とと考えます(ORT,ICR2を中心に行っています).
「ながら聞き」など、時間はかかりますが、入力の絶対量を増やすこ
とで、記憶装置の記憶内容の精度向上を図れると思いますので、長期
的に英語運用能力向上を目指すのであれば、シャドウイングまで必要
かな〜というのが、正直な感想です。
〉ところで,「聴覚」以外の感覚が優位な(私のような)人に有用な
〉方法として,
〉L/R(音声を流しながら読んでいく)方法がよいような気がします.
〉シャドウイングの話題に隠れてあまりその効果が論じられませんが,
〉私も実践していてその効果には感動しています(ICR2,MTHを
〉中心に行っています).
はい。LRは非常に有効だと私は思います。何より、シャドウイングのよ
うに「キャッシュメモリ」を酷使しなくて済むので、心理的負担が少な
い分、「楽しい」と思える可能性は高いと思われます。
〉「英語の歌」とは,すごいところに気づかれたと思います.
〉またいろいろとお話を聞かせてください.
はい。シャドウイングと「キャッシュメモリ」の関係というのは、私に
は盲点でした。
非常に示唆的なコメントをどうも有難う御座います。
〉以上,私も私見を言いたい放題で失礼しました.
〉でも,長い間のモヤモヤをやっと文章化できてうれしいです.
〉慈幻さん ありがとうございます.
いえ、こちらも色々と刺激になりました(笑)
以上、要件のみですが、今回はこれで失礼します。
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