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お名前: KYO
投稿日: 2004/1/18(10:22)
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言語によって優先的に使われる周波数帯が違うというのはどういうことなのかだけもうちょっと説明しておきますね。このことがわかっていると発音のしかたの改善に役立つと思うので。
人の声というのは、声帯を振動させてつくるわけですが、声帯の振動というのはごく小さなものです。この振動を人間の耳に聞こえるように大きくするには、楽器と同じで共鳴器が必要です。人の共鳴器は、喉から口腔の部分、ここに音を響かせて大きくしています。舌の位置によってこの共鳴器の形は変ります。舌を下げれば、共鳴器は大きくなる、つまり音としては低い音が出る。舌を上げれば共鳴器は細く長くなりますから、笛のようなもので、高い音が出るんです。
言語によって優先的に使われる周波数帯が違うというのは、言語によって共鳴器の使い方が違うってことなんです。どの言語でも声帯の基本周波数は同じ(基音は同じ)だけれど、共鳴器の使い方が言語によって違っていて、例えば英語なら口の前、日本語なら奥、これの使い方の違いが倍音の成分の違いになって表れます。共鳴器を長く細く使う英語では高い周波数域の倍音が多くなり、共鳴器を大きく広く使う日本語では低い周波数域の倍音が多くなるんです。
英語は口腔の極めて前方部分で音を作る、それに対して日本語は口の奥の方で音を作るということは、実際に英語と日本語を発音して較べてみるといいと思います。実感できなければ、わざと日本語を唇を尖らせて口先で発音したり、英語を口の奥で発音したり(もろジャパニーズイングリッシュになります)してみるとよくわかります。
英語は口の前方部分で音を作る、またが唇や舌の緊張度が非常に高いことは、自分でもずっと以前に気がついていました。ホリー・ハンターっていう女優さんがいますが(映画『ピアノレッスン』でアカデミー賞をとった)彼女の話し方は特徴があってその真似をしているうちにあれ!と思ったんです。
ですから英語らしい音を出したいと思ったら、唇や舌の使い方を日本語とは変えて、口の前の部分で音を作るようにする必要があります。まず唇を前に突き出します、ただ突き出すのではなく、唇の内側の部分が外のひっくり返るような形(”チュウチュウ蛸かいな”の口)にします。舌を前に出し、上げます。舌が奥に引っ込んでいる人は、上半身を前に曲げて舌をべろんと出してください。そして上半身を起こす。はい、舌が出てますね。口の前のほうで音を作るには、1〜1.5mぐらい前方に音を飛ばすつもりで発音します。はい、それで英語を言ってみてください!
変りますか? こういうふうに書いてあるのを読んだだけで変えられるわけがないんで、私は毎日鏡を見て1年ほど練習しました。その中でじょじょに変っていったんです。要するに唇、口周り、舌の筋トレなので、腹筋と同じで、続けないとできるようになりません。特に上唇が反り返るようになるには時間がかかりました。
酒井先生が英語ネイティブの口の形をよく御覧なさいとおっしゃってると思うのですが、それはこのことなんです。英米人でも外から見てもはっきりわかりやすい人とそうでない人がいますから、私のおすすめはエリザベス・ハーレー(映画『悪いことしましヨ』とか)彼女はすごいラッパ口で話してくれるので、お手本にいいですよ。ちなみに私の口も英語を話そうとするとラッパ口なります。多少意識していないと日本語的な英語に戻ってしまうことがありますが、出す音を耳で聞いて「あ、マズイ」と気づきますから、すぐ直します。
あと、息ですね。日本人の話す英語は、子音がとにかく弱いので、聞きづらいんです。酒井先生は朗々としたお声で、日本語を話すときも腹式呼吸になっていらして、初めてお声を聞いたときはビックリしました。「あ、これなら英語もちゃんと息が出るワ」とうらやましかったです。英語ネイティブは腹式呼吸でお腹から声を出しているんで、しっかりと息が出せるんです。日本人はだいたいは胸式呼吸で、それを変えずに口先だけでいくら子音を強く発音しようとしても無理です。腹式呼吸にするには、簡単です、仰向けに寝て話します。私の場合、息の使い方がまだうまくなくて、シャドーイングや朗読の一番の問題は、息切れです。ちゃんと音をだそうとすると、息が続かないんです。「なんでコイツらは息が切れないんだよお!」とお手本の音に毒づいてます。たぶんどっかやり方がまずいんだと思うのですが自分ではまだわかりません。
腹式呼吸でお腹から息を出し、口の周辺部と唇と舌を緊張させ(固くこわばらせるのでなく、鞭のように力強くしなやかに使う。ボクサーがいつでもパンチが繰り出せるように構えてる感じとでも言えばピッタリするかな)口の前のほうで音を作り、1〜1.5mほど前方に声をとばす。たぶん、こうすれば英語らしい音が出せるはずです。
一口でこう書くのは簡単でも、実際やるのはねえ〜簡単じゃないです。
SSSのシャドーイング指導でも酒井先生はこういうことをいろいろアドバイスしてらっしゃるんじゃないかと想像します。個音のレベルまで英語らしくするのは、こういったことを意識して練習して、あと自分の出す音にじっと耳を澄ますことだと思います。
こういうやり方の解説なら私でもできるんです。だから英語教師として発音指導とかできるようになれたらいいなあって練習してたんですけど、私の場合はやっぱり耳がよくなくて、生徒さんが出す音がOKかどうかがわからないんです。これって致命的。教える人は、やり方を教えられなくても、「その音でいいよ、ダメだよ」っていえるだけでいいんです。これが一番大事なことで、酒井先生はその点をちゃんと聞分けてアドバイスなさっているでしょう。だからSSSでシャドーイングを指導してもらえる人って、すごくラッキーなんですから! もう、そこも強調しておきたいです。
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