世界史クラブ出張所

[掲示板: 100万語超 報告・交流 -- 最新メッセージID: 13567 // 時刻: 2024/11/23(21:02)]

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8804. 世界史クラブ出張所

お名前: 杏樹
投稿日: 2006/11/22(00:56)

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柊さん、こんにちは。

〉 杏樹さん、こんにちは。お返事にお返事していくときりがないんですが、もうちょっとお聞きしたいことが、と思っているうちに書きたいことが増え、長くなっていくのが常です。

こういうことを聞かれるとこちらもどんどん長くなってしまいます。

〉 うーん、間者猫さんぐらいしか、思いつかないんですが、いらっしゃるのはいらっしゃるんですね。投稿されないだけで。

最近4周年を迎えた人では、9月にはKaakoさんが報告していました。他には「簡易報告」のところで、周年ではなくて1000万語報告をしているけんさん。「1000万語・3周年以上」のところでHANAEさん、久子さんが報告しています。あとバナナさんもです。

〉〉そうなんですか?そういえば普通の勉強なら「勉強」だけで「使う」ことがあまりないけど、多読は「使う」を兼用した勉強法だという発言が以前にありました。

〉 一般的な「英語の勉強」というと、私のイメージだと「英語について書かれた日本語の本」を読むという、しかも私の場合、日本語だけ読んでいたという...。

なんか、今の日本の英語教育の典型を見ているような気がします。日本語を読んでるから英語が上達しないんですね。

〉〉そんな話題を振ったら…世界史クラブに変身するではありませんか。
〉〉「俑」というのは人柱の代わりに考え出されたものでまあハニワも似たような物ですね。秦以前にはあまり見ませんが、その後漢代以降はお墓に常備しているものです。兵馬俑展では漢代以降のものもたくさん展示されていました。
〉〉しかし等身大は秦の始皇帝だけです。あとは1メートルもありません。あれだけのスケール、あれだけの大きさのものを作ったのは秦の始皇帝だけです。
〉 
〉 他にいないということは、やはり何らかの歴史的必然性が。
〉 始皇帝って、あの人ですか? ええと、「大地の子」で陸一心のお父さんが好きな、「皇帝が他国の侵略に備えるための塀を築くと言って、税金や労働を課したため、民が反乱を起こした。万里の長城を築くより、人心を得ることの方が重要だ」という詩の、あの人でしょうか。
〉 あらら、本当に世界史クラブまっただ中になってきました。

だから、そんな質問されたらいくらでも語り始めて収拾がつかなくなるんですよ…。
秦の始皇帝はとんでもない人物です。
名前の通り最初に「皇帝」を名乗った人物。
殷・周は国の範囲も狭く、周王朝の後半から乱世になり、戦国時代になってバラバラに国ができます。それを統一して一大国家を作り上げました。そして度量衡を統一し、文字を統一し、車輪と道路幅を一定にして流通網を作り上げました。始皇帝が中国が大きいながらも「中国」という一つの概念でくくることの出来る国の基礎を作ったのです。
You Wouldn't to work at Great Wall of China!でも読んでみたらいかがでしょう。

〉〉「俑」とは人の形だけではなく、馬や豚などの家畜、住居や日用品など多岐に渡ります。漢代以降の皇帝や貴族のお墓では陶磁器でさまざまな俑が作られています。サイズはミニチュアですが、いろんなものがあるので当時の生活を知るのにとても役に立ちます。

〉 やっぱり、物的証拠(?)を残しておいてくれると、助かりますね。確か、日本だと掘れない古墳がどっさりあるんでしたっけ。

天皇陵は宮内庁が管轄していてヘタに掘ると不敬にあたりますので。今の天皇のご先祖ですから…。

〉〉唐代になると唐三彩が有名です。あれはほとんどがお墓から出てきたものです。

〉 おおー。鑑定団で見るやつですね。え、じゃあ、墓泥棒? 盗掘?
〉 ミイラの盗掘とか、恐いですよね。ろうそく代わりに...とか、泣きます、もう。

盗掘で売り飛ばされたものありますが、最近はちゃんと「発掘」してるんですよ。日本に来てるものは戦前〜戦中に中国に行った日本人が持ってきたものです。今は国が管理してるので国外には持ち出せません。

〉〉その後時代が下るとだんだん少なくなっていきます。しかし中国では現在紙でさまざまな生活用品を作ってお墓に供える習慣がありますので、もしやこれは俑を作る習慣の名残ではないかと思っています。すごいんですよ。家に自動車、パソコンに食べ物、なんでも紙で作るんです。

〉 折り紙に近いんでしょうか。そうそう、西遊記の中でも、紙で作ったお札(普通のお札も紙?)をせっせと燃やして先祖供養する話がありましたね。

折り紙ではなくてペーパークラフトのほうが近いでしょうか。色や形など本物そっくりに作るんです。さすがに家や自動車はミニチュアですが…。
「西遊記」は明代の小説ですので、当時の風習を反映しています。そのころは「紙銭」を燃やして死者を供養していました。

〉 西遊記関係だと、「チャイナ・ドリーム」というアンソロジーに入っていた玄奘法師の話が好きでした。ある偉いお坊さんを論破したので名前が知られたのに、本人は納得していなくて、その辺りを調べるには、天竺でお経の原典を見ないといけないと旅立つという。
〉 いえ、なんだか、調べ出すとそこまで行っちゃうというところに親近感を感じてしまって。語学の天才だということになっていたのは、色んな民族の住んでいる地域を通るためには、確かに、必須条件かもと思いました。

玄奘が実際に生きた唐の時代の初めは唐の人が国外へ出るのは禁止されていました。それをおして経典を求めて密出国したのです。それだけ経典を求める意思が強かったのです。そして経典を翻訳するために語学を勉強が必要でした。玄奘が翻訳したお経は遣唐使などを通じて日本にも入ってきています。

〉 色々読んでみた、と言うにはまだ読んだことのある作家の数が少なすぎますが、Plaidyはあまり簡単な文章ではない気がします。難易度を考えてみると、
〉 Matilda & The vampire Lestat<普通のペーパーバック(サンプル数が少ないため、怪しい)<Plaidy
〉 何か、それぐらいの区分しかないですが、ダールのマティルダとか、レスタトの一人称のシリーズなんかは、勢いよくしゃべりまくられている気になるのが、同じ一人称でもプレイディだと淡々としていて。

やっぱり柊さんの読んでいる本はレベルが高いのでよくわかりません。マチルダとレスタト、ってどういう基準で選んだのか…。

〉 多分、プレイディのほとんどの主人公(特にアン・ブーリン)は、人間からはみ出ない範囲では、最大限に波瀾万丈な人生のはずなんですが、今の私の読解力もあるのか、なんだかものすごく淡々としていて、悟りを開いているような感じがします。
〉 明日辺りミイラになるために埋まりますというお坊さんのような。いえ、実際、明日辺り処刑でしょうかという段階から始まりますけど。

波乱万丈で淡々…不思議ですねえ。悟りを開いてしまってるんでしょうか。

〉〉そういえば以前「ボトムアップ」「トップダウン」という意見がありました。
〉〉従来の英語学習は「ボトムアップ」、つまり単語を覚えて、文法に従って文章の組み立てを覚え、文章の集まりが長い文章になり、本になる…という順番。
〉〉しかし「トップダウン」は全体のおおまかな流れ、おおまかな内容をとらえたら、だんだんひとつひとつの文章、個々の単語がわかってくる…というもの。
〉〉これこそ多読をしないと、従来の英語学習の頭では理解しにくいと思います。

〉 だとすると、流れをとらえられるかどうかが読みやすいかどうかの一番のポイント、ということでしょうか。

まあひらたく言えばそういうことになるかもしれません。おおまかな流れがわかったら細かいことは飛ばしても大丈夫、ということがありますから。

〉〉〉〉「Scarlet and Black」(PRG6)

〉〉日本語で投げたんですか?うーん。
〉〉これはジュリアンの成り上がり物語です。ナポレオンの時代が過ぎたのに、秘かにナポレオンに憧れて出世を夢見る青年の物語。しかも見た目が女の子のようにきれいで頭がいい、特に記憶力抜群と言う設定。それを見込まれて良家の子どもの家庭教師に推薦され、その家の夫人を誘惑して望みを遂げようとしたらミイラ取りがミイラ。本気で好きになってしまいます。見つからないように逢引をするところはPGRでもハラハラしました。
〉〉とりあえずジェラール・フィリップで映画化されてますので、そちらを先に見たらいいんじゃないかと思います。

〉 ここがもう少し聞きたかったんです。
〉 綺麗で頭が良くて、という設定かと思って読んでいたら、時々地の文にトゲがあって、本当はそうじゃないと言いたいのか、それとも、本当は主人公が嫌いなのか、と思って、投げてしまったんです。ええと、夫人を誘惑している辺りまでは読みました。
〉 訳文の問題だったんでしょうか。
〉 最終的に、結局頭があまり良くなくて、とかいう風にひっくり返る訳ではないんですよね?
〉 すいません、何を聞いているのかわからなくなりました。

つまり、ジュリアンは貧乏な家の出なのに出世を夢見る野心家なんですが、野心を燃やす割りに結局恋愛で身を滅ぼすんです。レナール夫人を利用するつもりが本気になってしまうとか、それでレナール家を追われてしまうとか。そのあたりが皮肉っぽい結果になっているということではないかと思います。
また、当時ナポレンオンは失脚してフランス国民の人望を失ってしまっているのに密かにナポレオンに憧れているのも皮肉っぽい設定だったりします。

〉〉〉〉「Anna of Bizantium」
〉〉〉〉「緋色の皇女アンナ」というタイトルで日本で出版されていて、本は見たことがありました。ビザンティン時代のお話なんて珍しいので読みたいと思って原書を買い置きしていましたが突発的に読みました。最初はわかりにくかったですが、Annaの人生が有為転変でハラハラドキドキ。

〉〉〉 そういえば、私も持っていた気が、しかも途中まで読んだ気が。杏樹さんが書いているのを読んだのも何かの縁。近いうちに読み返してみましょう。縁だらけになりますね、この掲示板。

〉〉けっこう厳しい内容です。主人公の性格がねえ…。ついていけないとツライかも。

〉 確か、赤ん坊に嫉妬して呪いをかけようとする(見事なまでに、学校で習った通りの比較の構文でした)ところまで読みましたが。その後も、問題がありますか。うーん、読みやすいかどうかは主人公の性格も大きいですよね。

怖いですよねー、弟に対する敵意。これがだんだん悲惨な結果を招くことになっていくんです。主人公は子どもですが、こういう児童書ってアリなのかと思います。

〉 東ローマ。聞いたことがあります。コンスタンチノープル=イスタンブールも聞いたことが。名前しか聞いたことがありませんが。

ローマ帝国は末期になると疲弊してローマの都を捨ててコンスタンティノープルを都にします。そしてさらに東西に分裂します。ゲルマン人が西ローマ帝国を滅ぼして一応古代のローマ帝国はおしまいになりますが、東ローマ帝国はその後1000年続きます。

〉 ローマ帝国というと、カルタゴを滅ぼした小スピキオ(?)がなぜか泣いたとかいう話しか知らない。確か、自分が滅ぼした都市のように、自分の国もいつか滅びるとか考えて泣いていたとかいう。
〉 カルタゴって、今はチュニジアという国だそうですが、その国がまた暑いそうで、そんなところで生活して、ただでさえ暑いのにさらに暑くなりそうな戦争なんかして。色んな国の文化なんか読んでいると、ここで育ったら、考え方もずいぶん違う人になるよなーと、北海道育ちは思います。

カルタゴは北アフリカです。ローマ時代のころは地中海を中心にぐるりと取り巻くようにいくつかの国が栄えて地中海文化圏を作っていました。

チューダー朝以外の歴史の本も読んでみませんか?日本語でもいいですから。

〉〉〉〉「Rowan of Rin」

〉 少しか参考になったら、嬉しいです。
〉 この本に手を出して以来、せっせせっせと児童書を読んでいます。日本語ですけど。

詳しく教えてもらって、続きを読もうかと言う気持ちになりました。
でも児童書なら原書を読みましょうよー。

〉〉柊さんもヒストリカル・ロマンスに興味があるんですね。といってもあまり歴史背景など出てきませんが。

〉 いえ、現代物で恋愛をやっていると、うじうじするなと後ろから蹴飛ばしたくなるんですが(小心者なので、現実にはやりません)、歴史物になったり、英語になったりすると、少し現実離れする気がして、読みやすいんです。
〉 こう、ちょっと遠いところのお話で、という感じがして。

それはありますね。

〉 本筋(そもそもそんなものはない?)からそれますが、ちょっとご相談。Jean PlaidyとPhilippa Gregoryの違いなどという話題、どこでだったら出来るでしょうか。そもそも、どこだろうと可能なのかという次元から始まってしまいますけど。
〉 二人ともペーパーバックが出ていて、アンとメアリのブーリン姉妹、ヘンリー八世の死からエリザベス一世の即位まで、メアリ・ステュアート、キャサリン・オブ・アラゴンと、このぐらい重複する題材があるんですが。
〉 歴史小説なので、本質的にネタバレは存在するのかという話はさておき、とりあえず、ラストはわかっているぐらいでないといけないような、あと、細かいところはさておき、あらすじというかその作品特有の味付けもわかっていないと参加できないような話がしたいんですが。
〉 言ってて、無理そうな気がしてきました。世界史クラブでも、参加する気になる人いるでしょうか。
〉 YLは多分、グレゴリーがBridegertonぐらいで、プレイディはもっと上という気がします。

読んだことがないのでわかりませんが、「本のことなんでも」の広場が妥当なのではないでしょうか。そこならPBを読んでいる人もいますし、YL的に読みたいと思ってもらいやすいかもしれません。
読む人が増えたら柊さんの願いもかなうのではないでしょうか。

それではHappy Reading!


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