[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/11/26(13:46)]
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: wkempff
投稿日: 2015/11/30(20:44)
------------------------------
多読をはじめて2年2か月、ようやく700万語、50冊を達成しました。
600万語~700万語は、主に、現代の古典を読むことにチャレンジしました。
2年間経過して、もちろん、たかだか50冊ですので、新しい本を読むと新たな発見があり、楽しみも苦労も尽きないです。
これから、さらに時代をさかのぼって古典を読むか、とも考えていますが、もう少し疲れないものを読もうか、という感じもしております。
今回ご紹介する作品の中では、Kane & Abelをもっともおすすめしたいです。英語は明快で格調高く、劇的な展開で飽きさせません。
もし気楽に、ということであれば、Shall We Tell the President?は、短く劇的であっという間に読めます。
Chandlerは、これらに比較するとタフですので、Native大人用の洋書を読み始めた、あるいは最初にチャレンジする人は、ちょっと覚悟をもって取り組まないと挫折するような気がします。
私としては、Farewell, My Lovelyを強くおすすめしたいです(世間的な評価は、The Long Goodbyeが最高傑作ということになっています)。
彼の特徴である、気障で気取った、あるいは皮肉な会話や表現、そして哀切なセンチメンタリズムは、こちらのほうが、よりむき出しの形であらわれていると考えるため、です。
Chandlerのテイストは、現在のハードボイルドの人気作家、Dennis LehaneやMichael Connellyに、色濃く反映しているように思います。
Lehaneの自然や情景の描写、緊張感の演出、そして、隠喩に富んだギャングの会話は、Chandlerの直系と言ってもいいでしょう。
なかなかに骨の折れる部分もありますが、私としては、何か新しい世界が開けたような気もします。
以下、長いですが、おつきあいください。
1.Jeffery Archerの大河小説
・Kane & Abel
・The Prodigal Daughter
・Shall We Tell the President?
Kane & Abelの3部作になっています。
Kane & Abelは、たまたま同じ日に生まれた、ボストンの大銀行家の息子Kaneと、ポーランドの田舎で猟師に拾われた捨て子からホテル王にのしあがったAbelの、生涯の確執を描く大河小説です。
アメリカでは同名のテレビドラマが大ヒットし、Archerの代表作として、広く認知されています。
Kaneは順調に銀行家となり、Abelはポーランド>イルクーツクの強制収容所>イスタンブール>ニューヨークと渡りってホテル王にのし上がりますが、ある誤解からKaneに深甚な恨みを抱くに至り、生涯、争いを続けます。
The Prodigal Daughterは、Abelの一人娘に焦点を当て、前半は、Kane & Abelの後半を、Abelの娘Florintynaの目を通して描き、後半は、野心あふれる美貌のFlorentynaが苦難の末アメリカ初の女性大統領になるまでを描きます。
Shall We Tell the President?は、大統領になったFlorentynaの暗殺計画を察知した若いFBI捜査員が、極秘の中に暗殺阻止と犯人逮捕に奔走するスリラーで、これは大河小説ではありません。著者は、Edward Kennedyを大統領にして初版を刊行しましたが、おそらくは、Edward Kennedyのスキャンダルによる失脚と、Kane & Abelの成功から、大統領をFlorentynaに入れ替えて再改版しました。
最後の作品はともかく、最初の2作は、アクションあり、恋愛あり、の、非常に多彩な顔を持つ大河小説となっています。そして、共通するのが、企業の取締役会、連邦議会内部の熱い議論や演説、そして、選挙演説の凄みです。Archerは、ロンドン市議会議員からキャリアをはじめ、イギリス下院議員となりますが、スキャンダルにより、政治家として大成する夢をあきらめました。そんな気合を感じる演説、読み応えがあります。
そして、富豪の私生活、下院議員選挙や上院議員選挙の内幕、大統領選挙やホワイトハウス内部(物理的な構造や調度などを含む)など、一般に知りえない部分が詳細に描かれている(本当かどうかはわかりませんが)ことも人気の秘密と思われます。
The Prodigal Daughterの日本語訳(ロマノフフスキ家の娘)は、なぜか絶版になっているようです。原著も書店に少なく、Amazon意外手にはいりにくいかもしれません。人気ないのかな。
2.元祖ハードボイルド、Raymond Chandlerの探偵もの
・Farewell, My Lovely
・The Long Goodbye
いずれも、Chandlerの代表作で、前者が1940年、後者が1953年の作です。
Chadlerは寡作で、長編は、探偵Marloweを主人公とした7編の長編のみです。しかし、この中で、作者は、主人公の私立探偵Marloweの中に、スーパーヒーローでなく、しかし、タフで情感にあふれ心に闇を持った探偵像を造形しました。
また、精巧なプロットよりも、ときに機知に富み、ときに皮肉で、ときに情感たっぷりの会話、そして深い人物描写が特徴、と言えるでしょう。
とくに、今回紹介する2作は、探偵ものとしてのみならず、純文学としても、アメリカの文学の古典に数えられています。
残念ながら、少なくとも私にとっては、読みやすい小説ではありませんでした。
まず、会話の場面が多く、丁寧に、話者の階級や知的レベルによって俗語など使い分けられていますが、ギャングとの会話など、省略が多すぎて理解しにくいところもあります。
また、単語が、現代の小説を読む目から見ると特殊で、びっくりすることもあります。私の語彙力が不足しているせいかもしれませんが。。。。。
たとえば、dough(現金、金)、hunch(予感)、grouse(まぬけ、のろま、原義はガチョウ)、gat(銃、gatterの略)、cabooth(調理場)、grand(千ドル)、c-note(100ドル札)、hooch(酒、密造酒)など。。。。
小説は、Marloweの一人称で進行します。
わけのわからない比喩、気障なセリフを楽しみ、ときにクスリと笑い、ときに感傷に浸る、そんな小説かと思います。
3.25年間ベストセラーを続け、すべての自己啓発書の原型、と言われる、The Seven Habits of Highly Effective People
著者は、4人のアメリカ大統領をはじめ、多くの企業経営者からコンサルを依頼され、公人、私人としての自己啓発の大切さを説いてきた人です。
出版から25年経過し、その内容、あるいは類似の内容は、各所で語りつくされた感があります。
しかし、Proactive、Synergy、WIN/WINなど、現在、ビジネスの場面でごく普通に使われる言葉は、この本をきっかけにビジネス用語になった、ということは、やはり、驚くべきことかと思います。
一貫して、交渉術のようなものでなく長期的に内面を鍛えること、良心や誠実さを大切にすることが説かれています。
Japan as No.1の時代にかかれているためか、日本の商習慣を見習いたい、という記述が随所にあり、現在の日本の状況を考えると、少し、残念ですね。
2013.10.11~ 2015.11.30
合計 50冊+3スクリプト
702万9千語
600万語通過以降
2015.8.1-8.11
The October List, Jeffery Deaver著 8万5千語
2015.8.12-9.8
Kane & Abel, Jeffrey Archer著 17万6千語
2015.9.9-9.26
Work Rules!, Laszlo Bock著 12万2千語
2015.9.27-10.13
The Prodigy Daughter, Jeffery Archer著 16万5千語
2015.10.14-10.20
Shall We Tell the President?, Jeffery Archer著 7万5千語
2015.10.21-11.8
The 7 Habits of Highly Effective People, Stephen R. Covey著 16万2千語
2015.11.9-11.18
Farewell, My Lovely, Raymond Chandler著 8万5千語
2015.11.19-11.31
The Long Goodbye, Raymond Chandler著 12万5千語
計702万9千語
------------------------------
付録です。けっこう、Chandlerが主人公Marloweに言わせた気障なセリフは、流通していて、いろいろなページに紹介されています。
以下、私が気になったところ。多くの人に注目されているものも、取り上げられていないものもあります。
私家版、迷言集です。
ちょっとしたコメントつきです。会話のいくつかには、迷訳をつけてみました。
まずは、Farewell, My Lovelyより。
He looked as nervous as a brick wall.
#煉瓦の壁のように神経質、って、たぶん皮肉(ジョーク)でしょうね。
I put the pink bug down carefully behind a bush.
I wondered, in the taxi going home, how long it would take him to make the Homicide Bureau again.
#Marloweは、ビルの11階にある警察の殺人課で刑事と話しているときに、出口が見つからずに飛び回っているピンクの昆虫を見つけ、そっとハンカチに包んで、ビルの外の花壇に放します。二番目の文は、ピンクの虫が再度11階まで上がっていくにはどのくらいの時間がかかるか、という意味。最後の場面で、また、ピンクの虫は出てきます。物語のストーリーとはまったく独立の、Marloweの感傷。
I rode down to the street floor and went out on the steps of the City Hall. It was a cool day and very clear. You could see a long way-but not as far as Velma had gone.
#哀切な小説の最後にふさわしい、結末の文。Not as far as Velma had gone. これは心に刺さります。
次は、しゃれた、気障な、あるいは意味深な会話。
“Who is this Hemingway person at all?”
“A guy that keeps saying the same thing over and over until you begin to believe it must be good.”
#Marloweは、刑事の一人にHemingwayというあだ名をつけます。刑事はHemingwayを知らず、Hemingwayって誰だ、と聞きます。返しの皮肉がいいですね。
しかし、小説が書かれた1940年には、Hemingwayは、陽はまた昇る、も、誰がために鐘は鳴る、も書いておらず、ノーベル賞も取っておらず、駆け出しの、知る人ぞ知る作家だったようです。
I sat beside her on the yellow leather chesterfield. “Aren’t you a pretty fast worker?” she asked quietly.
I didn’t answer her.
“Do you do much of this sort of thing?” she asked with a sidelong look.
“Practically none. I’m a Tibetan monk, in my spare time.”
“Only you don’t have any spare time.”
(試訳)
私は黄色い皮張の長椅子の、彼女の横に座った。
あなた、ほんとうに手が早くていらっしゃるのね、彼女は静かに言った。
私は答えなかった。
あなた、こういうこと、いつもなさっているんでしょう? 尋ねた彼女は流し目だった。
現実はそんなんじゃないですよ。暇なときは、私はチベットの僧侶ですよ。
それは、暇がないだけでしょう。
#普通の小説なら、このまま深い仲になりそうですが、ここで寸止めになるのが、1940年です。Chandler節と言えなくもありません。
“I said I’d call you.”
She sighed. “All men are the same.”
“So are all women-after the first nine.”
(試訳)
電話する、と言いましたよね。
男の人は皆同じね、と彼女はため息をついた。
それは女性もそうでしょう--最初の9人の後はね。
#これも、危ない会話だけで終わります。なんで9人なんでしょうね。
次は、The Long Goodbyeより
"Alcohol is like love," he said. "The first kiss is magic, the second is intimate, the third is routine. After that you take the girl's clothes off."
#これは、男性同士の会話。まあ、他愛ないといえば他愛ないですけれどね。
"Goodbye," she said coldly. "I always find what I want. But when I find it, I don't want it any more."
(試訳)
さよなら。いつも、欲しいものを見つけるけれど、見つけたら欲しくなくなるのよね。
#Marloweが唯一心を許せる女性との電話。美人でリッチな女性の本質を表しているような気がします。
There was a long dark hair on one of the pillows. There was a lump of lead at the pit of my stomach.
#心を許した女性と、行きずりのような、愛し合っているような微妙な一夜を過ごし、しかし、Marloweは別れを告げる決心をします。彼女が去った後、寝乱れたベッドの前で。
#ネタバレ風で恐縮ですが、Chandlerの最後の小説Playbackの最後で、この二人はよりを戻すようです。
I never saw any of them again-except the cops. No way has yet been invented to say goodbye to them.
#あまりにも有名な、最後の文。感傷だけでなく、警官にさよならを告げる方法は発明されていない、という、何とも言えない皮肉で終わるところがChandlerです。
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: たかぽん http://dandelion3939.blog38.fc2.com/
投稿日: 2015/12/8(23:38)
------------------------------
wkempffさん、700万語、50冊達成、おめでとうございます!!
〉600万語~700万語は、主に、現代の古典を読むことにチャレンジしました。
〉2年間経過して、もちろん、たかだか50冊ですので、新しい本を読むと新たな発見があり、楽しみも苦労も尽きないです。
2年で英語のペーパーバック50冊でしょう? とんでもない量だと思いますが。
月に2冊ペーパーバック読んでるって、ふつうではないですよ(笑)。
〉これから、さらに時代をさかのぼって古典を読むか、とも考えていますが、もう少し疲れないものを読もうか、という感じもしております。
余裕が感じられて、いいですね^^
〉今回ご紹介する作品の中では、Kane & Abelをもっともおすすめしたいです。英語は明快で格調高く、劇的な展開で飽きさせません。
アーチャーは読んだことありませんでしたが、意外に読みやすそうですね。ただ、この本は量がすごいですね。。
〉もし気楽に、ということであれば、Shall We Tell the President?は、短く劇的であっという間に読めます。
なるほど。これだけを読んでも大丈夫なのでしょうか?
〉Chandlerは、これらに比較するとタフですので、Native大人用の洋書を読み始めた、あるいは最初にチャレンジする人は、ちょっと覚悟をもって取り組まないと挫折するような気がします。
ちょっと読んでみましたが、確かにタフですね。日本語訳でも、何の話なのか、なかなか見えてこない。
〉私としては、Farewell, My Lovelyを強くおすすめしたいです(世間的な評価は、The Long Goodbyeが最高傑作ということになっています)。
〉彼の特徴である、気障で気取った、あるいは皮肉な会話や表現、そして哀切なセンチメンタリズムは、こちらのほうが、よりむき出しの形であらわれていると考えるため、です。
なるほど。参考になります。
〉Chandlerのテイストは、現在のハードボイルドの人気作家、Dennis LehaneやMichael Connellyに、色濃く反映しているように思います。
あっ、そうなんですか。コナリーはちょっと読んだことがあり、好きです。
〉Lehaneの自然や情景の描写、緊張感の演出、そして、隠喩に富んだギャングの会話は、Chandlerの直系と言ってもいいでしょう。
〉なかなかに骨の折れる部分もありますが、私としては、何か新しい世界が開けたような気もします。
なるほど。(こればっかりですが…)
多読で、ちょっと背伸びして読んで、ぐわっと扉が開くことがありますよね。
〉以下、長いですが、おつきあいください。
以下、たいへん参考になりました。ありがとうございます。
〉1.Jeffery Archerの大河小説
〉・Kane & Abel
〉・The Prodigal Daughter
このタイトル、おもしろいですね。
〉・Shall We Tell the President?
〉Kane & Abelの3部作になっています。
〉Kane & Abelは、たまたま同じ日に生まれた、ボストンの大銀行家の息子Kaneと、ポーランドの田舎で猟師に拾われた捨て子からホテル王にのしあがったAbelの、生涯の確執を描く大河小説です。
〉アメリカでは同名のテレビドラマが大ヒットし、Archerの代表作として、広く認知されています。
〉Kaneは順調に銀行家となり、Abelはポーランド>イルクーツクの強制収容所>イスタンブール>ニューヨークと渡りってホテル王にのし上がりますが、ある誤解からKaneに深甚な恨みを抱くに至り、生涯、争いを続けます。
〉The Prodigal Daughterは、Abelの一人娘に焦点を当て、前半は、Kane & Abelの後半を、Abelの娘Florintynaの目を通して描き、後半は、野心あふれる美貌のFlorentynaが苦難の末アメリカ初の女性大統領になるまでを描きます。
そういう話なんですか。おもしろそう。
〉Shall We Tell the President?は、大統領になったFlorentynaの暗殺計画を察知した若いFBI捜査員が、極秘の中に暗殺阻止と犯人逮捕に奔走するスリラーで、これは大河小説ではありません。著者は、Edward Kennedyを大統領にして初版を刊行しましたが、おそらくは、Edward Kennedyのスキャンダルによる失脚と、Kane & Abelの成功から、大統領をFlorentynaに入れ替えて再改版しました。
〉最後の作品はともかく、最初の2作は、アクションあり、恋愛あり、の、非常に多彩な顔を持つ大河小説となっています。そして、共通するのが、企業の取締役会、連邦議会内部の熱い議論や演説、そして、選挙演説の凄みです。Archerは、ロンドン市議会議員からキャリアをはじめ、イギリス下院議員となりますが、スキャンダルにより、政治家として大成する夢をあきらめました。そんな気合を感じる演説、読み応えがあります。
〉そして、富豪の私生活、下院議員選挙や上院議員選挙の内幕、大統領選挙やホワイトハウス内部(物理的な構造や調度などを含む)など、一般に知りえない部分が詳細に描かれている(本当かどうかはわかりませんが)ことも人気の秘密と思われます。
紹介うまいですね^0^
そうか、イギリスの人がアメリカを書いているのか。
〉The Prodigal Daughterの日本語訳(ロマノフフスキ家の娘)は、なぜか絶版になっているようです。原著も書店に少なく、Amazon意外手にはいりにくいかもしれません。人気ないのかな。
英語が読めてよかった、ってとこですね。
アーチャーの本をいろいろ見てましたら、マロリーの本があったので、いま読んでいます。
マロリーとは、エベレスト(チョモランマ)に初めて登ったかどうか?と今も議論のある人です。
近年、遺体が見つかったのですが、所持品に奥さんの写真が無かった。ということは山頂に?・・・
というプロローグから入って、なかなか面白い小説です。
〉2.元祖ハードボイルド、Raymond Chandlerの探偵もの
〉・Farewell, My Lovely
〉・The Long Goodbye
〉いずれも、Chandlerの代表作で、前者が1940年、後者が1953年の作です。
〉Chadlerは寡作で、長編は、探偵Marloweを主人公とした7編の長編のみです。しかし、この中で、作者は、主人公の私立探偵Marloweの中に、スーパーヒーローでなく、しかし、タフで情感にあふれ心に闇を持った探偵像を造形しました。
〉また、精巧なプロットよりも、ときに機知に富み、ときに皮肉で、ときに情感たっぷりの会話、そして深い人物描写が特徴、と言えるでしょう。
〉とくに、今回紹介する2作は、探偵ものとしてのみならず、純文学としても、アメリカの文学の古典に数えられています。
そうなんですか。うーん。読んでみたい。
〉残念ながら、少なくとも私にとっては、読みやすい小説ではありませんでした。
そうですね。さわりだけ読みましたが、ちょっとわかりにくい。
〉まず、会話の場面が多く、丁寧に、話者の階級や知的レベルによって俗語など使い分けられていますが、ギャングとの会話など、省略が多すぎて理解しにくいところもあります。
ですね。
面白かったのは、パトカーの警官が、「could of」と言ってるんですね。マーロウはちゃんと「could have」と言っている。藝がこまかいなと思いました。
〉また、単語が、現代の小説を読む目から見ると特殊で、びっくりすることもあります。私の語彙力が不足しているせいかもしれませんが。。。。。
〉 たとえば、dough(現金、金)、hunch(予感)、grouse(まぬけ、のろま、原義はガチョウ)、gat(銃、gatterの略)、cabooth(調理場)、grand(千ドル)、c-note(100ドル札)、hooch(酒、密造酒)など。。。。
ン?って引っかかってしまいますよね。。
〉小説は、Marloweの一人称で進行します。
〉わけのわからない比喩、気障なセリフを楽しみ、ときにクスリと笑い、ときに感傷に浸る、そんな小説かと思います。
長別れの最初のほうですが、日本語訳で「娘の態度がアイスクリームのように冷たくなった」とあるところ。原書では「A slice of spumoni wouldn't have melted on her now.」。うまいなぁと思いました。一切れのスプモーニさえ融けないぐらい。いいですね、こういうの。
〉3.25年間ベストセラーを続け、すべての自己啓発書の原型、と言われる、The Seven Habits of Highly Effective People
〉著者は、4人のアメリカ大統領をはじめ、多くの企業経営者からコンサルを依頼され、公人、私人としての自己啓発の大切さを説いてきた人です。
〉出版から25年経過し、その内容、あるいは類似の内容は、各所で語りつくされた感があります。
〉しかし、Proactive、Synergy、WIN/WINなど、現在、ビジネスの場面でごく普通に使われる言葉は、この本をきっかけにビジネス用語になった、ということは、やはり、驚くべきことかと思います。
〉一貫して、交渉術のようなものでなく長期的に内面を鍛えること、良心や誠実さを大切にすることが説かれています。
〉Japan as No.1の時代にかかれているためか、日本の商習慣を見習いたい、という記述が随所にあり、現在の日本の状況を考えると、少し、残念ですね。
日本語で読んだと思いますが、忘れてしまいました。。
しかし、内面を鍛えること、は印象に残っています。日本のこうした著書よりも意外に〝東洋的〟ですよね。
〉2013.10.11~ 2015.11.30
〉合計 50冊+3スクリプト
〉 702万9千語
〉600万語通過以降
〉2015.8.1-8.11
〉 The October List, Jeffery Deaver著 8万5千語
〉2015.8.12-9.8
〉 Kane & Abel, Jeffrey Archer著 17万6千語
〉2015.9.9-9.26
〉 Work Rules!, Laszlo Bock著 12万2千語
〉2015.9.27-10.13
〉 The Prodigy Daughter, Jeffery Archer著 16万5千語
〉2015.10.14-10.20
〉 Shall We Tell the President?, Jeffery Archer著 7万5千語
〉2015.10.21-11.8
〉 The 7 Habits of Highly Effective People, Stephen R. Covey著 16万2千語
〉2015.11.9-11.18
〉 Farewell, My Lovely, Raymond Chandler著 8万5千語
〉2015.11.19-11.31
〉 The Long Goodbye, Raymond Chandler著 12万5千語
〉計702万9千語
素晴らしいです。これからも楽しくお続けください。Happy reading!!
------------------------------
たかぽんさま、お言葉ありがとうございます。
〉wkempffさん、700万語、50冊達成、おめでとうございます!!
〉 2年で英語のペーパーバック50冊でしょう? とんでもない量だと思いますが。
〉 月に2冊ペーパーバック読んでるって、ふつうではないですよ(笑)。
もともと読書は好きなので、読めさえすれば、苦痛はありません。
100万語までは、一気に行こう、と、空き時間はすべて洋書を読んでいたように思います。その時期に比較すると、一日あたりの読書量は半分くらいになっていますが、まあ、ペースをつくれつつあるかな、というところでしょうか。
〉〉これから、さらに時代をさかのぼって古典を読むか、とも考えていますが、もう少し疲れないものを読もうか、という感じもしております。
〉 余裕が感じられて、いいですね^^
各所で絶賛されている、Kate Mortonの作品を読んでいますが、これが難しい。どうもミステリーらしいのですが、Alice Munro長編版のような感じで、すぐに頭の中にもやがかかってきます。そして、自然や人物描写が長く、なかなか話は展開せず、Quietな小説だな、とも思っています。また紹介させてください。
〉 このタイトル、おもしろいですね。
日本語で、The Prodigal Daughter = 放蕩娘、と訳すと、あちらの小説かと思われるので、「ロマノフスキの娘」としたのでしょうね。なぜProdigalかは、ネタバレになりますので、ここでは書きません。(ミステリーでなく大河小説ですので、いいようなものですが)
〉 アーチャーの本をいろいろ見てましたら、マロリーの本があったので、いま読んでいます。
〉 マロリーとは、エベレスト(チョモランマ)に初めて登ったかどうか?と今も議論のある人です。
〉 近年、遺体が見つかったのですが、所持品に奥さんの写真が無かった。ということは山頂に?・・・
〉 というプロローグから入って、なかなか面白い小説です。
おお!! Paths of Gloryですね。最近の作品、さらに円熟味を加えたことでしょう。
ストーリーテラーとしては、Archerはぴか一のように思いますし。
〉 長別れの最初のほうですが、日本語訳で「娘の態度がアイスクリームのように冷たくなった」とあるところ。原書では「A slice of spumoni wouldn't have melted on her now.」。うまいなぁと思いました。一切れのスプモーニさえ融けないぐらい。いいですね、こういうの。
なるほど。私は、まったく日本語訳は読まない方針でしたが、こちらは、村上春樹さんも新訳を出したことだし、読んでみるのも面白いかも知れません。
ということで、今後ともよろしくお願いいたします。
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
お名前: fauree1924
投稿日: 2015/12/25(16:50)
------------------------------
wkempffさん、お久しぶりです。
再び読ませて頂いております。
内容はもはや天を仰ぐレベルですので、語数だけ。
到達おめでとうございます!
今790万語ちょっとですから、恐らく近い数字ではないかと思います。
多読をさぼっていたら、多読の指南を頼まれて、多読に戻ってきた次第です。
自分も読まなくてはと思い、再び御返事させて下さい。
fauree1924
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
13295. fauree1924さま、ありがとうございます。
お名前: wkempff
投稿日: 2015/12/26(11:40)
------------------------------
そして、お帰りを歓迎します。
私の場合、多読(多読力?)は仕事と直接関係しないので、もっぱら楽しみのためにやっています。
語学力が高い、なんてことはなくて、「いいかげん読み」に磨きがかかっているだけです。
新宿の紀伊国屋(高島屋店)で、Kate Mortonの作品のセールをやっていて、平積みされているので、買ってみました。翻訳ミステリー大賞、このミス!翻訳部門2位、など、日本でも人気が上がっているので、どんなものか、と、気楽にとりかかりましたが、これが大変。大河小説、恋愛もの、ミステリーの顔を持つ、実に濃密な大長編で、時代も1920年代から現代にわたり、無茶無茶苦労しました。
反動から、単純明快でシャローなものを読み飛ばしているところです。
ということで、実力はまだまだ。
しかし、中高時代、ひたすら本を読んでいた(日本語です)青春時代を思い出したりしています。
Kate Mortonは難しいですがすばらしいので、また改めてご紹介します。
来年も良い年でありますように。またよろしくお願いします。
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
13296. Re: fauree1924さま、ありがとうございます。
お名前: fauree1924
投稿日: 2015/12/27(10:17)
------------------------------
"wkempff"さんは[url:kb:13295]で書きました:
〉そして、お帰りを歓迎します。
ありがとうございます。
〉私の場合、多読(多読力?)は仕事と直接関係しないので、もっぱら楽しみのためにやっています。
〉語学力が高い、なんてことはなくて、「いいかげん読み」に磨きがかかっているだけです。
多読のなせるわざではないですか。私のように、それがかえって出来なくて多読についてじっくり考えてはまたガチガチに多読的に読めてないようにして一応量だけは読む。
方向性が違うぶんだけ面白いです。
〉新宿の紀伊国屋(高島屋店)で、Kate Mortonの作品のセールをやっていて、平積みされているので、買ってみました。翻訳ミステリー大賞、このミス!翻訳部門2位、など、日本でも人気が上がっているので、どんなものか、と、気楽にとりかかりましたが、これが大変。大河小説、恋愛もの、ミステリーの顔を持つ、実に濃密な大長編で、時代も1920年代から現代にわたり、無茶無茶苦労しました。
〉反動から、単純明快でシャローなものを読み飛ばしているところです。
1920年代はまた油っこい時代ですね。
〉ということで、実力はまだまだ。
〉しかし、中高時代、ひたすら本を読んでいた(日本語です)青春時代を思い出したりしています。
実力は十分高いように思います。
中学の頃本が読めない子供だったので、あの頃読んでおけば良かったと今更ながら考えたりしています。
〉Kate Mortonは難しいですがすばらしいので、また改めてご紹介します。
是非お願いします。
〉来年も良い年でありますように。またよろしくお願いします。
関係ありませんが、昨日、アマチュアの大人の音楽会の代表をしているもので、その会を行いました。
実力は様々ながらお互いを褒め合い、人前で弾く事が、その方々に良い影響を与えたようで、まだその感動に浸っています。
以前、ピアノを弾く話しをされていたので、書かせていただきました。
また宜しくお願い致します。
良いお年を。
上へ | 前のメッセージへ | 次のメッセージへ | ここから後の返答を全表示 | 返答を書き込む | 訂正する | 削除する
13297. Re: fauree1924さま、ありがとうございます。
お名前: wkempff
投稿日: 2015/12/28(19:52)
------------------------------
再度ご返信ありがとうございます。
本日、James Pattersonのクライムスリラー、1st to Dieを読了しました。すべてにシャロー、劇画を文章にしたような小説で、何も考える必要はない。25日に読み始め、2日くらいで読めるかと思ったら、4日かかりましたが、こういうのを読み飛ばすのもいいかもしれません。
どの程度理解しているか、ですが、相当に独りよがりに自分の読解の状況を評価すると、
・ビジネス書や軽いミステリーやスリラー 95%以上
・へヴィーなスリラーや文芸もの 8割~9割前後
という感じかと思っています。
ビジネス書や軽い小説に比較し、Dennis Lehane、Alice Munro、Kate Mortonは、濃密な情景や心理描写で息苦しく、なかなか大変でした。
世間的評価に従うと、私が読んだ本の中でもっとも難解とされるのは、2013年のブッカー賞作品、The Luminariesと思われます。英国の批評の中に、難解すぎて、買った人の1割も読み通せない、というのがあります。しかし、これは、わざと古語をふんだんに使い、時系列を故意にバラバラに崩し、20人を超える人物の複雑怪奇な関係を断片的に並べている、ある種の実験小説という側面があるので、パズルを解くように読むと、まあ、なんとかなるのです。単語だけは調べないとわけがわからなくなりますが。
自分としては、人間心理を深く描きこんだものが課題かも知れません。
音楽活動もさかんになさっているとのこと、尊敬、応援します。
年末の演奏会で、アルベニスのイベリアから2曲演奏し、心身ともにくたびれ果てて、それから、2週間ほど、ピアノから離れています。
しかるに、師匠からメールが来て、プロコフィエフの6番ソナタを強く薦められました。たぶん、体力的技術的に無理ではないかと思い、どいう返事したらいいか、悩んでおります。